第１回　「予想発表」


レポーター（以下Ｒ）「今年も皆さんの予想を発表する時期がやってまいりました。
　　毎年一発目のゲストは恒例のＧｏｈさんです」
Ｇｏｈ（以下Ｇ）「どうも、今年も語りにきたよ」
Ｒ「まずは、ＷＢＣはお疲れ様でした」
Ｇ「いえいえ、今回もコラムの仕事は楽しみながらやらせて貰ったよ。日本が早々
　　に負けなくて良かった」
Ｒ「現地からのリポートも楽しみにしてたんですけどね」
Ｇ「初海外が仕事でＷＢＣ観戦っていうのも良かったんだけどね。言葉の壁が・・・」
Ｒ「通訳として、ゆうすずみさんを連れて行く手は無かったんですか？」
Ｇ「真面目に考えた。ただ、すずみの仕事の調整が面倒だったのと、流石にすずみ
　　の旅費その他はこっちが出さないといけないから、いろいろ折り合いつかなくて
　　断念。元々が代役だったし、話を貰ってから準備期間が短すぎたね」
Ｒ「それは残念でしたね。次の機会に備えて英会話とかどうですか？」
Ｇ「アイアムアボーイ！ディスイズアオクトパス！と、レベル的にはあまり変わらん
　　からなぁ・・・」
Ｒ「先は長そうですね・・・。さて、今年も項目ごとに見て行きましょう」

Ｒ「まずはセ・パの順位予想です。大本命の巨人が走っただけあって固まりました」
Ｇ「巨人以外が全部借金って状態もあったぐらいだからなぁ」
Ｒ「どちらかというとアンチ巨人が並んでいるメンバーですが、流石に集まりましたね」
Ｇ「ＷＢＣ戦士が多い巨人だから、体力的に厳しい選手が多くいるとはいえ、流石に
　　選手層と他のチーム状況を考えたら断腸の思いで優勝にするしか無かったね」
Ｒ「全体的にセリーグは似た予想になった中、Ｇｏｈさんだけ少し違いますね」
Ｇ「一人だけ違う勝負の形が３箇所もあるんだなぁ。他の人の予想を見てからじゃ
　　ないから結果的にそうなっただけだけど、今年は全く自信無い。特にセリーグ
　　はさっぱりだ」
Ｒ「各チーム怪我人だらけで、復帰のタイミングによって全然変わってくるでしょうしね」
Ｇ「とにかく今はどこも弱すぎる。今年から３時間半ルールが撤廃されたから、中継
　　ぎ投手の重要性が物凄くあがったんで、本当なら横浜をもっと上位にしたかった
　　んだけどな。流石に先発がここまで足りないと・・・」
Ｒ「横浜といえば、藤井秀が１１年ぶりの完投勝利。自身が持つ連続完投無しのプロ
　　野球記録が１０７試合でストップしました」
Ｇ「凄いよな。６回からの防御率が全く別人だもんなぁ。しかし１１年前か。ん？それ
　　で１０７って年間１０試合平均になるじゃん。そんなに投げて無かったっけ？」
Ｒ「いえ、最後の完投勝ちが２００２年。実は２００６年に完投負けがあります」
Ｇ「ああ、なるほど・・・」
Ｒ「逆にパリーグは皆の予想がばらけて面白い感じです」
Ｇ「全員共通してＡクラスやＢクラスってチームが一つも無いのは凄いな」
Ｒ「先程の３時間半ルール撤廃もそうですが、皆が何を重視したかで、全く予想が
　　変わりましたかね」
Ｇ「かもしれないな」
Ｒ「それから今年から新監督というのが２チーム。ロッテの伊東監督、オリックスの
　　森脇監督です」
Ｇ「どっちもフロントの頭の悪さには定評があるというか、監督、コーチ人事で案の定
　　もめたな」
Ｒ「ロッテは経費削減でコーチ陣の給料を大幅削減し、他チームの２軍なみの給料
　　しか出さないという事でキャンプが始まっても人事が決まらず。オリックスは監督
　　内定を撤回し、別の人に声をかけ断られるなど迷走した挙句に、監督代行だった
　　森脇監督が昇格です」
Ｇ「ＷＢＣの後に記者の打ち上げパーティーに顔出させて貰ってさ。そこでいろいろ
　　裏話を聞かせて貰ったけど、まぁ何というかフロントってどうしようも無いな」
Ｒ「それは他のチームもって事ですか？」
Ｇ「うん。以前にも書いたけど、日本のＧＭは自分で責任を取る前に現場の首を切
　　れば・・・みたいな所があって危機管理が無いから、本当にゲーム感覚なんだな
　　と思わされたよ」
Ｒ「具体的には言えないんですね」
Ｇ「流石にネット上ではね。興味がある人は今度個人的に訊いてちょうだい」
Ｒ「話題が危なくなってきたんで、次に行きましょう」

Ｒ「個人部門のセリーグです。見事に外国人選手の名前が並びました」
Ｇ「セサルの再来と言われ、物凄い評価が低かったルナが大活躍だな」
Ｒ「物凄い選球眼をしてますね」
Ｇ「スイングスピードが早いから変化球を手元まで引きつけてから打てる。従って
　　ボール球の見極めがしやすい。日本に対応出来る良いタイプだね」
Ｒ「無理に長打を狙わないのもいいですね」
Ｇ「何より守備が上手いのは好感持てる。２９００万だから良い買い物だ」
Ｒ「その中日から移籍したブランコが、横浜で大活躍です」
Ｇ「４月で１４本の球団記録、３月も足してもう１５号か。バレンティンも好調だけど、Ｗ
　　ＢＣで足を負傷してる事を考えれば、ブランコに集まるのも仕方ないな」
Ｒ「昨年までの統一球とは思えない程の本塁打数です。現場では、ノックからして飛び
　　が違うとか、いろいろ言われてますが、メーカー発表は変わって無いとの事です」
Ｇ「まぁバットを作るメーカーも研究は進めてるだろうから、こっそりと技術革新がある
　　のかなとも思うが、ちとホームランが目立つよな」
Ｒ「昨年まで殆ど無かった逆方向にライナーで本塁打とか見ると、バットにコルクを入
　　れるようになったと誰かが冗談で発言した気持ちも解りますね」
Ｇ「ほ〜ら、お父さんのバットは真珠入りだぞ〜」
Ｒ「・・・ご、Ｇｏｈさん？」
Ｇ「忘れてくれ！」
Ｒ「・・・ええと、何でしたっけ・・・ああ、それでボールが飛ぶようになったと」
Ｇ「まぁ本塁打だけじゃなくて、完封も増えてるんだよな。実際ボールに変化があっ
　　たのか知らないけど、少なくともＷＢＣの為に国際球に近い物を使うという目的が
　　あったのに、結局、国際球にも大リーグ球とも違って、どっちも投手が違いに苦し
　　んでれば意味無いじゃん」
Ｒ「それは確かに」
Ｇ「まぁここで言っても仕方ないけどさ」
Ｒ「他に注目の名前と言えば、大リーグの復帰組から西岡が入りました」
Ｇ「西岡は試合から離れてた事もあって、体力的な事とかちょっとまだ判断がついて
　　ないけど、少なくとも福留は４月で結果が出てないとはいえ、正直あそこまで走れ
　　るとは思わなかった」
Ｒ「衰えはまず足に来ますからね。投手の方はどうですか？」
Ｇ「ＷＢＣ組は書きづらいとして他を見た時に、先発転向して頑張ってる榎田を書きた
　　かったんだけどねぇ」
Ｒ「モコさんが予想に入れてきましたね。何で書かれなかったんですか？」
Ｇ「本気で最後まで迷ったんだけど、夏の甲子園は消耗が激しいから阪神の投手は
　　どうも二の足を踏んじゃってなぁ」
Ｒ「結局それでＷＢＣ戦士の前田健ですか」
Ｇ「これは怪我抱えてるのを逆に見て、休む期間があるだろうから、最多勝は難しい
　　けど防御率ならと割り切った。最多勝で冒険しちゃったしね」
Ｒ「冒険といえば、Ｋ氏さんが新人２人と思い切りました」
Ｇ「昨年も広島の野村をルーキーで予想して惜しかったしね。２人とも選ぶだけのピッ
　　チングを見せてるし、らしくていいんじゃないかな」
Ｒ「藤浪といい、他にも中継ぎで即戦力が数人いますから、今年もルーキーの当たり
　　年ですね」
Ｇ「新人王争いが面白いね」

Ｒ「パリーグですが、こちらも外国人選手の名前が並んでいます」
Ｇ「ＷＢＣ特需というか、大リーグに所属したままじゃチームからＷＢＣへの出場許可が
　　下りない選手が日本に来たおかげで、今年はやたら豪華なんだよな」
Ｒ「以前にも中日に来たディンゴとかがそのパターンでしたね」
Ｇ「まぁあの時代は日本の評価も低くて、まさに腰かけで来てたが、今は違うからなぁ」
Ｒ「大注目はヤンキースから楽天に入った２人、Ａジョーンズとマギー。それから壮絶な
　　争奪戦の末にソフトバンクが獲得したラヘアですね」
Ｇ「実績を考えるとＡジョーンズが抜けてるけどな。ラヘアは左投手に苦しんで昨年終
　　盤は失速したけどオールスターに出たし、本塁打王に選んだ人が多いアブレイユは
　　年齢詐称などで大リーグは縁が無かったけど、元キューバ代表だったしな」
Ｒ「実績を考えれば、２年目のペーニャも凄いですよね」
Ｇ「他にも李、ヘルマンとか昨年日本を経験した選手は計算出来るから、プロ野球の
　　歴史を振り返っても、ここまで豪華な外国人が並んだのは初めてじゃないかな」
Ｒ「その点、投手の大注目がソフトバンクのバティーヤだったのですが・・・」
Ｇ「１試合投げて登録抹消。去年もいたなそんなの」
Ｒ「メジャー最多勝を引っさげてソフトバンクに入団したペニーですね。初登板で走りま
　　くられそのまま古傷が悪化して帰国。ところが医者から問題無いと言われ、戻って
　　きたものの、そのまま退団しました」
Ｇ「まぁ実績から考えても実力あるのは間違いないから、そうならない事を願おう」
Ｒ「それにしても、ここまで大物選手が来ると、相乗効果がおきるんですかね？」
Ｇ「そらそうだろう。基本的に日本に来るのは３Ａで活躍とか、メジャーでも結果が出な
　　かった選手が中心。それがＡジョーンズとか巨人のロペスみたいな、バリバリ現役
　　でも通用する選手と一緒に野球が出来るんだよ。やる気にもなるさ」
Ｒ「なるほど。逆にそういった選手が頑張ると、大物も手を抜けないですね」
Ｇ「それに日本人にも効果がある。そういった世界的な一流選手とプレー出来るのは、
　　自信にもなるし、間違い無く学ぶ所はあるからな」
Ｒ「それは楽しみですね。出来れば今年だけじゃなくて複数年いて欲しいですね」
Ｇ「だな」
Ｒ「それから投手では、若手の名前が多くあがりました」
Ｇ「昨年の吉川みたく１年間働いた実績が無い選手がどうなるか楽しみなんだけど、
　　それよりもモコの予想だな」
Ｒ「と言いますと？」
Ｇ「オリックスの選手って意外とタイトルに絡んで来るんだよ。で、ファンなのに自分で
　　殆ど当ててないんだ」
Ｒ「なるほど。確かに今年はオリックスから３人も予想。これは勝負にきましたね」
Ｇ「だと思う。そのくせ順位は最下位なのがらしいけどな」
Ｒ「え〜と・・・妙に冷静なのか夢が無いのか・・・」

Ｒ「やはり巨人が強いと見てるのか、日本シリーズＭＶＰには巨人勢の名前が並びま
　　した」
Ｇ「まぁ少しでも当たる確率を上げようと思えばそうなるか」
Ｒ「そんな中、一人違うチームの人がいますが？」
Ｇ「いや、個人部門に入れてあげられなかった選手を書く項目と割り切ってるからさ」
Ｒ「それが柳田ですか。てっきり恒例の井端か山本昌の名前かと思いましたが」
Ｇ「その井端がね、２軍の試合で見た時に凄いパワーをしてると、柳田を褒めまくっ
　　てたからホームラン王に書きたかったんだけど、頑張ってるとはいえ、層が厚い
　　ソフバンで１年間レギュラーは難しいんで、短期決戦ならとここにした」
Ｒ「なるほど。それから、いつも投手の名前をあげるＫ氏さんが、ついに野手でオール
　　スターＭＶＰを狙いにきました」
Ｇ「ここは過去に誰も当ててない部門だけど、今年は的中しそうな名前が並んでるな」
Ｒ「皆のやる気を感じますね」
Ｇ「交流戦で巨人の名前が複数出たのもそうだけど、ここは単純計算で１２分の１だ
　　から当たる確率は高い部門なんだ。遊ぶ所と真面目に狙いに行く所のメリハリが
　　面白いな」
Ｒ「全て遊ぶと、昔のＧｏｈさんみたくなりますしね」
Ｇ「失礼な！ちょっと３年ぐらい早いだけで悪い予想はしてないはずだ！」
Ｒ「まぁそういう事にしておきましょう」

Ｒ「今年の問題ですが、昨年に引き続き似た問題でかぶってしまいました」
Ｇ「これはバランスを取るこっちの責任でもあるんだけど、出場試合数はどっちも良
　　い問題なんだよなぁ」
Ｒ「今年の注目である大谷は２刀流をこなすかどうかで分かれますね」
Ｇ「横浜は対巨人の勝利数とか、他にもやりようはあるんだけど、やっぱりスペラン
　　カーに注目したくなるのはファンとして良く解る。ってか難しいぞ！」
Ｒ「外野の中心だった荒波が怪我で離脱、２千本を達成したラミレスが守備面から
　　スタメンを外れ、いよいよスペランカーがスタメンになった瞬間に、本人も怪我
　　でいなくなるという真骨頂ぶりを発揮してくれました」
Ｇ「もうね・・・言葉が無いね・・・」
Ｒ「それにしても、嫌らしい問題が並びましたね」
Ｇ「こっちはファンである山本昌か井端だったんだけど、ＷＢＣで大活躍して、昨年
　　セリーグで最も空振りが少なかった選手として全国的に凄さが伝わった事だし、
　　今年は井端で」
Ｒ「なるほど。それから角中もＷＢＣの影響が心配ですし、オリックスの問題も、中
　　継ぎで勝ちに絡む左がいない状態で、中山、海田の先発陣に、糸井との電撃
　　トレードで獲得した八木が絡んでこられるか」
Ｇ「本気で嫌らしいな。こっちは偶然Ｋ氏と同じ数字が並んだけど、本来ならキリの
　　いい数字はかぶる可能性があるから、少しずらして有利を狙いに行くんだけど、
　　流石にこれぐらい数字が大きいと他人のは読めないんで諦めたら、見事にかぶ
　　ってもーた」
Ｒ「厳密な読み合いがしたければ、もっと少ない数字の問題を作れという事ですね」

Ｒ「さて、これで全ての項目を振り返ってまいりましたが、実はこの他に、今年から
　　投手部門で最優秀勝率という項目が追加されてるんですよね」
Ｇ「これは厳密には、今までもパリーグでは表彰されてたんだ。それが今年からセ
　　リーグでもやるようになったんだそうな」
Ｒ「何でセリーグには無かったんですかね？」
Ｇ「さっぱり解らん。昔はこれもタイトル扱いで、その時は規定にギリギリ到達した
　　投手が７勝１敗で獲得してから１３勝以上に限定されたりとか、何か細かく規定
　　が変わって全くついていけなくなった。そもそも少し前までの中継ぎ部門みたく、
　　セパで数字の基準が違うとか、基本的にタイトルはリーグ管理だから今でも規
　　定が違うかもしれん」
Ｒ「なるほど。厳密なのが解らなかったんで、今年も項目には増やさなかったと」
Ｇ「そうだね。まぁ今後増やす予定も無いけど、とりあえずは様子見かな」
Ｒ「解りました。では次回はオールスターでの中間発表ですね」
Ｇ「その時はゲストが違うだろうけど、頑張っておくれ」
Ｒ「一つ疑問があるんですが、ゲストを決めてるのはＧｏｈさんですよね？」
Ｇ「そうだよ」
Ｒ「いくら払えばまともなゲストになりますか？」
Ｇ「そこまで嫌か！」
Ｒ「だって漫画のセリフしかしゃべらない人と猫ですよ！」
Ｇ「すずみがいるじゃないか」
Ｒ「野球全く知らないじゃないですか！」
Ｇ「この会話は去年もしたな。まぁそこまで言うなら考えないでも無いが・・・」
Ｒ「本当ですか！？」
Ｇ「他にゲストで呼んで皆が喜びそうなのは・・・通称、三下って呼ばれてる、三下臭
　　がプンプンしてる女の子がいるがどうする？」
Ｒ「何ですかそれ！？」
Ｇ「ちょっと趣味でダンボールかぶって潜入したり、決めゼリフでポーズとってみたり、
　　道の真ん中で空に向かって手を広げて動かなかったりするだけでいい子だよ？」
Ｒ「すいません・・・チェンジで・・・」
Ｇ「今度、野球の知識がどれくらいあるか訊いておくから楽しみにね」
Ｒ「いやだ〜！！！」
Ｇ「三下がいたら、そこは『ヒィィィ〜』でしょう！って突っ込まれるぞ」
Ｒ「お願いですからまともな人を〜！」