2001年のベスト10

宮部みゆき 模倣犯
白石一文 一瞬の光
梶尾真治 黄泉がえり
乙一 天帝妖狐
石田衣良 赤・黒
光原百合 遠い約束
雫井脩介 虚貌
東野圭吾 片想い
牧野修 呪禁官
10 天童荒太 永遠の仔

@
この年はいろんなランキングで「模倣犯」が高い評価を得ていました。
上下巻合わせて1400ページの分量にはとにかく圧倒されましたね。
映画化もされましたが、ピースが主役として描かれることには抵抗感を覚えました。
宮部さんの超能力ものの新作が読みたいですねえ。「龍は眠る」大好きですから。
あと「ステップファザーステップ」の続編も早く読みたいです。

A
この人は「本の雑誌」で知りました。まだ4冊くらいしか書いていないはずです。これはそのデビュー作。
ミステリでもなんでもない「普通小説」ですが、重松清とはまったく肌合いの違った感じですね。
主人公のけなげな行動が心に残りました。「不自由な心」という短編集もオススメです。
一応恋愛ものということになるのかなあ。あまりべたべたしていませんけど。

B
SFファンの間では「カジシン」というあだ名で呼ばれている人です。
学生時代からずっと読み続けています。
死んだはずの人がよみがえる、という現象をけっこうリアルに描いたSF。
まさかこれが映画化されるとは・・・。しかもかなりヒットしているようで。
カジシンの本領発揮といいますか、かなりせつないお話になっています。
映画だけ見て、原作は読んでいないという人は、ぜひこちらも読んでみて欲しいです。

C
この本は実は2つのバージョンがありまして、
Jノベルという新書版と集英社文庫から出ている文庫版があります。
乙一FANの常連の方々には言わずもがなのことですが。
私がオススメするのは文庫版の方です。ストーリーがかなり変わってます。
文庫化にあたって著者が書き直したそうです。納得がいくように。
私は1年以上経ってから新書版を入手して読んだのですが、
やはり文庫版の方が好きです。

D
石田衣良といえば「池袋ウエストゲートパーク」シリーズですよね。
ドラマは見たことありませんが。これはそのシリーズの「外伝」にあたります。
シリーズ最新作の「骨音」が直木賞にノミネートされましたが、
私はこちらの作品の方が好きです。石田さんの本は全部好きですけど。
シリーズ4冊に順位をつけるなら、@1作目A外伝B骨音C2作目、となります。
この話は単純に言ってギャンブルの話です。

E光原百合さんは、「時計を忘れて森へいこう」以来のファンです。
作品数が少ないのが残念ですが、どの作品も心に残ります。
これは連作短編集と言えばいいのか、1つの長編と言えばいいのかちょっと迷います。
でも細やかな筆致は彼女ならでは、です。「日常の謎」タイプのミステリが好きな方にオススメ。

Fこの作者の本はこれが初めてでした。書評で取り上げられていたのに興味を覚えて読みました。
リーダビリティ満点の出来でした。この人の本はまだ4冊くらいしか出ていないじゃなかったかな。
とりあえず、これを読んだ後、デビュー作が文庫化されたので買ってはあるのですが、
まだ未読です。最新刊「火の粉」も読むつもりです。

G東野圭吾といえば、マイベストは「秘密」(この10年くらいのベスト5にも入れたい)ですが、
これもその流れをくむせつないストーリーでした。装丁も「秘密」に似ています。

H牧野修氏は2002年の日本SF大賞を受賞しましたね。受賞作はまだ読んでおりませんが。
ホラーのフィールドでも活躍している牧野氏ですが、私はこの作品みたいなSFを待ち望んでおります。
ライトノベルっぽい書き方にはなっていますが、後味非常にさわやかです。シリーズ化を希望。

Iドラマにもなった大ヒット作ですね。私はかなり遅れて読みました。読み応えは十分ですね。

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