2日目
男鹿山塊 大蛇尾川東俣
平成17年6月17日〜6月19日

2日目 6月19日(日) 薄曇
コースタイム
テン場5:30〜奥の二俣6:15〜支流20m滝6:40〜15m滝7:20/8:00〜稜線11:30〜無名峰1870mPひょうたん峠14:00〜ゲート19:30


疲れの為か良く眠りすぎて3:30起床のはずが4:00になってしまった。モコモコさんが起こしてくれた。行動食とスープで簡単な朝食を摂り、撤収準備を急ぐ。背中も痛くならずなかなか、良いテン場だった。

5:30出発。モコモコさんの音頭で今日も準備体操。体のあちこちがすでに筋肉痛だ。昨日のうちに、奥の二俣手前の3m滝の巻きルートに目星をつけていたので、少し手前の左からザイルを付けて山人トップで笹薮を掻き分け登る。30mザイル2ピッチで支尾根に出た。ここから、尾根沿いに下るとちょうど3m滝上部にでた。

滝上はナメ状で歩きやすい。すぐに奥の二俣が現れる。ガイドには書かれていないが、ちょっとした滝が出てくる。滑りやすいので慎重に通過。

3m滝を越えるとナメ 奥の二俣
奥の二俣を越えると滝 笹につかまりながら


6:40、ここを越えしばらく進むと右岸から20m滝が豪快に現れる。

7:20、15m凹滝が出てくる。二段に分かれている。シャワーを浴びそうなので雨具を着る。デジカメもビニールに入れてしまう。ザイルを結んで山人トップで登る。1段目の凹部のところは良い足場や手がかりがあるので楽に通過できた。

2段目は、直登不可能なので右から巻く。木の根っこにランニングをとりながら慎重に登る。途中、かなり古い紐が垂れていた。

8:00
、ここを越えると穏やかな流れになり、ナメが続く。

このような景色がたくさん出てくる
15m滝、一段目は冷たいシャワーを浴びて登る 水が冷たいと思ったら・・・

5m2段滝を越えるとあとは源頭に向ってひたすら登る。途中、水が濁ってなんだか変だな〜と思っていると、大規模な雪渓の残骸がありその上に土砂がべっとり覆っていた。ここを越えると、いつもの清らかな水になった。

ここを過ぎたあたりで、沢を下降してくる女性2人・男性1人の3人パーティに出会う。こんな、山奥で人に会うとはお互い驚く。話を聞くと、昨日西俣を遡行して、東俣を下降してきたとのこと。ぶなの会の方々だった。

きれいな滝に見とれる。 雪渓にたくさんの土砂が積もっていた
だんだん笹が張り出してくる 稜線まで埋まっていると楽なんだけど・・・

標高1650mぐらいで水が枯れそうなので、山人2リットル。モコモコさん500ミリリットルを汲んで本格的な藪こぎに備える。途中残雪があったりして、飽きさせないが、次第に笹薮が両側に迫ってくる。バカ虫がまとわりついてうるさい。最後の窪を越えると、藪こぎ地獄に入る。下向きに生えていてほこりを被っている笹をかきわけ、ほこりを吸ってくしゃみ&せきをしながら登ると一時間ほどで稜線にあがった。11:30稜線

山人、モコモコさんともにヘロヘロになる。藪の隙間から、塩那スカイラインが見える。ここで終わったわけではない。ここからさらに、大佐飛山とひょうたん峠を結ぶちょうど中間あたりにある、無名峰1870mPを目指して道なき稜線を北に向って藪を漕ぐ。源頭の急な藪漕ぎに比べれは平坦なので楽だ。

藪のなかからモコモコさん発見。ここまできてやっとやぶも薄くなってきた。 もうすぐ稜線か?
稜線に到着。ここからは平坦なので歩きやすい。 大佐飛山へ続く尾根


11:50、ヒョウタン峠へ降りる重要な目印の山、1870mPに到着。視界は悪いが、しっかりとした明大の手作りプレートがあり心強い。ここから、西へ伸びるひょうたん峠へ続く尾根を目指す。途中、赤テープがポツリポツリありそれをたどるが、見失う。

道なき笹薮を漕ぎながらとりあえず1622mPを目指して下るが、ひょうたん峠に伸びる尾根が見えず、どこを見渡しても谷底に続くような感じで不安になる。モコモコさんと地形図を食い入るように読む。とりあえずは、西俣源頭へ続く尾根に迷い込むことが一番怖いので、山腹を右へトラバースする。

木々と藪の間がわずかに開いていて、ひょうたん峠と無名峰1870mPの間の稜線が目視できた。山人には見えたが、モコモコさんは確認できず半信半疑で山人の後をついてくる。しばらくすると、踏跡らしきものが出て来て、赤テープもところどころ出てきた。どうやら左(西俣源頭へ続く尾根の方)により過ぎたらしい。

ここから、だいぶ楽になり1622mP手前で休憩する。

1870m無名峰、ここが非常に重要なピーク 1870m峰からは踏み跡がでてくる
ヘロヘロになってひょうたん峠に到着 ヒョウタン峠より、来た尾根を振り返る(ここからが長かった)


ここからヒョウタン峠までは、踏跡と赤テープに助けられながら道が続く。やっとのことでヒョウタン峠に飛び出す。
14:00着。ここから長い長い林道歩きが始まる。板室温泉まで約20キロ、時間にして5時間の我々にとって最長の林道歩きがスタートする。

ギアをしまったり、行動食を食べて歩きに備える。14:20出発。車が十分に通れる素晴らしい林道だ。非常に歩きやすい。始めは二人ともおしゃべりをしながらあるっていたが、次第に無口になり始める。水も源頭で汲んだきりなので、心配になるがなんとかもった。スカイラインには水場はない。

18:50頃、舗装された道に出る。舗装道路の真ん中で休憩していると、山側のやや高くなった藪あたりからガサゴソ音がする。モコモコさんが「誰かいるんですか〜」と大声で声をかけるが応答なし。まだ、ガサゴソしている。荒々しい息づかいが聞こえてきた。どうやら熊のようだ。その後、モコモコさんは、藪の隙間から熊を確認することができたが、山人はチャンスを逃した。

ヘットランプを用意してさらに歩くこと30分ようやくゲートに到着。19:20着ここから、携帯でタクシーを呼ぶことができた。助かった。30分ほどで、迎えに来られるということなのでその間に着替えたりして過ごす。

タクシーのライトが見えてようやく長い一日が終わった。



総括

静かできれいな沢に偽りはなかった。登攀という面から見ると悪い場所は1・2箇所。稜線へ出てから那塩スカイライン(ひょうたん峠)へ向うところが意外な核心部だった。途中で出会ったぶなの会の皆さんのような1泊2日で西俣、東俣遡下降というプランは魅力的。



那塩スカイラインの全貌!
看板の通り各所にポイントあり。現在地をそのつど確認していると精神的に疲れるのであまり見ないように歩いた。

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