2008 マスキ嵐沢(単独行)

2020年8月29日

 単独行でないと、気がつきにくいことはある。単独行ばかり行っていては、気がつかないが、たまにの単独行なら、レベルを落としてやってみるべきだと思います。8月11日雨飾山単独ハイキングに行って、ハイキングだけでなく、沢も確認したいと思い、日帰りで沢登り、単独ちょっと行ってみたいとなり、以前も行った事のあるマスキ嵐沢に行ってきました。特に、地図読みは、パーティーで行くと、本人そのつもりがなくても、なあなあで読んでしまって、「追いかけていくための地図読み」で、どうにかなってしまうことがあるのです。
 今回、改めて思ったのは、単独行でミスした場合、自分一人しかいないので、ミスの解釈に偏りが出てしまうこと。とはいえ、二人で行って、もう一人が偏った考えを持つ人だと、それはそれで偏りが出てしまうのですが…。ミスはしたものの、原因を解決できたと思います。

今回の山行の大まかな位置図
 赤:登り、黄:下り
今回の山行のさらに大まかな位置図

8月29日
天気:晴れ
【コースタイム】6:30頃 八王子JC−7:20 新松田IC−8:30 箒杉公園駐車場
9:00 箒杉公園駐車場−10:05/10:25 入渓点−12:45 登山道−13:05/13:15 権現山−15:25 大滝橋−15:35 箒杉公園駐車場
16:00頃 箒杉公園駐車場−17:00 新松田IC−18:00 八王子JC

 高速に乗っている間は順調でしたが、下りてから渋滞。ゆっくり、ゆっくり進む渋滞。時折、思い出したかのように、渋滞がなくなる。あの渋滞は、何? バス渋滞? 交通の流れが悪かったのは事実だが、渋滞と呼ぶほどではなかったか。
 朝、6時前に家を出るはずが、前回、雨飾山が時間的に順調に行き過ぎて、後から考えれば今回は、時間の読み間違えがありました。連続して、時間管理がうまくできますように。
 家を出る前、水を汲んでいくか、否か迷い、結局、空き缶1本分汲んでいくという意味不明なことをしてしまった。

9:00 駐車場出発

 駐車場にはトイレもあり、助かりました。ただ、気のせいかな、多機能トイレの水が、白濁していました。沢の水を飲むつもりでしたが、トイレがあると、迷いが生じて、右往左往してしまいました。駐車場から、大滝橋に向かう途中、箒杉の水とかいう、名水があったので、それを利用しました。
 山用の長袖を忘れて、半袖で沢は、虫とか藪とかあるので避けたい。先日、白毛門沢では、S木2さんが、雨具を下着の上に着ていたことを思い出す。今回は、上半身、雨具+半袖下着で対応しました。下山後、雨具は洗濯しました。
 前回、雨飾山で失敗した、距離感ですが、今回再挑戦しました。百歩歩いたところで、GPSの現在地登録です。まずは一番取り組みやすい、車道での百歩は、およそ100m(今回の結果)。前日までは、沢登りの途中でとか、下山の際にとか、考えていましたが、その後、余裕がなくなり、今回は車道のみの挑戦となりました。

9:16 林道に入る


9:24 水の色がきれい

登山道から見える、沢の色がきれいでした。

9:27 沢との合流点かと思ったら

地図にある、沢と登山道の合流点かと思ったら、それはまだ先で、工事中により急遽できた渡渉点でした。

9:32 こちらが地図にある沢との合流点


9:50 次の合流点の橋は、脇に追いやられていました


9:53 大滝沢左岸に移動


9:58 登山道から見た、マスキ嵐沢と大滝沢の二俣

なんの写真だか、しばらくわからなかったですが、思い出しました。

10:03 この橋(標高650m)を渡れば、入渓点です


10:05 入渓点
 珍しい、沢の看板

 デート沢ということは聞いていたが、沢装備に変えている間に、二組のカップルが来た。いやいや、カップルという保証はない、たまたま男女のペアだけなのかもしれない。沢の中で会ったのは、この二人組のみ、カップルの割合が多いことは予想していたが、まさかカップルのみとは。だから、カップルな保証は何もないって。
 装備を変えている間に一組目は先に行く。今回は、久しぶりに、入渓点で沢装備になるということをし、久しぶりの感想としては、入渓点で装備を変える分時間がかかるし、車内へ忘れ物の可能性も多くなると思った。

10:25 出発
 なんか魑魅魍魎

 写真と現場が違う良い例です。

10:28 


10:34 小滝


10:41 支沢

10:48


10:52 二俣 標高750m

 高度計の(気圧による)標高修正は、人工物や、本当にはっきり現在地がわかるところなら修正すべきですが、今回、二俣で高度を修正したら、似たようなサイズの二俣がその後出てきて、失敗でした。

10:55

 今回の山行の中で、この滝の出だしが一番難しく、足の置き場に苦労した。読図力は前回より上がったが(前回がひどすぎただけかも・今回も後半は×ですね)、登攀力という点では前回より落ちていると感じた。
 追い抜かされた二人組を、ここで追い越す。

11:00 2段10mスラブ滝


11:06 2m滝と8m滝 8m滝


11:14

 さあて、ようやく滝登りにも体が慣れてきたな、というところで滝登り終了。体験、滝登り。

11:20 二俣  標高830m

自分の使っているGPSは、「高度の計測はできませんが、現在地点の登録をすると、GPS上に、GPSから推測される高度が表示される」ことを再確認しました。

11:38 標高865m付近にて、水枯れる。

11:40 二俣 標高870m

左を行きました

11:43

暑い。思い出したかのように、水流が現れることがあると、暑いので、水の中に手を入れたり、足を入れたりしてしまう。

11:55 二俣 標高890m


12:08 枯滝


12:27 倒木が沢をふさぐ

最後の詰めは傾斜が急でしたが、それまではこういった形の沢歩きが続きました。

12:38 ゴールが見えた 12:43 ゴールはもうすぐ

藪漕ぎもなく、登山道に合流です。

12:46 登って来た道を振り返る
(木の幹に、ロープの残置あり)
山頂への道

 沢靴からアプローチシューズに履き替えました。

13:05 権現山山頂 山頂からの風景(南側)

 権現山山頂の標識は見当たりませんでしたが、状況から考えて、ここが山頂だと思います(山頂でした)。
 予想では、もうちょっと早めの時間に到着できると思っていたので、この時ちょっと焦っていました。前回の課題の、遠景も写真を撮るだけにしてしまい、そそくさと山頂を出発してしまった。

13:30 下の図でJ地点辺り

 下山路について、藪はなく、下草もくるぶしまで、くらいでした。

事前に得ていたルート図 リングワンデリングの図
J→K(黄丸)→L→M(N、Oについては下の図を参照)

権現山南西尾根、下山時の道迷い 13:20〜14:20
【概要】権現山南西尾根の下山で、下りる方向に自信が持てず、右往左往してしまった。どうしようもなく、山頂に向かって登り返したところで、偶然にも権現山南西尾根を下山してきた二人組に会い、ルートが間違っていないことに気がつく。その後は、ルートを外すことなく下山した。
 「地図読みが苦手な人間が、焦って地図読みをすると、こうなりますよ」というお話です。優先順位に間違いがあり、トラバースばかり意識がいってしまった。焦ると、どうしても視野が狭くなる。今回、コンパスを形だけしか見ていなかったのではないか
 (後日談)不安を解消したいだけのコンパス確認で、認知バイアスに満ちていた。自分の都合の良いように、解釈していた。もっと総合的に、マクロに判断すべきであって、コンパスの矢印一つの結果に飛びつかない。その他、余裕をもつしかない、余裕がなくて慌てると、見えるものも見えなくなる。

上の「リングワンデリングの図」を一部拡大
J→K(黄丸)→L→M→N→M→O

 J〜Nのトラックログ:赤線
 N〜Oのトラックログ:黄線
 Oからのトラックログ:緑線

【行動】 リングワンデリングの図のI地点にて、尾根を下りる。踏み跡もあり、1回(I〜J区間)赤テープも確認した。南に下りていると思い込んでいたので、J地点にて西側に向かうことを試みるも、急斜面なため戻る。K地点(黄丸)において再度、西側に行くことを試みるも、L地点において目の前にある沢を下りて登り返して尾根に上がるのはどう考えてもおかしいと思う。この時「あ(紫線)」の尾根を、「い(紫線)」の尾根と勘違いしていた。Mに戻った時、一旦現在地がわからなくなる。ひょっとして西側の尾根に出てしまったかと勘違い、とりあえずNまで進むも、西側の尾根にはいないことに気がつく。Mに戻り、登り返して、山頂に行って再度、現在地を確認するしかないと思い、登り返すことにする。O地点の手前で、偶然にも権現山南西尾根を下山してきた二人組に会う。二人組のリーダーからは、「不思議なルートを登っていますね」ようなことを言われる。言われたときは、気がつかず、愛想笑いで済ませた気がするが、この尾根で正しいことに気がついて、この尾根を下山する。

間違えた原因
 地形判断、コンパスの使い方、事前の情報入手、それぞれ行っていたものの、いろんな点で決定打に欠けて、まとまりに欠けていた。それでも、遭難騒ぎを起こしたわけでもなかったし、ヒヤリハットで済んだ。

【地形判断】
 1.もうちょっと、尾根上にいることの意識を持っても良かった。地形を読み間違えていた。西側に行きたくなるかもしれないが、目的の尾根までに明瞭な沢型はない。
 2.どうしてJ地点で西側に行くことを試みたのか、今さらながら、方角ももちろん大事だが、標高も大事。

【事前の情報入手】 
 事前の準備も、マスキ嵐沢(沢登り)に比べて、権現山南西尾根(地図読みハイク)は尾根線をなぞるのと、788mにチエックするしかしていない。南西尾根に入る情報が予習不足。「事前に得ていたルート図」を見ると、柵の表示があります。最近、老眼が進んできて、この表示を見落としていました。柵は確かにあり、柵にそって下山すれば、かなり分かりやすい下山だったと思います。老眼が始まりだしたというのに、それに対応した方法が自分の中でできていない。

【コンパスの使い方】
 柵の表示は見落としていましたが、「事前に得ていたルート図」より、南に向かって下り(リングワンデリングの図、黄線のように)て、その後、西に向かえば(リングワンデリングの図、緑線のように)良いと思って思っていました。この時、コンパスを確認したかといえば、何度も確認していました。ただ、結果としてのトラックログを見ると、とても確認しているとは言えません。南ではなく、南西に向かって下りています。どうして、このようなことが起こったか。コンパスが狂ってしまったか。
 @コンパスを当てていただけで、現在地(起点)と、目標物を合わせてはいなかった。
 Aコンパスの方向を確認してから、具体的で明確な目標を決めていなかった。顔を上げて自分の歩きやすいルートに変換する際に、コンパスの向きと進行方向にズレが出てしまった。コンパスが安定する前に、動かしてしまった?
 B地形を読んで、地形から判断してここで方角が変わると判断したら、コンパスを出して確認する。地形の判断は継続的な線、コンパスの確認はポイント、ポイントで行う点。「コンパスを確認したかといえば、何度も確認していました」という文面は、コンパスの扱い方からもおかしい。

【その他】
 1.時間が遅れて焦っていた。Iの地点で尾根に入る際に、あやふやな気で行くなら、登って来た尾根を進み、西沢へ下りるルートを確認してから、この尾根で良いことを確認して進めばよかった。焦ると、人は安直な方法を選びがち。
 2.ロープがあるので、「ちょっと尾根を間違えて、その結果、難しい場所が出てきたとしても、懸垂で下りれば良く、後からでも修正は可能」という、今となれば、間違った思い込みがあった。当然ながら、懸垂にはそれなりの支点が必要だし、時間も無駄にかかってしまう(結果論)。
 3.J地点で西に行こうとして、北北西に、K地点で西に行こうとして、北北東に、方向に共通点はないが、斜度に対しての進む角度は一致している(トラバースしながら、微妙に下降)。緑矢印のように西に進む→トラバースという思い込みがあり、コンパスを出したものの、思い込みに負けてしまっている。
 4.GPSですか、自分のGPSは迷ってから使おうと思っても(特に自分は、表示に妙なくせがあり)使えません。焦ると、さらにわけがわからなくなってしまいます。迷う前に使っていると、自分でも使えます。事前の使用確認が必要なのです。

 
次のチエックポイント788m 少し強調していますが
今となっては、自分の事前の地図読み
尾根線も太いマーカーでなく、細いラインで書かないと
実際の尾根 

【似た事例】 14:40
788mの小ピークからは、踏み跡がしっかりあったのでそちらに向かいましたが、当初、自分は788から尾根が出ていて南東と南西に分かれると思っていました。冷静に見直すと、どう考えても尾根が東西に分かれるのは少し先です。自分は788でコンパスを当てて、南東(東?)側に向かい、踏み跡がないか確認しました。その証拠がトラックログに出ています。確認したものの、踏み跡が見当たらないので、踏み跡のある側に向かいましたが、ルートは反対側の尾根に向かうのだと思っていました。
 それとも視力の問題か。上の図は拡大してあるから、気がつかない方がおかしいのです。

道迷い修正後、踏み跡は、薄くなることはあったが、ほぼ途切れることなくつながっていた。

15:10 権現山南西尾根から、林道に合流(下の位置図でG地点)
15:35 箒杉公園駐車場

8月29日の行動の位置図 赤:登り、黄:下り
A→B→C→D→E→F→G→C→A
A:箒杉公園駐車場、(B:百歩の地点)、C:大滝橋、D:入渓点、E:尾根に乗る、F:権現山山頂、G:林道に合流


今回の山行の速度・時刻グラフ(区間1:登り、区間2:下り)
バツ印はトンネルのため、衛星が補足されずにおかしなスピードになってます。


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