セカンドアルバム「NEW MORNING」が発売されたのは私が大学2年の春でした。(1984年5月)大学生協に予約して購入しました。第1印象としては、「VOICES」に比べて全体的なバランスに欠けるかな、という感じでした。A面はすごく気に入ったんですけどね。特に1曲目の「LUCIE MY LOVE」は、今でも大好きですが、家の中で何百回も歌っていますね。歌い方の癖の細かいところまで完全にコピーしてます。かなりキーの高い曲なので、この曲を歌い続けたことで、私の喉はかなり鍛えられたような気がします。一度でいいから、織田さんのライブでこの曲を聴いてみたいと常々思っているのですが、その願いはいまだにかなえられていません。別のところでも書きましたが、この曲を先輩の結婚式で歌うことができたのは(しかもバンドで)、一生の思い出です。めっちゃ気持ちよかった。 セカンドを購入した3ヵ月後には、以前先輩からレコードを借りてテープにダビングしていた「VOICES」のレコードを大学生協に注文して買いました。テープで持っているレコードを買ったのはこれが初めてのことでした。その年はオフコースが4人として再出発した年でしたが、それまで自分の中で大きな存在だったオフコースが織田哲郎にその座を譲ったのがこの時期でしたね。 織田哲郎を決定的に好きになったのは、大学2年の冬。好きな女の子と映画に行って、喫茶店で告白したけど残念ながらその子には他に好きな人がいて・・・。フラれて帰ってきて自分の部屋のラジカセで聴いた織田哲郎の曲が実に胸にしみたのです。「この人の歌を一生聴いていきたい!」と強く思いました。このとき以来、私の中で織田哲郎は絶対的な存在になりました。そして、それまで、どちらかというと「VOICES」の方がすきだったのですが、これを機に「NEW MORNING」の方が断然好きになりました。今でも、アルバム全体のバランスとしては、これが一番好きですね。北島健二のギターの音がすごくいいし。 3曲目の「MAD DOG」は1991年にリリースされた西城秀樹のアルバムのタイトルにもなっています。もちろん織田哲郎プロデュースです。「ちびまる子ちゃん」のエンディングテーマに使われた「走れ正直者」が織田哲郎の曲だということを知っている人は意外と少ないのかも。 4曲目の「夜にまぎれて」は最初はあまり好きな曲ではなかったのですが、半年くらいたってからすごく好きになりました。この曲で、サックスという楽器の音が好きになりましたね。 B面1曲目(CDでは6曲目)の「SILVER TRAIN」は、一度だけ「MUSIC TOMATO JAPAN」というビデオクリップ番組でライブビデオを見たことがあります。あの映像はレアだったなあ。当時我が家にビデオデッキがあれば絶対に録画していただろうに・・・。かえすがえすも残念です。織田さんが歌っている姿を見たのはあれが初めてだったのかな。 このアルバムが発売された当時の「週間FM 」のレコード評の切抜きを発見!小貫信昭氏の評を引用してみましょう。 グループとして活動していた頃も含めると、かなり活動歴のある人だ。ソロになってからは、アレンジにキラリとしたところのあるシティ派、という印象が強い。この新作は、以前にも増してパワー・ポップだったりして。これは織田哲郎本来の姿じゃなかろうか。「MAD DOG」なんて曲を聴いていると、彼の実力というか、確かなセンスを感じる。ただ、まだもう少し、自分の確固たるスタイルを掴むまでには時間が掛かりそうだ。R&Bナンバーでのコトバの崩し方などに少し遠慮が感じられるし、それがそのまま、織田の音楽にブレーキをかけてしまっている、と僕は思ってしまう。 ・・・という文章です。これを読んだ当時は「もっと褒めろよ!」と憤慨したものです。このアルバム以降は新作が出てもレコード評に載ることすらなくなってしまったので、実は貴重な記事かなとも思いますが。同じページに掲載されている他のレコードは・・・杉真理「ミストーン」アクション「ホット・ロックス」梅沢富美男「色つづり」河合奈保子「サマー・デリカシー」倉沢淳美「メッセージVol.1」谷山浩子「水の中のライオン」二名敦子「ロコ・アイランド」オールナイターズ「チュッとセンセーション」・・・オールナイターズっていうあたりで時代を感じますね(笑)。 |