2003.08.30(日本晴れ・モルディヴ多分晴れ) & 役立つ(?)モルディヴ情報

・Go to the paradise!!なんにもない贅沢

『モルディヴの感想:なんにも無い所だった』

世界の国々、30カ国あまりを旅してきたという旅行の達人が語ったモルディヴの感想。
何も無いから良いとも、悪いとも、その先は記されていなかったが私は思わず首を傾げてしまった。
この人にとって旅とは何だろう?一体モルディヴに何を求めて訪れたのだろう?
不思議で仕方なかった。

水上コテージのデッキチェアーでコッソリ洗濯干し確かにモルディヴにはなんにも無い。
今まで私が旅した南の国と比べても何も無い。
これと言った名産品、特産品も無い。
だから観光が盛んな国なのに有名なお土産も無い。
1島1リゾートのそこへ行けば、ホテル内でのショーは楽しめるもののナイトスポットとは無縁。
首都マーレへ行けばショッピングも楽しめるが、1島1リゾートの島へ渡ればあるのはホテルの売店くらい。
珊瑚が波で砕かれた砂でが集まって出来た島だから山も丘も谷も無い。

あるのは底抜けに青い空と、頬を撫でる太陽の香りイッパイのオレンジの風、果てしなく透明で光り輝くコバルトブルーの海、そして綿のように優しい白い砂だけだ。
本当にモルディヴにはそれ以外のモノが無い。

そんな何も無い国だからこそ我々夫婦は旅に出た。
なんにも無いを求め、紺碧のインド洋に浮かぶ宝石のような島々モルディヴを訪れた。
モルディヴは教えてくれる。何も無い贅沢を。何もしない贅沢を。

・Drink. Drink. Drink. Drink. Drink!!!お土産とスリランカ航空

モルディヴへのアクセス。経由便の中では最短時短で行けるのがスリランカ航空のコロンボ乗換えの便。(羽田発着)
何にも無いモルディヴに行くには直行便よりもこちらの方が都合が良いのではないかと私は思う。

お土産に最適。スリランカの紅茶コロンボでのトランジット時間は1時間少々と非常に待ち時間が少ないが、お土産を買うための時間としては充分だ。

空港内にあるお茶屋さんではスリランカ製の紅茶をお手軽な値段で購入出来る。
お手軽な値段で購入出来る上にお茶葉の味も良く、パッケージも可愛いかったりするのでコレ以上最適なお土産は無いように思う。

モルディヴに行ったのにお土産がスリランカ製のお茶というのも何か変な感じもするが、本当にモルディヴには何も無いので安くて、味も良くて、見た目も素敵な品を買おうと思ったらそれこそ至難の技。

とくに私のように、一秒でも長く離島に居たいの!首都マーレに足を伸ばすショッピングツアーには参加しないわ!という方には是非スリランカの紅茶をオススメしたい。

まぁ、私が考えそうな事は他の旅行客も考えているって事で、モルディヴから日本に帰国する便でのお茶屋さんの込み具合は尋常ではなかった。
モルディヴを訪れた人々はあまりのお土産の無さ加減にスリランカ製のお茶に頼りっぱなしといった感じだった。
混雑を逃れるためには、行きのトランジットの時に予め購入する銘柄や商品を下見し、目星を付けておくのがいいだろう。
そして帰りのトランジットでは真っ先にお茶屋に飛び込むのではなく、先ずは同じ空港内にある足裏マッサージを受け、疲れを癒し、お土産購入客が一頻り買い物を終えた後で混雑の解消された店内へと足を運べばいい。
それで充分間に合うから。

お茶の他にオススメなのは香辛料の類。
こちらもお値段お手頃で家庭持ちの方や料理好きの人には喜ばれる品となるだろう。

個人的趣味の話になるが、もし知人、友人がモルディヴに限らず南の島に旅行に行くと言うのなら、私はお土産にパレオを注文する。
南国テイストたっぷりのパレオは身にまとうだけでなく部屋のインテリアにするのも素敵。
我が家ではカーテン代わりに、目隠し代わりにとパレオを活用している。
ソファーカバーにするのも良さそうな感じだが、あいにく現在我が家にあるパレオはソファーに合う色柄が無く断念している。
ただ、これは好き嫌いがハッキリする物なのでお土産として渡しても喜ばれない場合があるので用心したい。
私が欲しい物=相手が欲しい物  だとは限らないのだから。


さて、そんな私オススメのスリランカ航空、コロンビア経由の旅だが、スリランカ航空添乗員の行動(サービス)についてはオススメ出来ない。#ファーストクラスに乗っていたら、そんな事無いのかもしれないが。

「Chicken? Beef? Or fish?」
「…チキン、プリーズ……。」

「Chicken? Beef? Or fish? Chicken? Beef? Or fish? Chicken? Beef? Or fish?」
「…………フィッシュ。」

「Drink. Drink. Drink.」
「…サンキュー。」

「Drink. Drink. Drink. Drink. Drink!!!」
「………。」

こんな場面を一体何度見ただろうか。

機内食と飲み物のサービス。
飛行機に乗り込めば当たり前になされるサービスだが、寝ている客を無理やり起こすってのは如何なものだろうか。

客が明らかに寝ている場合、客室乗務員は機内食やお茶のサービスがあった事を伝えるメモを残し、その場を離れるものではないのか。
客の立場を考えてこその接客ではないのか。
次々と眠っている乗客を叩き起こし、やれ機内食だの、やれお茶だのを差し出す客室乗務員の姿に深い(不快)疑問を覚えた。

行きの飛行機では常識的な時間に食事やお茶が出るので、まだ良しだが、帰りの飛行機は深夜の2時、早朝5時に無理やり起こされ目の前に機内食を並べられるのは正直苦笑いの行為だった。
時間も時間だったが、遊び疲れてグッタリしているのだからなおさら。
無理やり起こされてサービスを受けている乗客は皆、寝惚け眼で食事やお茶を受取っていた。

しかし、私が一番呆れたのは別の事だった。
私の手元に届いたカップにヒビが入っていたようだ。
客室乗務員が暑い紅茶を注いでくれた途端、そのヒビは熱でパッカリと開いてしまい、そこから熱い液体が噴出すように零れてきた。
注いでくれた乗務員はとっととその場を離れてしまっている。

幸い近くに座っていた欧米女性の機転で難を逃れ、火傷こそしなかったものの私の周囲は熱い紅茶の海と化していた。
彼女がいなかったら私は一体どうなっていたかと思う。
感謝の気持ちをうまく伝えられなかった自分が悔しい。

別の客室乗務員を呼び寄せ、カップが割れている事、そこから熱湯が吹き出た事を告げ、悲惨な状態を見せたのだが彼らから一切の侘びの言葉は聞かれなかった。
侘びの言葉どころか、何一言たりとも彼らは発しなかったというのが正解かもしれない。
私の周りの紅茶の海は彼らの手によって清掃され、私の手元には無言と共に新しいカップと新しい紅茶が届いたが、どうも釈然としなかった。

そして、これは実に異様な光景として私の目には映ったのだが、彼らは乗り継ぎのコロンビア空港に到着すると両手に殺虫剤スプレーのようなものを持ち、それを高々と掲げプシュー!!!と勢い良く発射させながら機内を闊歩した。
それも一人や二人でではない。
何人もの客室乗務員が両手にした殺虫剤を噴射しながら機内を練り歩くのだ。
両手の殺虫剤を誇らしげに掲げ、右往左往する客室乗務員の集団。
当然物凄い量の殺虫剤が宙を舞う。
それはまるで何かの儀式のように、実にキビキビと、そして活き活きと、さらに厳かな雰囲気で進行していくのである。
これは、もぉ、異様な光景ではあったが、ひたすら臭くて敵わなかった。
虫除けのためだと思われるが、噴射する量が尋常ではなかった。

興味がある方は一度経験してみるといい。一度で嫌になる事請け合いだ。

・ハーレ・キヒネ!!!(はじめまして)

スリランカ航空客室乗務員の不可解、不愉快な行動に悩まされつつ、座席に設置してあるビジョンが故障してしまい映画を観る事も、ゲームをする事も出来ず、無事モルディヴ、マーレ空港到着。
現地時間は既に午後10時20分。
タラップを降り立った空港の周りが海だというのはなんとなく感じられるが、如何せん真っ暗なので何も見えない。
入国審査の列に並び、順番を待つがあまりにも人が多くてなかなか進まない。
この混雑っぷりは日本でもなかなかお目にかかれない。とにかく人が多い。
よくよく見ると、タヒチの時とはずいぶん違う雰囲気だと気づく。
やたら若いカップルが目立つ。
挙式を終えたばかりと思われる本物の新婚さん達。ピチピチで鮮度抜群といった感じ。
新婚のフリをした我々夫婦。居並ぶカップルの中、若干浮いた感じは否めず。

どの位列に並んでいただろうか、一体何十分待たされただろうか。イスラム教の人独特の生真面目そうな雰囲気を醸し出す入国審査員とのやり取りを終え、ようやくモルディヴ入国。
ハーレ・キヒネ!!!モルディヴ!!!


だが、しかし、ここから先が長かった。
空港の目の前は船着場。すぐさま送迎のスピードボートに乗れるものだとばかり思っていたが、甘かった。甘納豆位甘かった。

「スコーシ、マテテー。」

出発前に手渡されていた日程表に書かれたホテルのクルーとの待ち合わせ場所。
それは思いっきり間違った場所が書かれていた。当然向かった先には誰も居ない。
暫しの間観光客とお迎えの人間で混雑するロビーを放浪したが、奇跡的に合流出来た。
ホっとしていると怪しい日本語で船着場のベンチで待機しているよう言われる。

一体、彼らの言う「スコーシ」とはどの位なのだろう。
船着場のベンチで待たされる事、軽く1時間以上。
南国の蒸し暑い夜の風はロングフライトで疲労している体からも容赦なく体力を奪っていく。
溢れる程に居た人々は数人、また数人とスピードボートに乗せられ、気づけば人影もまばらになっている。
ひょっとして我々は置いてけぼりをくらったのではないだろうか…そう散々心配した後、ようやく先程のクルーが現れる。彼に即されスピードボートに乗り込む。
ああ、やっとホテルのベッドに横になれるんだな…と思ったら甘い。甘納豆位甘い。
我々の宿泊するOlhuveli Beach & Spa Resort(南マーレ環礁)はマーレ空港(北マーレ環礁)からスピードボートでぶっ飛ばしても軽く1時間かかってしまうのだ。


漆黒の闇を疾走するスピードボート。
これが実に恐ろしい。

「キャー、キャハハハ!!!」
「うわっ!水しぶき飛んできたよ!」
ボートが発進して間もない頃は無謀とも思えるスピードで波間を走り抜ける感触に黄色い声を上げたりもしたが、如何せん辺りは真っ暗。
到着したのが昼間で、周りの景色が見えていれば少しは違ったのだろうが、暗闇というのは恐怖を増長させる。
何も見えない暗がりをまるで飛ぶようにして前に進むスピードボート。
あまりのスピードで進むため、ボートが宙を舞い、そのまま勢いで飛んで前進し、また海面に叩きつけられる。
ガツンッガツンッ!!!という振動で体は上下に揺れる。
こんな調子だから段々恐怖を覚えるようになる。
時折クルーが懐中電灯のオヤダマみたいなヤツで海面を照らしているのと、遠くに点灯する灯台の光。それだけを頼りに進んでいるのだから余計に『大丈夫なのか?珊瑚に乗り上げて座礁したりしないのか?』と不安にもなる。
我々夫婦を始め、一緒に乗り合わせた他のカップルも時間の経過と共に無口になっていった。


恐怖とスリルをたっぷり味わい、ようやくホテルに到着。
日本人のホテルマン(女性。今後Aさんとする)に案内されレセプションでウェルカムドリンクに舌鼓を打ちながらチェックインの手続き。
は〜…なんて事ないフルーツジュースがこんなにも美味しく感じる。これもきっと南国マジックなのね。
同時にチェックインした客は我々を含む三組の日本人カップル。そしてやや年配の欧州人カップルが一組。
日本人客は翌日午前10時にここレセプションに集まるよう指示され、それぞれの部屋へと案内される。
時刻は既に午前2時を回っていた。

・旅の目的。夫婦の目論見

荷物を運んでくれたポーターにそれぞれ1ドルを渡し、水上コテージである部屋に侵入。
嗚呼、なんて素敵なの…。
大好き!お姫様ベッド
真っ先に目に留まったのは憧れのお姫様ベッド。
天蓋から吊るされたレースのカーテンが否応にも気分を盛り上げる。

そうよね、そうよ、こうでなくっちゃ。
なんにも無いを求め、モルディヴにやって来た我々夫婦。
だが、しかし、この旅。我々にとって、重大な任務、意味があった。

モルディヴを訪れる事を決め、旅立つ日を心待ちにしていたある日。
二人に夫婦存続の危機が訪れる。
夜毎早朝まで繰り返されるケンカ。
部屋を占領する怒鳴り声と罵声。
ワイシャツのボタンが飛び、体に刻まれる青い傷。
憎しみ、怒り、悲しみ、嘆き、疑惑、不信、不安。
全ての負の感情がそこにあった。
モルディヴ行きの事等、二人の頭の中からは既に消え去っていた。


それでも我々夫婦はもう一度二人でやり直す事を決意した。
悩んだ結果、モルディヴにも二人で足を運ぶ事にした。
素敵なベッドメーキングそして、この旅を我々夫婦二人の新たなる第一歩。やり直しの旅だと意義した。
ベッドメーキングされたシーツは「HAPPY HONEY MOON」と似非新婚の我々を迎えてくれた。




そう、この旅が我々夫婦にとって真の新婚旅行。
そして心身共に疲れ果てていた私の静養の旅でもあった。
それから、もう一つ。
子作りが目的の旅でもあった。


水上コテージのベランダに出て、夜空を眺め、漆黒の闇に包まれた波の音だけが聞こえる海を感じ、この日は静かに眠りについた。



*ハネムーナーとして宿泊を申し込むと、アートと言える素敵なベッドメーキングとシャンパン、フルーツのサーヴィスを受けられます。

・オルベリ・ビーチ&スパ・リゾート

モルディヴ旅行の第一歩はリゾート選びから始まる。
1島1リゾートのモルディヴは滞在型のバカンスが基本。
食・住・遊の全て滞在する一つの島がステージになる。
だからモルディヴの旅は島(リゾート)選びが重大なポイント。
だからこそリゾート選びもモルディヴ旅行の楽しさの一つだと言える。
旅の目的、旅人の趣味・好み、そしてお財布の加減に合わせ、リゾート選び。この作業のなんと楽しい事か。

今回、我々は以下の4点に重点を置き、行き先を絞り込んだ。
1.リーズナブルな水上コテージ
2・マーレ到着後、その日のうちにリゾートに移動可能(北マーレ環礁、もしくは南マーレ環礁。その他の環礁に行く場合は、マーレに一泊したし、翌朝水上飛行機で移動となる)
3・リゾート内でシュノーケリングが楽しめる
4.ビーチがキレイ

私が提示したこの条件に見合うリゾートを我が配偶者兄ちゃんが幾つかピックアップし、その中から私が選んだのがオルベリ・ビーチ&スパ・リゾート
兄ちゃんが挙げてきたどのリゾートも皆魅力的だったが、最後の決め手はビーチ。
このオルベリは南の島マニアに絶大な人気を誇る雑誌『海と島の旅』で行われている投票、ダイブ&トラベル大賞のビーチ部門、ワールド・ベスト・ビーチで常にトップに君臨し続けてきたリゾートである。
*残念な事に2004は惜しくもトップの座を奪われ、2位に転落してしまったが、それでも世界2位なのだから充分過ぎると言えよう。


オルベリのビーチは、その美しさの最大の魅力は干潮時に現れる何処までも続く砂洲。
リゾート内にあるウォータースポーツセンターのボートで月暦と干潮、満潮時間をアナウンスしているので事前にチェックし、時間を狙って計画的に砂洲探索に出掛けるといい。
大潮の干潮時だと何十キロもの砂洲が登場するので探索のし甲斐がある。
所々、砂洲が途切れて海中を進まなくてはならない場合にも遭遇するが、それもまた冒険心をそそるというものだ。
中には背が立たない程、砂洲と砂洲の間に深い海に阻まれたりもするので、シュノーケルとマスクを持っていくと楽に渡れて便利だと思う。
ただし、あまり遠くまで行ってしまうと潮が満ちて来、それまで砂洲だった所は当然海中へと沈んでしまう。戻って来れなく恐れもあるので、ほどほどに。

我々も干潮時に数回砂洲探検に出掛けたが、砂洲から眺めるモルディヴの海はビーチから眺めるそれとはまた違った印象。
焼け付く日差しの中体力を消耗しながらの探検だったが、そこで見た光景は深く心に刻まれている。多分一生忘れられない。
砂洲への旅は行って後悔するという事は先ずないだろう。
想像してみて欲しい。真っ青な海の中にポッカリと浮かび上がった真っ白い砂の砂洲。
そこに立ち辺りをグルリを見渡せば360度真っ青な海がどこまでも果てしなく続くその光景を。
しかし近年地球温暖化が原因で海面が上がり、出現する砂洲の面積は年を追う毎に狭くなっている。
美しいビーチを守るためにも、地球に優しい環境は我々の手で作っていくべきだと思う。

オルベリは1周15分程度の小さな島。
島の周辺は遠浅でシュノーケリングを楽しむには物足りないが、メイン桟橋の先がドロップオフになっており、多くの魚達と出会う事が出来る。
運が良ければウミガメにも出会える。

モルディヴといえば、リゾートに到着するまでハネムーナーが来る所…というイメージだった。
しかし、それは大きな間違い。
ハネムーナーらしきカップルは殆どが日本人でその人数も少なかった。
宿泊客の大半以上は欧州人ファミリー。
食事時に辺りを見渡せば心行くまで日焼けした白人ばかり。
海外に来てまで日本人の顔は見たくない!という人には文句のない環境。
(ただし、水上コテージに占める日本人率は非常に高かった。欧州人の殆どはビーチ・ビラに泊まっていた)
中には大きなお腹を抱えたイギリス人女性や、乳幼児をダッコしたイタリア人女性の姿もよく見られた。
彼らにとっってモルディヴを旅するのは、日本人が近場の温泉へ家族連れ立って出掛ける感覚なのだろう。


食事は事前に非常に美味しいと噂を聞いていたが、それ程でも…というのが正直な感想。
ビッフェスタイルの食事だが、メニューは豊富でバラエティに富んでおり飽きる事はなかった。
味と量は別問題。ともかく量や種類については問題なかった。
フルーツやデザートの類は少々物足りなさを感じたが。
たまにスイカがデザートに出ると、甘くて美味しい物に餓えた宿泊客が一斉に群がるので、アっと言う間に無くなってしまう事態に陥っていた。
摩訶不思議な日本食に遭遇する事もあった。
すき焼とプレートに書かれてはいるが、どう見てもすき焼に見えない肉入り野菜炒めのようなものを食べてみたが、これが結構なかなか、どうして美味しかった。
他にも出汁巻き卵や、親子丼なども見かけられた。
醤油は常時置いてあったのでオリーブオイルとミックスし、オリジナルのサラダドレッシングを作って試してみたが、これもなかなかイケた。
まぁ、美味しい食べ物を求めて南の島に来る人は居ないだろうし、ほんの数年前まではこういったリゾートの食事はとにかく酷いものだったのだからその頃と比べるとずい分マトモな食事になっていると思う。


ジェッティの向こう側に沈む夕日を眺められるカフェは海側のテラスがオススメ。
人気のある場所なので早めに出掛けて確保したい。
我々夫婦は初日を除いた毎日、日の入り時刻を見計らってここへ出掛け、辺りが暗闇に支配されるようになるまで飽きる事無く水平線を眺めた。
南の島に来たのなら一日中アクテビティで疲れる程遊び回るよりも、こんな風に贅沢に時間を過ごすのが何よりの心のご馳走になるのではないだろうか。
濃いオレンジに包まれる空の下、このカフェに集まってくるのはホリディを楽しむ事にかけては上級者の欧州人ばかりで日本人観光客の姿は我々夫婦と根っからのシュノーケラーといった風貌の老夫婦と娘一人の家族連れだった。
他の日本人観光客はこの美しいサンセットよりもエクスカーションの方が魅力に感じるのだろう。
現にジェッティに到着するドーニ(船)から降りてくるエクスカーション帰りの宿泊客は日本人だらけ。
そんな日本人のツアーで疲れきった背中に沈む夕日を眺めるのも、我々には日課だった。


時差は日本よりもモルディヴが4時間遅い。
また、リゾートによっては通常のモルディヴより早いリゾートタイムを採用している所もある。
オルベリは1時間のリゾートタイムを採用しており、我々が訪れた時期は丁度7時頃に日が昇ってきたので朝日が目覚まし代わりになった。

-----No Shoes. No News.-----
それがモルディヴ、いや海しかない国の良い所なのではないだろうか。
ここオルベリで非常にガッカリし、驚いたのは客室内にテレビが設置されていた事。
深夜になると日本のニュースも放送されている始末。
海しかない国を訪れるのはモルディヴで三カ国目(利用ホテル6軒目)だが、テレビの置いてあるホテルに遭遇したのは初めて。
まぁ、私はいくらテレビが置いてあるからってスイッチを入れるような無粋な真似はしませんでしたがね。

オルベリ・ビーチ&スパ・リゾート水上コテージ
*モルディヴでの一枚:オルベリの水上コテージ。この風景、どこかで見た記憶がないだろうか?
このサイトのトップページで見た!…と、いうのも間違いではないが、中井貴一出演するDCカードのCMに登場する水上コテージ。それがオルベリ。(2004.07現在)
オルベリの水上コテージ、特にこのアングルを広告に使っている企業を他でも見掛ける事がある。

・チップ

南の島での注意事項はタヒチ編で紹介済みですので、今回は違う点だけを伝授しようと思います。

海外旅行で一番面倒なのがチップ。
日本には馴染みの無い習慣ですので、戸惑うのは当然。
モルディヴではチップは常識。(ただし、サービスチャージがある所は不要)
出来ればスマートに渡したいものですよね。

ベッドメイクには一日、一人当たり1USドルが目安。たいてい午前中、部屋を留守にしている間にキレイにしてくれます。
我々は毎日、出掛ける前にベッドの脇に2ドル置いておきました。
モルディヴのツアーの殆どは料金に食事が含まれいるのが基本のようです。
客室ごとにテーブルを決めているリゾートが多く、お給仕してくれるウェイターも滞在中ずっと同じ人がお世話してくれる仕組みになっている場合が多いです。
最終日に日数×人数×1USドルをテーブルの上に置くといいでしょう。
荷物を運んでくれるポーターには荷物1個につき1USドル手渡しましょう。
エクスカーションに参加した場合、特にチップの必要は無いようですが、欧州の年配夫婦等は極々自然に手渡していました。どうやったら彼らのようにスマートに渡す事が出来るんでしょうかね。
やはりチップの習慣がない日本人が真似しようと思っても無駄なんでしょうか。
スマートに渡せなくても彼らを見習い、サービスに満足した時は参加人数×1USドル手渡してもいいと思います。
あくまでも気持ちですが。
私はお別れの挨拶、握手を求める時に紙幣を握り隠しておいて、そのまま相手の手に渡すようにしています。


ホテルやリゾート、空港ではUSドルが使えます。
リゾート内での飲食、買い物はサインで済む場合が殆どで現金を持ち歩く必要があまりありませんが、チップのために1USドルを多めに用意しておく事と常にそれを持ち歩くのをオススメします。
夜はロマンチックに










*モルディヴでの一枚:水上コテージのベッド

・衣類について

カジュアルな夏服でOKですが、日差しよけの薄いカーディガンがあれば便利。
またイタリア人等の欧州観光客が多いのと、リゾートによっては特別なビッフェのディナーが模様される所もあるので男性ならポロシャツなどの襟付きのカジュアルなシャツ。
女性ならサンドレスやワンピースを用意しておけば雰囲気も楽しめ、モルディヴの違った想い出も残されて良いでしょう。

荷物は少ない方がいいです。そのためにも無地のTシャツを一枚用意しておくと女性は特に重宝すると思います。
現地で購入したパレオを腰に巻き、上はTシャツ一枚。
朝のレストランでよく見かけられる女性の服装です。
私も白いTシャツを一枚持参しましたが、この方法のおかげで着回しの幅が広がり、オシャレも楽しめ、実に助かりました。

泳ぐ時用のTシャツを用意しておくと良いでしょう。
普通のTシャツでも構いませんが、ドライメッシュの物だと乾くのも早く、泳いでいる途中に体にまとわりつく事が少ないのでオススメです。
ユニクロの安いドライメッシュTシャツで充分事足ります。
泳ぐ時だけでなく、海辺を散策したりする時も着用していれば南国の日差しを少しでも防いでくれるので便利です。

帽子は必須アイテム。
女性はオシャレ用の帽子(hat)と、水に濡れても構わない帽子(cap)の2種類を用意しておくと良いでしょう。
夕焼けを見に行く時にはサンドレスやパレオを身にまとい、頭にはハット。
昼間、シュノーケルをしにビーチに出掛ける時等の行き帰はキャップを着用。
リゾートだからこそ、オシャレに過ごしたいものです。
お姫様ベッドから天井を眺めてみる










*モルディヴでの一枚:ベッドから見上げたコテージの天井

・海のアクティビティ

シュノーケルを楽しみにしている人ならば、マイスノーケル、マイマスク、マイフィンは用意すべきでしょう。
ホテルで貸してくれますが(タヒチと違い、モルディヴは有料の所が殆どのようです)サイズが合わなかったり、パッキンが緩んでいて泳いでいる最中に大量の海水がなだれ込んできて折角の海を堪能出来なかったりする場合があります。
少々荷物になりますが、自分専用の物を購入しておきたい。
ジャストフィット、ストレス無しで熱帯の海を楽しむ事が出来るのですから安い買い物です。
私のようにキック力が弱い人は固くて短めのフィンがオススメ。
ちなみに、シュノーケルをする時も水着の上からTシャツをオススメします。
この日焼け防御方法は日本人は皆やっていました。
日焼けするのがステイタスだと考える欧州の人々には奇怪な光景に写っているでしょうけどね。

ウォーターシューズも用意すべき一品。
綿のような感触の白い砂浜を素足で歩くのも素敵ですが、太陽でホクホクに熱されたような所を靴も履かずに歩くなんて自殺行為。
ビーチ散策だけならサンダルで充分ですが、どうせシュノーケリングをするならあった方が断然便利。ウォーターシューズの上からフィンを履く事になるので、フィンを購入する場合はその大きさも考慮した方がいいですね。
ちなみに、私は安物のウォターシューズを購入しましたが、歩く度に砂が入ってきて定期的に砂出ししなければならず安物を買って後悔しました。
我が配偶者兄ちゃんが購入したアディダス製のものは足が痛くなる程砂が入ってくるような事はなかったようです。
まだ誰も居ない朝のビーチ










*モルディヴでの一枚:モルディヴ滞在初日目。この後あんな出来事が起ころうとは…。

・モルディヴの水&ゴミ事情

珊瑚が砕かれた砂で出来たモルディヴ。真水はとっても貴重!
なんたって、モルディヴはいくら地面を掘っても水は出てこないのですから。

最近はほとんどのリゾートに海水を真水に換える装置が備わっていますが、無駄遣いは禁物。
これらの水は歯を磨く程度なら問題ありませんが、飲むのは避けましょう。
飲み水はミネラルウォーターを購入して。
当然の事ながら、離島のリゾートでのミネラルウォーターは割高です。
マーレ空港で時間があれば売店で持てるだけ、一本でも多く購入してリゾートに持ち込むのが賢いやり方でしょう。
こういう細かい所で節約したいものです。
モルディヴに限らず、どこもそうなのだと思いますが客室内のミニバーにある水が一番割高でした。
用意していった水が無くなった時は食事の際注文し、残った分は部屋に持ち帰りましょう。
欧州人がペットボトル持って歩いているのはとてもカッコイイ。
だけど、日本人が同じ事すると一升瓶ぶら下げたオッサンみたく見えてしまうのはこの際気にしてはいけません。
南国の太陽は想像以上に我々の体から水分を奪っていきます。どんな時でも、何処へ行く解きでも水を持参しましょう。持ち歩き用に500ミリリットルのペットボトルと直射日光を避けるためのボトルペットを用意しておけば万全です。


観光客の増加でモルディヴのゴミ処理はパンク寸前。
これからもキレイな海を存続してもらうためにも、出来るだけゴミは日本に持ち帰って捨てるよう心がけたい。
まぁ、流石に生ゴミは持って帰れませんが。
オルベリの水上コテージのお風呂はバスタブ付き










*モルディヴでの一枚:バスルームから望むモルディヴの海

・イスラムの人々

南国の人々は陽気で愉快。
そんなイメージがありますが、モルディヴはイスラム教国。
観光客をからかうのも仕事の一つなタヒチアンと違い、彼らは実に真面目です。
あまりハメを外して日本の変なギャグを教えるのは遠慮しておいた方がいいかもしれません。
厳格な国柄ですので、例えリゾートでもヌードやトップレスは厳禁。違反すると高額の罰金を科せられる場合があります。
また、漁民の島やマーレ等、地元の人が住む島を訪れる場合、女性は肌の露出が多い服装は避けるべきです。
リゾート以外での飲酒も禁止です。地元の人が住む島を訪れるツアーにお酒持参で参加しないように。
何度でも泊まりたい。水上コテージ










*モルディヴでの一枚:水上コテージ。ルームナンバー115

・月暦

オルベリに限らずモルディヴにはビーチが美しく、干潮時に砂洲が登場するするビーチを持つリゾートが沢山存在します。
日程を選べる余裕がある人は月暦も考慮して出発日を決めてみるのも良いのではないでしょうか。
大潮の時と、そうでない時の海面の差は想像以上に大きいものです。

我々が訪れたのは大潮が終わったばかりの中潮で、日が経つにつれ潮の動きが小さくなっていくばかり。
我々滞在中、一番潮が引いていたのは初日の午前中だったのですが、この日は思わぬ邪魔(?)が入り砂洲探検は断念せざるを得ませんでした。(詳しくは旅行記の中で…)
今思い出しても非常に悔しく、残念です。
この日に探検が実現できていたのなら、ずいぶん遠くまで行けたでしょう。
ま、代わりにラッキーだったのは丁度火星が地球に大接近している時だったので、燃えるように赤い火星をジックリ見れた事です。
オルベリ自慢の真っ白なビーチ
*モルディヴでの一枚:ビーチ。干潮時ではないので分かり難いのですが、画像左、海面上部に見える白い部分が砂洲です。

・豆知識

リーフ:
海面近くにせり出した珊瑚礁や岩礁の事をリーフと呼ぶ。
モルディヴではチョウチョウウオやベラ類等の格好の餌場になっており、カラフルな魚達が群れている所も多い。

ハウスリーフ:
島(リゾート)を取り囲む珊瑚礁の事をハウスリーフと呼ぶ。
リゾートでシュノーケルを楽しみたい人は”ハウスリーフの良い島”を選ぶのが大事。

ドロップオフ:
海の色が限りなく透明に近いブルーから濃いブルーに変化している所。
急激に水深が深くなっているので海の色がクッキリと違うのだが、ここを「ドロップオフ」と言う。
そしてその境辺りが「リーフエッジ」と呼ばれ、珊瑚の成育が良い場所。
沢山のお魚さんに遭遇する事が出来る。

ラグーン:
リーフに囲まれた穏やかな浅瀬エリア。

ながーい桟橋の先にジェッティがジェッティ
ボートが発着する桟橋の事。
広大な浅瀬のラグーンに囲まれた島では、船が入らないため長いジェッティが伸びている。
左の画像、島から桟橋が出ているのが分かりますか?
その先にある海の上に浮かんでいる小屋のようなものがジェッティです。
オルベリでは、このジェッティの付近がベストシュノーケルポイントでした。
我が配偶者兄ちゃんは亀に遭遇したそうです。
羨ましい…。

エクスカーション:
オプショナルツアーの事。
リゾートでは曜日を決めて色んなエクスカーションを開催しているので好みに合わせて参加しよう。
モルディヴで人気のエクスカーション。無人島ツアー。アイランドホッピング(1日コース、半日コース有り)。シュノーケルツアー。
個人的には折角ノンビリ出来る所へ来たのだから、エクスカーションは本当にやりたい事だけに絞り、あとはリゾート内でのんびり過ごしたいものです。
毎日、毎日、一日中エクスカーションに出掛けてたら疲れるばっかりじゃん。
キレイな海とキレイな空を見て心の洗濯しようよ!

使い捨てカメラ(水中用):
魚影の濃いモルディヴでは、シュノーケルを楽しむときは水中カメラは欠かせない。
通常のカメラに被せて使うハウジングはメンテナンスが少々面倒。
最近は使い捨ての水中用カメラは安価で性能も良く侮れない。
フジフィルム製の物がオススメ。
他のメーカーより若干高い事が多いがシャッターが軽く、使い易いため手ぶれが少ない上にシャッターチャンスを逃す事無く狙った場面を激写出来る。
まるで楽園・・・*モルディヴでの一枚:浅瀬に建つ水上コテージ