その後の廃車体

岩手観光バス

ここでは、岩手観光バスの廃車体をご紹介します。岩手観光バスの廃車体は“その頃”にもあまり多くは見かけませんでした。その傾向は今もあまり変わらないようです。
なお、岩手観光バスは2001年9月に岩手県交通に統合されています。

廃車体
岩手観光バス

撮影:一関市民様(盛岡市 2005.4.3)

岩手観光バス 三菱B805K
岩手観光バス

撮影:一関市民様(盛岡市 2005.4.3)

このカラーは岩手観光バスの旧塗装ですが、三菱車。それも三菱ボディ。
岩手観光バスでは、1969年に国際興業グループ入りするまでは三菱車も導入していましたが、呉羽ボディが多かったようです。三菱ボディは、北東北では下北バスなど少数派だったと思います。
窓配置やエンジン通気孔などから型式を推察しましたが、B8系列の中ではごく初期の1967〜68年式と思われます。

廃車体
岩手観光バス

撮影:幹アキいーろく様(岩手県 2024.11.3)

岩手観光バス 三菱B805K
岩手観光バス

撮影:幹アキいーろく様(岩手県 2024.11.3)

集会所に使われていたと思われる廃車体で、ボディに絵が描いてあったようです。
前面の社名表示下に青と赤の細線が見えるほか、屋根にV字形のデザインが残るので、岩手観光バスの旧塗装だと思われます。
窓柱の太い部分があるので冷房車。後面は尾灯が丸形2灯でウィンカーが窓の両脇にあります。

廃車体
BU15KP

撮影:長谷川竜様(岩手県 2013.6.1)

岩手観光バス いすゞBU15KP(1973年式)

岩手観光バス旧塗装をベースにした廃車体。1992年撮影のものが報告済みですが、まだ残っていました。
旧塗装で廃車になったのは1973年式まで。それ以降は現役時代に国際興業貸切カラーに塗り替えられています。
屋根上のラジオアンテナが懐かしさを誘います。

廃車体
CRA580

撮影:一関市民様(雫石町 2004.10.17)

岩手観光バス いすゞK-CRA580
CRA580

撮影:一関市民様(雫石町 2004.10.17)

ハイデッカⅠ型。「V10S」のマークが残るリアスタイルから,1980〜82年式のCRAだと思います。
譲受車としては岩手県交通でも見られたボディですが,これはメトロ窓が傾斜しており,またリアウィンドウが大きいので,岩手観光バスのオリジナル車と推察します。
側面などに白く塗りつぶされた個所があるのは,自家用の送迎バスなどに使用されていたからでしょうか。

廃車体
岩手観光バス

撮影:幹アキいーろく様(岩手県 2024.5.3)

岩手観光バス いすゞCRA650(1978年式)
岩手観光バス

撮影:長谷川竜様(岩手県 2013.5.25)

呉羽自工でスケルトン風に近代化改造をした車両。元々は川重のハイデッカーⅠ型でした。
幹アキいーろく様の調査により、型式、年式が判明しました。
岩手観光バスの自社発注車ではハイデッカーは1979年式以降ですし、元国際興業ではこの年式だとCRA580になるはずなので、この車両は岩手観光バスが丹後海陸交通(または大阪ヤサカ観光)から譲受した車両だと思われます。
私がこの地にいた頃は原形のハイデッカーⅠ型でしたし、1994年発行の「バスジャパン・ハンドブック」では既に廃車となっているので、まさかこのスタイルに改造されているとは知りませんでした。(注1)

廃車体
岩手観光バス

撮影:終点横川目様(岩手県 2007.2.12)

岩手観光バス いすゞCRA650(1978年式)

やはりハイデッカーⅠ型をスケルトン風に改造した車両。
当初、1984年式と推察していましたが、側面ウィンカーや後部ダクトがない点などから、上の車両と同型車という結論に至りました。
前輪のホイールのみ交換されている点が特徴です。

廃車体
CSA650

撮影:長谷川竜様(岩手県 2013.6.1)

岩手観光バス いすゞK-CSA650(1982年式)

正面2枚ガラス・側面固定窓のハイデッカーⅣ型。このスタイルは元国際興業だと思われます。
参考文献によると,1991〜92年に国際興業から譲受した車両があるので,それだと思われます。

廃車体(岩手22き594)
LV719R

撮影:53様(花巻営業所 2003.8.26)

岩手観光バス いすゞP-LV719R(1987年式)

富士重工製ボディのHD2型スーパーハイデッカーの廃車体です。現役時代の登録番号は岩手22き594だそうです。参考文献によると,この車両は元西東京観光バス。
正面窓下が黒いのは,IKコーチのスーパークルーザーのカタログカラーに合わせたため。同じ国際興業カラーでも,岩手観光バスはこの塗り分けを堅持していました。
なお,この車両はボディの社名から岩手観光バス時代に廃車になったものと想像できますが,この場所は岩手県交通の営業所です。

廃車体
CCM370

撮影:MX−9735様(紫波町 2003.10.26)

岩手観光バス いすゞK-CCM370
CCM370

撮影:MX−9735様(紫波町 2003.10.26)

岩手観光バスの中型車の廃車体です。短尺のCCM370で、本文にある「岩22あ96」とよく似ていますが,正面ヒサシが深いため,1980年式以降と思われ,違う車両であることが分かります。
私がいた頃には見た覚えがありませんが,80年代後半にどこかから譲受されたものと思われます。
(注2)
(ストリートビューによると、2013年8月時点で撤去済み)

廃車体
CDM410

撮影:一関市民様(一関市 2005.8.13)

岩手観光バス いすゞK-CDM410

自家用バス風のカラーに塗られた廃車体ですが、正面の社名表示板に「岩手観光」のロゴが残っていました。
デラックス仕様の正面グリルは、“その頃”に国際興業から譲受した岩22あ101を思い出しますが、こちらはヒサシの深い1980年式以降のスタイル。もっと新しいものと思います。

注意事項
本ページは、「廃車体は文化遺産である」という趣旨によって作成しております。当サイトを訪れる方は、この趣旨を御理解いただける方だと思いますが,万が一,本ページの悪用による廃車体への損傷等があった場合は,本ページ及び関連する事項は即刻削除いたします。
(注1)
1994年発行の「バスジャパン・ハンドブック19」では、岩22か1737・1738(1982年)、岩22か1897(1983年)、岩22か2046(1984年)の4両が前構改造車で残存している。このうち岩22か2046は後部フラッシャーが原形のままで、残り3両は角形に交換されている。
(注2)
1994年発行の「バスジャパン・ハンドブック19」では既にこの車両は存在していない。
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80s岩手県のバス“その頃”