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のんびりゆったり草津温泉

2011.JAN.24~26

 「かんぽの宿」から,格安の温泉連泊の案内が送られてきて,ちょうど,持病の「脊柱管狭窄症」からくる足の痛みに堪えて家に引きこもり勝ちであったこともあり,これに飛びつき,急遽2泊3日での温泉に浸ってきた。

 妻は,いろいろと予定があり,あまり行きたくない様子ではあったが,独りで行くのもちょっとばかりわびしい気がするので,全額,私のおごりということで無理やり同行。
季節柄,あちこと観光して歩くことは出来ないので,もっぱらのんびり,ゆっくり温泉に浸るという旅である。  

■ 高崎駅から草津温泉へ
 草津温泉へは,JRの特急電車で,高崎線・上越線「渋川駅」経由,長野原線「長野原草津口駅」下車,路線バスで草津へというのが通常の行き方であるが,シーズンオフの今だけ,宿がサービス運行する高崎駅~草津温泉の無料送迎バスを利用する。
JR線都区内~高崎間では,ジパング割引にはならないので,長野原線で,一駅目の「金島」まで往復乗車券を買うと,3割引かつ有効期間4日(渋川駅までだと有効期間が2日しかない)となって上手く事が運ぶ次第となる。(同じようなことが,都区内~甲府でもある,甲府までだと有効期間2日,JR東海の身延線に入って一つ目の「金手」駅までで買うと有効期間が4日となる。”東京近郊区間”という,経路の如何に拘わらず一番安くなる運賃となるが,有効期間は1日となる一見便利ではあるが,ちょっと頭を使う要注意のシステムである)。

 高崎までは,湘南新宿ライン(熊谷までは快速,そこから先が各駅停車)の電車に乗り,高崎着12:39。
送迎バスは,13:00。店に入っての食事時間がないので,売店で「岩魚鮨」弁当をもとめて,バスに乗ってからパクつく。
食べ終わってから気がついたのだが,運転席の左上に「車内での飲食はご遠慮下さい」と掲示されていたが,それとも気がつかず,おおっぴらに店を広げての昼食であった。
 お客は,同じ年恰好の夫婦連れ4組と単独行のおじいさんの計9人。各々,2シートを独りで座るというゆったり乗車である。

 バスは,関越自動車道で渋川経由で行くのかと思っていたら,榛名山の西側を抜ける国道406号線,通称「くだもの街道」とか「草津街道」と呼ばれている裏道を進む。この道は,40数年前ころ,何度か通ったことがあるのを思い出した。
 東吾妻町大戸で,この先峠越えがある国道と別れ,県道56号に入り東吾妻町郷原で,渋川から中之条町を経由して西進してきた国道145号で,長野原方面へと進む。このまま進めば,八つ場ダムが計画されている吾妻渓谷(日本ロマンチック街道と呼ばれている景勝地である)を通過するが,「雁ケ沢」という所で,右折しJR長野原線踏切りを渡って新設の高架道路に入り,すぐ長い長いトンネル。
 トンネルを抜けると,民主党政権のおかげでいまだに建設中止か再開か宙ぶらりん状態の八ツ場ダムサイトを越えた上流域に出る。
 左対岸に,ダムが出来上がれば?水没する現川原温泉街が見える。当たり一帯は,ダムによる水没の代替造成地があちこちに見え,巨大な道路橋梁の展覧会が開かれているような光景が連続する。
ここまで,ダム関連事業が進んでいるのに,ダム本体中止だなんてどうなってんだと,あらためて民主政権の行き当たりばったり主義,人気取り政策の愚かさにあきれ返る。
 長野原町大津で右折し,国道292号に入り,上り坂となる。この辺りから一面の銀世界に変わる。
高崎から2時間半ほどで,「かんぽの宿草津」に到着。 

 草津町は,標高1200mの高原にあり,年間平均気温7℃,真夏でも25℃以上になることはめったにない,しかし冬の寒さは厳しく日光白根山から吹き降ろす北西の風と多量の雪に見舞われるという。このため,夏は避暑地,冬はスキー客で賑わう。そういえば若い頃,夜行バスに乗って何回もスキーにやって来たことを,思い出す。あれから50年近くが過ぎ,今や足腰が痛くて,スキーをするなど望むべくもないなんとも惨めな状態となり,もっぱら温泉に浸かり身体を休めることに専心するわが身である。
■ 温泉に浸かりのんびり二日間を過ごす
  ひと休みしてから,さっそく温泉に浸かる。
大きな浴槽に,たった一人ゆったりのんびり身体を伸ばして至福の時間を過ごす。

 この宿の温泉は,
 源泉温度96℃,酸性ー塩化物硫酸塩泉で,加水無し・加温無し・循環無しのまさしく源泉掛け流し温泉である。
源泉は,数キロ先の「万代鉱」で,当初硫黄鉱山として開発が進められたところ,温度の高い温泉が大量に噴出し,このため硫黄の採掘は中止され,昭和49年(1974)からこれを利用した湧出量6200ℓ/分,湧出温度95℃の温泉である。
 この温泉固有の適応症:慢性皮膚病・慢性婦人病・糖尿病・高血圧症動脈硬化症・切り傷・火傷・虚弱児童。
一般的適応症:神経痛・筋肉痛関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え性・病後回復・疲労回復・健康増進。
 *上記赤字の諸症状は私にとって有難い項目である,効能あらかたである事を期待してたっぷり浸かることにする。

 夕食は,2階のレストランで。
誕生月に宿泊のお客に,ささやかなプレゼントがあるというので申告したところ,ビール1本のサービスだった。群馬の酒利き酒セットとお酒一合を追加して,良い気分!!

外は雪景色,これでは宿に籠もって温泉三昧で過ごすしかない。 軒には巨大な氷柱 二日目の朝 草津白根山(標高2160m,火口湖は世界一の酸性度を誇る)が間近かに望める。

 さて,翌日は,寝過ごして目を覚ましたのは,8時少し前。朝食は9時までなので,急いで,朝風呂を浴びる。
今日は一日,宿で温泉三昧しようと思ったが,温泉街の様子も見てこようと宿の送迎バスで町の中心地に出かける。

 バスセンターから,徒歩5分程の所にある,草津温泉の名物「湯畑」を見学。
 形は,大きな楕円型で,源泉のある北側から湯壺のある南側へ下っている。
草津温泉の主な6つの源泉のひとつで,毎分4000ℓものお湯が湧き出し7列の木樋はお湯の温度を自然に冷まし,その底に沈殿する湯の花を採取するものだとのこと。そのため「畑」と名付けられたという。7本の木樋を通ったお湯が最後に滝となって流れ落ちる音と湯けむりは,圧巻。
 湯畑の際には,足湯があり,妻は,嬉しそうに浸る。
 湯畑の周囲には,江戸時代から老舗旅館(一井旅館・田中屋旅館・山本館・大東館・・・・)が軒を連ね,天下の名湯草津温泉の雰囲気を満喫する。

 湯畑の北側にある,江戸時代この辺りに狩にやってきた源頼朝にちなむ「白旗の湯」「頼朝の宮」を見て,その奥にある「真言宗豊山派 光泉寺」の石段を登り,参拝する。
境内に芭蕉句碑
     「山なかや菊は手折らぬ湯の匂い」
が建つ。
 奥の細道の旅の途次,加賀山中温泉で詠んだ名句だと言う。何故,ここに建つのか?

湯畑(湯音を下げ,そして湯の花を採取する一石二鳥の働きをする。 最後は滝ととなって流れ落ちる。
外気温零下でも暖っか足湯 明治時代の草津温泉 光泉寺(養老5年(721)僧行基によって開基されたと伝えられる。鎌倉幕府より地頭職を受ける,以後,南朝~北朝に仕え,戦国時代,僧職草津氏は猿ヶ京合戦に参戦,功労により上杉輝虎から感状を賜るなど地域の歴史に度々顔を出す寺。

 湯畑の前の蕎麦屋で軽い昼食を摂り,バスセンター3階にある「草津町温泉資料館」を見学し,宿に戻る。

 午後は,温泉に何回も浸かりのんびり過ごす。妻は,3歳の孫娘のために編み物棒を熱心に動かす。

 夜は,サッカーアジアカップ準決勝日本:韓国戦のTV中継を見ながら過ごす。
PK戦を含めてたっぷり2時間半を楽しませてもらった。
■ 三日目帰宅
                      
 10時のチェックアウトまでに3回も温泉に浸かる。
来たときと同じく送迎バスで高崎駅へ。
高崎線電車は,朝方起きた深谷・籠原間の人身事故で遅れが出ているとの事だが,12:20分発小田原行き湘南新宿ライン快速電車に待ち時間無しで乗車。午後2時過ぎには帰宅できると思ったのだが・・・・・・

 この電車,上尾駅直前で,人身事故に巻き込まれ大幅遅れの上,大宮で運転打ち切りというハプニング。
このごろJRはよく事故を起こすし,遅れは日常茶飯事(翌日も籠原で人身事故を起こしていて連日遅れが発生していた)となってしまったのは何故だろうか?

 予定よりおよそ1時間半ほどの遅れで無事帰宅。

 のんびりゆったり温泉に浸かって,あわよくば,何時になく痛みが引かない足の痛みも治って呉れないかとの淡い期待は残念ながら叶えられなかったが,つかの間の至福の時間を過ごすことが出来た。

また行きたいなあ~