沢の救助訓練 2018

2018年6月9日(10日雨天中止)
L:S木2さん、メンバー:S林さん、I井さん、Ta田さん、I永さん、Y原さん、S木さん、T村夫妻、自分

 今回で何回目になるのか、救助訓練への参加。別件で計画の詳細がなかなか決まらなかったので、今回はあまり予習(復習かも)せずに行ってみようかなと。実際、事故が起きるのは予習してない時なので、「予習していかなかったので、救助できませんでした」はナンセンス。毎回あまり予習ナシは良くないけど、状況も状況ですし、講師になっているわけでもないし、予習最小限で行ってみました。

6月9日
天気:晴れ
【コースタイム】9:10 東日原駐車場−9:30頃/16:05 日原岳稜岩−16:30頃 東日原駐車場

 午前の部:ディスタンスブレーキ、ライジング(班を二つに分けましてS林さん、I井さん、S木さん、T村Eさん、自分らで訓練です)

・ディスタンスブレーキ

ディスタンスブレーキ  

 当初は、都岳連の講習と同じ(エイト管による)方法が考えられてましたが、(過去の都岳連の講習テキストを渡され、意見のある方はと言われたが、ダブルデミキャプスタンは、昨年皆賛同していたし、完全に了承済みと思い込んでいたため意見しなかった)昨年、ダブルデミキャプスタンという方法を教わったのに、もったいなく、ダブルデミキャプスタンによりディスタンスブレーキが行われました。鈴蘭山の会で、沢の確保として推奨されているのが半マストなので、訓練でも極力、現場と同じことをすべきです。実は、今回、あまり予習はしていきませんでしたがダブルデミキャプスタンのみ、きちんと確認していったのです。
 半マストを作り、カラビナから出ている2本のうち、制動のかかっていないロープを持ち、制動部分の前に回してカラビナにかける
これで制動が効くのですが、半マストなので、カラビナの向き、ロープの入れ方等により、講習時は(昨年混乱しなかったはずなのに)混乱が起こりましたが、自分の説明できちんと制動は効きました。ただ、今回、説明して改めて誤解を受ける点があるので、カラビナの向きが変わっても混乱しない、もっとわかりやすい表現が必要でした。
 (後日談・個人的理解)制動のかかっていないロープが、カラビナのゲートと同じ側にあるか、反対側にあるかで、方法は変わります。
 半マストで、2本出ているロープのうち、制動のかかっていない方のロープを持ち、制動部から出ているロープに重なるようにし、
  (ア)制動のかかっていないロープがカラビナのゲート側にある時は、重ねた上に、1周するように回して、カラビナにかけます。 
  (イ)制動のかかっていないロープがカラビナのゲート反対側にある時は、重ねた状態で、カラビナにかけます。
 ずいぶん、ややこしいことになってしまった。堤信夫氏が提唱している、二重の輪(インクノットの要領)を作って、半回転してカラビナにセットする方法を覚えておいた方が確実です。
 その他、今回ダブルデミキャプスタンを使って改めて思ったのは、ダブルデミキャプスタンが必要なのは、ロープに二人の荷重がかかった時だけであり、救助者が事故者をキャッチする前までは、ただの半マストでよく、キャッチする前で救助者は止まるのでその時に半マストからダブルデミキャプスタンに変える(ロープをカラビナにかける)をすれば良いのではないでしょうか。
 その他:ダブルデミキャプスタンで制動は効くが、エイト管で行っていた方法は別に支点をとってたのに対し、余計に支点をとらないので、支点を探す手間は省けるが、当然きちんとした支点が必要となる。

・ライジング

ライジング

 ライジングの確認はしていかなかったので、自分の理解の甘さが出て、システムを作るのに時間がかかりましたが、タイブロックをつける箇所も間違えてませんでしたし、巻き結びを作る箇所も間違えていませんでしたが、時間がかかったため、他の方に不安を与え、かつ、システムとしては間違えていませんでしたが、もう少し楽にできないかという点で至らず、次回の課題です。ライジングのポイントは3つ
 1.戻り防止(タイブロック・巻き結び)はどこに、持ち上がるロープ側の一番最初の支点。
 本の中には1/3システムを説明するのに、手を離してしまったときの戻り防止を考慮していないものがあります。確かに、システムとしては必要ありませんが、現実に人を持ち上げるとすると、戻り防止は必要です。
 2.1/3システム(巻き結び):重いのを少しでも軽くするためにロープをターンさせて、力を分散させます。ロープが引かれ上がってくるので、ターン位置は変化するのでロープを痛めることなく、移動できる巻き結びの出番です。
 3.滑車の使用:滑車を使った方が、断然楽になる。滑車の優先順位は、一番が、事故者から離れたおり返す支点に、次に直に事故者よりかかる支点、巻き結びの箇所が一番滑車がいらないのではないかと

午後の部:懸垂下降の仮固定→登り返し、渡渉訓練(末端交換三角法)

懸垂下降

 懸垂での仮固定後、ロープにフリクションヒッチをとり、片方はハーネスに、片方は足をかけて尺取虫のように登ることをしました。実際に挑戦したところ、まず、フリクションヒッチは、2か所とも下降器のうえでした、足場の方を下降器の下につけてしまい、フリクションヒッチを再度巻きなおすという手もありますが、エイト管を外してフリクションヒッチを上げた後、再度エイト管を付けました。今回、5mmのスリング(否定する方もおります)を使い、最終的には登れましたが、いちいち結び目を緩めねばフリクションヒッチが動かず(巻く回数・巻き方がきれいか汚いか、メインロープとの相性もある)(緩めたら動いたのですが)、他の方よりずいぶん時間がかかってしまいました。その他、一か所、壁に細かい砂がついている箇所があり、その場所でたまたま足のフリクションヒッチを上げすぎて、足のスリングに足が入らず、壁は滑るのでバランスもとれず、上げたフリクションヒッチを少しずつ下すことでなんとか処理しましたが、総合力という点で、自分のフリクションヒッチ登りは、まだまだでした。それでも、少しずつですが登れたのは良かったです。前回よりは、ましだったと思います。
 バックアップをつけると余計なロープ操作が加わるというのはありますが、今回のように、ある程度(8mほど)高度感がある岩場ですとバックアップは必要でした(S木さんバックアップ追加)、単調な動作の繰り返しですので、4mほどの高さのもっと小さな岩場で良いと思います(終わってしまった後から言うのは簡単ですね、申し訳ありません)。

懸垂下降して、仮固定し、再度登り返し

 2年ぶりの岳稜岩での救助訓練、渡渉訓練ができるな、と思っていると、皆さんあまりやる気がない様子。空き時間を使って、自ら水に入ってみる。一番深いところで、胸まで。濡れると何かと面倒ですが、そもそも予定に入っていますし、岩登りの会ならまだしも、沢登りの会で水に入ることを億劫がってどうする(別の理由?)。

末端交換三角法

 そんなこんなで、危ぶまれましたが、皆さんもやる気になってくれて、渡渉訓練が行われました。とはいえ、末端交換三角法を実際に沢で、利用することはほぼありえず、今、自分が思うことは、救助訓練のバックアップロープのようなもので、新しく会に入会した人も、水流というのを経験したことがない人も安心して渡渉というものを経験できる方法という解釈でいます。沢の会である以上、水からは逃れられませんし、水に慣れていない人も安心して水流に入れる方法が必要だと思います。
 末端交換三角法は、班を3つに分け、自分たちはS木2さん、Ta田さん、S木さん、と訓練を行いました。

 渡渉訓練をしたいと思って、水に飛び込んだものの、肝心の末端交換三角法は、自分の中では空回り。図を書けば説明できると思うのですが、現場で分かりやすく図示などできません。言葉では、うまく表現できず、次回への課題です。ロープに体重を預けるところも、頭ではわかっているものの、今回、流れがそれほど強くない上に、変に渡ることに意識が行って体重を預けずに渡ってしまった。

 今回訓練の全体を通して、図示すれば、ずいぶん説明できるところまでは、自分が来ている気がします。だけど、現場で図示など、ほとんど無理。言葉で説明できるようにならなくては伝わらないと思いました。

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