第１回　「予想発表」


レポーター（以下Ｒ）「震災による影響で今年のプロ野球は開幕がずれこむ等、
　　少なからず影響が出ております。オープン戦が中止となり、戦力分析が難し
　　かったのでは無いでしょうか。そんな皆さんの予想が集まりましたので発表
　　したいと思います。本日のゲストはＧｏｈさんです」
Ｇｏｈ（以下Ｇ）「この度、被災された方々に、心からお見舞い申し上げます。
　　本当に大変な状況が続いてるねぇ・・・どうもＧｏｈです」
Ｒ「全くです。Ｇｏｈさん宅も大変だったんですって？」
Ｇ「津波で家が流されたとか、あんな酷い状況じゃなかったけど、マンションの
　　４階だから、食器は全滅だし、まさに足の踏み場も無い、破片が怖くて片付
　　けるのに家の中で靴を脱いだのは朝の４時ぐらいだったね」
Ｒ「お疲れ様でした。プロ野球では、開幕日をめぐって二転三転しましたが、
　　大きなルール変更としては＜３時間３０分を過ぎて新しいイニングに入らない＞
　　というのが挙がると思います」
Ｇ「進行時間によって逆算できるから、１２回まで考えずに良い投手を早めに出
　　せるし、１２回まで行くぐらいなら先発が頑張ってるという事なんで、中継ぎに
　　とっては助かるルール変更だよね」
Ｒ「確かに、今年は投手交代が早いですね」
Ｇ「それに通常は７〜９人投手をベンチ入りさせるんだけど、９人の必要が無くて、
　　野手の器用方法にも影響出るかも」
Ｒ「せっかく開幕１軍だった雄星が１度も登板せずに２軍落ちしたり、確かにいつも
　　同じ投手が出てくるなという印象はありました」
Ｇ「オープン戦が無かったおかげで４月を選手見極めの月にしてるチームが多い
　　から、野手の人数が多い分、交代が早かったりと、この４月は特殊だったね」
Ｒ「それを見極めて予想出来たかというのは重要なんですね」
Ｇ「本来なら１軍にいるはずの控え選手を、少しでも試合勘だす為に２軍に帯同
　　させたりとかね。他にもルール変更で語りたい事はあるけど、それは影響ある
　　項目が出てからにしようか」
Ｒ「解りました。では順番に見ていきましょう」

Ｒ「まずは順位予想ですが、なんと４月を借金生活の中日に優勝が固まりました」
Ｇ「ん〜・・・僕はファンだからってのが大きいんだけど、流石に固まる程じゃないか
　　なぁ。今年から飛ばなくなる統一球という事で、ＨＲが関係無い中日に集まった
　　という事にしておこうか」
Ｒ「時間短縮という事で、中継ぎ投手が良い中日に集まったのでは無く？」
Ｇ「順位が勝率優先だったらそれもありなんだけどね。勝利数優先だから引き分け
　　増えても有利にならんのよ」
Ｒ「なるほど。確かに中日は勝つよりは負けないチームですしね」
Ｇ「そのイメージあるでしょ？それにむしろイニング短くなるんだから、選手層の厚
　　さを売りにしてるチームにとってはマイナス要素だよ。まぁその分、過密日程
　　があるから、中継ぎより先発の駒の数は重要なんだけどね」
Ｒ「全体を見ますと、４人全員共通が横浜の最下位で１箇所しか無いんですよ」
Ｇ「見事にばらけたね」
Ｒ「中日、日本ハム、ソフトバンクが全員上位、逆に横浜、オリックスが全員下位
　　予想というだけで、他は不思議なぐらい混戦予想です」
Ｇ「予想としては面白いよね。さっき言った統一球、過密日程、時間短縮、セパ審
　　判の統一、デーゲームの多さ、開催球場の変更、予想に直結するルール変更
　　がこれだけあるから、どこを重視したかってのでも変わってくるでしょう」
Ｒ「それに、外人選手の来日取り消しとかもありました」
Ｇ「横浜のリーチはローテ確実だっただけに痛いよねぇ。本人が来日希望してるの
　　に家族が必死で止めて来られなくなったんだっけ」
Ｒ「そうです。本人に意欲があるという事もあり、再び来日してくれる事を祈って、
　　日本では初となる制限選手に指定されました。これは世界共通のルールですの
　　で、２年契約の間、他のチームでプレーする事は出来ません」
Ｇ「今期の途中とか、来年来る可能性はあるんだね」
Ｒ「はい。水面下で交渉は進んでるでしょう。横浜は緊急措置として、昨年まで所
　　属していた先発のランドルフが復帰です」
Ｇ「そういえば、巨人でも制限選手がいたよね。あの問題児親子・・・」
Ｒ「バニスターですね。震災で勝手に帰国し引退宣言をしました。こちらは巨人が
　　他の球団でプレー出来ない様に懲罰的な意味合いで制限選手としてます」
Ｇ「親父からしてなぁ・・・」
Ｒ「はい。ヤクルトに破格の年棒で入団して開幕から３勝し怪我して離脱。１年後
　　怪我から復帰した所で、いきなりシーズン中に退団しました」
Ｇ「その後、大リーグで投げてたしな・・・。そういや巨人のライアルも親子選手だっ
　　たな。中日ファンとしては懐かしい名前だ」
Ｒ「ちなみにバニスター父が怪我して翌年６月に退団。中日のライアルも怪我して、
　　翌シーズン中６月に退団と全く同じです」
Ｇ「ライアルＪｒ．は現在無事にプレーしてるけど、何かワクワクしてきたね」

Ｒ「個人部門のセリーグです。やはり全体的に４月が好調だった選手に集まったのは
　　例年通りです。ここに挙がった中で見ると、和田、森野の中日勢が出遅れたぐらい
　　でしょうか」
Ｇ「まぁそのうち上がってくるだろ」
Ｒ「面白いのが投手部門。中日、ヤクルト、広島の３球団が全ての項目を占めました」
Ｇ「本当だ！これは凄いなぁ・・・。モコが打撃まで含めてヤクルトと心中したから偏る
　　のは解るけど、４人ともってのはちょっとやりすぎだねぇ」
Ｒ「にも関わらず前田健の名前が無い。他にも、東野、能見など名前が挙がってもお
　　かしく無いんですが」
Ｇ「だよなぁ。東野って全球団通してデーゲームで一番防御率がいいんだよ」
Ｒ「ほ〜、そんなデータがありましたか。他には？」
Ｇ「セだと村中、中田賢あたりかな。パはデーゲームが多いからデータが揃ってて、
　　ダル、岩隈、まーくん、武田勝、成瀬、和田あたりが成績いいんだけどね」
Ｒ「逆に弱い選手だと？」
Ｇ「滅法弱いのが杉内。後は金子千、永井、涌井、木佐貫、渡辺俊。セだと清水直、
　　由規だけど、今期の由規は頑張ってるね」
Ｒ「昨年の対談でしたか、統一球の話題が出た時に、Ｇｏｈさんが由規は良くなるかもっ
　　て言ってましたね」
Ｇ「今年は球速を少し落として制球重視にしてるのもあるけど、いい感じだね」
Ｒ「なのに予想はしなかったんですね」
Ｇ「本当は書きたかった。でもヤクルトが５位予想なんで書けなかったのと、バリントン
　　って全米ドラフト１位の選手だよ？日本で細かい部分憶えたら、素質が違うだけに
　　手がつけられなくなると思ってね」
Ｒ「なるほど」
Ｇ「例年なら殆どデーゲームの無いセリーグが、今年は少し増えるから、そこで得意
　　不得意が出てくると面白いね。ちなみに中日は例年のホーム週末デーゲームが無く
　　なり、逆にナイター増加」
Ｒ「そうなんですか」
Ｇ「データでは持ってないけど、野手でも昼に強い弱いがあるんで、今年は意外な選手
　　が意外な成績を残すかもよ」
Ｒ「良い意味でも悪い意味でもですね」

Ｒ「パリーグですが、飛ばないボールになって外人選手の指名が増えると思いきや、
　　山Ｑさんがホフパワーを指名したのみ。投手は、今年が日本最後の年になるであ
　　ろう、ダルビッシュと岩隈の名前が多く挙がっています」
Ｇ「とはいっても外人いないしなぁ。カブレラは１年もつとは思えないし」
Ｒ「そこが打点部門に、長距離砲ではない内川の名前が並んだ一因ですか」
Ｇ「小谷野がタイトル獲れるぐらいだから、その小谷野、井口あたりに固まるかなと思
　　ってずらしたつもりだったんだけどなぁ・・・」
Ｒ「ホフパワーが好調ですが」
Ｇ「僕は左投手に対する選球眼が悪すぎるんで避けたけど力あるねぇ。研究された
　　後に対応出来れば普通にありえると思うよ」
Ｒ「なるほど。そしてＧｏｈさんが唯一相性の良いパリーグの首位打者で浅村ですか」
Ｇ「まだ１年間働いた実績無いから賭けだけど、久々にどんなコースでも軸がぶれな
　　い打ち方する選手見たね。見てて気持ちいいから思わず書いちゃったよ」
Ｒ「これはセリーグにも言える事なんですが、比較的当てやすい盗塁部門が、今年は
　　候補がたくさんいると思うのですが」
Ｇ「いつも２択３択の世界だったから、今年は両方とも５人ぐらいはいる。パは、たま
　　たま２人に偏ったけど、片岡、荻野貴、岡田、糸井、田中賢、どの名前が出ても
　　納得するよ」
Ｒ「そして昨年まで実績あったセットアッパー、攝津とファルケンボーグが、先発・抑え
　　に配置転換してる事もあり、新たに森福の名前が出てきました」
Ｇ「そうか、外人の名前が例年ならもっと多い気がしてたのは、ファルケンボーグが
　　いないのか」
Ｒ「馬原が母親の不幸から精神的な物か不調で２軍へ。その間ファルケンボーグが
　　抑えらしいので、将来的な配置が見えないのでどちらにも書きづらい所です」
Ｇ「カタカナが少ないな。仕方ない、特別に今年から独立リーグで選手兼監督になっ
　　た彼を・・・」
Ｒ「マックさんはもういいですってば！」

Ｒ「当たる可能性の少ない両ＭＶＰは良いとしまして、交流戦で中日ファンのＧｏｈ
　　さんがロッテ優勝、ロッテファンの山Ｑさんが中日の優勝予想です」
Ｇ「まぁそういう事もあるわな」
Ｒ「昨年はパリーグが圧倒的に勝ち越しました」
Ｇ「それこそ、そういう事もあるになっちゃうんだけど、交流戦の位置付けが未だに
　　見えてこなくてねぇ」
Ｒ「と申しますと？」
Ｇ「何ていうかな、負けて良い試合ってのは当然無いんだけど、ファンの盛り上がり
　　と、現場のプレーにどうも温度差を感じるのよね」
Ｒ「同一リーグに負けるより差がつかないって事ですか？」
Ｇ「うん。通常、同一リーグで３連戦だったら最低限１個勝てば・・・って戦い方をし
　　て、それが２連戦だと連敗は痛すぎるんで、特に初戦で選手起用とか戦い方
　　が変わるのよ」
Ｒ「そうなりますね」
Ｇ「具体的には長くなるから省くけど、それが本来必死にならなきゃいけないはず
　　の２連戦が続く交流戦なのに、相手が別リーグで連敗しても差がつきにくい
　　せいなのか、どうも必死さが伺えなくてね」
Ｒ「それが位置付けという事ですか？」
Ｇ「そう。実はこれ時期の問題ってのもあるんだわ。オールスター前に全部やっ
　　ちゃうから、どうも本番は終わってからって戦いするチームが多くてね」
Ｒ「半分、秋に持っていけばそんな事も言ってられなくなりますね」
Ｇ「本当はそうして欲しいんだけど、まぁそれをここで言っても仕方ないかね」
Ｒ「そうですね。今度コラムの仕事を請けた時にでもそちらで書いてください」
Ｇ「そうする」

Ｒ「では数字当てのファン球団クイズですが、今年も面白い問題が集まりました」
Ｇ「自分で作っておきながら、中日の総本塁打数はさっぱり解らん！」
Ｒ「モコモコさんの５０って数字はまた凄いですね」
Ｇ「流石に５０は無いと思うけど、でもニアピンってルールな以上ありえる作戦だよ。
　　実際に７５本以下なら正解な訳だし」
Ｒ「これは統一球の影響という問題ですし、完投数、引き分け数は時間短縮、そし
　　て今年注目のハンカチ王子の問題を入れさせていただきました」
Ｇ「僕が一番多い数字になったけど、今のままじゃ無理だと思ってる。でも夏にな
　　って、力がついてきて真っ直ぐでもう少し勝負出来るようになればあると思う。
　　それにしても、オリの盗塁、横浜の完投とはまた嫌らしい所きたなぁ・・・」
Ｒ「どちらも春からのチーム戦術を見てるかどうかで差が出ますしね。横浜は加賀
　　が中継ぎにまわった事で、全体的に人数の余裕だけは出来ました」
Ｇ「さすが尾花さんっていう思い切った起用だったなぁ」
Ｒ「それと問題文の中には書いてませんが、いずれの問題もレギュラーシーズン
　　のみが対象ですよね？」
Ｇ「皆、そのつもりで予想してくれたみたいだけど、今後注釈が無い限りは、レギュ
　　ラーシーズンのみという事にさせてもらうね」

Ｒ「さて、これで全ての項目を振り返ってまいりましたが、ここまでのプロ野球を振
　　り返っていかがでしょう」
Ｇ「やっぱり新人の活躍が目立つよね。当たり年って言葉があるぐらい、不思議と
　　良い選手が集まる年があるんだよね。今までは五輪の翌年って傾向があった
　　んだけど、今年は凄いねぇ」
Ｒ「新人王候補の名前が山ほど挙がりますね」
Ｇ「本当に今年は選手名鑑が大活躍だよ。やっぱり大卒、社会人からってのは、
　　高卒ルーキーとは一味違うね」
Ｒ「来年以降の予想に絡んでくる選手が出てくるのか、それも楽しみな所です」

Ｒ「では次回はオールスター前後の中間発表でお会いしましょうという事で、今年
　　最初の対談は終わりたいと思います。本日のゲストは、Ｇｏｈさんでした。あり
　　がとうございました」
Ｇ「なんか僕が出る時はネタ分が全く無くて心苦しいぐらいなんだけど、次回以降
　　にご期待ください」
Ｒ「期待しなくていいです！」