山の天気ハイキング

2016年4月16日
【天気】曇り
主催:アルパインツアーサービス、講師:猪熊隆之(半袖でした)、参加者20名、スタッフ3名

 仕事が忙しく、時間がとれない。なんとか近場で面白そうなのはないか、ということで行ってきました。

【コースタイム】 9:10 大倉バス停−13:15/13:50  塔ノ岳−17:50 大倉バス停

自分の事前天気予想:高気圧に覆われるので晴れ

 この日の天気図  

※下記に、講習のメモは、ゴシック体で書きます。

今回のハイキングの大まかな位置図 今回のハイキングのさらに大まかな位置図(赤丸)

・山の天気は平地とは異なり、風の影響を強く受ける。
・山で、雲ができるかできないかは、風(含まれる水分)と地形によるところが大きい。
・風の強さと向きは、天気図から予測。

今回の天気図は、関東地方の東に高気圧がある気圧配置→塔ノ岳では、海からの暖かく湿った空気が(遮る山がないので)流れ込みやすい→他の条件にもよるが、少なくとも塔ノ岳の天気は良くはない。
塔ノ岳は「関東地方に高気圧の中心がある」時よりは、関東地方の南、または西に高気圧があったほうが天気が良い

  ↓北側の空模様
   
  9時(出発前)の空模様
↑西側の空模様
  南側(相模湾側)の空模様
南からの風が吹いている。

・実物を見ながら雲のでき方を確認
・観天望気:雲の色、厚さ、高さ、流れ(風)を見る
・いろいろな雲・十種雲形(巻雲、巻積雲、巻層雲、高積雲、高層雲、乱層雲、層雲、層積雲、積雲、積乱雲):遠くの空の空気は見えないが、雲の形は見え、雲の形により、「遠くの空の空気」の概況がわかる。

12:15 上昇気流があるので、ハンググライダーが飛べる(優雅に長時間舞っていました)

 登っている際に、登山道からハンググライダーが見えました。塔ノ岳上空で、上昇気流があるから飛べます。

12:22 下が暖かくて、お昼近くでこの程度なので天気は悪化しない。

塔ノ岳は一般に、昼に海風、夜は山風が吹く

12:53 塔ノ岳は水無川に沿ってガスが上がりやすい。沢は風の通り道でもある。

風の状態を見て、尾根の手前で体温調節

13:15 塔ノ岳山頂

山頂:相模湾からの南西の風、風速3m、今回、風弱い。

14:00 ガスが上がってくる


14:24 尾根を超えるとガスが消える

 山頂を出発して、花立山荘の手前で、「(後ろのグループに)調子の悪い人がでた」というようなことを聞き、靴擦れでも起こしたかなと思ったものの、しばらくたっても下りてこず、じっとしているのも暇なので登り返すと、「浮き石に足をのせて、滑ってねんざ」とのこと。右足を包帯やサムスプリントで応急処置をして、怪我をした人も問題なく受け答えしていたので、「これで解決」と思っていたら、一人で歩くのは痛いようで→「搬送法」となり、スタッフの方がハーネスとザックを用いての背負い搬送。これで解決と思ったら、なんだかんだでヘリを呼ぶことに。自分たちは先に下りて、スタッフの方一名が対応して、怪我をした方はヘリで運ばれたとのこと。搬送後、医者で見たら、骨折していたとのことでした。
 確かに、怪我したのが花立山荘の前ですし参加者20名いるし、下山が遅れたらそれはそれでいろいろあるけど、「同行者(初対面、名前も忘れた)がヘリで運ばれるのは初めてなので」驚き。ヘリの台数は有限なので、他の場所で急用がないことを祈るのみでした。怪我した女性の方も一般的な受け答えに見えましたが…。
 下山の半分は「山の天気ハイキング」ではありませんでした。登りで一通り教わっていましたし、仕方ありません。

 16:00 桜、その他この時期ならではのスミレなど、がきれいでした  ヘリ(矢印)で運ばれる

 塔ノ岳では、相模湾から来る風が乾いていれば、天候は悪化しない。
 ガスの供給がなくなったので、富士山も見えた。

17:47 巻積雲(南側) 


18:00 大倉のバス停より、恐ろしげな雲(北側)
 空気の流れが複雑で、風が強い


(後日談)山の天気ハイキング講習を受けて:初耳は一つもなかったけど、バラバラだった知識がだいぶまとまった気がする。

高気圧、低気圧といっても
高気圧→晴れ
低気圧→雨
ではない。

山の天気には、風の向きが関わってくるので
高気圧:時計回りに中心から
低気圧:反時計回りに中心へ
の図(例:左図)を天気図に書き込んでみて
風の動きと地形を考えて、天気を予測すること

それでも天気予測には
しなければならないことはまだまだあるが
確実に一段階、具体的に考えられる


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