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法師の湯(中央)と長寿の湯(手前)
総檜造り,屋根は杉皮葺きで苔むしてかすかな緑色を帯び,辺りの自然と見事に調和している。
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別館の廊下 |
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夕食のメニュー
食事は朝・夕食とも部屋まで運んでくれる。観光温泉宿の見かけばかりはよいが安っぽい料理と違って,派手さは無いがしっかりした食材で十分満足できる料理であった。
左:先付(竹の子木の芽和え,天豆・みずの実・なた豆),上州牛山菜鍋,酢の物(鯉洗い・コンニャクの梅ドレッシング),香の物
右: 焼き物(岩魚塩焼き・花かぶら),煮物(竹の子真丈・花人参・里芋・ふき・鳥そぼろ庵),揚げ物(姫ますゆかり揚・タラの芽フライ・小茄子),造り(鹿刺身・湯葉豆腐・芽ねぎ),すっぽん仕立て吸い物,茶碗蒸し,他にフルーツ
冷蔵庫からビール一本と純米吟醸酒”秋月”(醸造元:群馬県川場村の土屋本店)を取り出し至福の晩餐!
お米は魚沼産コシヒカリでこれまた美味しいご飯である。
妻は朝晩2回とも余ったご飯を,春慶塗お弁当箱にせっせと詰め込んでいた。しっかりしている! |
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夜になって,風雨が更に強くなりる。ここは周りに何も無い山の中の一軒宿。温泉に浸かるのが最高の楽しみである,就寝前に今晩3回目の入浴。
翌朝,9時ごろになってようやく雨が止んだ。
温泉発の町営バスは,9時50分。それまで,宿の周りをしばし散策する。
雨上がりの新緑が時折差し込む陽を受けて眩しいくらいに美しい。
宿の裏手に,旧三国街道の山道が17号国道方面へ登っていく道標がある,三国峠へ向かうハイキング道(往復3時間),四万温泉へのハイキング道(約6時間)もあるようだ。
次回は法師温泉を基点にして秋の山道を散策して見たいものだ。 |
■ たくみの里
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9時50分のバスで,猿ヶ京へ。このままバスを乗り換えて上毛高原駅へ向かうとお昼ごろには家へ着いてしまう。それでは勿体無い,天気も回復したことだし最近売り出し中の「たくみの里」に寄ってみることにした。
ここでまた,毎度のことながら,妻が宿に忘れ物をしたと言う,帳場脇で買い込んだ土産の品である。電話で問い合わせるも玄関の辺りには無いという返事。法師温泉~猿ヶ京間のバスの中かもしれないと,役場の電話番号を教わりこちらにも問い合わせる。
あった!あった!
だが,わたし達は既にたくみの里へ向かうバス(関越バス)に乗ってしまっているので,着払いで自宅に送って貰えないかと依頼すると,「たくみの里のバス停まで届けるので下車したらそこで待つように」とのこと。なんと何と親切なこと 感謝!感謝!
そうこうするうちにもうひとつ忘れ物があることに気がつく。携帯の充電器を4畳間のコンセントに差し込んだままだと言う。
土産品の忘れ物は,宿で忘れたのか,バスに忘れたのかも判然としない,毎度のことながら次第に自覚症状がなくなってきたみたいだ。そろそろボケの一歩手前かも?あきれ果てて物言う気もなし。
充電器は宅配着払いで翌日,無事生還。
閑話休題
たくみの里は,木工・竹細工・そば打ち・和紙造り・陶芸・藍染め・ガラス工芸などの匠たちが寄り集まり体験学習させる場を提供したりするいわゆる村おこし運動の一環として造られた観光施設である。
バスは国道17号湯宿温泉から右手に折れ急坂を登りつめた台地に出る。どういうわけかバス停は,たくみの里の集落から外れた何の変哲も無い場所にある。危うく乗り過ごすところであった。
バス停から少し歩いたところ一帯がたくみの里,三国街道の宿場・須川宿跡である。(旧新治村,現水上町)
三国街道を上り下りする旅人も温泉の湧く「湯宿」のほうに足を向けるようになり更に明治以降,三国街道が湯宿経由となったため,すっかり寂れただの農村地帯となり,40年ほど前は宿場時代の景観がすっかり失われて雑草が生い茂る原っぱの中の淋しい集落であったと言う。須川宿が「村おこし」運動で再出発したのは,80年代になってから。現在は「たくみの里」として復活し,大型観光バスも数台停まっていて多くの観光客が訪れている様子であった。
次の,上毛高原駅方面行バスの時間までのおよそ2時間,慌しく”道の駅”風の売り場で山菜類の買い物,宿場通りをざっと流し歩きして,須川宿資料館・和紙の家・急須の家などを瞥見。
戻って,たくさんあるそば屋のうち,余り大きな店構えでもなく,中身で勝負!と言った感じのお店で,十割そばと舞茸の天婦羅で昼食。
たくみの里は,かなり広い範囲にお店や体験工房,野仏などが点在しており,レンタル自転車でゆっくり時間をかけて周らないと全容を摑むのは困難である。
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須川宿 宿場通り
この通りは,歴史国道として500m区間が幅員の広い街道として復元されている。
中山道の奈良井や妻籠宿とは異なる手法で宿場の復元がなされている。須川にはすでに宿場らしい家並は残っていなかったので,農家を改造し伝統的なもの造りの家並とした努力は見えるもののやはりなんとなく落ち着きさを感じることはできない。
道の両脇や家々の庭に遅い春の花が咲き競っていた。
石楠花,ハナミズキ,躑躅,八重桜,槿,芍薬,タンポポ,サクラソウ,パンジー,ドウダンツツジ,コブシ,山吹,ウツギ,イカリ草,苧環,チューリップ,ムスカリ,山桃,木蓮・・・・・・ |
野 仏
その昔,村人は,様々な願い事や不安や恐怖から逃れたいと思う気持ちを「野仏」に託していたと言う。たくみの里には数多くの野仏が,昔と変わらぬやさしい顔で村人達を見守っている。
写真は,たくみの里入り口で見つけた道祖神と野球帽を被ったお地蔵さんと庚申供養塚。 |
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道の駅ほかで買った山菜類:
天然うど,ワラビ,コシアブラ,うるい,そば粉,和胡桃,小豆,えごま油,もみじ葉(しどけ),サンレモクイーン(苗木)・・・・・・・
上毛高原駅近くのみなかみ町月夜野から,まだまだ雪の残る上越国境の美しい山並みを瞼に刻みつけて法師温泉一泊の旅を終える。 |
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