剣岳(8月11-13日)(久しぶりの単独行)
 剣岳は昨年から行く計画をしていた。しかし、去年は冷夏(というより雨ばかりの天候)と資金難で、断念していた。学生時代には、危険だからということで、長期縦走(立山ー槍ヶ岳)に加えられなかった、念願の剣です。

8月10日
23:03 上野駅発(夜行電車)

8月11日
天気:晴れのちガス
5:40 富山駅着
6:23 富山駅発→6:48 上市駅着発→7:20 馬場島着  


    馬場島から見た、これから登る剣岳
7:40 馬場島発
 馬場島を出てから、平坦な道は登山道に入ったとたん終了し、急登になります。30分ほど登ったところに、道が二手に分かれていて右側にはっきりとした赤い丸印がありますが、どうも右側の道ははっきりしないところがあります。それは、左側の道で大丈夫です。右側の道は何でしょう? 沢登りのための道でしょうか。
 他に、この道(早月尾根)は基本的に200mおきに「標高○○m」の指導標がありますが、「馬場島―早月小屋」などのルートの指導標は1回しか見ませんでした。道もはっきりしていますから、先ほどのような変な枝道に入らないことでしょう。
ちなみに

標高(m) 1200 1400 1600 1800
到着した時間  9:00  9:35  9:50  10:30

です。標高1800mから、植物相が亜高山帯になり、この日の天候は1800m手前からガス(霧)が出だしました。
11:00―11:30 昼食
 お盆の百名山ですから、もっと混むかと予想していましたが、この早月尾根は難所(北アルプス3大急登)のようで、基本的に30分に1グループ(1−2人)会う程度でした。早月尾根は静かです。また、こんな比較をしてもしょうがないですが、自分としましては、早月尾根よりも黒戸尾根(甲斐駒ケ岳)のほうが厳しかったです。

12:45 早月小屋着

 早月小屋から見た奥大日岳(たまたまガスが晴れたときを狙って撮りました)

 今回、金銭面的な問題と、お盆のため小屋は非常に混むかもということから、テント装備を担いでの山行きとなりました。しかし、明日が行動の中核です。明日はベストな状態で行きたかったので、「本日テントをはると、雨が降った場合、テントが重くなる。今回持って行った一人用テントは使うのが2年ぶり、明日に備えて何かあったら嫌だ」と思い、小屋の人に「テント装備持ってきたんですけど、素泊まりで泊まっていいですか?」と聞くと、「大丈夫」だという。


                    早月小屋から見れた夕焼け

8月12日
天気:快晴のちガス

3:40 起床
 起きて、外に出ると、星がとてもきれいでした。今、この時間帯に見えるのはいつの季節の星座でしょう。結局、カシオペア座しかわかりませんでした。
4:50 出発

標高(m) 2400 2600 2800
到着した時間  5:30  6:30  7:40


           マツムシソウ
 単独行だと、ちょっとした岩場でも緊張の度合いが違います。特に、周囲に誰もいないとなるとなおさらです。会山行とか、登山教室の山行だとか、自分より、レベルが上の人がいる時は岩場でも単独行以上の力が出せます。山頂近くには、岩場がありますが、落ち着いて登ればだいじょうぶです。
 標高2600mを過ぎると、雪渓が現れてきました。
8:35 剣岳着
 山頂は、まあまあの広さ(1Kくらいか)で、自分が着いた時には40人くらいいたと。360度のパノラマです。少し早いですが、昼食もここで取りました。

         中央に富士山                            鹿島槍


           ピーク写真                          白馬岳


         立山と槍ヶ岳

9:35 剣岳発
 20分かそこら、下った後いよいよカニの横ばいです。4-5人が順番待ちをしていました、少しこわいですけど、基本的に足や手の置き場がしっかりしてますし、どうしようもなくなったら、鎖に頼る形できりぬけられます。その後すぐ、ハシゴがあります。最初の足をかける所さえ、うまくできれば、後はスイスイといけます。ハシゴが終わったあと、一息つけるところがあります、岩場の苦手な人はここで息を整えましょう。
 今回、これは感心したのですが、危険箇所はたいてい、登り専用と下り専用に分かれ行き違いがないようになっています。これが、一本しか通り道がなかったらとてつもない渋滞が起こるでしょうし、行き違いによる危険も省けます。ただ、岩場の待ち時間などで、行く先を見て「今度はあのルートを通るのか」などと考えていても案外それが登りルートで、尾根を境にしてちょうど真反対の場所を進むということがあります。苦手な岩場で大幅に時間をロスしてしまいました。13:00までに、剣沢小屋に着いたら、雷鳥沢キャンプ場まで行こうと計画していましたが、それも無理となりました。まずは無事に帰ることですが…
 ガイドブックに書かれていたのですが、「岩場では緊張のため、のどが渇く」。そのとおりでした。
11:30 前剣

            山頂写真
 山頂からの道が少しわかりずらいです。前剣を越した後から、ガスが出てきました。
12:40 一服剣
 前剣の山頂から、並走している二人組(20代前後・男)がいたのですが、一人は30リットルぐらいのザックで、もう一人は、ほとんど空身に近い状態でした。彼ら二人に限らず、テント装備をしろとは言いませんが、何かあったらどうするのだろう、と思える登山者が多かったです。まあ、天気のせいもあるでしょう。雨が降りそうな天気だったら、彼らもそれなりの準備をするか、もしくは登らないと思います。その二人組みが突然止まって、「道を譲ってくれるのかな」と思って通り過ぎようとすると、「水無くなってしまったんですけど、水くれませんか」(口調はこのようでなかったかもしれません)とのこと。「はあ?」とむっとした顔になる、自分も思った以上に水を飲み、それほど余裕はなかったのだ。しかし、結構暑かったこともあり、「脱水症状になってはいけない」と思い、彼らにあげることにしました。了承すると、空のペットボトル(500ml)を出し、自分が250ml ぐらい入れたところで、彼らが「それくらいでいいです」「ありがとうございました」。もう少し行った所に水場があるのだが、彼らは本当に飲み干してしまったようだ。ここ本当に剣? 百名山はこういう運命なのか?
13:03 剣山荘
13:52 剣沢小屋
 あと少しで剣沢小屋というとき、ヘリコプターがやってきました。「写真を撮ろう」とカメラを構えるやいなや、ヘリコプターが自分のほうに向かってくるではありませんか(自分がヘリコプターの定航路の近くにいただけなのですが)。すごい風圧でした。「帽子が飛ばされる、伏せるんだ。」という状況で、とても写真どころではありませんでした。そしてまるであざ笑うかのように、ヘリコプターはすぐに去っていきました。その後ヘリコプターを見るだけで、とても嫌な気分でした。

          テント場の様子                     設営したmyテント

幕営料金:500円、水は煮沸しなければ飲めません。ここでテントを張らねば今回持っていった意味がないので、張りました。

 基本的にガスが出ていて、剣岳は見えませんでしたが、時々思い出したかのように姿を見せてくれることがありました。

8月13日
天気:快晴

3:30 起床
 この日も朝起きると星がとてもきれいでした。
5:15 出発
5:55 剣御前小屋→6:55 雷鳥沢キャンプ場


 どこでもそうですが、この時期チングルマはほとんど咲き終わっていますが、1箇所かそこらまだ咲いているところがあるものです。


           地獄谷周辺                           みくりが池

7:45 室堂着

       今回のトラックログ(緑:2日目、線の細いもの:トラックログ不明のため手書き)
 
 今回1日目のトラックログがほとんどありませんが、それはおそらく前日行った小川谷のデータを消すのを忘れため、データが満杯になったところに、どういうわけか、小川谷のデータが消えずに、今回の1日目のデータが消えてしまったのだと思う。1日目の途中で見た時、きちんと動作していたし、家に帰ってからGPSを見たところ、トラックはほぼ満杯だったことから。
8:40 室堂発→9:20 美女平着(バス)
           9:40      発→9:48 立山駅着(ケーブル)
                      10:05      発→11:05 富山駅着(富山電鉄)
12:04 富山駅発→14:00 越後湯沢駅着
             14:14         発→15:46 東京駅着

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