幕営確認・日原岳稜岩

2017年7月22日−23日(早朝)
単独

 山行募集をしたものの集まらず、久しぶりに単独行をして様々な事を確認しようと思って先日も行った東黒沢(+ウツボギ沢)の計画を立てたが、間近になって東黒沢周辺はどうも天候が悪そうだし、単独行で無理をしてはいけないので、東黒沢単独行自体は中止。それでは最近の山行で、沢の生活技術がだいぶ至っていないと感じたので、泊まるだけなら天気も何とかなりそう、東京周辺は東黒沢周辺ほど天気も悪化しそうになさそうということで、先日行った、泉水谷小室川谷の入渓点で幕営作業確認を計画。その翌日、「そういえば、岳稜岩があった、岳稜岩の方が近いし、行き慣れている」ということで、最近、毎年のように行っている日原の岳稜岩で、幕営作業の確認です。要は、タープ張と、焚火、ごはん炊きです。話がややこしくなるので、岳稜岩での(幕営以外の)ロープワーク等はしておりません。
 みんなと一緒に行動、良いことですが、他人のせいにしてしまうというのもあり、ワンランク安全なレベルで単独行をたまにしてみることを、自分は勧めます。「他人への不満ばかり言っているのなら、安全な条件で単独行」とも思います。

7月22日
天気:曇り一時雨
【コースタイム】15:40東日原−16:10 岳稜岩テン場

16:10 岳稜岩テン場

 岳稜岩への道は、車道沿いにあるトイレから川に向かって踏み跡を頼って下りていきます。トイレ後の踏み跡は、例年よりは草が茂っていた感じでしたが、手でかき分けると踏み跡がある感じでした。
 もう1時間くらい、早く到着していた方が、タープ張で様々なことを試行錯誤しながらタープを張れた。次回への課題です(また、やるつもりです)。
 先客がいるかと思いきや、22日は自分以外誰もおらず、貸し切り状態でした。

16:35 反省の多かったタープ張

タープ設営の反省
(1)ちょっと岩場に近い、落石のことを考えよう。
(2)雨・風の強くない樹林帯の中であることは承知して張ったが、ロープとタープの接点の部分で巻き結びが弱かった。今から考えれば、長さが足りないのなら、スリングを追加しても良かった。その他、タープ四隅ももう少しきちんと張るべきでした。
(3)風が吹き込むのを避けるために、支柱となるロープの位置が高すぎては良くないと思い、左側は、支点から細引きを伸ばし、伸ばしたところで支柱となるロープと連結ということをしたが、これがほとんど意味がなく(何を考えていたのか、自分ながら不思議)、さらにダメ押しとして、後になって、タープが低すぎて寝る空間しかなく、タープ内での作業がしずらかった。
(4)頭の中は、最近うまくいっていない、焚火のことばかりで、タープ設営に意識があまり行っていなかった。速くタープを設営して、焚火の作業をしたかった。

17:45 とりあえず集めた薪

 別の人が集めたものの、使うまでに至らなかった薪が河原近くにあり(焚火跡は何カ所もありました)、それを使用することで、ずいぶん楽になったが、アプローチシューズしか(沢装備でないので)持ってきておらず、対岸の薪が調達できず(わざわざ調達する気にもならず)、集まるには集まったが、会で焚火をしたときに比べると明らかに少ない量だった(とはいえ一人で使うには十分な量でした)。太めの薪が、大幅に余った。
 薪の状態:乾いた薪はほとんどなかったが、雨が降ってどうにもならない薪ではなかった。10段階評価で7くらいか(10が乾いた薪、1が濡れてどうしようもない薪)。焚火の最中、湿った薪のにおいが何度も、ただよってきた。

18:05 焚火床を作り、火をつける前に三脚用の木を探すも太いのか、細いのしかなく、再度探しに行く

 三脚用としてちょうど良い木がなく、探しに行き、2、3本ましなのをGET。それでも、アンバランスな気がするが、時間も時間であるし、夕方は雨の天気予報もあるし、自分を納得させて、靴ひもを利用して三脚を作成。改めて、三脚作成は、二人で作成が楽だ。久しぶりなのもあるけど、こんなにややこしかったっけというくらい手間取る、ここで手間どるのは予想外でした。なんとか作成したところで、焚き付け用の小枝を採取に行く。それほど乾いた小枝は見つからなかったが、お話になる程度は見つかる。着火の前に、中くらいの薪を事前に準備(のこぎりで切りそろえておく)。
 火をつけてからは、焚火の作業に専念したいので、お米もといでおいて、水に浸しておく。

 これまで、ビバーク地で太めの薪を発見できないのが悩みでしたが、最低限必要なのは1本だけで、それをのこぎりで切って3つに分ければ良い(上の18:05の写真)。太い薪は焚火床として、あった方が良い。それ以外は、なくても大丈夫。

焚火の材料
 太い薪(直径30cm程度)1本(のこぎりで切って3つに)
 直径5〜10cm程度の薪:三脚用の薪6本+あるだけかき集める
 直径5cm未満の薪:焚き付けと、火が弱くなった時に必要
 焚き付け用の小枝(直径5mm以下) 一束
 新聞紙
 (扇ぎ用として)敷板
 生木(三脚のビリー缶等をつるす部分に)1本
 (三脚を作るために)ヒモ2本
 ノコギリ(剪定用)
 S字

18:45 無事着火

 いよいよ着火です。焚火床の上に、念のため新聞紙を2枚ほど引き(逆に、小枝に引火後、新聞紙を上から被せるという手もあるとのこと:高桑信一氏)、緩めに絞った新聞紙を3枚ほどのせ、着火。問題なく燃えてくれたので、慌てずに、準備していた小枝の束を静かに、燃えているところに置く。これも、問題なく、小枝に引火。間髪入れず、ビールなども飲まず、準備しておいた、中くらいの枝を次々と投入。これまでの失敗もあり、気を抜くわけには行かず、火の勢いが悪い時には、敷板を用いて扇ぐ。(注・自分の経験上ですが)扇げば良いというものでもない、扇ぐと薪周りの温度が冷えてしまうこともあり、そうなると火の勢いは逆に小さくなる。火が付き始め、もう少し、周囲の薪に火を広げたほうが良い時に、扇ぐのがベスト。火が安定した時に、扇いでもあまり意味はない。燃えかけの火を、安定させるために扇ぐ。なお、扇ぐのにうちわを使っても良いが、濡れるとだめなので、敷板が良いと思います。
 無意識に決めたけど、岩の後ろで焚火をしたのが良かったのだと思う。岩が後ろにあるので、後ろから風が吹いてくることがなく、薪周囲の温度が安定する。19時頃予報通り、雨が降ってくるが、小雨ですみ、薪の火に影響はなかった。別の場合もあるので、一概に言えないが、少なくとも今回は、岩が後ろで良かった。
 今回、着火剤は使用しませんでした。

20:57

 とりあえず、お湯をわかし、コーヒーを飲む。落ち着いたところで、準備しておいたお米の入ったビリー缶をセット。しばらくして、煮立って蓋が動き出したので、火の弱い側へ、寄せる。念のため、蓋を少し開けて、確認、少し水分は多いが、現時点での問題はなし。再度、火の弱い側へ、お米の入ったビリー缶をセット。
 多少、水分が多い気がしましたが、問題なく、ごはんが炊けました。今回は、ごはんを炊くことが目的だったので、おかずは簡単にレトルトマーボー豆腐で済ませる。レトルトマーボー豆腐をお湯で温めて(あまり良くない。焚火はじっくり煮込むか・お湯をかけるだけかのどちらか)、問題のない、夕食となりました。ビールとつまみは、食後に一段落したころいただきました。食べ終わった後、寝ても良かったのですが、10時くらいまで焚火の番をしていました。
 昼は山シャツ長袖と、山用ズボン。寝る前は、フリースとタイツを追加し、シュラフカバーでちょうど良かったです。毎年のように行っていた場で、焚火もあり、さみしい等の感情はあまりなく、すぐに眠ってしまった。

7月23日
天気(朝のみ):曇り

4:00

 予定では、土曜日夜は、是が非でも焚火でしたが、翌朝は、ガスコンロを使ってでも良いかと思っていた。朝、3時半に目が覚め、(1行前の文章で、ちょうど良かったと書きましたが、明け方は微妙に寒かった)、寝てるのも微妙に寒いので起きて、焚火に向かうと、燃えカスが残っており、中くらいの薪を投入したら、勢いが復活して、お茶と、カップラーメン(小)くらいのお湯は、焚火で問題なく調達できた。心配した、雨もほとんど降らなかった。
 出発前、焚火に水をかけ、消化し、大きな燃え残りは川に流して、燃え残りなどチエックし、ゴミも回収。今回、ガスコンロの出番はありませんでした。

5:20 焚火に水をかけ、消化し、大きな燃え残りは川に流して、燃え残りなどチエックし、ゴミも回収。

 焚火に水をかける少し前、一人の釣り師の方と出会いました。
 タープも外して、することもしたので帰宅です。焚火を最初から、最後まで一人でしたのは、今回が初めてです。

5:35 ホタルブクロ  

 東日原の駐車場手前、「こんな時間に歩いてくるハイカーがいる。大勢いるな。ヘルメット持っている、クライマー?」などと思っていたら、向こうから声をかけてきて、なんと少し前まで鈴蘭代表をしていたN井さんでした。これから訓練とのことで、まさか会うとは思っておらず、N井さんの声かけに返事をするのに精一杯の自分でした(こういう時、きちんと対応ができれば良いのですが)
 駐車場に戻ると、屋根に雨の降った跡が、そこそこ降ったのですね。

 一人では行動も制限されるし、危険性も高いので、やはり、みんなと一緒に行くのが良いです。とはいえ、山と渓谷という、フィールドを楽しむには、山の会で行く山行だけでなく、適度な単独行と、適度なガイドツアーは、自分に必要です。「山の会で行く山行」のみですと、視野が狭くなりそうで、行き詰る(息詰まる)気がするのです。

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