西丹沢 屏風岩山(地図読みハイク)

2016年7月30日
【天気】晴

 引っ張り出した紙の2万5千図に水線・尾根スジなどの作業をしてみたものの、古くだいぶかすれていて、直前になって紙をあきらめ、電子媒体(この言い方自体が古いのか)に。紙も確かに悪くないけど、これからを考えると電子媒体でしょう(いまさら)。カシミールは記録用としては良いですが、地形図としては印刷の段階で縮尺が上手くいかないことが多い(単に勉強不足か)。それでも、相性が悪いのを使っても仕方がないし、とりあえず「ようこそ電子地形図へ」でやってみます。50mごとの計曲線ははっきり印字できるけど、10mごとの主曲線がどうもはっきりみえない、目が悪いのか、プリンタの問題か、解像度か、1.5倍にしてプリント。紙も悪くないけど、電子媒体で、慣れよう。
 参考資料:G山岳地形と読図(山と渓谷社)P124〜130

 (後日談)これまで、カシミール3Dを「地形図の印刷」で使う場合、山行前の時間に追われた状況で印刷で「ああでもない、こうでもない」でしたが、改めて、落ち着いて、「カシミール 印刷 縮尺」で調べると、ずいぶん報告があり、実行してみたところきれいに印刷できました。(これまでの設定が残っていて、上手く表示できないことがあります。自分は、アンインストールして、再度インストールすることで解決しました)
 筑波大ワンゲルのブログ(お勧め)
 遡行同人梁山泊

Youtubeにも報告がありました。「ようこそ電子地形図」は有料ですし、ダウンロードできるまで小1時間かかるので、それにできればカシミールをより良く使いこなしたいので

今回の山行の大まかな地図(黄:登り、赤:下り)

単独行
【コースタイム】9:15 箒杉公園駐車場−9:30 大滝橋−10:55 避難小屋−11:45/11:55 1010m分岐−12:40/13:10 屏風岩山・山頂−13:45 標高965m−14:05/14:30 標高910m−15:27 車道−15:33 大滝橋−15:45 箒杉公園駐車場

9:30 大滝橋からの林道

 狭いのは入り口だけで、中に入るとずいぶん広い林道でした。これはとても、無理と思って、近くの箒杉公園駐車場に停めたのですが、入り口さえ通過すれば、問題なかった。

沢沿いの林道

 9:55 標高500mの橋  左写真拡大

 10:00 林道終点、ここより登山道(標高525m)  


10:10 標高590m小橋


10:12 標高600m小橋

思ったこと:進路も右、左で考える癖がついている。進路も方位にすべきでした。右、左は、右岸、左岸だけにすべき。

10:15 605m二俣


10:27 標高650m小橋


10:30 そうか、マスキ嵐沢の入り口だ

 林道終点手前で、沢登りのパーティー(雰囲気からガイド山行だと思う)8名程度に、会う。どこの沢に行くのだろうと、思っていたが、そういうことか。それにしても、自分は、記憶力が悪い。前回は、電車で今回は車でと、違う点もあるのですが

10:40 標高730m小橋


10:50 標高790m、尾根をまたいだら、小さな沢、地図通り


10:55 避難小屋が見えてきた

 避難小屋までは、問題なく読めていた。

一軒家避難小屋 標高810m

 避難小屋を出発しようかというとき、後ろから3〜4名のパーティーが来て、地図を読みながら進む自分と、3〜4名のパーティーのペースが近くて、地図をよみずらかった(大滝峠上で別のルートに)。そういえば、10時の林道終点の手前でも、小学校くらいの遠足と、抜きつ抜かれつをしてしまい、読もうとして立ち止まると、子供が追いついてきて、地図をよみずらかった(林道で別のルートに)。大滝峠上を越えてからは、車道に出るまで、一人の人にも会わず。


100メートル進んだ辺りで沢と同じく進路は南西へすぐに、西北西に向かう、300m歩いた所で右岸に渡るも、すぐに左岸へ、100mほど進んだら道は沢に沿って西へ、200mほどで、右岸に渡るもすぐに左岸へ
 
赤丸より、
自分の読図範囲

11:12 地形図とは違う形で登山道

 地形図とは違う形で、登山道が現れるので、戸惑うものの、自分の中で修正でき、大滝峠までも、問題なく通過でした。

11:20 登山道は右岸へ

 大滝橋から、大滝峠上まで、沢沿いに、登山道があるコース。沢の読図に不安がある方(自分か?)は、トレーニングするのに良いコースだと思います。

11:32 小橋を渡って(左写真)、登山道は沢を外れる(右写真)

 同じく、山と渓谷9月号P160に出ていた、「数歩進んでパッの原則」(少しあるいは前方をパッと見て、登山道の様子や特徴を写真のワンカットのようにつかみ取る(=確認する)。また少し歩いては確認する。」。地図読みなどと、難しく考えずに、これは数メートル先を見るという話しですが、細かい表現は別ですがこういった内容をF川さんより教わって、自分は沢歩きなどで、だいぶ「数歩進んでパッ」ができるようになってきまして、これできると、できないでは悪路の歩きがずいぶん違います。地図読みなどと難しく考えずに、これをもっとスケールを大きくしてやれば良いという、アプローチもありだと思います。

 11:45/11:55 1010m分岐(大滝峠上)  

 大滝峠上から、屏風岩山へのルートは、「尾根は出だしがわかりずらい」で、小ピークをどんどん自分の都合の良いように考えてしまったところがありました。あとから考えてみれば、尾根は(小)ピークからしか出ない。

12:17 タマゴタケ?

 地図を読むことが今回のテーマなのですから、普段より時間を多めにとっておかねばならないのですが、「G山岳地形と読図(山と渓谷社)」は、コースタイム4時間半と書いてあり、もっと早く着くと思ったら、思ったより時間がかかり、この頃焦り出す。(当然ですが、改めて読み返すと、G山岳地形と読図にはコースタイム(読図時間を除く)4時間30分とありました)
 大滝峠上〜屏風岩山では、ルートこそ間違えなかったものの、小ピークをだいぶ間違えてしまいました。原因は尾根の読み間違えと、地図を紙から電子媒体に変えた事による、距離感の混乱、大滝峠上まで思ったより時間がかかってしまった事への焦りです。

(後日談)尾根で支尾根を読もうと思っても、森林限界以上の地帯やはげ山などでもない限り、視界が悪く尾根では支尾根を読むのは難しい、尾根ではピークとコルを読む。この時は、ピークとコルを読むより、意識が支尾根を読む方に行っていて、読めないのは当然でした。

12:47 屏風岩山山頂(木にマジックで)

 当然といえば、当然ですが、屏風岩山頂に、道標などなにもなく、木にマジックで「屏風岩山頂」と書かれているだけでした。最初は「木に書かれたマジック」に気がつかず、小ピークをだいぶ間違えていたこともあり、山頂で右往左往。GPSで確認、ここで大丈夫だ。

 
13:00 山頂・西側 山頂(少し戻って)  山頂(南側)

 ここから、山頂西側は、登山道のないルートです。でも、踏み跡は基本的にあります。もちろん、道標はありません。

13:40 先ほどとは別のタマゴタケ


13:42 樹林帯に覆われた山でしたが 丹沢湖

 樹林帯に覆われ、展望のほとんど広がらないルートでしたが、その分、暑さはしのげました。

今回、事前にカシミールからGPSにデータをアップロードしてみました
(1)ウエイポイント:標高965m地点
(2)ルート:標高900mから標高660mまで

GPSによる現在地確認 標高965mから650の手前まで
 (下記内容は、eTrex 20Jについての内容になります。他の機種・スマホでは別内容になるかもしれません。)
1.ウエイポイント(地形図がメインで、GPSはあくまでもサブという場合の使い方)
 GPSで現在地の確認をしようとして、
 (1)拡大、縮小作業をすると、マップポインターと現在地が真ん中に来ていないと、現在地が画面の外にいってしまったり、
 (2)登山道のないルートですと、現在地を地形を読むために拡大(120mスケール等)して表示すると画面の表示に現れるのが等高線だけになってしまい(参考:少し下の「14:33 ウエイポイント〜」)、
現在地が確認できずあせることがあります。マップポインターと現在地を真ん中に置いてから、拡大・縮小が面倒な方には、事前にウエイポイントを一つ登録(今回は1607Byoubu)しておけば、「画面の表示に現れるのが等高線のみ」という現象が防げ、北極星のように基準となる地点が作れるので、バリエーションルートでルートにこれといった目印がない場合、GPS操作が楽になります。
 (今回は、すぐ近くまで、登山道が届いていて屏風岩山という大きな目印もあり、しかも下写真のスケールが500m、と1.2kmなので、ちょっと説得力に欠けてしまいました。スケール120mの写真が必要でした)

13:45 標高965m(500mスケール) 標高965m(1.2kmスケール)

(←何かというとコーヒーブレイク、という意味で)
ウエイポイントをGPSに登録する作業:カシミールを用いまして、(改訂新版 カシミール3D GPS応用編 実業之日本社 (1)と(2)はP50、(3)はP59)
 (1)ウエイポイントの作成:作成したい地点で、右クリック⇒新規作成⇒ウエイポイント作成、名称入力(今回は1607Byoubu)⇒OK
 (2)ウエイポインとの保存:ファイル⇒名前を変えて保存⇒GPSファイル、保存先のフォルダを決め、ファイル名を決めて、保存
 (3)GPSにデータを転送:編集⇒GPSデータを編集⇒ウエイポイント(左側)をクリック、ウエイポイントの一覧表示、アップロードしたいデータ上で右クリック⇒GPSへアップロード
   GPSとパソコンをUSBケーブルでつなぐ、機種を選定し、「開始」ボタンをクリック

あちこちに生えていたミツマタ

2.ルート(GPSメインで使う使い方で、地形図はサブの場合の使い方。)
 ウエイポイントでなく、ルートも操作を確認。ウエイポイントは電電を入れて地図を表示すれば、自動的に出てきますが、ルートは(良い意味でも悪い意味でも)、自動的に出てきません。ルートは選択しないと出てきません。登録した地点に着くと、(14:33、14:40の写真でAB001〜)、GPSから音が鳴るように設定できます。

 
14:33 ウエイポイントだけでなくルートも
操作を確認です
 14:40 少し進んだところ

(←何かというとコーヒーブレイク、という意味で)

ルートをパソコンからGPSに登録する作業:カシミールを用いまして、(改訂新版 カシミール3D GPS応用編 実業之日本社 (1)P54)
 (1)ルートの作成:始点となるポイントの上で右クリック⇒新規作成⇒ルート作成⇒通過するポイントを順番にクリック⇒最後のポイントまでクリックしたら、右クリック⇒確定
   タイトルを入力し、色や線種などを選ぶ⇒OK
 (2)GPSにデータを転送:ウエイポイントと同じ

14:48 再度視界が開けた

 地図読み山行は、(落葉樹が葉を落とす)冬か春が良いかもしれません。わかっていたのですが…、冬まで待てず、これを確認しないと、前に進めない気がして。

14:49 標高650m
 ここから藪が濃くなる。
 藪の濃い箇所は、踏み跡問題なくあり

 当初の予定どおり、標高650mまで着き、あやふやだったGPSの使い方も把握できたので、標高650mより下はGPSをザックの中にしまい、再度、地形図での現在地確認。
 G山岳地形と読図(山と渓谷社)では、ここから北東に進み、林道に合流するルートをとっていますが、事前にネットで確認したところ、そのまま尾根を東に進むルートで問題ないようなので、東にルートをとったところ、踏み跡は問題なくありました。

14:54 藪が濃くなる
 

 藪は草本(竹)の藪で、木本ではないです。
 冬は、竹を除いて藪ではなくなるか。

15:00 ここから東側は、一瞬急ですが、南東側に進んだら問題なく下りれました。

 どうにもならないような急なルートではなく、焦ったのも一瞬で、南東側に進んだら問題なく下りれました。ロープをもっていたから、いざとなればロープを使ってですが、ロープを使うほどの長い急斜面はありませんでした。

15:00 一瞬視界が開けた(南東) 丹沢湖(南南東)


15:10 セミが自分にとまった

 ミンミンゼミは、捕まえにくいと思うのですが、なぜか自分にとまって、簡単に捕まえてしまいました。羽化したばっかりとか、そういうことなのか。それとも、頭のおかしなセミなのか。それともミンミンゼミではない?

15:18 キイロイグチ?

 キノコの多いルートでした。

15:23 踏み跡はしっかりしていたけど、なんとなく怖かった笹藪(1分程度)

 踏み跡は明瞭だったし、ルート的にも間違っていなかったので笹藪を突っ込む。

15:27 車道に合流

 無事、車道に合流。屏風岩山手前では、時間がかかり少し焦ったが、下りは思ったよりも早く進めた。

今回の山行のトラックログ(DまではGPSの電源を入れず))
A:大滝橋→B:登山道→C:避難小屋→D:大滝峠上(1010m分岐)→E:屏風岩山→F:965m→G:650m→H:車道→A
Google Erathを用いて


戻る