雪山救助訓練 2017

1月21-22日

今回の訓練の大まかな位置図

【参加者】L:S木2さん、メンバー:M浦さん、F浦さん、I永さん、Y原さん、(11日のみ)I井さん、S藤さん、F川さん、Y田さん、M上さん、S野さん、(12日のみ)T村夫妻

1月20日
22:10 東所沢IC−23:45 水上IC

なんだかわからない写真になってしまったが
 マイカーに山スキー装備を入れたとこです。

 ようやくマイカーで、一人でゲレンデスキーに行くのも慣れてきた。でも、他の人と山スキーに行くとなると、スキー板を入れると助手席にしか乗せられない。椅子の下に、スキー板が入らないかも確認したが、ダメだった。となると、
 (1)買い替える、
 (2)スキーキャリアをつける
 (3)3人以上なら、車を出せる人が誰かいると、達観する。
 (1)について、もうしばらくはこの車でいろいろしたい(2)についてオートバックスに聞いてみたら、カーメイトのinno UK729〜739というのが(聞いた店に)在庫はないが、取り付け可能で、フックが4000円程度で、キャリアが1万5千円〜3万円とのことです。その後、F川さんが前の車に使っていたルーフキャリアを持っていて、それが使えるかも?

21日
【天気】雪、時々曇り
【コースタイム】0:20/7:35 土合駅−7:50 土合駅近くの雪原、16時ころ訓練終了 

7:35 土合駅を出発


7:50 土合駅近くの雪原に到着

 この雪原で訓練するのは、初めてかと思ったら、以前もここでやったことがあるとのこと、思い出すのにだいぶかかってしまった。

午前の部:雪面観察および弱層テスト、V字コンベアによる掘り出し訓練、半身埋没とゾンデの感触確認

 雪面観察 雪面から20cmくらいの深さに明白な層あり 

雪面観察および弱層テスト(講師:M浦さん)
・雪面観察:雪面から20cmくらいの深さに明白な層あり。山行計画書に「雪の結晶を見るために、黒い下敷き上のもの」との記述があり、家の中に何かないか探したら、黒いリフトケースが発見。リフトケースの上で降った雪をルーペで見たら、矢羽のついた雪の結晶が見れた。

ハンドテスト この面で切れた

・弱層テスト
 ハンドテストは、直径がスコップ程度の雪柱を作り、雪面上から雪柱をかかえるように手で引いていき、切れた場所の下を再度テストしていく。大雑把に考えると、スノーソーがあればコンプレッションテストで、なければハンドテストか。今回、自分の場合(他の人もそうだと思う)、コンプレッションテストと比べてハンドテストの方が、テストの際、きれいな切断面が見れて、「上から引いていくので、段階ごとの層が分かりやすく、きれいな切断面が見れて、ハンドテストも捨てたものではない」と一端は思ったものの、弱層テストの本当の目的は、弱層の判断であり、きれいな切断面を見て、納得することではない。自分は、本流は、コンプレッションテストだと思います。ハンドテストのように、弱層に力が加わることはほぼ、考えられない。力が加わるとすれば、コンプレッションテストの形の方が、はるかにありえる。

コンプレッションテスト(自分の作った雪柱)

・V字コンベアによる掘り出し訓練(講師:自分)

V字コンベアベルト法で掘っている時の
  動画

 訓練したところの積雪はだいたい1.6mだったか。V字を使って掘る練習をするための、積雪量は問題なくありました。自分の講師は、大きな問題はなかったと思うが、鈴蘭でV字講師といえば自分なので、もうちょっとわかりやすい話し方というのは必要でした。M浦さんや、F川さんに比べて、流暢でないというか…。自分が話したのは、方法で、もっと理由まで順序立てて説明すべき、話すべきでした。最近入会したY原さんを除き、聞き手は、皆V字の経験者、基本的なことは、もう皆わかっている。今回、力説したかったのは
 (1)掘る(切り出す)のはトップであり、他のメンバーは、トップの補助、逆に「トップでもないときに余計なエネルギーを使って、トップにローテーションしたら、体が動かなかった」ということはあってはならない。トップの時に全力で掘れるように、ある程度の余力は残す。トップ以下は、トップがきちんと掘れるように(ア)雪をかき出し、(イ)立ち位置の調整などをきちんと、(後日談)その他、搬出が難なく行えるように、横を掘る。
 (2)搬出まで考えるからこそのV字、単なる掘り出しだけでは意味がない。
でした。埋没者の掘り出しを、組織的に、搬出法まで考えて行うなら、V字コンベアベルトメソッドです。

 4人の班を、3つ作り、V字コンベアによる掘り出しを、各班1回ずつ行う。その後、時間が余ったので、一つの班が掘っているところを残り二つの班がチエックするということを1回行いました。
 今回V字をして思ったのは、プローブまで半分の距離まで掘れて来たら、トップも横向きになって、横を広げることを意識すると、その時にトップ以下はトップが横に広げているすぐ直下の雪をかき出しやすい。それを左右交互にすることで、トップ直下に雪がたまるのを防ぐことができる(次回、再確認)。

・半身埋没とゾンデの感触確認
 お昼まで時間が余ったので、半身埋没とゾンデの感触確認が行われた。

銀マットを敷き、ツエルトをかぶっての半身埋没 ゾンデの感触確認

 半身埋没を体験したことのない方が対象ということで、新しく入会したY原さんが半身埋没を体験、半身埋没したY原さんを利用してゾンデの感触確認。その後、ゾンデの感触確認をY原さんが行っていなかったので、I永さんが半身埋没し、Y原さんもゾンデの感触確認を行った。

ツエルトを使用しながら昼食(風速5m程度)
 自分の持ってきたツェルトが上手に被れず(スキー靴が大きすぎて)、被っていないよりは、はるかに暖かかったが、V字による掘り出しでオーバー手袋も濡れて、手がかじかみ気味になり、力も入らず、その後のビーコンのスイッチ操作が、堅くて上手くいかなかった。家で被るのと、実際にスキー靴を履いたうえでツエルトをかぶるのはちょっと要領が違っていた。スキーに持っていくツエルトは大きめのを。

午後の部:各自のビーコン性能把握、埋没ビーコン探索

各自のビーコン性能把握

 各自のビーコン性能把握:基本的に、自分のビーコンは、全て40mですでに反応があった。ただ、ビーコンを直角に置いた2回目は、発信ビーコンまで30m辺りで右寄りに誘導され、20mくらいからほぼ直線でビーコンに向かえた。垂直に置いた3回目も、30mあたりで今度は左寄りに誘導されるも、20m辺りから一直線に進めた。手がかじかんで、操作が遅れたのは、前述のとおり。帰宅後、電源のスイッチ、捜索モードへのスイッチ、共に確認。少し力がいるが、操作に問題なし。

 埋没ビーコン探索:埋まっているビーコンは一つなのに、ビーコンに2〜3の複数探索の表示が出ることがあった。もちろん自動復帰になってしまうビーコンの場合もあったが、そうでないこともあった。携帯電話の電波でしょうか?
16時ころ 訓練終了

 夕食は、なんとアンコウ鍋、朝食はワンタンメン。
 テント生活は、なんだか久しぶりな感じ。3〜4人用テントでちょうど良かった(自分の2〜3人用では小さかった)。雪山テント経験者なのに、フライから出る細引きを出す操作に気づくのが遅れる。これくらいは覚えていなくては。タワシを、テントからスリングでつないでおくのがM浦さん流なのに、自分はなぜかそれが理解できず、引っ張ってしまい?? そうなのですか、言われればごもっともです。
 他の方と同様、自分もスキー靴をテントの中に入れるべきだった。勿論インナーは、テント内で、自分のインナーシュラフの中に入れたが、プラブーツはテントとフライの間の空間に入れてしまい、翌朝、ガチガチで履くのに時間がかかってしまった(テント内に入るくらいの空間はあった、入らないときの話はまた別)。テントのペグ代わりに、スコップを柄の部分から外して使ったら、スコップのポッチが翌朝、戻らなくなってしまった。(後日談)ポッチは、冷えて固まって戻らないだけかと思ったが、家に帰っても戻らず、ある程度使ったスコップなので、新しいスコップ購入。

22日
【天気】晴れのち曇り
【コースタイム】8:00頃 訓練開始、14:00 訓練終了−14:20 土合駅近くの雪原を出発−14:30/15:25 土合駅−15:40頃 水上IC−18:35 東所沢IC

 朝、小のつもりが、大までしたくなる。小の場所でしてしまい、その後、春になったら、どうしようと戦々恐々、お昼休みに再度、掘り直し、邪魔にならないよう奥へ

午前の部:シュミレーション(弱層テスト→ビーコン探索→V字による掘り出し→保温→搬送法)

本年の埋没人形

埋没人形を埋める


白毛門とテントと


ハンドテスト
(シュミレーション)


搬送法も確認

 久しぶりに、V字から埋没人形、搬送まで行なえた。「V字は搬出まで考えるからこそのV字、単なる掘り出しだけでは意味がない。」(再度強調)。搬送法は、計画段階では、時間があれば、という感じで、様々な準備に手が回らず確認程度になってしまった。その中でもT村Mさんや、S木2さん、自分も覚えていて、形にはなった。ですが、あやふやな点もあり、再度、ミーティング等で確認、となりました。搬送される怪我人役は、1回目がM浦さん、2回目が自分。

谷川岳


プローブを組み立てて ビーコンで絞り込みながら、プローブで捜索

 1回目のシュミレーションにて、プローブの感触を間違えて、近辺を掘ってしまった。実際はすぐ近くで、掘った穴は全く無駄というわけではなかったが、「訓練の時に様々な経験をして、本番ではミスのないように」です。1か所のプロービングだと、確かに問題かもしれない。人体は大きいので、2、3か所確認。この点でも埋没人形でトレーニングをした方が良いです。とはいえ、埋没人形だと、ゾンデの感触確認があまり役に立たないというのは、あります。

プローブがヒットしたら、V字で掘り出す

午後の部:最後にV字の確認(スノーソーが掘り出しに有効か)
 雪の状態にもよるが、V字のトップがスノーソーを使って雪を切り崩したほうが、簡単に雪を掘れる。スノーソーは共同装備に一つ必要ですね。

土合駅に戻ったら、車に積雪20センチ。

 行きは土合駅から、シールで行けたが、帰りは踏切のところから道路に雪はなし、板を外してかつぐ。土合駅に戻ったら、車に積雪20センチ。先行したT村さんが、一部を除雪していただいて、ずいぶん除雪が楽になりました、ありがとうございます。

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