1 | 乙一 | 暗いところで待ち合わせ |
2 | 川島誠 | 800 |
3 | 村山由佳 | すべての雲は銀の・・・ |
4 | 米澤穂信 | 愚者のエンドロール |
5 | 荻原浩 | 噂 |
6 | 光原百合 | 十八の夏 |
7 | 藤原伊織 | 蚊トンボ白鬚の冒険 |
8 | 日明恩 | それでも、警官は微笑う |
9 | 石田衣良 | スローグッドバイ |
10 | 松尾由美 | スパイク |
11 | 高里椎奈 | 双樹に赤 鴉の暗 |
12 | 重松清 | 流星ワゴン |
13 | 東野圭吾 | トキオ |
14 | 福井晴敏 | 川の深さは |
15 | 横山秀夫 | 半落ち |
16 | 奥田英朗 | マドンナ |
17 | 坂本康宏 | 歩兵型戦闘車両ダブルオー |
18 | 川上健一 | 翼はいつまでも |
19 | 平谷美樹 | 君がいる風景 |
20 | 石田衣良 | 波のうえの魔術師 |
@なんといってもこれが一番でした。
乙一作品は以前から読んでいましたが、これほどの作品を書く人だとは思っていませんでした。
人と人との関わり、ということについて深く考えさせられるストーリーでした。
2002年は「GOTH」によってブレイクした乙一氏ですが、私にとっての最高傑作はこれでした。
そして、昨年(2002年)の10月中旬から「乙一FAN」というHPに足繁く出入りするようになり、
そこの掲示板の常連になってしまいました。そしてそこでいろんな人たちと接する中で、
「自分のHPを作りたい!」という思いが強まり、ここに至るというわけです。
しかし、この手の読書ランキングは毎年作ってきましたが、文庫書き下ろし作品が1位になるのは
たぶん初めてのことです。
Aこの作品も文庫本で読みました。
まったくノーマークの作家で、書店で平積みになっているのを何の気なしに手にとって、
なんとなくおもしろいかも、くらいの軽い気持ちで購入しました。
これがまた、おもしろいのなんの!陸上をやる高校生の少年2人が交互にに登場するお話です。
タイトルの「800」というのは、800メートル走のことです。
川島誠という作家の著書ははほとんどが絶版になっているようで、他の作品を読みたくても
なかなか読めないという状況にあります。
とりあえず「電話がなっている」という作品を復刊ドットコムにリクエストしてあります。
どうやら順調に投票が増えて、あと少しで復刊交渉が始まるくらいになっています。
2月下旬に角川文庫から、「セカンド・ショット」というこの人が翻訳した本が出るようで
それを楽しみにしております。
Bこの人の作品は、これが初めてでした。「本の雑誌」で北上次郎氏が絶賛していたので、
買ってみました。ジャンルとしては恋愛ものになるんでしょうが、色恋ベースのべたべたした話ではなくて
人間ドラマの部分が魅力的です。これを読んだ後で、村山さんの他の作品も古本屋で買い漁り、
いろいろ読んでみましたが、この作品を超えるものはなかったかなあ。あくまで、私にとって、ですが。
「おいしいコーヒーの入れ方」というジャンプノベルスのシリーズものがありまして、私は2巻まで読みました。
そのシリーズについては私よりも妻の方が気に入って、私が読んでいない分も読んでしまい、
文庫化されていない分も読みたがったので、アマゾンで注文してあげました。
私としては「この続編を」とまでは言いませんが、この作品の流れをくんだタイプの小説を読んでみたいですね。
Cこれも文庫書き下ろしです。(2002年は文庫の当たり年でした)
bk1というネット書店の書評で興味を持ち、気軽に読んでみたらこれも大当たり!
この作者はまだ新人さんで、これが2作目でした。あわてて1作目の「氷菓」も買ってきて読みました。
そっちも良かったけど、2作目の方が読後感は良かったです。登場人物が共通するシリーズものなんですけどね。
いわゆる日常の謎系列のミステリになるのでしょうか。プラス学園もの。スニーカー文庫ですので、
ライトノベルという扱いにはなるのでしょうが、この作家将来大化けする予感がします。言葉の選び方に
私は魅力を感じました。キャラクター造形も秀逸でした。
Dなかなかリアル書店ではみつけられず、業を煮やしてネットで注文しました。
この作家はユーモアをベースにした話が多いのですが、これは異色のサイコサスペンスです。
「このミス」の座談会で「ラスト一行がすごい」というコメントがありましたが、
確かにその通りでした。読み終わった瞬間は「ふーん」っていう感じでしたが、
ちょっとたってから「え?それってもしかして・・・」と考え直して背筋が寒くなる、
という経験をしました。伏線の張り方がお見事、です。ユーモラスな話も魅力的なのですが、
たまにはこの手のダークな話も書いて欲しいと思います。
Eこの作家さんは寡作ですが、どれも安心して読めます。
この表題作は日本推理作家協会賞を受賞したんじゃなかったかな。短編賞を。
あ、これは短編集です。この人はミステリ作家としてはまだキャリアが浅く、
ミステリ作品はこれで3作目のはずです。純然たる長編ってまだ書いていませんね。
北村薫や加納朋子が好きな方にはお勧め。きめこまやかな文章が好きです。
Fタイトルがちょっとふざけた感じですが、けっこう泣かせてくれます。
設定としてはSFですが、あまり科学的根拠は気にしていないようです。
ある日突然頭の中に蚊トンボが入り込み、それが頭の中でしゃべり、宿主の身体能力を瞬間的に
高めてくれる・・・一種のファンタジーでしょうか。藤原伊織もどちらかといえば寡作ですよね。
私にとってははずれの少ない人です。「テロリストのパラソル」も面白かった。リーダビリティは抜群です。
G講談社のメフィスト賞を受賞してデビューした人。これがデビュー作です。
普通、メフィスト賞でデビューする人って、講談社ノベルスから出すのが定番なのに、
この本はいきなりハードカバーです。それだけ、講談社はこの人を高く買ってるんですかね?
まあ、実際新人とは思えないほど面白かったですが。いろんな書評にも書いてありますが、
「踊る大捜査線」が好きな人には楽しく読める作りだと思います。刑事ものというよりは、警察ものですね。
続編を強く希望します。主役の2人のキャラがとっても良かったので。
H石田衣良は良いです。「池袋ウエストゲートパーク」シリーズという人気シリーズもありますが、
シリーズ外の作品も非常にレベルが高いです。この本は初の短編集です(シリーズ外での)。
この人の特徴である「透明感」あふれる文体がここでも十分に生きています。こういう短編集を
もっとたくさん読んでみたいです。
I年末のかなり押しつまってから読んだ本ですが、なかなかユニークな話でした。
松尾由美という作家はそれほど有名ではありませんが、なかなか個性的な話を書く人ですね。
ハヤカワのSFコンテスト出身ですので、SF寄りの作家と言っていいと思いますが、
一筋縄ではいかない印象があります。この作品も単純にはジャンル分けできないタイプですかね。
ネタバレにもなりかねないので、紹介もしにくいのです。でも、読後感は非常に良かったです。
J実は「スパイク」を読むまではこれが10位でした。薬屋探偵シリーズの最新刊になります。
高里さんはデビュー当時から新しいのが出るたびに読んできましたが、これは、今までで一番好きな話です。
おもしろいというより(いや、おもしろいのですが)「好き」ですねえ。こういう話が。
これからのシリーズがまた楽しみになりました。
K直木賞作家の重松さんの作品も出るたびに読んでいますが、いい話を書いてくれますよねえ。
これは泣ける話です。涙腺のもろい人はご用心。安易なハッピーエンドにしていないところがまたいいです。
これまでの作品の中でもかなり上位にいれたい名作です。
L東野圭吾も安定した実力の持ち主ですよね。これはつまらなかったなあ、という記憶がほとんどありません。
いろんなタイプの作品を書ける人でもありますよね。今回の話はちょっとSFっぽい設定になっていますが、
最後まで読んでいくと切ない気持ちにさせてくれます。「秘密」が好きな人にはオススメ。
M近所の古本屋で偶然見つけました。出版されたのはけっこう前のはず。
何かのアンソロジーで短編をひとつ読んだきりで、この人の本としてはこれが最初でした。
出版された当時に、「本の雑誌」で北上次郎氏が絶賛していたのが記憶にあって、前から読んでみたいとは
思っていたのです。泣きそうになりました。おもしろかったです。ストーリー展開もさることながら、
キャラクター造形も良かった。短編ももう少し読んでみたい気がしますね。
「亡国のイージス」もそのうち読んでみたいとは思うのですが。
N昨年の「このミス」国内部門第1位に輝いた作品です。こんな順位でいいのか、という話もありますが
この20位以内の本はどれも「めっちゃ良かった!」というものばかりですので、
実は10位以内と10位以下の差はそれほどないのです。横山氏の作品はすべて読んでいますが、
基本的には短編作家ですね。今回の作品は連作短編集の形をとった長編、という見方もできると思います。
ラストで泣かせてくれます。
O奥田さんの作品を読むのはこれで3冊目です。「邪魔」と「イン・ザ・プール」を読みました。
今まで読んだ中ではこれが一番おもしろかったかな。ミステリというよりはサラリーマンの世界を描いた
普通小説ですね。この人の作品で「最悪」というのをまだ読んでいないので、今年中には読みたいと思っています。
P第3回日本SF新人賞佳作受賞作。2作目はまだ出ていません。楽しみにしているんですが。
合体ロボットものなんですが、なぜ合体しなければならないかの説明が秀逸。
荒削りですが、ロボットSFとかロボットアニメが好きな方にはオススメです。
Q札幌の中心部にあるブックオフで購入。2001年の本ですね、これは。北上次郎氏が絶賛していました。
青春小説ですね。いい話でした。「本の雑誌」2001年のベスト1だったんじゃないかな。
ビートルズと野球の好きな人ははぜひ読んでみてください。
R名前から女性と思われやすいようですが、作者は男性です。岩手県の中学校の先生も続けているとか。
第1回の小松左京賞も受賞しているSF作家です。この本はソノラマ文庫の書き下ろしです。
学校を舞台にした学園SFです。タイムトラベルものといえばいいのかな。非常に後味さわやか。
Sこれもほんとは2001年の作品ですが、読んだのが2002年の正月でした。
ドラマ化もされましたが、私は見ていません。タイトルは「ビッグ・マネー」でしたっけ。
株取引のドラマですが、予備知識がまったくなくても十分楽しめます。