第２回　「途中経過」


レポーター（以下Ｒ）「今年のプロ野球は、シーズン中に世界的にも大きな出来事があり
　　ました。全てのスポーツにおいて選手の亡命という社会問題に頭を抱えるキューバが、
　　国公認で期間限定移籍を認めるという、今後、メジャーや韓国にも広がる可能性が
　　ある取り組みをした事で、オフから交渉にあたっていた巨人をはじめ、横浜、ロッテに
　　即戦力の選手が加入。キューバの選手達はオフには自国に戻ってリーグ戦を戦う為、
　　体力的な不安はあるものの、毎年のように亡命選手がメジャーで１年目からタイトル
　　争いをする事を考えると日本での活躍は必至。今日はその辺りの解説を、ゲストの
　　この方にお願いしたいと思います」
ゴリポン（以下ゴ）「ドミニカなら任せて」
Ｒ「キューバです！」
ゴ「広島がキューバアカデミーを作ったらいくらでも語るよ？」
Ｒ「何しに来たんだこの人・・・」
ゴ「大丈夫。今日は他にも頼もしいゲストがいるから」
Ｒ「はい、ゴリポンさん共々、３年ぶりとなるこの方です」
山Ｑ（以下Ｑ）「どうもお久しぶり、今日は解説役をしてくれとＧｏｈちゃんから頼まれました」
Ｒ「夏のゲストといえば、漫画の台詞しか喋らない人と、野球を知らない赤い人＆猫が恒
　　例だった物で、山Ｑさんがいるだけで安心感が違います」
Ｑ「あっでも、実は最近、野球は結果ぐらいしかチェックする時間が無くて」
Ｒ「え？」
Ｑ「だから、今日は特別でね。もう一人来てるんだ」
Ｒ「あ〜・・・それでは自己紹介を・・・」
三下受付嬢（以下三）「人間のファイターで、名前は、ザボ・・・」
Ｒ「は？」
Ｑ「これはソードワールドと見せかけてバトルテックという非常に教養が必要なネタです」
Ｒ「え〜・・・どちらも解らないんですが・・・」
Ｑ「それは勉強不足ですね。どちらもＴＲＰＧの名作です」
Ｒ「はぁ・・・」
ゴ「このように、山Ｑさんには三下のネタ解説をお願いしました」
Ｑ「任されました」
Ｒ「壮絶に裏切られた気分です」
三「レポーター君ってば不幸！」
Ｒ「あなた達は何を考えて対談に参加してるんですか！」
ゴ「ウケッ」
Ｑ「ウケッ」
三「ウケケッ」
Ｒ「てめ〜らまとめて、日本海の底に沈めてやる〜！」
ゴ「毎度、野球対談の進行は気苦労が絶えそうにないな」
Ｒ「嬉しそうにいうんじゃない！本日はこの３人をゲストに迎えてお送りします！」

Ｒ「いきなりキューバ関連の話が出来なくなってしまったので、とりあえず皆の予想を
　　見ながら前半戦を振り返ってみたいと思います。まず順位予想ですが、モコモコ
　　さんが凄い的中率で、あわやパーフェクトでした。これは現段階の総合正解数で
　　２位が９個なので、順位予想だけでそれを上回っている計算になります」
Ｑ「これは他の３人にとっては厳しいですね」
三「にゅうぅん」
Ｒ「文字にし辛い合いの手は止めてください！それからパリーグで低迷している２チ
　　ーム。西武は伊原監督が退任し、田辺監督代行に。楽天は星野監督が病気療養
　　の為、治療に専念する影響で、佐藤投手コーチを経由して、デーブ大久保２軍監
　　督が１軍の監督代行へ。そして２軍監督は酒井監督代行になりました」
ゴ「普通は現場が混乱するから玉突きはやらないんだけどね」
三「監督代理補佐心得見習い！」
Ｒ「それただの下っ端ですよ！」
Ｑ「デーブは問題ばかり起こして悪いイメージが強いんで、監督代行になったのには
　　違和感がありました」
Ｒ「確かに、ネット上ではバッシングが凄かったみたいですね」
三「悪人に人権はないと、リナ＝インバースも言っている！」
Ｒ「悪人は言いすぎです！危険な発言は控えてください」
三「・・・と思う者も人間には多いだろう」
ゴ「・・・言葉の魔術師だね、あんたは」
Ｒ「前半戦は、ゴリポンさんが応援している広島カープの奮闘を忘れちゃいけません。
　　交流戦の失速がありながら上位争いに踏みとどまっています」
ゴ「やっぱり一岡の活躍が大きかったね。怪我で途中離脱したとはいえ立派な成績。
　　一岡の人的補償として大竹が出てったけど全く問題無し！」
Ｒ「逆ですから！」
ゴ「大竹なんて１０勝しても１０敗して貯金が作れない投手なんだから、それがＦＡで
　　出たからって、人的補償を払ってまで飛びつく選手じゃない」
Ｒ「先発投手のＦＡが少なかった事が大きな要因でしょうが、巨人の場合は・・・」
Ｑ「ほとんど条件反射ですね」
ゴ「『パブロフの犬』と呼んであげましょう」
三「『パブロン・ゴールド顆粒』と呼んであげましょう」
Ｒ「おま〜は家に帰って寝てろ！・・・ＦＡでソフトバンクに加入した中田賢も中日時代
　　に似たような成績でして、良い時と悪い時の差がはっきりしているタイプです。打線
　　が良いチームに移ったり環境が変わる事によって化ける可能性があるとは思い
　　ますが」
ゴ「確かにありえるけど、２人とも制球に難があるタイプだし、そういう投手はリズム
　　が悪くて打線の援護も難しいからね。トラップの確率のが高いと思うよ」
三「罠はハマって踏み潰す！」
Ｒ「はいはい、三下ちゃんは黙っていようね」
三「う〜、レポーター許すまじ」
Ｒ「広島の話に戻りますが、昨年から耳にするようになった『カープ女子』という言葉
　　があり、女性の広島ファンが急増しているそうです」
ゴ「実際、オールスターのファン投票で広島が８人と染まったけど、若い女性の投票
　　が多かったみたいだね」
Ｒ「今年になって、関東にもカープ女子が増えてるらしいです」
ゴ「千葉マリンに交流戦を観に行ったけど女性ファン多かったよ」
Ｒ「今年好調なオリックスも『オリ姫』と呼ばれる若い女性ファンが増えているそうで
　　すね」
Ｑ「近鉄の流れを汲んで『猛牛女子』という言葉もあります」
Ｒ「それはまた凄いネーミングですね・・・」
ゴ「この後の個人部門でも触れるだろうけど、オリックスといえばモコが昔から応援
　　してたのに、近年は『バッファローベルの写真集が・・・』しか話題無かったしね。
　　今年はオリックスと心中の予想で的中率が高いし喜んでるんじゃないかな」
Ｒ「そうですね。ではその個人部門に行きましょう」

Ｒ「個人部門のセリーグです。今年は何と言ってもエルドレッドの大ブレイクです」
ゴ「今までフルシーズン出場した事が無いから不安だけど、キラといいロサリオと
　　いい外国人枠の争いがあるから良い相乗効果が出てるね」
Ｒ「栗原や東出の穴は充分すぎるほど埋まってますね」
ゴ「・・・誰だっけそれ？」
Ｒ「酷っ！」
ゴ「既に守備力の低い堂林の扱いだけでも充分に困ってるんだから、栗原は本当
　　にチーム状態が悪くなった時に上がってきて貰えればいいよ。下手にチームが
　　好調な時に来られても困る」
Ｒ「まぁ解りますけどね。ファーストに栗原が入ると、キラ、エルドレッドが外野とい
　　う、広島の良さを消しかねない結果になる恐れがありますから」
Ｑ「堂林が１番で外野守ってる時点で、首脳陣の守備に対する意識が麻痺してる
　　可能性あるけどね」
Ｒ「その辺は球場だったり相手との相性だったりで、臨機応変に使い分けていると
　　信じたいですね」
ゴ「臨機応変ね。猪突猛進と同義語だな」
Ｒ「違う！」
三「なるほど。それは初めて知ったわ！」
Ｒ「三下に変な言葉教えちゃダメだって！・・・投手では前田健が春先の不調から
　　復活し現在２冠。菅野の安定度も抜群で、互いに優勝争いがある事で良い緊
　　張感のまま後半戦に突入です」
ゴ「中途半端な成績になって残留してくれないかなぁ・・・」
Ｑ「このままだと確実に大リーグ行きですね」
Ｒ「他の選手の年棒が軒並み上がりそうですから、前田健にはポスティングで最後
　　の孝行をして貰わないといけませんかね」
ゴ「どうせ出てくなら優勝して終わって欲しい気持ちもあるんだけどね」
Ｒ「それから、キューバからグリエルが加入し、ブランコが怪我から復活すれば怖
　　い打線になる横浜は、井納、久保と珍しく先発陣がタイトル争いに絡んでます」
Ｑ「投手の駒不足は長年の課題でしたから新鮮ですね」
Ｒ「抑えの山口が先発に転向して交流戦でＭＶＰ級の活躍。それもルーキーの三上
　　が守護神として頑張っているおかげです」
ゴ「ああ、それは知ってるよ。超高校級の実力を持つスイーパーが、ディフェンスや
　　防御に活躍する、『ＧＳ（グレートスイーパー）三上』でしょ？」
Ｒ「違います！」
Ｑ「代走専門の選手の盗塁技術とその精神を掘り下げた『はじめに一歩』のが好き
　　だな」
Ｒ「そんな打ち切り確定みたいな漫画じゃないですから！」
三「レポーター先生の次回作にご期待ください」
Ｒ「だからこちらを巻き込まないで、勝手に一人で打ち切られて下さいと！」
三「なんと！？・・・レポーター如きにそんな事を言われるとは片腹いたいと、正露丸」
Ｒ「三下に言われるとは、これは心外の胃腸薬」
三「さては『すてぃんぐれい』の新カースト制度を知らんのだな。まず一番偉いのが
　　ゆうすずみ様。ついでＫ氏、３号さんと続き、以下、Ｇｏｈさん、ゴリポン、ペケ、
　　師匠、ネコ銀、姫、レポーター、三下と続く」
Ｒ「あんたが一番下かよ！とことん三下だな！」
Ｑ「いや、多分突っ込む所そこじゃないと思う」
ゴ「どっちもネコ銀と姫より下なのね・・・」

Ｒ「モコモコさんのオリックス勢が猛威を揮っているパリーグです。糸井は怪我も
　　あって盗塁のイメージがありませんでした」
Ｑ「身体能力の高さは大リーグのスカウトがずっと追いかけてる程ですから証明
　　済。そういう選手は大怪我に繋がる事が多いですが、今年は良さそうです」
ゴ「身体能力は物凄く高いのに、すぐくだらない怪我で居なくなるスペランカー
　　というのもいるけど・・・」
三「あたし、ほんまは、蒲柳の質なんよ。ああ、気絶してしまいそう（はぁと）」
Ｑ「ガラスの顎のことかな」
Ｒ「はいはい、三下ちゃんはあっち行ってていいからね」
三「う〜、ワンワン！」
Ｒ「怪我といえば、予想〆切り段階では怪我から復帰直後でＨＲ２本だったおか
　　わり君をＧｏｈさんが勝負の指名。現在、１４本まで伸ばしてきました」
三「は、Ｇｏｈさんの背後に無謀と慢心の精霊が」
ゴ「７本差か。また最近休みながらだから、完全復活すれば面白そうね」
Ｒ「投手陣では、開幕８連勝の西。９回をノーヒットノーランしながら延長になり
　　降板した金子など、こちらもオリックス勢が頑張っています」
ゴ「こうして西口の後継者候補がまた一人・・・」
Ｒ「どうやら春の対談で話題に出た、不正投球の影響は無さそうですね」
三「不正というのは取り締まっても金にはならない。見逃してこそ、お金になるの
　　だよ。よい子のみんな？わかってくれたかな？」
ゴ「三下の処世術講座」
Ｒ「だからネタで危険な発言は控えてください！」
Ｑ「今や日本球界のエースに成長した金子も今オフにＦＡだから、前田健と同じ
　　く移籍するつもりがあるなら優勝して気持ち良く出て行きたいでしょう。尤も
　　国内志向らしいんで、残留じゃないならば、金銭的に巨人かソフトバンクに
　　限られるでしょうが。あっ阪神も手をあげそうですね」
Ｒ「こういった実績が充分の選手にとって、後の目標は優勝だったりしますから、
　　今のオリックスならば優勝争い出来るチームですし、残留の可能性はあり
　　そうですね」
ゴ「やっぱり先発の駒が揃ってる所は強いよね。これで後はマックさんが復帰
　　すれば・・・」
Ｒ「四球と死球が乱舞するだけです」
三「相手の射程距離外から叩く。当然の戦術。ＬＲＭは偉いのだ」
Ｑ「弾薬がちょっと高いけど」
Ｒ「もうマックさんとスペランカーはいいです！」
ゴ「では現在２軍で、『いつ辞めようか考えている・・・』と発言のあった井川さん
　　の話題でも・・・」
Ｒ「何で誰がゲストでもすぐこの人達の話題になるかな！」
ゴ「愛だにゅ」
Ｒ「お前ら帰れ！」
三「ああ、レポーター君、涙の絶唱。しかし、それを聞く者は、だれひとりとして
　　いない」
Ｒ「会話しろよ！」
Ｑ「うんうん、ぼくだけは聞いてあげるよ。友達だから」
Ｒ「ムキー！！」

Ｒ「・・・・・さて、気を取り直しまして、交流戦は最終戦で巨人とソフトバンクの
　　勝った方が優勝という熱い展開になり、見事にＫ氏がこれを的中です」
ゴ「日記で見たけど、優勝かかった最終戦の先発が、小山と飯田ってどういう
　　事！？と驚いたらしいね」
Ｒ「Ｇｏｈさんですね。最初に巨人の先発を見て、これはいけるか！？と思った
　　ら、ソフトバンクの方は更に知らない名前だったと」
Ｑ「２回で０−７になって早くも試合が終わってましたね」
Ｒ「Ｇｏｈさんは、順位予想も個人部門でも一人勝負になった所の分が悪いの
　　が解ってたから、珍しく応援に力が入っていたそうですが、まぁ何と言いま
　　すか、実にＧｏｈさんらしい結果だったというか運が悪かったというか・・・」
ゴ「『唸れ、アーチブレイド！ああ、１ゾロ！！』という感じだったね」
Ｒ「意味解りません」
三「う、裏成功を・・・」
Ｑ「サイコロ転がした時に裏成功をしたがるのは央華封神をやっていた人の
　　悪い癖です」
Ｒ「話についていけなくなったので戻します。今年もオールスターＭＶＰの的中
　　者は出ませんでした。が、ＭＶＰを獲り、今年大ブレイクした柳田を、Ｇｏｈ
　　さんが昨年の日本シリーズＭＶＰに予想してまして・・・」
ゴ「早すぎた・・・」
Ｒ「Ｇｏｈさんの場合、実績が無い選んだ選手が１年後、２年後に活躍する傾
　　向があります。目の付け所は悪く無いんですが、もう少し勝負する場所と
　　堅い場所のバランスが良くなりませんか？と言った事があるんですが、
　　『皆が予想しない選手で的中すると格好いいじゃん？』と聞く耳を持って
　　貰えず・・・」
Ｑ「だってあの耳はつけ耳だから」
ゴ「だってあの肌は白粉だから」
三「だってオラ人間だから・・・」
Ｒ「違う！最初の２個は知らないけど、最後のは絶対に違う！」

Ｒ「え〜・・・ファン問題ですが、現在結果が出ているのは１個だけ。今年は
　　セリーグが頑張った事もありほぼ互角の結果で、Ｇｏｈさんが的中です」
ゴ「交流戦を上手く乗り切れてればなぁ・・・」
Ｒ「最初の方でも話題に出ましたが、他のセリーグが頑張っただけに、広島に
　　とってはきつい展開となってしまいました。他の項目は結果が出てからと
　　いう事にしまして、ここまで全ての項目を振り返ってきましたが、山Ｑさん
　　は前半戦を見てどうでしたか？」
Ｑ「そうですね。ロッテで言うと、荻野が先頭打者初球ランニング本塁打という
　　面白い事をやってくれましたが、やはりアジャ井上でしょうか」
Ｒ「見事にフレッシュオールスターでＭＶＰを獲得しましたね」
Ｑ「ルーキーながらオープン戦で４番を任され、開幕を１軍で迎えた４月１２日、
　　見事な第１号本塁打を打った記念として、『井上晴哉満腹丼』が発売」
Ｒ「そ、それは・・・」
Ｑ「ええ、極度の不振に陥り、５月１日、２軍へ落とされました」
Ｒ「何と言いますか、怪我しなくて良かったですね・・・」
ゴ「相変わらず弁当の呪いは健在なんだ・・・」
Ｑ「プロの洗礼も浴びた事ですし、一回り大きくなって帰って来てくれると期待
　　しますよ」
三「シャーマンからタイガーにレベルアップだ」
Ｒ「プロの洗礼って、明らかに避けられた人災ですよね・・・」

Ｒ「さて、やっとお別れの時間です。今回も疲れました。全てを忘れてぐっすり
　　と眠りたい」
ゴ「失礼な」
三「あたしは寝ます。夜更かしは美容に悪い」
Ｒ「ええ、すぐにでもお帰り下さい。では、本日のゲストはゴリポンさん、山Ｑさん、
　　そして三下受付嬢さんでした。ありがとうございました！」
ゴ「〆の台詞はネタで終わるんだっけ？」
Ｑ「それは適任者に任せよう、どうぞ」
三「うふっ。うふっ。レポーター君ってば・・・・・」
Ｒ「勝手にやってろ！」
ゴ、Ｑ、三「不幸！」
Ｒ「アンギャー！」