フィギュアの出来るまで(その1)
-今回のお題「モリガン」-


今回よぢはんおとこが挑戦するのは、
新声社刊「カプコンイラストレーションズ」の中に
載っている、BENGUSさんのラフスケッチのモリガンです。

初めてこのイラストを見たときに、
すごく何か惹かれる魅力を感じ、「これはっっ!!」
と思い、さっそく造ることにしました。(^_^;)

大きさは、とりあえずこのイラストと同じぐらいにして、
全身を造らずにあくまでこのイラストの
雰囲気を出すことに全力をかける事にます。

使うのはいつものファンドとスパチュラです。
また、作り方は、最近凝っている「中空式」
(またの名を「ファンドけちり式」)です。
(乾くのが早くていいんですが、何かと問題があるのでマネしない方がいいかも↑)


-その1-
まず、適当なファンド棒を手持ちにして、その先に大きさに気をつけながらお面形にファンドをくっつけ、とりあえず指でつまんで鼻らしき物を作り、目玉と口の位置をスパチュラで跡を付けます。(右はフェリシア)(「適当なファンド棒」は古くて硬くなったファンドを棒状に固めて作ります。)

-その2-
次に「その1」で出来た物を、とりあえず乾燥させて固めてしまい←(ここがヘビーゲイジとは違います)イラストを見ながらアゴのラインと頬骨のラインを造っていきます。(赤い線)見えない右側のアゴと手前側のほほは、それぞれ反対側を参考に造っていきます。その時、上の方から見たり、下の方から見たりして見比べると判りやすいと思います。

-その3-
「その2」で出来た物に、肉付けをしていきます。ほほに肉を盛り、目玉や目の周りを整えます。(まぶたは書いてあるだけでまだ造っていません。また、線は汚れないようにシャーペンの青芯を使ってます。)唇は、後から彫るのではなく、しるしの上に唇のにくを盛って表現します。そして、頭の形を整え、耳も軽く造っておきます。

-その4-
「その3」で出来た物を横から見たところ。(左側は、最初にあったフェリシア。)このとき、イメージどうりかよく確認する。
同、正面から見たところ。顔全体の輪郭や、耳の形などに注意する。(結構いいかげんですけど。)
同、真上から見たところ。ここでは、頭の形に注意する。顔(ひたい)よりも側頭部の方が幅が広くなります。

-その5-
「その4」で出来た物に、左のまぶたを造り、かるく髪の毛と、頭の羽根の芯と首の筋をつけたもの。

-その6-
「その5」に、体を造っていきます。
まず、最初のファンド棒をはずし、そこに少しづつ乾かしながら背中を造っていきます。(外殻)
イラストとよく見比べながら、肩のラインと、腰のラインまでをだします。この時、別に体の厚みとかを気にする必要はありません。しいて言えば、左右の肩幅が同じくらいになっているかどうかを気をつけていればよいとおもいます。

-その7-
「その6」に、鎖骨をつけ、腕を伸ばしていき、体の厚みを出していきます。

-その8-
だいたいのあばらの形と、腰の感じが出たところです。
また、鎖骨の位置がもう少し下な様なので、修正します。
こうゆう場合、間違ってた方を先に取り除くのではなく、比較検討用に残しておき、新たに造った後に取り除きます。

-その9-
脇の下の位置の算出方法です。
まず、胸の一番下の外側になるところから肩の付け根に向けて一本棒を作ります(左上)。その上に、胸の一番下のまん中のところの方から、腕の骨(上腕骨)に向けてまた棒を作ります(右上)。この時の位置は、肩の付け根から肘までのまん中あたりの高さで、向きはひじに対して90度の向きのところです(A)。さらに今度は、まん中の鎖骨のあたりからAに向かって棒を作ります(左下)。最後に鎖骨の外側1/3のところからAにもう一本作ります(右下)。
これは、それぞれ大きく分けて3枚の胸の筋肉(1-3)の重なり方を表していて、腕がどの位置にあっても胸の形を算出できます。
鎖骨の外側1/3からは、肩の筋肉(4)がかぶさる様に付きます。
また逆に、ひじの向きによって支点Aの位置が変わるので、イラストによってはひじの向きが分からなくてもAの位置から予想することが出来ます。

-その10-
 少しわかりにくい写真ですが、胸の
筋肉をつけたところです。本来は、女
性キャラクターなのでここまで造る必
要はありませんが、参考までに。
 また、右側の胸と肩、腹部と左手に
肉付けしてあります。

-その11-
左側の胸も造り、全体的に肉を盛って、
髪の毛ももう少し造ったところ。
このあと、これを悠理さんに見せたとこ
ろ、この腹筋が「イカン!!」という事
になり、腹筋を減らす作業に入るのでし
た。


--- その後 ---
これをJAF-CON'97に間に合わせるごとく、ひたすら
仕上げていたところ、4月5日にうちのメンバーの
井上君が、以前申請用の写真を撮るために塗装した
春麗の色を落とすために現れました。

井上君は、これから塗装を落として原型の作業を
始めるらしく、いつものことなのですが、この春麗も
JAF-CON'97に申請しており、4月9日必着で塗装済みの状態の写真を
提出しなければならない物だったのですが・・・。

まあ、どうやら彼はJAF-CON'97はあきらめて、ワンフェス
までに造る事にしたらしいのでした。

それはともかく、この時このモリガンを見せたところ、
一目見て「うわ、これは今までで一番ひで〜よ!!」
と言われてしまい、「カラダ全部、没!!・・・作り直し。」
とまで言われてしまいました。

「4月9日必着で塗装済みの状態の写真を提出しなければ
ならない」状況で、4月5日にですよ。

自分では気が付かなかったのですが、やはり、
一方向からばかり気にしていたため、腰のひねり方が
不自然になっていたのでした。

せめて、「その7」〜「その8」あたりで、もっとじっくり
ほかの角度からもよく検証しておけばよかったと
後悔することになりました。

まだまだ未熟な僕は、どうも完成を急ぐあまり
そういうところをいい加減にしてしまうところがあり、
今回はそれがはっきりと裏目に出てしまう結果となりました。

そこで、JAF-CON'97はあきらめ、なんとか
井上君と相談の結果、胴体をまっぷたつに切断して腰の向き
を変えて、もう少し胴体を延長して、どうにか「カラダ全部、没」
だけはしないで済むところまでもっていき、次の
ワンフェスに向けて、また果てしない作業に入ることになりました。

つけ加えておくと、お尻の形と、胸の形も没になった
ので、こちらもまるまる作り直しになったとさ。

めでたしめでたし。

-その後-


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