岩屋越(いわやごえ)〜経ヶ岳(きょうがたけ) 南壁トラバース
一人で登る 2004.3.13 |
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場所 |
長崎県大村市
佐賀県鹿島市 |
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標高 |
経ヶ岳1075m
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歩く標高差 |
.累積1110m |
歩行距離 |
約12Km |
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所要時間 |
大人
約6時間 |
黒木駐車場〜25分〜岩屋観音〜1時間20分〜岩屋越〜1時間40分〜ツゲ尾〜15分〜経ヶ岳南壁〜20分〜経ヶ岳〜30分〜舞岳〜50分〜黒木駐車場
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駐車場 |
黒木駐車場,八丁林道駐車場など多くの駐車場あり
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データ |
郡岳から経ヶ岳までの縦走路の魅力を感じて初めて挑戦した今年の1月4日。
結局,痛めていた膝が最悪の状態で,岩屋越で断念。足をひきずりながら降りてきた。あの日から,2ヶ月。膝も順調によくなり,少しばかり縦走に挑戦してみようと思う。
今回は,前回のリベンジということで,岩屋越までいったん登り,あの日の続きをやることにした。
黒木駐車場に車を停めて,今来た車道を引き返す。あの日のことが頭をよぎる。夕方近く,足を引きずりながら,この道を登ってきたっけ。今日は黄砂も少し晴れて,天気もよい。車道を30分ほど戻ると,岩屋観音のところに着く。ここから右に登り出す。そうそう,あの日,足をひきずる俺にどう猛に吠えかかる犬がいたっけ。この足で襲われたら終わりだ・・・・いろいろとあの日がよみがえる。
いやな記憶は行動して,素敵な思い出に変えよう。そう思い立った今日である。
岩屋観音から20分ほど歩くと,岩屋越への登山口がある。ちょっとわかりにくいが,多良山系のレスキューポイントの看板が目印である。しばらく登ると黒木から平谷に出る444号線のトンネル入り口の上に出る。ここからは,少し荒れた道を進む。土石流跡を横切り,木漏れ日の小道に入り,ガレ場を登り,変化のある道を進む。たぶん,今日は誰もここを通らない。イノシシさんの堀り跡だらけで,カウベルを必死に鳴らすお遍路登りが続く。
岩屋越に着くと,風が少し強くなる。今日は,この縦走路,誰かに会うだろうか? 前回は,突然他の登山者と出会い,お互い叫び声を上げたこの道だ。(人に会って声を上げるのはこの道くらいだろう。)
岩屋越からは,アップダウンの道が延々と続く。しかし,気持ちのよい小道だ。眺望はないけれど,山道がとても気持ちいい。地図で確認しようと思うが眺望がなく,だいたいこの辺りかなあと進む。途中,こんな坂初めて!というどきどきの下り坂があった。普通ロープや鎖がしてあるが,ここは,丸木を横にずっと結んであった。
おっ,人だ!!
「こんにちは」とあいさつする。
「○×□山はあとどれくらいですか?」
「えっ,そんな山は聞いたことないですよ。」
「いや,いいんです。」
大丈夫か・・・・?
その人のことが気になりながら,6人くらいのグループさんに会う。
「平谷へはこっちから出れますか?」
「平谷は途中に林道に出る道がありますが,林道結構あるみたいですよ。岩屋越まで戻ると1時間半で,平谷まで2kmの表示がありましたけど・・・」
この方々,地図を持ってきてなかったらしい。さっきの人のことも気になっていたので,地形図のコピーを差し上げた。この縦走路は,地図とコンパスは必携だ。安易に踏み入れるにはかなりの体力を使う道であり,危険な気がする。噂ほどではないなあと思って歩いていたが,最後の方は結構堪えていた。
アップダウンを繰り返しながら,ツゲ尾への道は続く。もう,ここを登ったらツゲ尾かな。いや,次かなと思うところが延々とあり,もう考えまいとするころ,やっとツゲ尾に到着。
今日はここから,経ヶ岳の南壁ルートをたどってみる。経ヶ岳のシンボルともいえる南壁はすぐ下から見ると迫力満点。しかし,落石があったら死ぬなと思いつつ,しばし見とれる。
南壁をトラバースし,中山越から経ヶ岳に向かう道に合流。再度経ヶ岳を目指す。いつも下りで使う急な坂。登りも登りごたえがある。
頂上へ一息ついて,舞岳から下山した。お気に入りの岩場でゆっくり時間をとった。
郡岳から経ヶ岳への縦走路。この道はとても気持ちのよい道で,静かな山歩きができる。しかし,思った以上に体力はいるようだ。単調なアップダウンは結構きつかった。久しぶりの縦走だったので,体もこなれていないせいもある。アップダウンはペース配分を考えて登らなきゃいけないと勉強になった。
あの痛い痛い下山から2ヶ月。無事残りの道を膝も痛まず歩けたことに感謝。
トラウマになりかけていた膝を痛めての山登り。あの日の記憶は,春のうららかな起伏の道に塗り替えられた。
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黒木駐車場からダム方面に引き返し,岩屋観音の方に右折する。
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のどかな里の風景に春を感じながら,登山口へ。
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変化に富んだ道が続く。ちょっと悪路気味。
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岩屋越に到着。ここまで,2時間かかった。ふう。
遠目山方面,平谷方面,経ヶ岳方面,岩屋方面のクロスロードになっている。
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木漏れ日の気持ちよい道が心をなごませてくれる。
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アップダウンを繰り返し,また繰り返し
上までもうちょっとと言う気持ちがペースを上げさせる。
結果,ばててくる。
目先の罠にはまらないようにしなければ・・・・
人生と一緒だ。(笑)
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誰もこない道では,こんな木との出会いがうれしい。
精霊が宿っているかのようだ。
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途中からの眺望。今来た道を振り返る。
経ヶ岳が木々の間から,見えている。
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いくつかの急な下りと急な登り。
今日は誰も通らないかもしれないから慎重に。
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ツゲ尾に着き,経ヶ岳南壁直下を目指す。
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直下から見た岩肌。迫力あるう。 |
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南壁直下の春を告げるマンサクの花
膝で苦労したことも
春のうららかな日射しと風と花の中
雪が消えると同時に溶け出したようだ
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