私は教師になってようやくCDプレイヤー付きのミニコンポをローンで購入したのですが、生まれて初めて買ったCDは甲斐バンドの「ポイズン80's」でした。買ったというよりは、ステレオを購入したサービスで1枚無料でつけるという形だったんですけど。 で、この項で私が書きたいのは、「私が初めて買った織田哲郎のCD」のことです。6枚目のアルバムである「Ships」は5枚目のアルバムが発売されたちょうど半年後の1987年8月にリリースされています。アルバムと同時発売でシングル「愛をさがして」も発売されたのですが、私はこのシングルレコードも購入しています。別にB面にアルバム未収録曲が入ってたわけではないのですが。なんとなく欲しかったのかな。アルバムとはちょっとだけイントロ部分が違うんですよね、確か。当時はまだ、シングルCDというものが発売されてなかったのですよ。シングルがCDで出ていたならCDで買ったことでしょう。しかし、1年で2枚もアルバムを出すなんて(たとえそのうちの1枚がミニアルバムだったとしても・・・)ずいぶんこの時代の織田さんは元気だったのですねえ(笑)。今では10年ぶりのアルバムが今年本当に出るのか?という状態ですから。 このアルバムの特徴としては、アルバムの中で初めて他人の詞を採用している、ということでしょうか。3曲目の「Wild Heart Beat」の作詞はサックスの古村敏比古です。昔から詞では煮詰まるタイプでしたからねえ・・・。レコーディングに参加したミュージシャンは、前のアルバムリリース後のツアーメンバーが中心になっています。(以前のメンバーの北島健二や山田亘も一部参加しているようですが)葉山たけし氏が本格的に参加した初めてのアルバムでもあります。前のアルバムでもすでにその片鱗は見せていましたが、このアルバムくらいから「生音」への頑ななこだわりは、少しずつなくなってきているような気がしていました。だから、というわけででもないのですが、社会人になってから買った最初のアルバムでもあり、学生時代とは聴く姿勢が違っていた気もします。学生時代みたいに「全身全霊を傾けて」聴くという感じではなくなっていたかな。時間的にも精神的にも余裕がなかったですし。 このアルバムで特に好きなのは、シングル曲でもある「愛をさがして」と、最後から2曲目の「Night Birds」ですかね。後述する、ライブでの印象が強いのは「悪夢」ですが。 このアルバムが出てから少しして、ドレミ出版から「織田哲郎スーパー・セレクション」というバンドスコアが発売されました。当然買いましたよ。これを使って実際に演奏したことはないですけどね。でも「いつか必ず・・・」という思いは今でもあります。目次の前に若干の写真のページがあってそこに「巻頭言」めいた織田さんの言葉が載っています。それを引用してみますね。 「俺は、うそつきだ。しかも、あまりうそのつけないうそつきだ。俺は無人島に1人で住んでもきっと歌を作るだろう。自分の中の真実を探るためだけに。だけどその歌を人が聞いた時俺はすでにうそつきになる。目で見たモノを信じちゃいけない。耳で聞いたモノを信じちゃいけない。せめて素敵なウソでかためてやろうじゃん」 というものです。こんな文章が載っていたなんて、忘れてましたよ。スコア収録曲はこの時点での最新アルバム「Ships」から2曲(「愛をさがして」と「Someday/Somewhere」)、「Wildlife」からも2曲(「百万弗の朝」と「WILDLIFE」)、「LIFE」からはタイトル曲のみ、「Night Waves」からは2曲(「Baby Rose」と「ビートに溺れて」)、「New Morning」からは2曲(「New Morning」と「Mad Dog」)そして、「Voices」からのみ3曲(「R&R FANTASY」と「Last Lullaby For You」と「Somebody To Love」)の計12曲。う〜ん、選曲には不満がありますねえ。ファーストアルバムから3曲も入れるくらいなら、どうして「Shine The Light」を入れてくれなかったのか!と声を大にしていいたいですね、私は。あとはセカンドからはタイトル曲を入れるよりもシングルカットされた1曲目の「Lucie My Love」を収録して欲しかったのです。私としては何よりも入れて欲しい曲だったのに・・・。残念です。 |