第1回 雑談企画 「あの人は今!?Returns」

R(レポーター)
 「昨年の阪神フィーバーからはや半年。巨人ファン以外は盛り上がりにかけた、
  比較的大人しいストーブリーグも終わり、プロ野球ファンの冷めかけた熱気も
  次第に熱を帯びてきました。その熱気に拍車をかけるべく、帰ってまいりまし
  たこの企画。今年もGさんをお迎えしてお送りしたいと、と言いたいのですが、
  Gさんがまだいらしておりません。という訳で、本日のお題である移籍選手に
  ついては後回しにして、『お別れの選手達』と称して、引退した選手を挙げて
  みたいと思います。」

 阪神    ポート、広沢
 中日    大塚(米)、神野、クルーズ
 巨人    西山、ペドラザ、ベイリー、ラス
ヤクルト   松田、伊藤智、高津(米)、ホッジス、ベッツ
 広島    ニューマン、ランドクイスト、兵動
 横浜    森中、中野渡、コックス、中根
ダイエー  渡辺、スクルメタ、坊西、ネルソン、大越、陳
 西武   竹下、水尾、伊東、松井稼(米)、マクレーン
 近鉄   小野(米)、島田、寺村、マレット、ロドリゲス、武藤
 ロッテ   黒木詢、橋本、ショート、大村、メイ
 近鉄   野村、生駒、シールバック、クローマー
オリックス 佐野、今村、進藤、シェルドン  

R「主だった選手だけでしたが、各チーム一通り引退選手を振り返って参りまし
  た。流石にベテランでいぶし銀の選手が多く、皆さんも好きだった選手がい
  る事でしょう。私も世間のご多分にもれず日本シリーズ最終戦広沢のホーム
  ランで涙した一人で・・・」
G「いや〜、好きだったですねぇ武藤や生駒は。」
R「いきなり何ですか!しかも思いっきり遅れてきて!」
G「いや〜すみません、ちょっと牛野屋の豚丼セールが忙しく。まあ、とりあえず
  私の事はおいといて、ちょっと気になった選手がいるんですが。」

R「誰でしょう。」
G「大リーグ(米)マークがついてる近鉄の小野って、巨人にいた小野仁ですよ
  ね?」

R「そうですよ。大リーグツインズ傘下のマイナーリーグで挑戦と聞いてますが
  何か。」
G「いや、良く挑戦する気になったなと思って。」
R「左の変則は珍しいですから、日本での今一つな実績を考えますと、米のが
  面白いかとは思いますが。」
G「そうか!日本では慣れ過ぎて、皆友達になっちゃったんだ。だから日本には
  敵がいないとか言って・・・」

R「どこぞの競馬馬みたいな事はありません!」

R「Gさんもいらしたようなので、改めて本題の方に入りたいと思います。」
G「よろしくお願いします。」
R「さて、昨年同様、国内移籍選手を纏めてみました。今年もプロ野球界全体で
  30人強の選手がトレードしていますが、やはり注目はローズ・小久保の
  巨人入りでしょうか?」
G「結論を言ってしまえばそうなんですが、他にも2、3人ぐらいはタイトル争い
  出来そうな選手はいますよ。それに、去年の阪神を見れば解ると思います
  が、優秀な控え選手がいるチームは優勝争い出来るし、刺激を受けていき
  なりタイトル争いに加わるレギュラー選手が現れるかも知れません。地味な
  選手も解る範囲で解説入れときましょうか。」

R「では投手部門、野手部門に分けて、見てまいりましょう。」

投手部門
 阪神   前川(近) 吉田(ロ) 竹下(横)
 中日   ドミンゴ(横)
 巨人   シコースキー(ロ) 三沢(近)
ヤクルト  杉本(横)
 横浜   門倉(近)
ダイエー  河野(広)
 近鉄   戎(ヤ) 福盛(横) 川尻(神)
日ハム   横山(横)
オリックス ムーア(神) 谷中(神)

R「今回も比較的即戦力になりそうな選手を挙げてみましたが、全体的に小粒で
  すね。」
G「正直、タイトルに関わりそうな選手はいないと思います。ただ良い補強をした
  チームはありますよ。阪神、近鉄、オリックスなどは弱点を補ってますから。」

R「おや、実績ある中継ぎを補強した巨人の名前が入ってませんが。」
G「確かに両投手とも力は持ってるんですよ。ところが巨人の場合は、と言います
  か、堀内監督の場合はですね、調子良い投手を連投で使って打たれたら次、
  みたいな起用をしますから、年間通して働くとなるとちょっと疑問かと。」

R「確かに投手コーチ時代はそうでしたが、監督では未知数ですからそこまで決め
  付けるのはどうかと思いますが。では先の3チームはどのような点が素晴らしい
  のでしょう。」
G「阪神は左の先発・中継ぎ、近鉄、オリックスは全体的な投手力。いずれも駒不
  足でしたからねぇ。いきなり軸にもなりえます。」

R「にもかかわらず、タイトル争いには関係しないと。」
G「そこなんですよ。正直、1年間働いた事は無いと言え、ムーアなんかは良い
  投手です。ところがチームが弱いんですよ。流石に自分の力だけでそこまで
  勝てる投手では無いと思いますんで。むしろ、中日に入ったドミンゴの方が
  勝ち星だけなら上げるかも知れませんよ。」

R「なるほど、解りました。投手部門最後に、Gさんの気になる選手はどなたかい
  らっしゃいますか?」
G「この人を忘れてはいけません。ヤクルトに行った杉本友。懐かしいですねぇ、
  モコモコさんはもちろん知ってると思いますが、オリックス優勝の時の谷間でし
  たねぇ。そして、横浜と来てヤクルトです。」

R「確かオリックス時代に上げた4勝が最高だと思いますが何か?」
G「あなたは知らないんですか、一昨年に行われた、かの有名な横浜・ヤクルト戦。
  先発杉本の大熱投を!」

R「いえ、生憎と記憶にないんですが。」
G「鮮明に覚えています。横浜ファンのKさんと二人で応援に行き、スターティング
  メンバーに石井琢と鈴木尚の名前が無ければ、移籍選手ばかりでどこのチーム
  だか解らなかった事を。」

R「それが杉本と何の関係が?」
G「杉本がシーズン初先発だったんです。そして勝ち投手になりお立ち台へ呼ばれ
  ました。そして、これから頑張りますと、夏すでに暗い話題しか無かった横浜に、
  一筋の明るい光を照らしてくれたんですよ。」

R「あの、手元の資料によると、昨年度登板無しと出てますが。」
G「むしろ、一昨年もその後は消えました。」
R「駄目じゃ無いですか!」
G「いや、だからこそ、あの時の『これから』が今年来るんじゃないかと・・・」
R「……次は野手部門の方を見てまいりたいと思います。」
G「むしろ、トライアウトでヤクルト入りしてるから、頑張るというのはその時の……」

野手部門
 阪神    葛城(オ)
 中日    川相(巨)
 巨人    カツノリ(神) 小久保(ダ) ローズ(近) 井出(日)
ダイエー   宮地(西)
 西武    フェルナンデス(ロ) 宮崎(巨)
 ロッテ   浜名(ロ)
 日ハム   中嶋(横)
オリックス  斉藤(神) 村松(ダ)

R「早速ですが、昨年モコモコさんがパ首位打者に挙げていた葛城がトレードに出され
  ていますね。これは?」
G「言わないであげて下さい。きっと彼の中では期待の星だったんでしょう。まだ同リー
  グじゃなくて良かったじゃないですか。これがオリックス戦になったら活躍するとか
  になると、泣きますよ、恩返しと裏切りは紙一重ですから。」

R「それともう一つ。川相や宮崎などはトレードでは無いと思いますが、ここで良いん
  ですか?」
G「次回の新戦力に入れても良かったんですが、感覚的に移籍に近いんで、ここに入れ
  ちゃいました。という事で、名前も挙がった事だし、川相を先に触れときましょうか。」

R「正直、活躍すると思われますか?」
G「初めに言った通り、移籍とは本人だけの問題ではないんです。川相が入った事に
  よる1番の効果は、若手選手へのコーチング、そしてセカンド荒木への刺激だと思
  います。今年の荒木は面白いですよ。奮起して2番定着何て事になったら赤星磐石
  と言われている盗塁王に割って入るかもしれません。」

R「そこまでいきますか。」
G「いきます。昨年の赤星を見て下さい。金本のおかげで外野争いがし烈になってあの
  活躍ですよ。赤星が3割打つと思いましたか?しかも長打が増えた。荒木も一歩
  間違えば絶対化けます。」

R「間違うんですか!?」
G「そこが荒木の辛い所です。間違わなければ化けられないと。」
R「……辛いですね。忘れてました、巨人の大砲に触れなければ嘘でしょう。今年度の
  目玉、ローズと小久保ですが。」
G「個人的にあまり触れたくないんですが、まあ簡単に。いかにセリーグは投手が良いと
  は言え、ローズは打ちます。比較的選球眼が良い打者ですから。各球団情報戦で
  必死じゃないですか?ローズに関しては過去に真面目に研究した事があるヤクルトが
  1歩リードしてるでしょうね。情報が出揃う夏までもしローズが打ちまくるとすると、
  ヤクルトが上位にいる可能性があるかも知れませんよ。」

R「ヤクルトには日本シリーズで抑えられましたからね。しかも捕手がその時の古田。
  確かに大きいですね。」
G「小久保ですが、正直怪我の具合が解りません。オープン戦を見てる限りでは1試合
  フル出場は無理かなと。今年は江藤も頑張るでしょうから、二人でホームラン30本が
  良いラインかと思います。」

R「そうですか。他に気になる選手はいらっしゃいますか。」
G「タイトル争いに加わりそうな選手が2人います。」
R「それは詳しく伺いましょう。どなたですか?」
G「もちろん元盗塁王の村松と、昨年ロッテで3割30本100打点を上げたフェルナンデス
  です。」

R「村松は怪我の状態が不安視されてますが。」
G「逆に言えば、問題はそこだけなんですよ。1番辺りを打つのは確定です。しかもチーム
  柄自由に盗塁が出来る。3塁コーチに立つのは癖を盗む名手伊原さんとくれば、むしろ
  最有力候補と言っていいかも知れませんよ。後は、フェルナンデスですが、長距離砲の
  いないロッテで32本ですからね、カブレラにマークが散る西武だと、よもやがあるかも
  知れません。意外と三振が少ないですしね。打点王もチャンスあると思いますよ。前が
  カブレラで走者が残っていればですが。」

R「今年度は余り大型補強が目立ちませんでしたから、こんな所でしょうか。」
G「いや、触れておかねばならない選手が一人います。」
R「ほう、それは?」
G「3年ぶりオリックス復帰の斉藤です。」
R「阪神では活躍出来ませんでしたね。」
G「何を言ってるんですか、昨年度ウェスタンの首位打者ですよ。ファームの主力、正にオリ
  ックス向きじゃないですか。」

R「そうなんですか?」
G「そうなんです。モコモコさんに言えば、1軍で活躍出来なくて、ファームで3冠王をとった
  外人選手の話を1時間くらいしてくれますよ。」

R「それはちょっと、ご遠慮させていただきたく・・・」
G「1番大きいのは、進藤が辞めた今、守れる内野が来たという事です。」
R「あれっ、どこでも守れますが、そんなに守備上手かったでしたっけ?」
G「普通で良いんです!あのチームの場合は正面のゴロが取れる、凡フライが取れる、
  ゲッツーなんて多くは望みません!」

R「そこまで酷いですか、あのチームの守備は。」
M「セメテ、キャッチボールグライマトモニ……」
G「・・・・・・」
R「・・・・・・はっ、どこからか、心の叫びが!?気を取り直しまして、Gさんにそろそろ纏めていた
  だきましょう。」
G「何か時間が飛んでいたような気がしますが、エ〜、投手野手の全体を見ますと、巨人終
  わってるなと。」

R「確かに強いと思いますが、そこまで抜けてますか。」
G「正直、強いです。具体的な事は次回以降に持ち越しますが、補強も一つの大きな要因で
  ある事は間違いありません。後はトレードだけを見れば、昨年度日本一のダイエーが大きく
  マイナスかなと思います。」

R「なるほど、セリーグは他の5チームがどう戦うか、パリーグは混戦での戦いというのがポイ
  ントになる訳ですね。それではGさん、本日もお付き合いくださいましてありがとうございまし
  た。次回は比較的すぐに、新人選手特集でお会い出来ると思います。この辺で失礼いた
  します。」
G「ありがとうございました。」

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