2/16/2016/TUE
東京の鉄道史―鉄道が築いた都市、東京―、東京都立図書館
東京動脈、栗山貴嗣、2009
江戸東京めぐり「江戸電車路線圖」、人文社、2002
有栖川公園にある都立図書館へ行った。目当ては鉄道史の展示。そこで展示されている東京の地下鉄を立体的に造形した「東京動脈」。
東京の地下鉄は想像以上に深く複雑であることがわかる。大江戸線や副都心線のように近年作られた路線を設計、敷設するときは相当な苦労があっただろう。一目見ただけではそういう印象しか持てない。左側の写真が、第一印象に近い。
目を凝らして、いろいろな角度から見てみると、ようやく個々の路線がわかってくる。パイプの色が路線図で使われている色と同じなので、一つわかると次々とわかってくる。
右側の写真。Vの字にになっているのが丸ノ内線。上が荻窪線、下が方南町線、一本になっているところが中野坂上。その上の黄色と橙色は東武東上線に乗り入れている副都心線と有楽町線。
古くからある丸ノ内線や銀座線が浅くて、大江戸線のように新しい路線は深い、銀座線渋谷駅は地上、南北線も目黒線になってから地上に出ている、そういうことがわかるのは立体造形ならでは。
他に興味をひいたのは東海道新幹線の開通を特集した1964年8月発行のアサヒグラフ増刊号。0系新幹線に塗装も標準とは違う、お召し列車があったとは知らなかった。この号は、2014年に復刊されている。
もう一つ、目を惹いた展示がある。それは、江戸時代の地図に現代の地下鉄の路線図を重ねた地図。「東京動脈」の隣りに大きく広げて見せていた。現在の東京を構成している河川や街道、大きな施設や公園はすべて江戸時代に区画された土地にあることがわかる。
東京は大火と震災、空襲のために、建造当時からそのまま残っている建造物が少ない。実は街のあちこちに石碑や遺構が残っている。ただし、よほど注意をして歩くか、誰かに教えてもらわないと気づかない。
閲覧室も見てみた。あまりにも本が多くて、目が回る。読みたい本が多すぎて、眩暈がする。
疲れていたので隣接している有栖川公園も散策しなかった。ここは日本テレビの桝太一アナウンサーが、麻布中高の生物部で等高線模型を作ったり、樹木の調査をしたりした所。『理系アナ桝太一の生物部な毎日』 (岩波ジュニア新書、2014)で面白く読んだ。
行きは、南北線麻布十番から歩いた。帰りは、渋谷駅に向かって歩き、白根記念渋谷区郷土博物館・文学館をちょっと覗き、國學院大學を抜けて帰った。
途中、塀の高いお屋敷があったので、近づいて中を見ようとすると警官に止められた。あとで調べたら常陸宮邸だった。
今日は15Kmくらい歩いただけでとても疲れた。まだまだ体力がついたとは言えない。
それでも、疲れているのが身体だけの日には、のんきな生活しているな、と思う余裕がある。
さくいん:東京