2004.02.1101-04 ビーフステーキパイにわか英国料理研究家による、思い出し作り英国(風)料理である。 英国の食事はまずいというのが定説。1999年、家族で英国旅行に出かけたことはすでに書きましたが、そのまずい英国料理を自ら味わい、ほんとにまずいかどうかを検証してこようという目的もありました。私が大好きなポアロのシリーズなどを読んでも、英国の料理は無骨ながらもそれほどまずそうには思えないんであります。もっとも、グルメのポアロ氏はいつも英国料理のまずさを嘆いておられるのですが。 英国の家庭風料理を味わうのなら、レストランなんかじゃなく、パブのお昼ご飯がねらい目という話を聞きました。夜間はアルコールを扱う店への子どもの出入りは厳しく制限されますが、ランチタイムなら子ども連れでもかまわないらしいという情報も仕入れていました。また、英国料理は朝食につきるとの説もあるため、ホテルを予約するときは、すべて「イングリッシュブレックファスト(フルブレックファスト)付き」のところにしておきました。 さて、ふたをあけてみれば、英国での食事はだいたいおいしくいただけました。とくに本で読んでおいしそうに思えたのは、やはりおいしかったですね。 まずは、ロンドンの安ホテル(見てくれは安ホテルなんだが、料金は高級。一般的に宿代は日本に比べて高かった)での朝食。薄切りのトーストにベーコン、玉子、焼きトマトにソーセージ。ソーセージはふんわりと柔らかく、日本では食べたことのない歯ごたえと風味。トーストも独特の噛みごたえがあります。薄切りパンをトーストにすると、ただ乾燥したようになってしまいそうなものですが、それが大違い。パンの種類が違うのでしょうね。ロンドンの別のホテルでは豆(小粒の白いんげんってところか?)もついてきました。薄いトマト味で煮込んであります。 南イングランドはトーキーのB&Bでは到着直後にデボン名物のクリームティー(お茶とクリーム付きのスコーンのセットのこと)のサービス。大振りのスコーンにコーヒーケーキ、たっぷりのクロッテド・クリームにジャム。クリームはこってりと重たく、しかし後を引くうまさです。スコーンは日本で食べるものより、もっとしっとりとしていました。 トーキーの朝食ではキッパー(ニシンを軽くスモークして焼いた物)と、焼きマッシュルームを注文しました。パンにニシンの取り合わせなんて想像もできなかったけど、魚の生臭さはまったくなくこれはいける。 トーキーで夕ごはんに食べたフィッシュ・アンド.チップス。基本的にはおいしいのですが、ボリュームがありすぎて飽きてしまったのが残念です。ラムのローストのミントソースがおいしいということで、ペイントン(トーキーの近く)のレストランで注文しましたが、大味で量だけがすごい。「もっとうまいはずだ!」。デザートはアップルクランブル。柔らかく煮たりんごにクッキーの粉のようなカリカリしたものをのせ、カスタードクリームをかけてあります。りんごの酸味とカリカリの甘味がよいハーモニー。 デボンの小さな街、ソルカムでは古めかしいパブで「ステーキ・アンド・キドニーパイ」をいただきました。ステーキといってもいわゆるビーフステーキではなく、ビーフシチューにパイのふたがかぶせてあります。ちょいと塩味が強かったけど、クタクタの野菜類と一緒にいただくとグッド。案外いけたのが、鶏肉。チキンナゲットは彼の地ではお子さまメニューの定番のようです。かりかりとした衣がうまい。胸肉のローストもしっかりとした肉の味がしています。 ロンドンのピザ屋では「ジャケットポテト」を賞味。大きなジャガイモにパイ皮をかぶせ丸ごと蒸し焼きにしたもの。甘味のあるじゃがいもに塩味の効いたベーコンが食欲をそそります。 英国ではサンドイッチ類がとにかくうまいです。サーモンに、カニ、エビ、肉類と、サンドイッチの種類はとても多く、日本のものにくらべて具がたっぷりでジューシー。スモークサーモンのものがとくに気に入りました。みずみずしいサーモンの厚切りがたっぷり。レモンをぎゅっとしぼって食べます。トットネスの駅の売店で買ったベーコンと目玉焼きのもうまかったなあ。 さて、前置きがたいへん長くなりましたが、今回はソルカムでいただいた「ステーキ・アンド・キドニーパイ」を思い出し、ビーフステーキパイを作ってみました。 recipeビーフシチューを作り、それにパイ皮をかぶせてオーブンで焼くというたいへん手間のかかる料理。しかし、レトルトシチューに市販のパイ皮を使えば、お手軽スナックともなります。作る過程を楽しみたいのなら、ぜひまる2日かけて挑戦しましょう。 材 料
道 具サービングポット 作り方
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