白毛門沢遡行+ウツボギ沢・東黒沢下降

2020年8月1−2日(前夜発)
L:S木2さん、メンバー:M井さん、自分

7月31日
22:00 所沢IC−23:20 水上IC−23:50 土合駅

今回の山行の大まかな位置図
 赤:1日、黄:2日
今回の訓練のさらに大まかな位置図(赤丸)

8月1日
天気:曇り一時雨
【コースタイム】5:10 土合駅−5:12/5:50 土合橋駐車場−6:50 東黒沢との二俣−11:50/12:05 白毛門−12:20 ウツボギ沢への下降地点(1660m)−17:00 広河原

5:50 駐車場を出発

 登山道を進む。登山道が一旦切れるところがあって、リーダーは並行する沢を進む。しんがりのM井さんが来ないと思ったら、登山道を使って自分らの前にいました。その後は登山道を進み、6時15分に入渓

 6:20 ハナゲの滝 下から  6:30 ハナゲの滝 上から

 ハナゲの滝は、巻かずに滝の左側を登りました。通常より多い水量でしたが、一つ一つ確認しながら進めば、難しいところはありませんでした。(だけど、リーダーに比べたら、大いに遅れをとりました。いちいち時間かかっていたかもしれない)。自分この周辺のスラブが苦手で、今回、沢は久しぶりで、特に時間がかかってしまいました。
 その他、調光サングラスを使った方が視界がクリアになるので、最近使っていますが、普段かけているメガネとちょっと距離感が狂うので、次回からは登る前ではなく、家を出るくらいからかけようと思います。

 6:42 大岩

水量が多く、右岸に巻き道ができていたので、そちらに向かいました。ここに何回も来たけど、巻くのは初めて。本当に岩の上を巻く短い、巻きでした。

6:50 東黒沢との二俣

 この日まで梅雨が続いたせいか、水量多いです。

6:55 トイ状2×3m


7:37


7:40


7:55


8:00

右岸を巻きました。

8:20 大滝タラタラのセン 下部 8:22

後から来たパーティーは、右岸を巻きましたが、一段目の滝につきまして、リーダーがトップで左を登り、リーダーはそのまま直上でしたが、M井さんは途中から水流左を行き、自分も後につき、そちらの方が簡単だったと思います。

8:27 大滝タラタラのセン 上部


8:40

ヌンチャクを4本、スリングも多数持っていきましたが、ヌンチャクから外したカラビナをテン場で使用しただけで、使いませんでした。(自分の場合)

8:45 大ナメ滝

 ササ、低木につかまりながら滝の右を登る。ナメの中でも傾斜が急なナメだと思います。上部で、自分は2度ほど足を滑らせ、つかまっていたササ、低木で助けられヒヤリ。M井さんより、「手を離すな、足をグリグリしてきちんと置くように」との指摘。自分の技術が落ちたか、体力が落ちたか。おそらくは両方とも少しずつ落ちて、こうなった。

シモツケソウ

 
9:02 奇岩 左を進みました  


9:24 山頂が見えてきました


9:27 1170m二俣(リーダーを真ん中で切った写真になってしまった、申し訳ございません)

左を行きました。

9:38 1235m二俣

右を行きました。

10:04 見えているのはババ岩か


10:29 登ってきました キスゲ

この辺りで、(自分の)ザックのチェストストラップが外れて、その後、ザックの安定感が落ちたというのはあります。(後日談)ドライバーがあれば、現場で直せました。

10:45

10:55 11:48

 土合駅は、ずいぶんうるさいので耳栓等必要で、眠れなかったというのはあるが、仕方がない。自分が常に遅れていたわけではないが、苦手なスラブ・ナメ、単調な下り・登りでは多くが遅れてしまった。体力が落ちた、それに足の置き方が悪くなっているから、遅れる。体力は、総合力かもしれない。「話にならない」までは落ちてはいなかったが、ここできちんと修正しないと、今後は「話にならない」ということになるということ。

 11:50 白毛門山頂 出発

 藪漕ぎはほとんどなく、沢を詰めたところに、山頂はありました。登山道に出たと思ったら、山頂というのは初めてかもしれません。
 山頂に着いてすぐに、眺めが見えなくなり、その数分後、雨が降り出しました。
 山頂に着くまでは、大ナメ滝で追い抜かされた5人程度のパーティー以外会いませんでしたが、山頂から登山道を外れるまで10数名の人に会いました。

 白毛門から笠ヶ岳への途中のコル1660mよりウツボギ沢への下降が始まりました。沢登りの記録(ウツボギ沢)は、ウツボギ沢を遡行すると笠ヶ岳手前に出ることになっていますが、下りるときは登りのルートを行く必要はないのでした。
 笹に雨滴がおおいに付いていたので、ここより雨具上を着ました。下降をしてから1時間弱で雨はやみました。

13:10 ウツボギ沢本流と合流(1450m)

 1660mからの藪は、薄くも、濃くもなく、傾斜も問題なく、体験藪漕ぎをしたら、沢型にぶつかり、下降していくとウツボギ沢本流に合流。

13:43

ウツボギ沢は、くの字15mの滝以外は、難しいところはありませんでした(当然ですが、水量にもよります)。

15:17 1260m二俣


15:55 くの字15mの滝上部 懸垂で下りる

 くの字15mの滝は、左岸を巻いたところで懸垂で下り(上部)、下部は滝の左岸をクライムダウンで下りました。

 もうすぐ広河原の水流の中を歩いていた時に、滑って水面に顔面ダイブ。しかも、「つるっとなって、顔面」ではなく、アッと思ったときは「顔面、水面」で、1秒くらいあっけにとられて水面から顔を出せず。結局、どこを打ったわけでもなく、無事でしたが、こんなの初めてなので、しばらくは動揺しまくっていて、リーダー、M井さん、申し訳ございません。
 ウツボギ沢下降中、人には会いませんでしたが、広河原付近から、5〜6パーティー(20数名)の人に会う。普段使っているテン場は、ブルーシートがすでに置かれていたので、下流20mくらいの左岸をテン場としました。

8月1日の行動の位置図
A→B→C→D→E→F→G→H→I→J
A:土合橋駐車場、B:入渓点、C:東黒沢との二俣、D:1170m二俣、E:1235m二俣、F:白毛門山頂、G:白毛門から笠ヶ岳への途中のコル1660m、
H:1450m二俣、I:1260m二俣、J:広河原(1190m)

 当初、山行予定は8月1日で、8月2日は予備日で、ツエルトは念のため、持っていけばよいやと思って、ビバーク用のを持っていったら、ビバーク用だから仕方がないが、横になれず、M井さんにタープを借りました。ありがとうございます。

8月1日の速度・時刻グラフ(区間1:沢登り、区間2:登山道。区間3:沢下降)


8月2日
天気:曇りのち晴れ
【コースタイム】6:45 出発−7:00 1205m二俣−7:35 1290m二俣−8:05 1360コル−9:33 1100m奥の二俣−11:30 905m二俣−12:50 白毛門沢との二俣ー13:25 登山道−13:45/15:10 橋(渡渉訓練)−15:15 土合橋駐車場
 15:40 土合橋駐車場ー16:00/17:00 温泉−17:10 水上IC−18:55 所沢IC

 前夜は20時頃に寝たので、目覚ましをかけなくても、朝起きれると思った。朝起きて、まぶしいので、ヘッデンをつけ忘れたかと思ったら、朝の5時でした(注:自分は毎日4時起き)。

6:30 片付けた後、幕営地の写真を撮り忘れていたことに気づく


6:50


7:00 1205m二俣

 左を行きました。
 途中、1290mの二俣で、右なのに、沢の曲がり方が微妙で、M井さんの意見を伺ってしまった。M井さんより、基本に沿ったコンパスの使用により、正解を筋立てて説明。コンパスの使い方は知っていましたが、そうですね、こういう時に使えば良いのですね。この地点のようにうまくいかないこともあったが、基本的に、今回、自分は現在地はつかめていた(何度も来ているところなので、当然といえば当然なのですが、何度か来ても現在地が掴めないほど、自分の空間認識能力というか、悪くないということです→人より能力がないのは事実ですが、自分でも工夫と経験等を活かせば、人並みの地図読みは可能)。
8:05 1360コル

8:15 1350m水流が現れる


8:34 I永さんの滝ではありません

 左岸に明瞭な巻き道があって、I永さんの滝だと思っていましたが、実際はもっと下流でした。

8:40 右岸を巻きました
(巻いた後、振り返って撮った写真)


9:00 青空

 ようやく梅雨ではなくなりました。

9:13 I永さんの滝

こっちでした。左岸に明瞭な巻き道があり、それを利用しました。

9:33 奥の二俣(1100m)

奥の二俣。少し上が藪になっていて、藪に気をとられると、二俣を見過ごします。

10:20 ナメ始まる


 10:25


10:30


10:38 10:48


ハーケンの打つ場所

 M井さんより、ハーケンの打つ場所について、クラックが上の写真で赤線の方向(ロープが引かれる方向に対して垂直)に走っていたら、抜けずらいが、黄線の方向(ロープが引かれる方向に対して同じ向き)に走っていたら、ハーケンは抜けやすい。

11:16 右岸をクライムダウン


11:30 905m二俣

 写真はありませんが、この後7mの滝があります。左岸をクライムダウンしたのですが、最後のところで目測を誤り、15cmほど足が届かず、地面に落ちる。おおっとというだけで特に問題ありませんでした。

11:57


12:00 ゴルジュ

左岸を巻きました

笹を支点とする
 上越の沢では、笹が強く、3、4本をまとめて束ねれば立派な支点になります。ただ、その際のスリングは6mmでは太すぎ、4mmになります。
 クレムヘイストをした後、出たスリングを結び目の下から通すと強度が増します。


12:50 白毛門沢との二俣


 12:54 大岩(上流より)  下流より

 上流から見たら、いつも通過している箇所にコケが生えていた。難易度さらにアップなため、登りに続き、下りも巻きました。

13:17 ハナゲの滝

下りは登山道を利用しました。

13:45/15:10 渡渉訓練

 土合橋駐車場への橋のところで、突然、M井さんより、渡渉訓練をするとの、連絡。駐車場に着いてから言われるよりはましでしたが、もうちょっと事前に言ってほしかったです。言われたときは、ほぼ気分は「下山、終了」でしたので、意識を訓練に変えるのに自分の中で混乱がありました。訓練自体は、不満ございません。

【末端交換三角法の確認】
1.上流支点から、渡渉点まで距離と角度が必要。単なる横移動ではない。
2.(思ったこと)末端交換三角法を、行うには支点についてそれなりの知識必要。末端交換三角法のみ理解しても、支点について理解しないと、現場では行えない。
3.上流の支点:ロープが常に固定、末端交換の時など支点から一旦外さなければいけない場合でもただ単に外すのではなく、支点での固定から、一旦ボディビレイ状態での固定に変え、一段落した後で再度支点に固定するなどする。ロープがフリーになった状態を作らない。(ロープがフリーになる→流されたら止められない)
  上流は、自然物や人工物が支点となり、人間支点は自然物や人工物が全くない場合
4.下流の役割:(渡渉に失敗し、流された等あった時)下流にいる人がロープを引いて、岸に寄せる。流された人が(下流にいる人より)下流に行ってしまうと、引くに引けず、水圧で身動きが取れなくなってしまいます。こうなった場合、下手に引こうとすると、かえって溺れる可能性が高いので、むしろ流してしまった方が、助かる可能性が高いです。「自分より、上流にいる間になんとかして対処する」のが下流の人の役割。
 下流は、上流と違って、固定すべきでなく、流されてしまったとき、人が引いて対処すべきなのです。渡渉に問題がなかった場合でも、ロープを引いた方が、水流の中でロープが絡まらないので、渡渉している人の進行の妨げにならないように、補助的にロープを引く。
5.セカンド渡渉の際に、掛けるヌンチャクは長いほうが安定する。短いと、動きが取れない。
(全般的な感想)実際に末端交換三角法を何度もした人と、訓練でしかしたことのない人の考えはどうしても違うものになってしまう。それでも訓練はした方が良い。

8月2日の行動の位置図
J→K→L→M→N→C→A
J:広河原(1190m)、K:1205m二俣、L:丸山乗越(1360コル)、M:奥の二俣(1100m)、N:905m二俣、C:白毛門沢との二俣、A:土合橋駐車場

8月2日の速度・時刻グラフ(区間1:沢登り、区間2:沢下降)

 「久しぶりの沢」に意識しすぎて、実際なら登れるところも登れなかった、というのもある。これはこれで受け入れるしかない。これを活かすか、活かせないかは、今後の自分の行動である。

ハーケンとハンマー

ハーケンが飛ばないように、ハンマーにスリングをつければ良い

「(ハーケンを抜く際に)ハーケンが飛ばないように、ハンマーにスリングをつければ良い」というのはM井さんから教わって実行していたが、ここで困ったことはスリングが藪等で引っかかってしまい非常に邪魔なのである。自分なりに、いろいろやってみたが、どうもしっくりこなかった。今回、久しぶりに、M井さんと一緒の山行になり、改めてM井さんの携行法を確認すると、スリングをハーケンに巻くことで対処していた(下写真)。
 念のため:この巻き方は自分の記憶です。M井さんの巻き方は、実際には違うかもしれません。

 スリングをハーケンに巻くことで対処  

ただ、これをやってみて思ったのは、ハンマーがハーネスから抜けないことがある、ということ。
仮説1:とりあえずは乱雑に巻くのではなく、丁寧に巻く
仮説2:下記写真のように、上側の結び目と、下側の結び目が反対側にあると、抜けない。同じ側にあると抜けやすい。

仮説2


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