第１回　「予想発表」


レポーター（以下Ｒ）「開幕から１ヶ月、早くも不安点が表面化したチームが出て、緊急
　　な助っ人補強を行うチームも出てきました。本日はＧｏｈさんをゲストに迎え、いろ
　　いろ話を伺ってみたいと思います」
Ｇｏｈ（以下Ｇ）「あれだけ投手崩壊してるのに首位って、解らないもんだねヤンキース」
Ｒ「ま〜くんの移籍で注目度が高いのは解りますが、野球対談では出来るだけ大リーグ
　　の話題は出さないように気をつけてるんですから、のっけから飛ばさないで下さい」
Ｇ「そうだったね。んじゃ、いつも春の対談はネタ分少なめだから申し訳ない気もするけ
　　ど、サクっと行くか」
Ｒ「項目に行く前に、ボールの反発係数が基準値を越えていたとか大きな話題がありま
　　したね」
Ｇ「ああ、抜き打ち検査で引っかかった奴な。別に悪意があった問題じゃないし、改善
　　策もとられるだろうからいいんじゃないの？投手は可哀想だけど」
Ｒ「工場での品質管理に問題があったようですね」
Ｇ「そんなの日本の球場で保管される時だって任意だし、定期的に検査するのは毎年
　　何度もやってるんだから、その度に決まりごとが出来るだろうよ」
Ｒ「なるほど。特に大きな問題では無いと」
Ｇ「その為の抜き打ち検査なんだし、ずっと放置なら論外だけど騒ぐ事では無いね」
Ｒ「解りました。ではいつものように項目ごとに見ていきましょう」

Ｒ「まずは順位予想です。資金力を活かして補強に力を入れた巨人とソフトバンクに
　　票が集まりましたが、Ｇｏｈさんが阪神、モコさんがオリックスで勝負しました」
Ｇ「モコはファンチームだし今年の先発陣を見たら勝負したくなる気持ちも解るな」
Ｒ「皆さんオリックスの評価が高いですね」
Ｇ「元々打線は良いんだ。何でこれで優勝出来ないってぐらい。そこに大エースの脇
　　を固める先発陣が揃ったのは大きい。若手が成長して、外人が日本に慣れ、ベテ
　　ランが復調するという理想的な形だね」
Ｒ「なるほど」
Ｇ「後はマックさんが復帰すれば・・・」
Ｒ「エースの金子が不正投球を疑われ躓く場面がありましたが」
Ｇ「スルーかよ！」
Ｒ「その影響は無いですかね？」
Ｇ「オープン戦でもアンダーシャツの袖が長すぎるって指摘受けてたしな。しかも、ボー
　　ルを揉む時に指立てれば問題ないと確認までしておいて、一度予備警告があった
　　のに同じ事をしたんだから、対応しなかった方が悪い。逆に聞くけど、不正投球し
　　てたと思う？」
Ｒ「ボールを手でこねる時にアンダーシャツに触れたらいけないんですよね。インタビュ
　　ーとかで見る金子選手の印象を見る限りだと、あれほど真面目な受け答えをしてる
　　選手は珍しいというぐらいなんで、少なくとも故意だとは思えませんが」
Ｇ「代表戦の時ぐらいしか取材の仕事しないけどさ。それでも実際に選手に話させて
　　貰う機会があるし、裏方や他の取材仲間と情報交換とかしてると、そういう情報も
　　勝手に入ってくるんだよ。まぁ今回の件に関して不正があったかというのは当然
　　解らないけど、僕の持ってる他の情報も含めて考えれば、一つ言えるのは金子だ
　　からって事はある」
Ｒ「見せしめって事ですか？」
Ｇ「そう。２段モーションの時もそうだったけど、実績のある選手を注意する事によって、
　　他の選手への警告も兼ねる。まぁ２度注意されたぐらいだから、マークはされてた
　　だろうけどね」
Ｒ「なるほど」
Ｇ「まぁそれで成績を極端に落とすような選手じゃないだろうし問題無いよ」
Ｒ「そうですか。セリーグですが、皆さん似たような予想になりましたね」
Ｇ「好調の広島が全員３位ってのが妙に冷静で嫌だよな」
Ｒ「先日、広島ファンのゴリポンさんに順位を聞いたら３位って言ってましたよ」
Ｇ「ああ俺も聞いた。今年はマエケンが調子上がって無いから、あまり良い成績を
　　残さなければ残留しないかなともね」
Ｒ「もっと夢を持っていいと思うんですけどね」
Ｇ「あ・・・謝れ！夢すら見られない横浜ファンのＫ氏に謝れ！」
Ｒ「ファンなら優勝を信じるのが当然でしょう！」

Ｒ「個人部門のセリーグです。今年も外国人選手の評価が高いです」
Ｇ「実績ある選手に春先から走られちゃうとどうしてもなぁ・・・」
Ｒ「そんな中、Ｇｏｈさんはゴメスですか」
Ｇ「阪神が見つけてきた外人はハズレばかりなんで、オープン戦で叩かれまくったけど、
　　いいじゃないあれ」
Ｒ「内野安打しかヒットが出ないと言われてましたね」
Ｇ「内野安打ってな、２パターンあるんだよ」
Ｒ「ほう」
Ｇ「単純に足が速くて、打ってから走り出しの初動が早い選手」
Ｒ「代表格がイチローですね」
Ｇ「もう一つは振り切る場合。バッターが中途半端じゃなくてちゃんと振り切ると、内野
　　手は特にそれが良く見えるんで強い打球を警戒して１歩遅れるんだ」
Ｒ「なるほど。でもその分、三振も増えますよね？」
Ｇ「勿論。ただ、スイングスピードが速い選手なら、手元まで引き付けてからそれが出
　　来るんでボール球に手を出さない」
Ｒ「そこまで行くと凄い選手ですね。そういえば中日にブランコが来た初年度、やはり
　　オープン戦は内野安打ばかりでしたね」
Ｇ「あのスイングされたら内野手はボテボテの当たりが来るとは思わんぜ」
Ｒ「それに内野安打が多いという事は真面目に走ってる証拠でもありますね」
Ｇ「真面目な外人は凄い成績残すか負の連鎖に陥るかどっちかだからな。オープン
　　戦に反して良いスタート切れたみたいだから選んでみた」
Ｒ「投手では調子が上がらないと言いつつ防御率首位のマエケンに票が集まりました」
Ｇ「さっきも言ったけど本命が成績残しちゃうと選ぶしか無いからなぁ。バレンティンも
　　そうだけどさ」
Ｒ「特にバレンティンは５月に一時帰国が確定してるのに集まりましたからね」
Ｇ「結局、投手部門は皆のＡクラス予想から全員選ばれてるんで、まだ打者のがバラ
　　エティ豊かだな」
Ｒ「首位打者は梶谷ですか」
Ｇ「昨年終盤戦の活躍見てここだけは決めてたんだ。何年か前にオープン戦で首位
　　打者とって春で潰れた事あったろ」
Ｒ「オープン戦でデータ取られて開幕から全く打てなかった時ですね」
Ｇ「その頃から注目はしてたんだが今は内角の捌き方が上手くなって長打力がついた」
Ｒ「セリーグはベテランに強気な捕手が多いですから内角は絶対攻められますか」
Ｇ「後は全体的に今は右投手が多いから左打者から選びたかったのもある」
Ｒ「なるほど」
Ｇ「本当は盗塁部門にも書きたかったけど、３番に入っちゃうと走れるシチュエーション
　　がなぁ・・・」
Ｒ「それで大島ですか」
Ｇ「中日が平田を４番固定、和田は外せないから、少しでも調子落とすと外野の控えが
　　優秀なんで大島が外れる事になるから怖いんだけどね」
Ｒ「そういえば昨年末の対談で盗塁の話題が出まして、Ｇｏｈさんに戦術面を解説して
　　貰おうという話になってるんですが」
Ｇ「ああ読んだよ、１万２千円のシュークリームだっけ？」
Ｒ「違います！」
Ｇ「文章起こしたの自分だから憶えてるよ。次のパリーグの所でやろうか」
Ｒ「解りました」

Ｒ「パリーグですが、モコさんが優勝予想らしくファンチームであるオリックス染めをしま
　　した」
Ｇ「嫌いじゃないよこういう予想。今年はオリックスと完全心中だな」
Ｒ「パリーグのがまだ日本人選手のタイトルの可能性があって面白いですかね」
Ｇ「日ハムの中田翔だって名前挙がっても不思議ないしそうだろうね」
Ｒ「怪我から復帰したばかりの、おかわり君ですか」
Ｇ「ＡＪと中田翔で迷ってたんだけどねぇ。ずらす意味で中村にしたら、迷った２人がどっ
　　ちもいなかったというオチ」
Ｒ「なるほど」
Ｇ「じゃ盗塁の話をしようか」
Ｒ「お願いします」
Ｇ「まず短期決戦の場合、緊張感とかいろんな物を加味した確率論からすると、盗塁
　　よりも送りバントの方が多くなる」
Ｒ「短期は良い投手から順に出てくるから連打というのが難しくなりますしね」
Ｇ「従って１死１塁で送りバントという高校生みたいなシチュエーションが出てくる」
Ｒ「プロではあまり見たくない場面です」
Ｇ「だよな〜。プロならそういう場面でエンドランとか、ヒットを狙って最悪でも進塁打と
　　いう技術を見せて欲しいよな」
Ｒ「例え短期決戦でもそう思いますね」
Ｇ「これが長期の場合、絶対次の打者にまわしたいとかシチュエーション限定でしか
　　そんな事しないし、毎度そんな事してたらお客さんが盛り上がらない」
Ｒ「はい」
Ｇ「すると盗塁やエンドランといった足を使った攻撃が必要になってくる訳だが、そも
　　そも盗塁は普通にバッテリーがミスしなければアウトなんだよ」
Ｒ「タイム計測するとそういう結果になるそうですね」
Ｇ「昔に比べて盗塁数が激減したって言われてるけど、当時と投手の技術が違いす
　　ぎる」
Ｒ「クイックモーションですか」
Ｇ「大リーグ見てれば解るだろ。投手のモーションがあれだけ大きければ誰でもセー
　　フになる。みんなあれだったんだから」
Ｒ「なるほど」
Ｇ「それにクイックが出来た後もそう。今はテイクバックが小さく前を大きくが投げ方の
　　主流だけど、昔は後ろを大きくなんで、クイックした所で大して変わらん」
Ｒ「そういう物ですか」
Ｇ「それでも癖を見抜いたり、速度を落とさないスライディング技術だったり研究はされ
　　てるけど、限られた選手しかコンスタントに走れない」
Ｒ「確かに全体的な盗塁数は本当に少なくなりましたよね」
Ｇ「同じチームにそう何人もいないから、必然的にそういう打者は１番やパリーグなら
　　９番に来る事になるんだんが、どうしてもアウトになるリスクを最低でも５０％で頭に
　　入れないとサインを出せないのが今のプロ野球」
Ｒ「例えば８番が２死から出塁して次が投手の場合、走ってアウトになると次が投手か
　　らになるんでまず走りませんね」
Ｇ「これがクリンナップ前でも同じ事。確率が高い打者の前でアウトになるのは勿体無
　　さすぎるし、そもそも盗塁の時点でストライクカウントを１個捨てるのも問題」
Ｒ「読みが当たればヒットの確率が高い打者の時に、ストライクを１個捨てるのは確か
　　に勿体無いですね」
Ｇ「４番や外人の前に走っちゃいけない暗黙の了解があるというのはそういう事なの」
Ｒ「逆に言えば２番打者の時には走っていいという事ですね」
Ｇ「これも実は難しくてねぇ。さっきは技術を見せて欲しいなんて言ったけど、ツースト
　　ライク取られてからセカンドゴロ打てるプロって意外と少ないんだよ」
Ｒ「そうなんですか？ゴロ打つだけなら簡単そうですけど」
Ｇ「それぐらい右打者の流し打ちは難しいって事。昔、ノムさんが井端の事を最高の
　　２番打者だって言ったけど、どの球種が来ても空振り無くセカンドに打てて、ボー
　　ル球に手を出さないってかなりな物よ」
Ｒ「左打者なら引っ張ればいいから問題無いんですか？」
Ｇ「球速の違うボール全てに対応して引っ張るというのは、流すよりは圧倒的に楽。
　　それに左打者なら捕手がセカンドに投げる時の邪魔になりやすいという利点も
　　あるね」
Ｒ「逆に左打者の時に３盗をしないのは捕手から見え易くて投げやすいからという訳
　　ですね」
Ｇ「その通り。だから強いチームで盗塁が多い選手の次には、必ず良い２番打者が
　　いる。逆に言えば、盗塁しても次の２番が仕事出来なければ盗塁の意味が無く
　　なって、点に繋がらないからチームは弱くなる」
Ｒ「単純に打撃が弱いから足を使えば強くなるという事では無いんですね」
Ｇ「そそ。どちらかというと２番打者の働きのが得点力には直結するね。前回の対談
　　だと広島と楽天の比較が出てて面白かったけど、まず走れる選手がいるというの
　　が大前提として、そのチーム戦術に合ってるかどうかというのは、それを活かす
　　次の打者がいるかという方が大事かもしれないね」
Ｒ「単純に盗塁をする選手だけの問題じゃないという事ですね」

Ｒ「さて、予想に戻りまして、なかなか当たらないＭＶＰ部門です」
Ｇ「今年のオールスターは、西武ドームと甲子園だから現在好調な阪神から確実に
　　選ばれる選手を選んでみたものの・・・こんなの運だしな」
Ｒ「おや、いつもはタイトルに書けなかった選手を選ぶ部門だったのに」
Ｇ「そういう意味もある。首位打者に鳥谷書きたかったけど、梶谷で決めうちしてた
　　から選んであげられなかった」
Ｒ「なるほど。日本シリーズＭＶＰは先発で２勝すれば確定なんでエースを選ぶのも手
　　かとは思うんですが」
Ｇ「この２チームでいうと摂津と内海が今年あまり良く無いんだよなぁ」
Ｒ「確かに少し書きづらいかもしれません」
Ｇ「後は、交流戦ぐらい中日と書きたかったんだけどな・・・」
Ｒ「夢を持つのがファンですよ」
Ｇ「まだ引っ張るのかそれを！」

Ｒ「ファン問題ですが、今年は良い問題が思いつかず無難な交流戦にしました」
Ｇ「ま〜くんが何勝するかとか、思いつくのが大リーグ絡みになっちゃうよな」
Ｒ「今は下手に新人の問題を作ると、タイトルに絡む事すらありますし」
Ｇ「Ｋ氏が、今年は頭を使って貰おうと言って、ＯＰＳを問題にしてきたのは驚いた」
Ｒ「これは大リーグの概念ですね。単純な打率より、チームの得点に直結する指標
　　を作ろうと考案されたのが、出塁率を重視したこのＯＰＳです」
Ｇ「映画のマネーボールでも有名だな。資金力の無いアスレチックスが打率よりも
　　出塁率を重視した選手を集めて成功したという」
Ｒ「そしてロッテですが昨年は１２球団でもっとも完封負けが少なくて８個。それが
　　対談をやっているまさに今日。西武の岸にノーヒットノーランをされ、今年の数字
　　を１個上積みました」
Ｇ「どうせ西武にやられるなら西口にさせてやれよなぁ」
Ｒ「オリックスの問題は、２軍で調整中のベタンコート次第ですかね」
Ｇ「マリナーズ時代、巨人にいるロペスと二遊間を組んでいたんで憶えてる人も多い
　　だろうが、あの時は打てないけど大リーグでも１・２を争うぐらい守備が上手かっ
　　たから使われてたのに、いつのまにかファーストに転向して本塁打１６本とか、
　　別人かと思ったよ」
Ｒ「肩も強い選手なんで、守備で沸かせてくれるのも楽しみですね」

Ｒ「さて、これで全ての項目を振り返ってまいりましたが、今年は裏のパンヤ仲間の
　　予想はやらないんですね？」
Ｇ「今、パンヤで遊んでるの杢さんしかいなくてなぁ。しかも週一で会うかどうかだし。
　　一応、予想やるならページは作るよと言ってあるんで完全に任せてある」
Ｒ「なるほど」
Ｇ「まぁ気が付けばこっそり追加されてるかもしれんね」
Ｒ「解りました。次回はオールスターでの中間発表ですかね？」
Ｇ「そうだね。まぁなんだ・・・頑張ってくれ」
Ｒ「・・・・そんなにゲスト酷いんですか？」
Ｇ「酷いっていうなよ失礼な。三下は面白かったろ？」
Ｒ「確かに面白い子ではありましたが・・・うざい？」
Ｇ「解った。次はペケと猫がいいと」
Ｒ「それ会話になりませんから！」
Ｇ「じゃ赤いスーツ着た通訳もつけてやるから」
Ｒ「その人、野球全く知らないじゃないですか！」
Ｇ「そんなに言うなら、今挙げたの全員呼ぶか」
Ｒ「お願いですからまともな人を〜！」