縦走(山中で泊まる登山)

 大きなザック(50リットル以上)を背負って、数々の山を登る。小屋に泊まることもあれば、キャンプ場でテントをはることもある。縦走には山での「生活」があり、その生活用具を持っていくとなると、大きなザックが必要というわけです。朝起きるところからもう山の中です、ハイキングには考えられない御来光があります。電気釜でなく、コンロの炎を使って、ご飯を炊きます。単独行でない場合、夜には(混んでいるキャンプ場や山小屋ではあまりそうは行きませんが)酒盛りが始まります。
 登山道を進むので、別の箇所で述べる沢登りやテレマークスキーのような自由さはそれほどなく、奥深い自然の中に入るということもない。そのぶん、危険度はどちらかといえば小さく、ある程度慣れれば一人でも行けて、自分の空いている日に、自分のペースで登れる山行形態です。縦走は冒険というよりは、松尾芭蕉とかの旅のイメージが近い。自分は、沢も岩もやるし、テレマークスキーもやってみるが、やっぱり自分の帰るところは縦走である。一番慣れ親しんだ世界です。
 あと、縦走といえば、雲海である。雲海はやはりすばらしい。「壮大」という言葉が一番近いだろうか? 下の右の写真が雲海の写真です。場所は雲取山の山頂です。縦走というのは「眺め」を楽しむことができる
 あと、高山植物も縦走ならではです。

縦走の基本用具:登山靴、ザック、雨具、水筒、シュラフ(寝袋)、テント装備

 次の写真は南アルプス(塩見ー茶臼)間で、出会ったブロッケン現象の写真です。こういった現象は縦走以外でも出会うことができますが



低山ハイク(日帰り登山)
 つまり、ハイキングです。山登りの基本だと思います。山登りを始めるのなら、これから始めるべきです。ハイキングを自分は、だいたい500m以上で、1000m以下の山、つまりは日帰りの山と考えています。縦走があまり人間の歴史が感じられない高山なのに対して、ハイキングは「人間とともに歩んできた歴史のある人里」の風景が基本です。そして、縦走というと、登山靴は必須ですが、ハイキングですと、運動靴でも大丈夫といった感じです。自分にとってハイキングが楽しいのは以下の時期です。
 3、4月のハイキング:この時期にカタクリなどに代表される、落葉樹が芽吹くまでのほんの短い間を利用して、生息する植物、正式名称は忘れましたが、「里山!」という感じの植物がこの時期低山で見れるからです。
 5月のハイキング:新緑の時期です。
 10−11月のハイキング:紅葉です。
 12-2月のハイキング:晴れる日も多く、空気が乾燥して視界が良い上に、落葉樹の葉によって視界が遮られることもないです。
(6-9月は、熱いのでハイキングには行かず、沢や2000m以上の高所に行くことが多いです。)

 なお、先日千葉の300m程度の山で30人の行方がわからなくなるという事件がありましたが、低山は、案外道に迷い易いのです。その理由の一つとして低山では、周囲に住む人が生活道として利用するため、きのこを採るための道が突然できていたり、林業のための作業道が現れたり、人が様々な形で利用するため、高尾山のようなよっぽど登山客の多い山でない限り、指導標などもはっきりせず、案外迷うということがあります。

筑波山 カタクリ

人間とともに歩んできた歴史のある人里


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