第2回 「途中経過」


レポーター(以下R)「復興中の東北を元気づけるべく、Jリーグのベガルタ仙台が開幕から
  12戦負けなしと新記録。女子サッカーW杯ではナデシコJAPANが歴史的な優勝と日
  本中が盛り上がりをみせ、やはりスポーツはいいと再認識させられました。楽天・嶋の
  感動的なスピーチから始まったプロ野球も前半戦が終わり、仙台でオールスターが開
  催と例年以上の盛り上がりを見せております」
ゆうすずみ(以下ゆ)「あっすいません、ビッグパフェのチョコレートください」
「にゃ〜」
ゆ「キナコ餅も」
R「・・・え〜本日のゲストを紹介しなければなりません。まずは一人と一匹です」
ゆ「何故かGohさんに行って来いと送り出されたゆうすずみです」
「にゃ〜」
ゆ「紹介が適当すぎると怒ってます」
R「毎度のやりとりですが、ゆうすずみさんは野球は詳しくないのですよね?」
ゆ「はい全く。あっでも女子サッカーW杯は観ましたよ」
R「おお!スポーツに全く興味無いと思ってました」
ゆ「もっとも仕事中に横で流れていただけですが、ノルウェーと赤道ギニアの対戦を観戦
  しました」

R「なんでそんなマニアックな・・・」
ゆ「ご安心を。野球の知識ならネコ銀がいますから通訳しますよ」
R「いや、猫だし・・・。そしてもう一人のゲストを迎える前に心の準備が必要で・・・」
Mr.X(ペケ)(以下X)「40秒で支度しな」
R「・・・また来てしまいましたMr.X(ペケ)さんです」
X「私も古い秘密の名前を持っているんだよ、私の名前は、ミスターペケ・パロ・ウル・
  ラピュタ」

R「誰だこの組み合わせでゲスト呼んだの!!!」
X「あなたは何を怯えているの?まるで迷子のキツネリスのようよ」
R「黙れ!では、早速部門毎に見て行きたいと思います」
「にゃ〜」
R「はい?」
ゆ「『いざ、お供つかまつらん。ラピスラズリの鉱脈を探す旅に!』と言ってます」
R「・・・・・」

セ・リーグ
  現在
1位 ヤクルト 中日 広島 中日 中日
2位 中日 巨人 阪神 巨人 ヤクルト
3位 阪神 (同) 阪神 中日 ヤクルト 阪神
4位 巨人 広島 ヤクルト 広島 巨人
5位 広島 ヤクルト 巨人 阪神 広島
6位 横浜 横浜 横浜 横浜 横浜
パ・リーグ
  現在
1位 ソフトバンク 日本ハム 日本ハム 楽天 ソフトバンク
2位 日本ハム (同) ソフトバンク ソフトバンク ソフトバンク 日本ハム
3位 ロッテ 西武 ロッテ 日本ハム ロッテ
4位 楽天 楽天 楽天 西武 楽天
5位 オリックス ロッテ 西武 ロッテ オリックス
6位 西武 オリックス オリックス オリックス 西武


R「まずは順位予想ですが、ヤクルトの快進撃が止まりません」
「にゃ〜」
ゆ「ここ数年、お祭り型の流れを作り出すチームがパリーグに多く、セの球団は交流
  戦で苦戦しました。それが今年のヤクルトは正にそのタイプで、短期決戦型な
  小川監督の手腕が嵌ったと言えるでしょう」

X「姫様はこの手を好きじゃというとくれる、働き者のきれいな手じゃというとくれます」
R「・・・毎度会話にならないペケさんは置いておきまして、ゆうすずみさんのそれは
  通訳ですよね?」
ゆ「はい、ネコ銀がこう言ってます」
R「・・・そして2位のドラゴンズ以下が借金生活で、首位まで含め6球団全て得失点
  差マイナスという異常事態も起きました」
「にゃ〜」
ゆ「要因としてセリーグは主力級の怪我に不調と今年は酷いそうです」
R「一方のパリーグですが、ソフトバンクが交流戦を4敗と圧倒的な強さで優勝。日
  本ハムはオリックスに対する大量な貯金で同率の首位とマッチレースの様相を
  呈してきました」
X「双方動くな!動けば王蟲の殻より削りだしたこの剣が、セラミック装甲も貫くぞ!」
R「五月蝿い!」
「にゃ〜」
ゆ「パリーグは何故か毎年お客さん状態がありますので、いかに相性の良いチーム
  を作れるかですね。そのオリックスがソフトバンクに相性が良いので、後半戦の
  鍵を握るかもしれません」

R「本塁打を量産しているおかわり君がいる西武が最下位と低迷。楽天と共に抑えが
  決まらずに苦労してるのが原因かと思いきや、セットアップ・抑えがしっかりしてい
  るオリックスが下位。セリーグでも抑えが頑張っている広島・横浜が下位です。
  ゆうすずみさんはこの辺り、どの様に分析されてますでしょうか?」
ゆ「いえ、私に訊かれましても」
R「・・・ネコ銀さんはどの様に分析を?」
「にゃ〜」
ゆ「今年はとにかく先発の力が大きいそうです。時間打ち切りの引き分けがあるので、
  通常は7回3失点で合格の先発が、最初から全力で投げて5回無失点、もしくは
  6回1失点と試合を作ってくれないと、通常なら点が入る6・7回で早くも次の投手
  が出てきてしまう為、良い先発を持っているチームが上位にきてるとの事です」

R「なるほど。しかも過密日程で先発の駒が必要。確かに2点とれば勝ちといった試
  合が多い気がします」
「にゃ〜」
ゆ「5回までの防御率が0点台、6回から一気に崩れる巨人の藤井秀が活躍出来る
  最後のチャンスだったんじゃないかと残念がってます」

X「最後のチャンスだ!すり抜けながら掻っ攫え〜」
R「そういえば藤井秀はどうしたんでしょうか。最後に名前を見たのが昨年の終盤戦。
  大方の先発予想が藤井の中、試合前に神宮周りを長距離ランニングしていて
  先発じゃ無いのがバレ、巨人の奇襲が失敗した事がありましたが・・・」
X「ひどい、不意討ちだわ!洞窟の生き埋めよ!」
R「意味わかんねーよ!」
「にゃ〜」

ゆ「最新の本人ブログによれば、友人からメロンを貰って食べ頃がいつか迷ってた
  そうですよ」

R「・・・・・」
X「腐ってやがる。早すぎたんだ」
R「腐ったら遅すぎだから!」

セ・リーグ
  現在
打率 マートン(神) 森野(中) 俊介(神) 青木(ヤ) 青木(ヤ)
本塁打 バレンティン(ヤ) ラミレス(巨) スレッジ(横) スレッジ(横) 畠山(ヤ)
打点 新井貴(神) ラミレス(巨) スレッジ(横) 和田(中) 畠山(ヤ)
盗塁 福地(ヤ) 他2名 梵(広) 福地(ヤ) 青木(ヤ) 福地(ヤ)
  現在
防御率 内海(巨) ネルソン(中) 吉見(中) 吉見(中) 館山(ヤ)
勝利 内海(巨) バリントン(広) バリントン(広) ネルソン(中) 由規(ヤ)
セーブ サファテ(広) 岩瀬(中) サファテ(広) サファテ(広) 岩瀬(中)
中継ぎ 久保(巨) 浅尾(中) シュルツ(広) 浅尾(中) 浅尾(中)


R「個人部門のセリーグです。飛距離を出そうと打撃改造して不振に陥っていたマ
  ートンが復調。他はヤクルト勢が元気です。特にGohさんが穴の大きな打者と
  見ていたバレンティンが頑張っています」
「にゃ〜」
ゆ「空振りした所を次にステップを動かしてまで決め打ちしてくるタイプなので、
  同じコースを続けるのでは無く、ボールを散らして足を動かすのが吉だそうです」
R「なるほど。情報が集まってくる後半戦で各球団がどういった対処をするか楽しみ
  ですね。そして盗塁部門のトップが10。今年は打球が飛ばない分、こういった
  走力が重視されると思っていましたが、これはちょっと低すぎで、骨折した梵ま
  で復帰してからタイトルの可能性があるぐらいです」
「にゃ〜」
ゆ「終盤戦のタイトル争いでは、これだけ走れるなら最初からやっとけよ!ってぐら
  いの盗塁が見られるでしょう」

X「行ってくれ!僕らのために行ってくれ!! 」
R「使い方は違いますが確かにその通りです。それにしてもパリーグが走りまくって
  るだけに差が目立って仕方ありません。パリーグの球場は広いから盗塁を重視
  するといった事も言われてましたが」
「にゃ〜」
ゆ「それはあると思いますよ。加えてパリーグは投手が良いので連打が出ないから
  盗塁を重視する。それとセリーグのが捕手がいいんですよ。盗塁は確かにパリ
  ーグのが圧倒的ですが、次の塁を狙うという走塁技術ではセリーグのが上手い
  ベテランが揃ってるんで面白いですね」

R「次は投手ですが、内海が足踏みした挙句やっと10勝。今年はどの部門もハイ
  レベルな混戦です」
「にゃ〜」
ゆ「この時期で防御率1点台が6人もいるパリーグ程じゃないですがセリーグも4人。
  飛ばない統一球、良い投手が早めに来る、審判統一、怪我人の多さ、春先に
  Gohさんも言ってましたが、様々な要素が含まれてこの事態です」

R「ボールが飛ばないばかり注目されてますが、いろいろな要因があるのですね」
X「飛べねえ豚はただの豚だ」
「にゃ〜」
ゆ「『飛んだところで豚は豚だぜ』と言ってます」
R「(何でこんな事知ってんだこの猫は・・・)」

パ・リーグ
  現在
打率 糸井(日) 浅村(西) 内川(ソ) 稲葉(日) 内川(ソ)
本塁打 中村(西) 中村(西) 中村(西) ホフパワー(ソ) 中村(西)
打点 中村(西) 内川(ソ) 内川(ソ) 内川(ソ) 中島(西)
盗塁 聖沢(楽) 本多(ソ) 本多(ソ) 聖沢(楽) 聖沢(楽)
  現在
防御率 武田勝(日) ダルビッシュ
(日)
成瀬(ロ) 岩隈(楽) 成瀬(ロ)
勝利 ダルビッシュ
(日)
田中(楽) ダルビッシュ
(日)
岩隈(楽) 岩隈(楽)
セーブ 武田久(日) 武田久(日) 武田久(日) 武田久(日) 武田久(日)
中継ぎ 平野(オ) 平野(オ) 森福(ソ) 伊藤(ロ) 森福(ソ)


R「パリーグですが、首位打者を独走していた内川が怪我で離脱も、規定打席には
  到達しそうな気配。それにボールの飛びは変わらないと豪語するおかわり君が
  新記録を作るぐらいのペースで打ちまくっています」
「にゃ〜」
ゆ「先程の話の続きですが、実際にボールは飛ばないそうです。ただそれよりも大き
  な特徴があって、ボールが動くらしいんですよ」

R「と仰いますと?」
ゆ「内野手が1塁にスローイングするだけで真っ直ぐいかないそうで、つまり投手が
  直球を投げたのが微妙に変化するらしいんですね」

R「大リーグでいうムービングファーストボールという奴ですか」
ゆ「だから助っ人外人を例に出すと解り易いんですが、ホールトンやスタンリッジは
  昨年まで直球とカーブ・チェンジアップの投手で、日本では直球を狙い打ちされて
  いました。それが米時代の本来の姿である動く直球が復活した事により、球種が
  何パターンも増えた事になります」

R「球種が少ない事でコントロールが要求されていたのまでが緩和されるという効果
  も起きた訳ですね」

ゆ「そうです。これに対応するにはボールがブレる前に叩く事。つまり、おかわり君や
  ソフトバンク松田の様な前で叩く選手は打球が変わらない。一方、引き付けて打
  つ選手は芯に当たりづらくなるという現象のようですね」

R「良く理解は出来ましたが、それをさっきの一鳴きで言ったんですか?」
ゆ「そうですよ。通訳ですから」
R「・・・そうですか。今年はプロ野球記録となった5試合連続零封負けの武田勝や、
  牧田といった所が援護に恵まれませんで、まさに悪夢というか笑うしか無かった
  状況でした」
X「夢だけど、夢じゃなかった!」
「にゃ〜」
ゆ「ここまで来るとお祓いや駅前のゴミ拾い等、何か流れを変えるキッカケが欲しい
  ですよね」

R「ゴミ拾いって日頃の行いじゃないですか」
X「見ろ!!人がゴミのようだ!!」
R「何にせよ内容は素晴らしく、いずれも先程の話題にあがった様に素直な真っ直ぐ
  を投げない投手です」
X「すなおで明るい直球は、どこかへいったゃったみたい」
R「明るいってなんじゃい!・・・そして涌井や岸のようなフォーシームを主体にする投
  手が苦しんでる反面、皆の予想が集まったダルビッシュ・岩隈のようなツーシーム
  やカットボールを駆使する選手が好成績を残しています。この二人は、来年、大リ
  ーグ挑戦すると見られていますが、残念ながら岩隈が離脱してしまいました」

「にゃ〜」
ゆ「岩隈は2年連続で働く身体が無いから仕方ない。毎年いなくなるスペランカーより
  はマシだと言ってます」

R「確かにどちらも良い選手なんですが、ほんの少しでも丈夫さがあれば・・・」
X「この体が金属なのか粘土なのか、それすら我々の科学力ではわからないのだ」
R「科学トレーニングはやってるはずなんですけどね」
「にゃ〜」
ゆ「岩隈ですが、ダルビッシュも含めて、今年のボールに対応して良い投球を見せて
  いたから、充分向こうでも通用する証明になったんじゃないかと言ってます」

R「同様に、野手でも今年のボールに対応した選手は、大リーグでも通用すると言
  える訳ですね」


  結果
日本シリーズMVP   栗山(西) 稲葉(日) 田中(楽) 斉藤佑(日)
オールスターMVP 畠山(ヤ)
中村(西)
稲葉(日)
嶋(楽) 内川(ソ) 川崎(ソ) 山崎(楽)
交流戦優勝チーム ソフトバンク ロッテ ソフトバンク 中日 日本ハム


R「先程も話題に触れましたが、ソフトバンクが4敗しかせずに交流戦を優勝。見事
  にK氏さんが的中です」
「にゃ〜」
ゆ「これで7年連続パリーグの優勝。この時点で確定の正解があるというのは、最
  下位の可能性が低くなる意味でも大きいと思います」

R「残念ながらオールスターの的中はいませんでしたが、今年も盛り上がりました」
「にゃ〜」
ゆ「オールスターは試合内容よりも、選手が技術をどう盗むかといった部分が面白
  いですね」

X「泥棒さん・・・」
R「それは微妙に作品の系統が違うから!」

ファン球団クイズ
[R](全体)斉藤佑樹(日)の勝利数は? 11 10
[G](中日)チーム総本塁打数は? 117 101 103 50
[K氏](横浜)チーム先発完投数は?
[山Q](ロッテ)チーム引き分け数は?
[モコ](オリックス)チーム総盗塁数は? 51 32 29 85


R「ファン球団クイズはまだ確定している部門が無いので年末のお楽しみとしまして、
  これで全ての項目を振り返ってまいりましたが、後半戦の見所を教えてください」
「にゃ〜」
ゆ「個人的にはご主人様であるK氏のファンチームである横浜だそうです」
R「ほう。横浜といえば制限選手として扱っていたリーチがついに来日しましたね」
ゆ「ボールを動かすタイプでローテーションは確実。来年の残留は決まってますし、
  先発が足りない横浜の救世主となって欲しいそうです」
X「そのもの青き衣をまといて金色の野に降りたつべし」
R「本人に意欲があった物の家族の反対で来日出来ず。ハーパーとスレッジの奥さん
  が説得をしてくれたとの事ですが、流石に我侭で帰国した巨人の制限選手とは大
  違いでしたね」
X「父さんの行った道だ!父さんは帰って来たよ!」
R「父親も帰国したっきりだから!」

R「さて、最後に暫定の的中個数を発表しておきましょう。昨年優勝のモコモコさんが
  12個でトップ。以下1個差でK氏さん、6個でGohさん、4個で山Qさんです。そう
  いえば以前Gohさんとお会いした時に伸びしろが少いと嘆いてましたが、ファン問
  題も含めて、他の3人に比べて厳しい状況なんですよね」
ゆ「梵が〜浅村が〜内川が〜と悲鳴あげてましたね」
R「森野も含めて、怪我してたり既に目が無い選手が多いという事ですか」
X「目がぁー!目がぁーーぁぁぁぁぁぁぁーー」
R「・・・対談にあたって何か言ってましたか?」
ゆ「もし自分の事が話題に上るようなら、『おちこんだりもしたけれど、私は元気です』
  と言っておいてくれと」

R「・・・どうやら最下位は覚悟してるようですね。では今回はこれにて失礼したいと思
  います。本日のゲストは、ゆうすずみさん、ネコ銀さん、そして、もう来ないで下さい
  Mr.X(ペケ)さんでした」
X「Mr.X(ペケ)は滅びぬ。何度でも甦るさ!ペケの力こそ、人類の夢だからだ!!」
R「頼むから会話しろ!もう来んな!」
「にゃ〜」
ゆ「『言葉を慎みたまえ。君はラピュタ王の前にいるのだ 』と言ってます」
R「わたしじぶんがこわい・・・。憎しみに駆られて、何をするか分からない。もうこれ以
  上、誰も傷つけたくないのに・・・!!」

第3回へ