相川七瀬
 彼女のデビューは1995年の11月8日のこと(織田さんがあるオーディションで相川七瀬に初めて出逢ったのは1990年のことらしい)。ファンクラブの情報でもけっこう前から新人女性ボーカリストのプロデュースをしているという話は流れていましたので楽しみにしておりました。で、記念すべきデビューシングル「夢見る少女じゃいられない」を買いに札幌の玉光堂という大きなCDショップに行ったところ、いくら探しても見つからず(少なくとも新譜コーナーなどの目立つところには置いてなかった)、店員さんに「相川七瀬のデビューシングルが発売になってるはずなんですけど・・・」と言って探してもらいましたが、その店員さんの反応も「相川七瀬・・・?」と心もとない感じでした。でもなんとか奥のほうから探し出してもらって無事に購入できました。家に帰って聴いてみるとメチャメチャカッコイイ!しかも「作詞・作曲・編曲すべて織田哲郎」!織田さんが他のアーティストに詞を提供するなんて滅多にないことです。そしてギター中心のアレンジでそのギターがすべて織田さんが弾いている!単純なリフだけど、非常にキャッチーでインパクトがありました。それまでに手がけたいろいろなアーティストたちとは気合の入り具合が違うなという印象を受けました。

 デビュー曲は世間的にはそれほど話題に上ることもなかったようです(深夜のカウントダウンTVとかには出たんですが・・・)が、セカンドシングルの「バイバイ。」はそこそこ話題になり、いくつかのテレビ番組にも出演し少しずつ世の中の認知度を高めていきました。3枚目のシングル「Like A Hard Rain」ではHeyHeyHeyにも初出演し、浜ちゃんの突っ込みも体験したりしています。そして1996年の7月にリリースしたファーストアルバム「Red」は女性ロックボーカリストとしては初のオリコン初登場1位を記録しています。270万枚売れたとか。このアルバム初登場1位は3枚目の「crimson」まで続きます。でも一番売れたのはこのファーストなのかな?このファーストアルバムから4枚目の「FOXTROT」までのすべてのギターを織田さんが弾いています。もちろん、ギターだけではなくてキーボードや打ち込みなど、アルバムのほとんどの音源を織田さんが担当しています。まさに全面的なプロデュースですね。5枚目のアルバム「Purana」では布袋プロデュースの楽曲もけっこうあるので、織田さんの演奏はめっきり少なくなってますが。

 2001年の「ミュージック・クリエイター」8・9月号でのロングインタビューより。
 「あそこまで全部プロデュースしたのは、後にも先にも、純粋に彼女しかいないですね
 「昔から商売にはなりにくいけれども、自分の中ではかなりストックがあった一群の曲があったんです。それは何かっていうち、T・レックスやブロンディみたいなシングルがヒットするPOPなロックだったわけで、そういうジャンルが自分ではすごく好きだったけど、仕事としてはなかなかできなくて、だけど俺は、絶対その部分も世の中のニーズとしてあると思ってた。そこで、15歳当時に会った彼女の存在がずっと頭に残ってたんで、コンタクトをとり、”これはおもしろいぞ”と、彼女をどんどん良い形で作り上げていったんです。あと、今まで基本的には発注されてからプロデュースするだけだったんで、一から全部作るっていうことをやってみるかっていう気がそこで起きたことも確かですね。それも、売れるまでやってみるかと思ってやったら、すぐに彼女売れちゃったんです(笑)」
 
 シングルとして一番売れたのは「恋心」なんですかね?ベストアルバム「ID」の中に収録されているアコースティックバージョンの「恋心」もなかなかの出来ですよ。最近でこそ、全面的プロデュースというほどの関わり方はしていませんが、現時点での最新シングル「Shock of love」の作曲も織田さん(曲自体のアレンジは別の人ですがコーラスアレンジは織田さん)ですし。

 いろいろ書くこともあるかな〜と思ってたのですが、いざ書いてみると、あんまり書く材料がないことに気付きました(笑)。比較的最近の話ですしね。私なんぞがしたり顔で書くこともないかと・・・。
私が選ぶ相川七瀬ベスト10
1 彼女と私の事情・・・これは9枚目のシングルですね。ドラマーの私としてはこのリズムパターンに燃えるものを感じます(笑)。コーラスで元ジュディマリのYUKIとPUFFYの吉村由美が参加してます。

2 SWEET EMOTION・・・7枚目のシングル。ギターのリフがこの曲の魅力。「灼熱の恋に〜」からのメロディの展開はなぜか織田さんの初期のサウンドを連想させます。

3 夢見る少女じゃいられない・・・やっぱりデビュー曲は名曲でした。何度聴いても飽きません。

4 Shock Of Love・・・現時点(2003年8月)での最近シングルです。作詞が大黒摩季っていうのもなかなかこの曲にはハマってますね。

5 Love merry-go-round・・・2ndアルバム収録の曲。作曲はトランスフォーマーの本郷信(ただし、この曲を提供した時点ではHollywood Motorsでしたが)。サビのフレーズが印象的。

6 Two of us・・・これも2ndアルバム収録(これはラスト)の曲。私はセカンドに好きな曲が多いんですねえ(2位もセカンドに入ってますし)。曲の最後に聞こえてくる織田さんのコーラスがとても好きです。

7 Trick・・・5thアルバム収録の曲。作曲はトラフォの本郷信。本郷さんはこの曲でギターとベースも弾いています。(コーラスでも参加)

8 たまんない瞬間・・・3rdアルバム収録の曲。Aメロにあたる部分のヘヴィさが好きです。

9 SEVEN SEAS・・・布袋プロデュース第2弾のシングル。「七瀬」の直訳でもありますね。

10 世界はこの手の中に・・・13枚目のシングル。アルバムとしては4枚目に入ってます。


第16章