ぼくらの町の大事件

京王帝都3・・・三菱ふそうがやってきた!

1972年、信じられないことが起きました。府中営業所にこれまでなかった三菱の新車が配置されたのです。それも、長尺3扉車。
その後、約7年間にわたって、府中営業所は三菱車の増備が続き、それまで慣れ親しんだいすゞ車や日産ディーゼルは数を減らし続けたのです。


京王帝都電鉄 三菱B800N(1972年式)
京王帝都

多摩22か493 社番:B3162
撮影:国立駅(1977.7)

三菱登場のトップバッターは、呉羽ボディの3扉車。呉羽ボディは、おでこが丸かったり、バス窓だったりと、これまで入っていた車両より古めかしい外観なのですが、長尺の3扉車というインパクトが勝り、小学生にとっては魅力的な新車に映りました。
なお、この年式から前面の方向幕に系統幕が併設されます。これも古めかしいスタイルを目立たなくしたマジックでした。

京王帝都電鉄 三菱B800N(1972年式)
京王帝都

多摩22か493 社番:B3162
撮影:府中営業所(1981.10.10)

1980年頃の更新の際に、新塗装(簡易塗装)に塗り替えられました。
丸みのある外観には、このカラーデザインはよく似合います。

京王帝都電鉄 三菱B800N(1973年式)
京王帝都

多摩22か813 社番:B3189
撮影:武蔵小金井駅(1980.7)

1973年の新車は、前面スタイルがモデルチェンジされました。
これは、友達が先に発見し、「新車が入った」と教えてくれました。その友達とともに目にした新車は、見慣れない前面スタイルでした。しかし、横や後ろはこれまでと変わらないので、「前だけだよ、新しいのは」と知ってたふりをしてしまった私です。

京王帝都電鉄 三菱B800N(1973年式)
京王帝都

多摩22か814 社番:B3190
撮影:府中駅(1983.7.29)

京王帝都

多摩22か812 社番:B3188
撮影:国立駅(1983.1.3)

新塗装に塗り替え後の姿。多分、1981年くらいに車体更新を受け、新塗装になったのだと思います。

京王帝都電鉄 三菱B800N(1974年式)
京王帝都

多摩22か891 社番:B3199
撮影:国立駅(1980.8.10)

1973〜74年には呉羽ボディと三菱ボディが並行導入されており、それ以降、三菱ボディに統一されました。
個人的な感覚ではありますが、三菱ボディは観光バスに多いというイメージがあり、この長尺路線車もかなりの貫禄のあるスタイルに見えていました。
(白黒写真に色付けしてみました)

京王帝都電鉄 三菱B800N(1975年式)
京王帝都

多摩22か1003 社番:B3215
撮影:国立駅(1977.7.)

京王帝都

多摩22か999 社番:B3211
撮影:国立駅(1982.11.21)

1975年には、新塗装(簡易塗装)に変わるとともに、サッシ窓にモデルチェンジしました。
こんなに新しいバスなので、もうリベット止めではないだろうと思って近づいて見てみたら、鋲頭のごつごつがたくさんあったので、残念な気持ちになりました。

京王帝都電鉄 三菱B800N(1975年式)
京王帝都

多摩22か2377 社番:B3224
撮影:国立駅(1983.7.19)

同型車ですが、多摩ナンバーでは1982年に登録されています。三菱の新車投入が終了した後にも、都心(永福町)から三菱車の転入はあったということのようです。

京王帝都電鉄 三菱B800L(1975年式)
京王帝都

多摩22か1015 社番:B3241
撮影:国立駅(1977.7)

三菱3扉車は長尺車が主体でしたが、標準尺車も少しは混じっていました。前ドアの後ろの窓が2枚しかないのが見分けられる点です。
もっとも、リアルタイムでこれの存在を意識していたかどうかというと怪しくて、府中営業所は長尺車だけだったと思い込んでいたような気がします。

京王帝都電鉄 三菱MP117N(1976年式)
京王帝都

多摩22か1188 社番:B3018
撮影:府中駅(1985.1.10)

京王帝都

多摩22か1191 社番:B3020
撮影:府中駅(1985.1.15)

1976年の新車は、前面窓が2枚ガラスで大きくなりました。
それだけの違いかと思っていたら、だいぶ後になって、これはMPという新シリーズであったことを知りました。
運転席直後の縦長の窓が、1975年のB8では固定窓でしたが、開閉可能な窓に変っています。
どんなに新しくなっても、後ろのおでこが丸かったり、前面に向けての絞り込みがあったり、昔のバスのイメージが抜けきらないところが、三菱車の残念なところでした。

京王帝都電鉄 三菱MP117N(1977年式)
京王帝都

多摩22か1319 社番:B3050
撮影:府中駅(1985.1.15)

京王帝都

多摩22か1311 社番:B3044
撮影:国立駅(1983.1.4)

翌年も同じ形が入っています。ドアの窓など、細部に違いは見いだせるようです。

京王帝都電鉄 三菱MP117N(1978年式)
京王帝都

多摩22か1537 社番:B3062
撮影:府中駅(1985.1.10)

1978年には、三菱ボディがモデルチェンジし、窓が大きく、各部をユニット化した斬新なスタイルになりました。特に後面ガラスがルーフラインまである大型で、方向幕が内蔵されている姿は、これまでにない試みでした。
しかし、府中営業所への三菱車の配置はこれが最後になり、約7年間の大事件は予告なく終わりを告げたのです。

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80s岩手県のバス“その頃”