その後の廃車体

岩手県北バス1(日野車1・・・路線タイプ)

ここでは、2000年代に残る岩手県北自動車の廃車体のうち、日野の路線タイプの車両をまとめます。メトロ窓でも、正面のおでこに方向幕のあるスタイルの車両は、路線タイプとしています。

日野BK
廃車体
BK11

撮影:53様(紫波町 2012.5)

岩手県北自動車 日野BK11(1959年式)
BK11

撮影:53様(紫波町 2012.5)

日野センターアンダーフロアエンジン車。前ドアですが、短尺の「ブルーリボン・マイナー」BKです。
ポルト出版の「金沢ボデーのアルバム」の巻末表によると、県北バスに納入された金産ボディは1959年の1両のみ。その1両が残されていたということのようです。
(撮影者によると、2013年8月時点で撤去済み)

日野RB/RC
廃車体
RB10

撮影:キュービック様(岩手県 2009.5.29)

岩手県北自動車 日野RB10(1967年式)
RB10

撮影:キュービック様(岩手県 2009.5.29)

県北バスにしてはノーマルな中ドアツーマン車両。金産ボディのRB10です。
ボディスタイルは1964〜67年式を示しますが、ポルト出版「金沢ボデーのアルバム」巻末表によると、エアサスでないRB10は1967年式しか納入されていないので、年式を推察しました。

廃車体
RB10

撮影:長谷川竜様(岩手県 2014.5.24)

岩手県北自動車 日野RB10(1967年式)
RB10

撮影:長谷川竜様(岩手県 2014.5.24)

上の廃車体と同形の金産ボディのRB10です。
車体全体が青く塗られた廃車体ですが、その青色の褪せた部分から、県北バスカラーが覗いています。
このタイプは、上記の書籍によると3両しか納入されていないため、3両中2両が岩泉町で廃車体になっているということになります。現役時代も、宮古営業所など沿岸部で使用されていたと想像できます。

廃車体
RB10P

撮影:終点横川目様(岩手県 2007.12.15)

岩手県北自動車 日野RB10P
RB10P

撮影:終点横川目様(岩手県 2007.12.15)

岩手県南バスにありそうな中ドア増設の観光タイプですが、よく見ると色は岩手県北バスでした。県北バスの2ドア車というのは、希少な存在です。
増設された中ドアは金産ボディのもののようで、方向幕こそ増設されていませんが、後に岩手県交通に移籍したRE100Pと同程度の改造です。

廃車体
RB10P

撮影:キュービック様(岩手県 2009.5.29)

岩手県北自動車 日野RB10P
RB10P

撮影:キュービック様(岩手県 2009.5.29)

県北バスの中ドア増設車。上にある山田町のものと比べると、中ドア位置が半ピッチ前にあります。元々あった中ドアサイズの窓部分を活用しなかった理由は何でしょうか。
正面には、ライト上の社名表示窓も残ります。
帝国ボディで1964〜67年式。

廃車体
RB10P

撮影:キュービック様(岩手県 2009.5.29)

岩手県北自動車 日野RB10P
RB10P

撮影:キュービック様(岩手県 2009.5.29)

同じく県北バスの中ドア増設車ですが、こちらは金産ボディ。
前ドアの窓に「しめきり」の文字があります。つまり、中ドアのみで運用されていたという証し。と言うことは、2ドアワンマン改造されたのではなく、中ドアツーマンに改造する際、ついている前ドアはそのまま残したということでしょうか。
確かに、ワンマン表示板や側面スピーカーが見えません。

廃車体
RB10P

撮影:岩手県交通ファン様(岩手県 2007.9.8)

岩手県北自動車 日野RB10P
RB10P

撮影:海さん様(岩手県 2005.10.1)

金産車体の貸切タイプです。
私も“その頃”に撮影したものと同じもの。劣化はあまり進んでいないようです。むしろ当時より障害物がなくなった分、綺麗に撮影できるようになったようです。

日野RE/RC
廃車体
RE100P

撮影:キュービック様(岩手県 2009.6.17)

岩手県北自動車 日野RE100P

帝国ボディの前ドア車ですが、オーバル形ライトに独特の形状のマスクをつけ、さらに正面窓2枚ガラスという仕様です。
このマスクは、RE/RC初期の日野のカタログで見られたものですので、この車両も1968年式あたりかも知れません。2枚ガラスの正面窓も初期のカタログでは見ることができました。

廃車体
RC300P

撮影:キュービック様(岩手県 2009.7.11)

岩手県北自動車 日野RC300P
RC300P

撮影:キュービック様(岩手県 2009.7.11)

屋根のカーブが深い金産ボディのメトロ窓車。恐らく元は貸切車だったと思われますが、側面の広告看板や後面のバックテレビ取付座など、最後は路線バスで使われていたことが分かります。
正面の飾りマスクは金産ボディの特徴が表れていますが、この車両はオーバル形ヘッドランプが残されているのが特徴です。

廃車体
RC300P

撮影:53様(岩手県 2005.8.20)

岩手県北自動車 日野RC300P
RC300P

撮影:53様(岩手県 2005.8.20)

金産ボディの格下車です。金産ボディ独特の屋根の丸みや側面最後部の三角窓をもっています。最後は路線バスとして使用されていたようで、出入口表示や後面の広告などが残っています。
草に隠れて見えませんが、この廃車体、タイヤはないそうです。

廃車体
RC300P

撮影:左党89号様(釜石市 2004.11.6)

岩手県北自動車 日野RC300P

金産ボディの丸みが懐かしいRC300P。このような感じの車両は何種類もあったようですが、廃車体を見る限り、県北バスには側面最後部の小窓がないタイプが多かったようです。
正面のライト周りの飾りにも数種類ありましたが、これは最終期の1971年式あたりでしょうか。
(撮影者によると、2011年の災害で滅失した模様)

廃車体
RE100P

撮影:キュービック様(岩手県 2009.5.28)

岩手県北自動車 日野RE100P
RE100P

撮影:左党89号様(岩手県 2005.3.26)

畑で農機具置き場になっている廃車体。側面後部の丸みのある窓から、金産ボディであることが分かります。
年式は1968〜69年の間だと思います。正面のライト周りは、金産ボディ独特のグリルが取り付けられています。
なお、当初左党89号様より後部の写真を頂いていましたが、その後、キュービック様より前側の写真も頂きました。

廃車体
RC300P

撮影:キュービック様(岩手県 2009.5.29)

岩手県北自動車 日野RC300P
RC300P

撮影:キュービック様(岩手県 2009.5.29)

金産ボディの前ドア車。元は貸切車として導入されたものと思いますが、ワンマン改造されています。
正面のライト間には飾りがなく、シンプルな路線バス顔です。
なお、正面窓の運転席側上部に、小さなワイパーがあるのに撮影者が気付きました。現時点では上を向いていますが、これで方向幕をすべてかくことはできないので、本来は運転席からの視野確保のためだと思います。このようなワイパーには初めて気付きました。

廃車体
RC300P

撮影:終点横川目様(岩手県 2007.11.25)

岩手県北自動車 日野RC300P
RC300P

撮影:終点横川目様(岩手県 2007.11.25)

金産ボディの前ドア車で、最後は宮古地区の路線バスで使用されていたタイプです。金産ボディの特徴である側面最後部の三角窓がなく、後ろのほうを見ると帝国ボディに近づいてきているようです。
恐らく1971年式くらい。

廃車体
RC300P

撮影:左党89号様(岩手県 2005.5.29)

岩手県北自動車 日野RC300P

県北バスの路線顔をした観光タイプ廃車体。窓配置から格下げ車のRC300Pで1973〜74年式と思われます。よく見ると、左右のヘッドライトをつなぐ吊り橋形のグリルが見えてきます。

廃車体
RC300P

撮影:終点横川目様(岩手町 2008.7.13)

岩手県北自動車 日野RC300P

タイヤ置き場になっているメトロ窓の日野車。フロントマスクが隠れているため、年式や型式はよく分かりません。恐らく貸切格下げ車。フロントガラスは割れてしまっています。
(ストリートビューによると、2014年5月〜2023年8月の間に撤去)

廃車体
RC300P

撮影:岩手県交通ファン様(岩手県 2007.5.12)

岩手県北自動車 日野RC300P

路線マスクの貸切格下げ車ですが、茶色1色に塗りつぶされています。
1972年以前の車両のようですが、冷房用のサブエンジンがついています。私が現役時代に見ている車両とは細部が異なります。

廃車体
RE100P

撮影:終点横川目様(岩手県 2007.12.8)

岩手県北自動車 日野RE100P
RE100P

撮影:終点横川目様(岩手県 2007.12.8)

日野の前ドア車ですが、今まで県北バスにはないと思っていたバス窓車です。ただ、側面(前ドア次位)と後面に方向幕があり、後面窓が2枚ガラスであるなど変った仕様です。譲受車や注文流れである可能性もあります。
年式は1968〜72年の間と思われます。窓周りの塗り分けや社名の書き方などは後のサッシ窓車と共通の特徴を持っています。
型式は推定。

廃車体
RE100P

撮影:終点横川目様(岩手県 2007.11.25)

岩手県北自動車 日野RE100P(1976年式)

メトロ窓車ですが、最初から路線バスとして導入された車両。エアサス車ですが、冷房はありません。宮古地区などに多く投入されていた気がします。
畑の隅に放置されているような廃車体です。

廃車体(岩22か828)
RE100P

撮影:岩手県交通ファン様(軽米営業所 2003.3)

岩手県北自動車 日野RE100P(1977年式)

岩手県北自動車の前ドア路線車の廃車体で,岩22か828の現在の姿だと思われます。このタイプ(サッシ窓でヒサシが深いタイプ)は1両だけの存在でした。
「バスラマ20」(1993年発行)で既に廃車となっていましたので、10年以上この姿を残しているものと思われます。
(2003年3月末にて軽米営業所が廃止されたため,この廃車体も撤去されたそうです)

廃車体(岩22か1435)
RE101P

撮影:終点横川目様(岩手県 2007.12.8)

岩手県北自動車 日野RE101P(1979年式)
RE101P

撮影:KT100様(岩手県 2020.3.4)

路線タイプの前ドア車で、メトロ窓車の多い県北バスの中で、この時期まとまった数が導入されていました。乗り降り両方を行なう前ドアは、幅広になっています。
2020年にKT100様が追加取材をしていただきまして、現役時代の登録番号が判明しました。山田営業所の所属車でした。
所有者自らが県北バスから引き取り、カラオケ教室として活用していたそうです。しかし、2011年の津波で浸水し、レーザーディスクなどが被災。今は薪ストーブを置いて、応接室になっているとのこと。

廃車体
RE101P

撮影:終点横川目様(岩手県 2007.11.25)

岩手県北自動車 日野RE101P(1981年式)

路線タイプの前ドア車で、県北バスが1970年代後半から増備していたタイプ。路線バスタイプになったものの、ハイバックシートやエアサスなど居住性は観光タイプに劣りません。特にこの車両は最終期の1981年式で、冷房付となりました。
県北バス全エリアに配属されていた車両ですが、通常側面の社名が「岩手県北自動車株式会社」となるところ、この廃車体はロゴの切り文字となっています。

中型バス
廃車体
RL320

撮影:岩手県交通ファン様(岩手県 2005.11.6)

岩手県北自動車 日野RL320

県北バスのローカル線に見られた中型車。宮古地区に多く配置されていましたが、一戸など県北地区にもありました。

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