第1回 「戦力分析 パリーグ編」



いつもの喫茶店と違う、緊張感の漂っている某スタジオ。
一人の男がマイクの前に着いた。

レポーター(以下R)「WBCの日本優勝という興奮冷めやらぬ中迎えたパリーグの
  開幕。今日はいつもと違う場所、雰囲気の中お送りする2006年度雑談企画、
  第1回、パリーグ戦力分析。本日のスタジオコメンテーターにはGさんをお迎え
  しています。」
Goh(以下G)「どうも〜、いつもに比べて硬いよ?緊張してる?」
R「いや、そういう訳では無いんですが、喫茶店で慣れてるもんで。」
G「ま、WBCの日本優勝記念って事で、ちょっと奮発してみました。それに、昨年ま
  で4年間やってみんな1回ずつ優勝、仕切りなおしって意味も含めてね。」

R「周りが静かな中しゃべるってのに慣れてないもんで、戸惑ってるんですが、よろし
  くお願いします。」
G「まぁ、どうせ会話するのはいつもの二人だからね、こっちも対談中はなるべく普段
  通りにですます口調でしゃべるから気楽に行こうか。」

R「では昨年に引き続き、開幕が早い、むしろもう開幕しているパリーグからですね。
  一応進行は考えて来たんですが、チーム毎でいいですか?」
G「ああ、せっかく開幕してるんだし、開幕カード毎に行こう。」
R「なるほど、では2チーム毎ですね。」
G「そそ。ではまず、昨年のリーグ覇者ソフトバンクと、プレーオフを制し、5冠を達成
  したマリーンズから行ってみよう!」



福岡ソフトバンクホークス

OUT 永井 グーリン 城島 瑞季→M バティスタ 出口
IN カラスコ(投) 芝草(投) 陽(投) 田上(捕) 仲澤(内) 
新人 藤岡(投) 松田(内) 本多(内)


千葉ロッテマリーンズ

OUT セラフィニ→Bs 初芝 小坂→G 李→G
IN バーン(投) 瑞季(内)
新人  



R「今年も間違いなく優勝争いをするであろう2チーム。WBCで投手陣をごっそり持っ
  ていかれ、開幕投手を昨年の新人王、久保に託したロッテ。一方、エースの斉藤
  をたて、見事5年連続の開幕勝利を飾ったソフトバンクです。」
G「それでは、現地に飛んでいる山Qさんと電話が繋がっています。山Qさ〜ん?」
R「現地って何!?電話って!?」
Q「はいこちら山Qです。」
R「しかもあっさり話しが通ってるし!」
G「残念ながら山Qさんがファンチームのロッテは負けてしまいましたが、今年のロッテ
  はどうですか?」

Q「正直、昨年程の出来は難しいといいますか、セラフィニが抜けた穴はでかいです。
  左投手の先発というのは貴重ですからね。」

G「それはそうですよね。ではその辺も含めて今年の注目選手は誰になりますか?」
Q「大ベテラン、左の高木ですね。苦しい時に出てきて5回まででも試合を作ってくれる。
  中継ぎも出来るし、いい選手ですよ。後は、リリーフで、内、戸部も調子がいいみた
  いなんで期待してます。」

G「投手陣をWBCに多く取られた千葉ロッテ、どこかで休みを入れないと1年間は持た
  ないでしょうから、試合を作れる選手がいるというのはそれだけで武器ですよね。
  昨年はムード作りから強さを見せたロッテ。今年はどこに注目すればいいでしょう?」

Q「昨年と違い、今年は一軍登録選手の入れ替えが結構な人数になると思うんですよ。
  だから、若手の活躍の場が増えるんで、日替わりヒーローが出てくれば、ベンチの
  ムードが良い証拠になると思います。」
G「なるほど、ありがとうございました。歩いて帰ってくるの頑張ってくださいね〜。現地
  から山Qさんでした。」

R「待って待って待って!歩いてって何!?それに進行を考えて来た私の立場は!?」
G「では、ロッテについては山Qさんが存分にしゃべってくれたんで、ソフトバンクの方に
  行きましょうか。・・・・・・ほら、進行、質問振って。」

R「勝手に話進めてたくせに・・・では、ソフトバンクですが、一番の注目は、城島の大リ
  ーグ移籍で抜けた穴をどう埋めるかって事ですよね。」
G「しかも捕手だからなぁ。的場、領健、山崎あたりで回すと思いますが、打撃、守備面
  と戦力低下は免れません。打撃はともかく、どれくらい投手の信頼を得られるかがポ
  イントになりそうです。今年1年でどうにかなる問題じゃないので、これから3年後に
  期待ですかね。」

R「実は内野陣も気になる所なんですが、WBCで怪我した川崎が2週間ぐらいで復帰
  とはいえ、層が薄くないですか?」
G「カブレラがセカンドがサードに戻るなら話は別ですが、開幕を見る限りそういう事は
  無さそうだし、新人の松田、移籍で入った仲澤、鳥越、本間、稲嶺、調子のいい選
  手を使いまわして何とかするでしょうね。ま、シーズン中の外人獲得とかあるかも
  知れませんよ。」

R「右左と投手陣が豊富なソフトバンク、今年は投手力でカバーになりますか。」
G「ああ、投手で一つだけ。ルーキーの藤岡。サイドハンドからの速球派、球種も豊富だ
  し、間違いなく即戦力。吉武、三瀬、馬原、勝ちパターンの誰かに怪我人が出たら、
  そこに食い込んでタイトル争いまであるかも知れませんよ。」

R「それほどの投手ですか。」
G「生で見たのは一度だけですが、キレのいいボールを投げてたし、その後のオープン
  戦も結果残してるんで、期待出来ると思います。」

R「それは覚えておいた方が良さそうですね。


西武ライオンズ


OUT 豊田→G 富岡 森 鳥谷部→D 青木勇→C 犬伏
上田 フェルナンデス→E 小関
IN 後藤光(投) ギッセル(投) グラマン(投)
リーファー(内) 江藤(内) 福地(内)
新人 炭谷(捕)


オリックスバッファローズ

OUT 岩下→F マック 相木→T パーラ ケビン→M
JP→G 塩谷 五島
IN デイビー(投) セラフィニ(投) 前川(投) 清原(内)
中村紀(内) グラボースキー(内)
新人 平野(投)



R「次は、昨年は見事なAクラス争いを繰り広げたこの2チームです。開幕戦は、
  西武のエース、西口を打ち崩してオリックスが快勝しましたが、やはり清原効果
  は大きいですか?」
G「ではそこら辺を聞いてみましょうか。もしもーし、現地のモコモコさ〜ん?」
R「また!?」
M「祝!オリックス5年ぶり開幕勝利!今年は倒すぞソフトバンク!」
R「それはむしろソフトバンク以外の5球団のファン全ての願い・・・」
G「いや〜盛り上がってますねぇ。ところでどうですか、清原と中村紀の影響は大き
  いですかね?」

M「1シーズン働けるとも思わないし、個人的には投手陣の補強をして欲しかった所
  ですが、監督があの人なんで、リーダーシップという意味では核になる選手は大
  きいですね。」

G「ああ、顔みると勝つ所が想像出来なくなるあの監督だからなぁ。今、投手の補強
  という話が出ましたが、投手陣はどうですか?」

M「去年が良かっただけに比べると見劣りするんですが、まずはプラス面から。セラ
  フィニの加入、それと、最後まで日本のストライクゾーンに馴染めなかった鈴木さ
  んの放出。この二つは物凄く大きいと思われます。」

R「いや、マックはプラスじゃないし!」
G「では、逆に不安要素を簡単に挙げると?」
M「先発転向してオープン戦いきなり危険球で退場した山口。5番目の先発のはずの
  吉井が2番目に数えられているという現状。昨年は殆ど被本塁打を打たれなかっ
  たのに、オープン戦で早くも昨年の被本塁打数を越えた抑えの大久保。登板過多
  でいまいち調子の出ない、菊地原を筆頭な中継ぎ陣。まだ聞きます?」

R「まだあるのか・・・」
G「いや、良く解りました。では、右の大砲が二人増え、一見、破壊力抜群な打撃陣は
  どうでしょう?」

M「このチームはですね、なんだかんだ昔から打つんですよ。ただ、ファンの立場から
  するとですね、難しいプレーは求めないんで、せめて簡単なゴロを取れて、普通に
  送球出来る選手が・・・うぅぅ。」

R「セカンドにコンバートしても後藤は後藤って所ですか・・・」
G「まぁ、毎年、エラーで勝ち試合いくつも落としてるからねぇ。平野がセンターやったり、
  内野で取ったグラボースキーがライト守ったり、今年も内野の守備は阿部頼みな、
  試行錯誤の1年になりそうですね。」

M「ええ、外野の層は12球団1と言っても良い程厚いですし、開幕のオーダーを見る
  限り、今年もスタメンの入れ替わりが激しい年になりそうです。」

G「ありがとうございました。オリックスファン、モコモコさんの現地レポートでした。」
R「いや、オリックスファンは解るけど、現地レポートって何!?」
G「では、西武の方の補足を。」
R「ツッコミは無視なんですね、もういいです。では、西武ですが、ルーキーの炭谷が
  開幕のスタメンマスクをかぶりました。これは?」
G「打撃なら細川なんですが、伊東監督は本気で細川のリードが嫌いなんですね。こ
  れまではここで野田だったんですが、将来性を期待してって事でしょうか。まぁ、今
  は捕手も打撃が無ければ駄目の時代ですから、細川、野田、炭谷の併用って事に
  なるとは思います。」

R「そして、何と言っても、投打の核、豊田、森、フェルナンデスが抜けました。」
G「打撃に関しては全く問題ないです。オープン戦絶好調のおかわり君こと中村を始め、
  カブレラ、リーファー、江藤、後藤、右の大砲ばかりですが1・3塁のコマは揃ってま
  すしね。外野も骨折から復帰の佐藤友が元気だし、全体的に守備に目をつぶれば
  破壊力は充分ありますよ。」

R「では、投手陣の方はどうですか?」
G「これが正直問題です。小野寺、大沼のダブルストッパーで行くらしいんですが、とな
  るとそれに繋ぐ為の投手がいない。今年は左の三井が中継ぎで回るらしいんで、
  1年間大車輪の活躍をして、尚且つ、この後ろ2枚が活躍して、初めて勝ちパターン。
  捕手のリードが悪いと7回まで持つ所が6回まで、1イニングぐらいは目減りするんで、
  正津、田崎、張。ギッセル、グラマンのツインタワーは先発か中継ぎか解りませんが、
  計算立たない選手がせめて二人は出てきてくれないと厳しいですね。」

R「なるほど、前提条件が多いチームは予想も難しいですね。」
G「そう。僕の中では、今年の西武はオリックス以上に打ち勝つチームとして認識してる
  んですが、松坂、西口、帆足、先発が誰か一人でも欠けたらとんでもない事になるか
  も知れませんよ。」



北海道日本ハムファイターズ


OUT 芝草→H 岩本 入来 伊達→G ミラバル ナイト
山田勝 阿久根 アルモンテ 島田 石本 上田→D
西浦 オバンドー 實松→G 古城→G
 
IN ディアス(投) 岡島(投) マシーアス(内) 森(外)
新人 八木(投) 武田勝(投) 川島(内)


東北楽天ゴールデンイーグルス


OUT 紀藤 小池 川尻 高村 小林 スクルメタ ホッジス
ラス マイエット 中村武 大島公 星野 前田→T
ロペス トレーシー デイモン
 
IN セドリック(投) 富岡(投) インチェ(投) 中谷(捕)
リック(内) フェルナンデス(内) 鉄平(外)
新人 青山(投) 草野(内)


R「開幕戦から4万人のファンを集めた北海道札幌ドーム。5位ながらも最後までA
  クラス争いを演じた日本ハムが、野村新監督、楽天を降し開幕地元勝利を収めま
  した。」
G「何気に開幕の中で一番いい試合だったんじゃないですかね。では、日ハムから
  行ってみましょうか。」

R「ちょっと待ってください。現地レポートはどうなったんですか?」
G「実は、隠れ日ハムファンのMr.X(ペケ)さんに頼んでたんですが、『オジジアン産
  駒の晴れ舞台だからそれ所じゃないじゃ〜ん!』とか訳解らない事言って、飛んで
  くれなかったんですよ。まぁ細かい事はいいじゃないですか。」

R「良く解りませんがツッコンじゃいけない所だと言うのは解りました。では順番に、日
  本ハムの投手陣からお願いします。」
G「ここの投手陣が良く解らないんですよ。開幕を勝利で飾った金村。鎌倉、江尻、
  リー、新人の八木、ダルビッシュとローテで回るはずなんですが、左の2枚、須永、
  正田と面白い選手が揃ってる割にはなかなか出てこないんですよね。」

R「八木、ダルビッシュもそうですが3年後には楽しみな選手が多いのは確かですね。」
G「どうやら抑えがMICHEALで行くらしいんで、となるとそれに繋ぐ投手、トーマス、
  立石、建山、武田久、横山と粒が揃ってるんで、意外と計算が効くのと、そして何と
  言っても開幕直前で巨人から獲得した岡島の存在は大きいと思われます。」

R「これで一気に左右のバランスが良くなりましたね。」
G「このチームは右の代打が薄いのが気になりますが、確実性よりも意外性の打撃が
  売りなんで、そこは置いとくとして、問題は捕手では無いでしょうか。」

R「高橋信が怪我が完治してないとは言え、何とか開幕に間に合いましたが?」
G「先日、別口で野球の話をした時に、その人は高橋信のキャッチングが気に食わない、
  あれじゃ際どい所をボールと取られ投手が可愛そうだと言ってましたが、ここまで怪
  我が多いと成長所じゃないんですね。鶴岡、中嶋と控えの捕手がいるんで、打撃だ
  けだったら12球団でもトップクラスの高橋ですが、スタミナも考えて併用になると思
  います。これで自分が出てない時に見て成長するタイプだったら、物凄い捕手になり
  そうなんですが、どうやらそうでもないらしく・・・本当に勿体無い。」

R「これは日本ハム、楽天と共に言える事なんですが、見事にベテランを一掃しました。」
G「紀藤とか、結構好きな選手多かったんですがねぇ、寂しい物ですよ。」
R「では、次に楽天ですが、野村新監督を迎えてチームは変わりますかね?」
G「逆に聞きますが、変わると思います?」

R「正直、1年では難しいと思います。」
G「変わるのは変わるんですよ確実に。ただ、それが目に見える形かどうかってのは別
  問題で、やっぱり3年は必要ですよね。ただこの先2年間最下位として、あのオーナ
  ーが監督を続投させるかどうか・・・」

R「田尾さんは可愛そうでしたね。」
G「ま、それを言ったら始まらないんで、3年でせめて最下位から脱出出来るぐらいのチ
  ームになると信じましょう。じゃないと予想が盛り上がりません。」

R「では現実問題今年の楽天ですが。」
G「開幕投手の一場、昨年大化けした有銘はローテ当確として、それ以外が全く見えま
  せんね。インチェ辺りも入って来る事になるのかな?5イニングと言わず、3イニング
  でも試合を作れる投手とかを先発でいろいろ試すんじゃないですかね。」

R「今年も苦しくなりそうですね。抑えはどうやら小山がやるようですが?」
G「小山、谷中、金田、小倉、福盛と後ろの方で投げると思いますが、順番がどうとかで
  は無く、小山の制球が良ければ打たれないと信じてそこまで総動員でしょうね。」

R「打撃陣ですが、待望の長距離砲、西武からフェルナンデスを獲得しました。」
G「打たなきゃ勝てないんで、守備云々言ってられませんからね。元ロッテのリックショ
  ートといい、良い補強はしたと思いますよ。でも一番大きいのは違うんですよ。」

R「野村監督がお願いして引っ張ってきたという元中日の土屋鉄平ですね。」
G「オープン戦、中日ファンの僕が見た事無いというHRも打ちましたし、絶好調、しばら
  く1番固定で回すんじゃないですかね。元々、打撃に難ありな選手なんで、どこまで
  持つかは疑問符ですが、それでも足という武器がありますからね。ベテランに囲まれ
  てる中でスタメンとして出場してると、化ける可能性があるかも知れませんよ。密かに
  期待してます。」

R「そして、ベテラン揃いといえば、今年から立花龍二コンディショニングトレーナーが就
  任しました。」
G「これまた大きいですよね。日本が誇る世界的なトレーナーですからね。これまた目に
  見える部分の成果というのは判断が難しいですが、確実にプラスな事は間違いあり
  ません。」



R「さて、ここまでパリーグ6球団振り返ってきましたが、今年のパリーグはどんな展開
  になりそうですか?」
G「申し訳無いんですが、楽天の最下位は動かないと思います。後は、多くの人が予想
  する通り、2強3中1弱の形になるでしょうねぇ。個人的にはもしかしたら3強になる
  かなと思う部分もあるんですが、その為には開幕ダッシュが必須なんで、予想〆切
  の4月末までには結果が出てる事ですから、1ヶ月は楽しく見させていただきます
  よ。」

R「そう言えば、今年から予想する項目が増えるかもという話を聞いたんですが?」
G「ああ、それなんですが、検討をした所、オールスターMVP(1名)と交流戦首位(1
  チーム)を予想に追加しようと思います。というか決定です。」

R「交流戦首位はともかく、オールスターMVPは当たらなさそうですね。」
G「まず当たらない日本シリーズMVPという死に項目もある事だし、どうせならって感じ
  なんですがね。まぁ、この1年やってみて不具合が出る様なら来年は考えますよ。」

R「解りました。さて、1週間後にはセリーグ開幕ですから、次回のセリーグ編は結構す
  ぐにでも更新になりますよね?」
G「そうなりますね。開幕前にやるか後にやるかはともかく、近々対談しましょう。ああ
  安心してください、もうスタジオは押さえて無いんで、次はいつもの喫茶店ですよ。」

R「それを聞いて安心しました。流石にちょっと落ち着きませんよ。」
G「たまにはいいでしょう?では今日はここら辺でお開きにしましょうか。」
R「はい。それでは戦力分析パリーグ編、スタジオゲストはGさんでした。ありがとうご
  ざいました。」
G「失礼しました。」

第2回へ