* 『玄洋社発掘―もうひとつの自由民権』増補版の刊行は1997年8月25日のことである。しかし、出版記念会の話は出ないまま年を越え、私は急激にやせ始めた。そして、ついに20キロ以上も体重を減らした(そのことは『部落史は思ったよりおいしい』の「まえがき」に書いた通りだ)。
9月に手術をして入院中、大谷賢二さんが、私個人による常設講座の計画を進め始めた。スタートを99年1月からとして、大谷さんはその主宰する福岡歴史研究会(講座運営の主体)の発会式とからめて、遅ればせながらの出版記念会を設定したのである。
私はほおがこけて吹けば飛ぶようにやせていた。その会で出席してくれた方々に宛て、記念の品に添えたのがこの一文だ。
私は自分自身について語ったことがほとんどなかったので、この機会にと思って、「出会いの記憶」をたどってみた。 |