水晶谷(滝川本流)

2017年8月5−6日(前夜発)

L:F川さん、メンバー:自分

 水晶谷は2回目なのですが、この山行時にはまだ、お盆休みは八久和に行く予定だったので、八久和に参加する人は出てくださいということで、準備した山行でした。天気予報も悪かったため、向かう車の中でも、天気予報の確認でした。

今回の山行の大まかな位置図(赤:登り、黄:下り) 今回の山行のさらに大まかな位置図(赤丸)

8月5日
天気:曇り時々晴れ
【コースタイム】6:55/7:20 出会いの丘−7:50 登山道−8:05 アプローチルートに入る−8:54 沢へ下りる−10:05 入渓−10:30 槙ノ沢との二俣−11:32 壊れた吊り橋(釣橋小屋手前)−11:40 熊穴沢との二俣−15:50 ブドウ沢との二俣−16:45 古礼沢との二俣

7:50 登山道

 登山道に入る前から、自分が出合の丘の位置を勘違いしていたりと、ペースをつかめない山行でした。

8:05 アプローチルートに入る

 アプローチルートは、エアリアにも地形図にも載っていない、一部ネットに上がっている程度の踏み跡です。

アプローチルート
 C地点で黄線の方が、現在の現実の登山道
 だと思います。

 リーダーからは、自分の記憶を聞かれましたが、自分は、ルートを、覚えられないんです。致命的です。昔のことをすぐ忘れてしまう。ルートに限ったことではありません。中学の同窓会に出たことがありましたが、全くお話になりませんでした。
 改めて思ったのは、山の中でも行った山の話をすることがありますが、コミュニケーションという意味でも、ほとんどお話になりません。これはもう昔からそうです。なんなんでしょうね。変にこういう記録を書くから安心して忘れてしまうのか、いやそうでなく、逆に、記録を書くことは、自分が忘れすぎるので備忘録として書き始めたのです。

8:43 枝沢

 アプローチルートを利用して目的の沢に入るには「2つ枝沢を横切り、地形図の1217m地点から枝尾根を急下降。」なのですが、これが1217mと思った尾根は一つ手前の上のアプローチルートのD’地点で、(枝沢も小さいのを入れれば二つでしたが、きちんとしたのは一つでした)、下降を開始してしまいました。途中までは赤テープが、踏み跡があったものの、半分辺りでぱったりなくなりました。

8:54 下降開始した尾根

 今回の山行で思ったこと:「イメージに始まって、イメージに終わる」良いイメージができていれば、半分できたも同然、悪いイメージかなければ苦労は倍増する。

9:30 沢に降りる手前が急で懸垂で下りることに


10:30 槙ノ沢との二俣

 釣橋小屋跡手前に下りるはずが、槙ノ沢の手前に、下りてしまったのでした。

10:40 箱淵

 左岸を行きました。岩の上に上がれず、F川さんの肩を借りて、上がったのものの、上がるF川さんをお助けヒモで支えようとしても、全体重がかかると、腰がらみではロープが体にくいこんで痛くて仕方がなく体が前に行ってしまい、F川さんをうまくフォローできない。場面に応じて、むしろザックを背負って腰がらみでお助けをした方が、お助けが体に食い込まず、痛い思いをせずに引けたか。「体を後ろにそらせるんだ」という指摘を受けたのですが…

11:32 釣橋小屋の手前の吊り橋(崩壊)

 崩壊した吊り橋はありましたが、釣橋小屋は気がつかないまま通過してしまいました。

11:40 熊穴沢との二俣


12:18 三本槍沢との二俣


12:53

14:25 6mの滝を大きく巻いた後、振り返っての写真

巻こうとしたものの
 右写真で赤丸の地点に上がってしまい
 さらに登ってみたものの、黄丸の地点で
 来た道を戻り、左を巻きました

 6m滝は、左を巻こうとしたものの、先が切り立っていて淵におりてしまうため、下降できず、大幅に戻って、左を巻きました。リーダーは、滝が左に向かっている場合は左を巻くべき(向かっている側を巻くべき)、と言っていたのですが、この場合は右だったと思います(実際に登っていないので、何とも言えませんが)。確かに、見たところ右も厄介そうな部分がありました。両方難しそうだったら、「滝が向かっている側を巻くべき」ということだと思います。

14:43 8m

 8mの滝は自分が、トップ(空身)で、右を登りました。登る前に、ハーケンをもらい、「ハーケンを打つ前に、外すことを考えて(イメージして)、準備をしておくように」との指摘。仰る通りです。ところが、そのイメージがうまくいっていなかったか、この滝登攀で、自分に二つのミスがありました。
(1)空身で上がった場合のザック処理:通常はもちろん「トップで登るときは所々に支点をとりながら登る」で良いのですが、空身で登った時は、支点で止まってしまいザックが上がらないので、通常とは違う対処が求められます(そもそも、空身でなく登れた)。自分は、通常通り支点をとりながら上がってしまい、残置を使いながらも、無事、上まで行き、ハーケンで支点作成。それで、自分のザックのことは何にも考えずに、ビレイ。そしたらF川さん、ザックを持ちながら上がってきてくれて、支点の件を処理していただきました。滝の上まであと2〜3mの確信のところで、ビレイの支点以外に、ロープにかかっている支点がなくなり、F川さんがセルフをとりザックの手を放し、ちょっと手を離した時のザックの重みの衝撃はあったものの、無事、ザックを引き上げました。
(2)ハーケンの金属音:登る前にハーケンをもらっただけに、ハーケンで支点作成。金属音がして、手で確認したところしっかりしていたので、最後まで打たずに、半分くらいのところで止めてしまいました。で、ふと気がつくと、支点が外れてました。F川さんに、登らないよう制止し、ボディビレイにし(本来なら支点ビレイ)、F川さんは何事もなく、上がってきました。
 滝の音で、金属音がうまく聞こえないこともあり、また手で確認しただけでは、思い込みの域をでていないことがある。最後まで、打てない場合は、タイオフにすることや、もう一度打ち直す等の対応も必要。あとは、バックアップをとる。

15:50 4mの滝を、なんとか通り過ぎて

 ハーケンの件もあり、とてもトップで登る気は起きず、4mの滝はF川さんがトップで行きました。前回もそうでしたが、何本もの残置スリングがかかっていました。ビレイはしていただいているものの、「残置スリングにヌンチャクをかけて進むように」言われてみれば確かにそうです。で、残置スリングにヌンチャクをかけて進んだのですが、なぜかその時、ヌンチャクのカラビナを両方環付きで行ってしまい、しかも片方は自動ロック、片方はカラビナの開口部にへこみがあるタイプ。なんとかかんとか、必死の思いで危険地帯を通り過ぎようとし、最後の支点まで届いたところで、気がつく。環付きを外していないので前に行けない。これまではきちんと外しながら通過してきたが、最後なので、思わず、最後の支点に手を伸ばしてしまった。戻れば外せるが、戻りたくない。カラビナを緩ませて外そうとしても、管付きであることが災いして、自動ロックは戻ってしまうは、カラビナの開口部のへこみ(これは環付きとは関係ないが)に引っかかって抜けないはで、なかなか支点の部分を、カラビナを外して前に行けない。20分くらい格闘したかもしれません。F川さんから、何度も、カラビナは捨てても良いので上がってくるようにと声がかかる。怖かったけど、ヌンチャクを緩ませる程度ではダメで、50cmほど元に戻って付け替えしかない。戻って、無事外して、ブドウ沢との二俣にたどり着けました。力を使い果たし、休憩。

16:45 古礼沢との二俣


設営したツエルト

ツエルト設営は、ツエルト上の両末端を、ロープに通し固定し、下は、スリングを準備しておいて、スリングを石で固定。この時は真ん中にポールもあり、快適でした。

8月6日
天気:曇り時々雨
【コースタイム】6:20 古礼沢との二俣−7:50 トンネル通風口−12:10 稜線−12:20/12:50 水晶山−13:20 雁坂小屋−16:10 出会いの丘

5:20 朝の焚火


6:30 倒木でできた3mの滝

6:47 テンバ適地

 古礼沢との二俣をすぎてからは、しばらくはテン場適地が、たくさんありました。

7:00 10m


7:15 面蔵滝

 面蔵滝は左を巻きました。左からの巻き道を進むのが、自然なので、うっかりすると、面蔵滝に気がつかないまま、通過してしまうのでは、と思うほど、面蔵滝はゴルジュ奥にありました。写真を撮り、面増滝を味わう間もなく、左の巻き道を進む。すぐ上が、10mフェース滝です。

7:20 10mフェース滝 トンネル通風孔(矢印)

10mフェース滝は左を巻きました。なかなか、右にトラバースできず、10m滝のさらに5mほど上にあるトンネル通風孔の上まで上がり、懸垂で下りました。

8:17 2段8m

 F川さんがトップで登り(ロープ使用)、右を登りました。上部で、だいぶ水をかぶりました。2/3ほど登った途中右に、残置ハーケンが打たれてました。

8:43 7m

 この辺りの二俣を越えた後、20〜30分の間水が枯れ、3段25mの手前で水流復活でした。

 9:50 3段25m

 一番上の段の滝だけが難しく、右を行ったと記憶

10:00


10:05 


10:11

11:40 水枯れる

11:48 ツメの藪は濃くありませんでした

 予定より、左へ行きすぎて、水晶山ではなくて、水晶山東の尾根に上がってしまいました。下の「今回の山行位置図」でJ地点辺り。山頂手前で、細かい二俣の連続、持ってきた新品の高度計は細かいところで準備不足で、大まかな値しかわからないという誤算もありました。

12:25 水晶山山頂


13:15 雁坂小屋

 雁坂小屋からの、黒岩尾根は標高1500mくらいまでトラバース道で、1500mより下はトラバースを交えながら急降下していきます。外した沢装備が重く感じ、途中から、肩が痛くて仕方がなかった。

16:15 出合の丘


今回の山行の位置図
A→B→C→D→E→F→G→H→I→J→K→L→C→B→A
A:出合の丘、B:豆焼橋、C:アプローチルートの入り口、D:今回の入渓点、E:前回の入渓点、F:熊穴沢との二俣、G:ブドウ沢との二俣、
H:古礼沢との二俣、I:1560m二俣、J:登山道と合流した地点、K:水晶山、L:雁坂小屋


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