2000年のベスト10

飯田譲治・梓河人 アナン
金城一紀 GO
石田衣良の一連の作品 池袋ウエストゲートパークなど
井上夢人 オルファクトグラム
浅田次郎 天国までの百マイル
重松清 日曜日の夕刊
恩田陸 ネバーランド
上遠野浩平 冥王と獣のダンス
今野敏 陽炎
10 首藤瓜於 脳男


@「NIGHT HEAD」のコンビによる作品。SFというよりは現代ファンタジーでしょうか。
ハードカバー上下巻ですので、ちょっと手を出しにくい価格ですが、私は古本屋で入手しました。
結婚式に招待されて出かけた釧路の駅前の店でした。
ちなみにアナンというのは少年の名前です。心が洗われるようなピュアなストーリーです。泣けますよお。
いつか映画化してほしいなあ、と思います。
ちなみに梓河人さんの作品として、「ぼくとアナン」というアナザー・ストーリーも出版されています。

A窪塚くん主演で映画化されていますので、ビデオなどで見た人も多いかも。
私は映像の方はまだ見ていません。いつか見たいとは思っていますが。
これはデビュー作でいきなり直木賞を受賞してしまうという快挙をなしとげた作品。
ひとりでも多くの人に読んで欲しいと思う青春小説の名作です。
学級文庫においてもこれは大人気でした。(結局どこかにいってしまいましたが・・・)

B「一連の作品」という表現にしたのは、1作にしぼりきれなかったからです。
ここでいう一連の作品とは「池袋ウエストゲートパーク」(デビュー作)「うつくしい子ども」(2作目)「エンジェル」
を指します。ただし「池袋・・・」が出版されたのは1998年の9月、他の2冊は1999年の5月と11月です。
読んだのが2000年だったということです。デビュー作と2作目は衝撃的でしたね。
「こんな新人がいたのか!」と。うちの学校の図書館の本として私が発注して、誰よりも早く私が読みました(笑)。
あまりにも気に入ってしまったので、後に文庫化されてから改めて自分で買いました。
2作目までを読んだ段階で、「この作家の本は今後すべて読んでいこう」と心に決めました。
「エンジェル」はSFというよりはファンタジーめいた設定ですが、映画「ゴースト」の好きな人にはオススメ。

C井上夢人さんも一癖ある作家ですよね。
かつては「岡嶋二人」のペンネームでもう一人の人と合作していた、ということを知っている人も多いことでしょう。
岡嶋二人の本もほとんど読みましたが、井上さんの本も単行本はすべて読んできたつもりです。
この作品は人間の嗅覚というものにスポットライトを当てた一種のSFですが、
話の構造としてはミステリになっています。WOWOWでオリジナルドラマも作っていましたね。
とてもエキサイティングな小説です。妻も非常におもしろいと申しておりました。

D文庫化されたのを読みました。単行本が出たのはもう4年位前だったはず。
浅田さんの作品で一番すきなのは「きんぴか」ですが、この本ではマジで号泣してしまいました。
見事に浅田マジックにしてやられましたね。涙が止まらなくて困りました。家で読んでてほんとに良かった。
映画化もされていますが、そちらは見ていません。

E出版されたのは1999年だったと思います。短編集ですね。
私としては直木賞を受賞した「ビタミンF」よりも、こちらの方がずっと好きですね。もう文庫化されていますので
お求めやすくなっています。

F恩田陸も新作が出るたびに買っていますが、結末に不満が残る作品が多い気がしています。
これは珍しく(?)納得のいくエンディングでした。
ドラマの方は見ていませんが、この小説は青春ミステリとして十分楽しめるはずです。

G言わずと知れた「ブギーポップ」シリーズの作者の本です。これはブギーのシリーズとは無関係ですが。
でも「虚空牙」は出てきます。私のうろ覚えの知識では、「ブギー」でデビューする前に書いていた作品じゃ
なかったかなあ。私は素直に楽しめました。ブギーその他全部読んでいますが、上遠野作品の中でベスト3
入れたい作品だと私は思います。

H今野敏は今どれほどの知名度があるのでしょうか。高校生とかにはあまり知られていないような気がしますが。
この本は「安積警部補シリーズ」の1冊です。この作家はノベルスとか数え切れないくらい出しているのですが、
私はそのうちのほんの一部のみ読んでいます。「安積」シリーズは全部読みました。
このシリーズはどれもおもしろいです。ちょっとワンパターン気味なところもなきにしもあらずですが、
なかなか充実しています。

I第46回江戸川乱歩賞受賞作。変わったタイトルですよね。なかなか一風変わったストーリーでした。
でもすごく鮮烈な印象を残してくれました。続編も期待しているんですが、出ないかな。
2作目も読みましたが、まったく違った作風でした。3作目は・・・どうなるのだろう?

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