阿武隈川 南沢

2015年10月4日(前夜発)
L:自分、メンバー:T村夫妻

 紅葉にはちょっと早いが、今シーズンもう1?回、沢に行きたい。近すぎず、遠すぎず、易しすぎず、難しすぎず、「阿武隈川 南沢」あたりどうだろう。


10月3日 22:50 那須高原SA 

 
今回の山行の大まかな位置
(赤:沢登り、黄:登山道)
今回の山行のさらに大まかな位置図(赤丸)

10月4日
天気:曇り
【コースタイム】5:20 那須高原SA−5:30 白河IC−6:00/7:00 駐車場(甲子温泉近く)−7:30 入渓−11:00 1195m二俣−11:20 1240m二俣−12:10 奥二俣(1350m)−13:10 登山道に合流−13:16/13:35 甲子山山頂−13:40 分岐−13:55 猿ヶ鼻−14:30 甲子温泉−14:35/14:55 駐車場−16:40 白河IC−19:20 浦和IC

自分の勘違い

 黄色のルートで駐車場(A)に到着したと思い込んでいたら、川の位置、北の向き、甲子温泉の位置、全てが逆。仕方なく、運転手であるT村Mさんに確認。赤のルートで来たとのこと。そうか、「車での通行ルートの確認がまだまだ足らなかったこと」が如実に現れてしまった。事前の自分のメモには、「白河IC→国道289号→甲子温泉」「ゴルフ場入り口を右、高原ホテル前を右」とあった。運転手が自分の事前の予想とは異なり「高原ホテル前を左」に行ったのですが、それはそれで当然のこと。「高原ホテルを右」というのは、単なる自分のメモでしかない。左に行ったところで気がつけば、それもあるけど赤矢印のルートはわかりやすいトンネルがある。「トンネルを通った→赤矢印のルートを行っている」と気がつくのが普通。なんで気がつかなかったか? おそらくは、一つを考えることで、精一杯だったのでしょうが、一つでは意味がないことが明らかになってしまった。次回同じミスをしないようにするには、「事前のルート予想の際に、一つのルートだけでなく、あり得そうなルートがあればそれにきちんと目を通しておく」。

7:00 出発 7:10 橋の下を通過

【他のパーティー】山頂直下の登山道(下り)で、キノコ取りに来たオジサン1名。沢の中では誰にも会いませんでした。

7:25 一理滝沢方面の踏み跡(正解の方)

 もうそろそろかという辺りで右の踏み跡に入ったものの、途中から傾斜が急になり「これは違うのでは」、さらに周囲を見渡すと左を通過するはずの堰堤が正面に出てきて、「あり得ない」→いったん引き返し、1分ほど歩いたところで、正解を見つけました。

7:30 正面の支沢が、今回遡行の南沢です

【今回の寒さ(服装)】沢の中では、自分のいつもの格好(ファイントラック下着に、沢用長袖、沢用ズボン、ネオプレーン渓流ソックス、スパッツ、リストバンド、指空きグローブ、ヘルメット)。山頂からの下り30分は、寒いので雨具(上)を着て、残りは暑くなったので脱ぎました。

7:32 南沢と本谷の二俣は、ビバーク適地なのですが、そこに鹿の頭蓋骨

【今回の水量】多め

 7:40 F1 10m  

 F1は右を登りましたが、出だしで体が、感覚が、慣れていなかったのか、今回で一番怖かったです。水量がもう少し少なければ簡単に登れたかも。でも、別の人がこの記録を見て、「F1=一番怖かった」と用心していくと、たぶんたいしたことはないと思う。ガイド本を読んで、それほど難しくないだろうと思っていったら、「水量が多くて、体が慣れていなくて、こんなはずでは?」だから怖かったんだと思います。

8:05 F2 10m
赤線のルートを行きました
赤線が残置スリング

 二段目上は、右壁に残置スリングが見えたのでそれを利用。ビレイせず登れるかと思ったら、微妙にかぶっている上に、残置スリングの1本目から2本目に移るテラスには一人しか居れず、上の残置を一人がつかむと下から登ってくると、テラスでつかむものがなく、再度下りて登ることになる。下りる途中、ロープを出し自分が空身で登れば行けることに気がつく。当初は10mロープを持っていったが長さが足りず、10mロープに30mロープを結ぶ形で、ロープを上げる。ロープの扱いに手間取り、このF2でずいぶんの時間を費やしてしまった。ポイント、ポイントで、きちっと確認。
 残置スリングの終了点からは、一歩上がった後左に下りれて

9:30 懸垂で河床へ

 懸垂なしでも下りれそうだったので、自分は下りましたが、途中、つかむ木、足場等しっかりしておらず、1〜2m滑り下りるようになってしまったので、二人には懸垂で下りてもらいました。ロープなしでも下りれないことはないですが、ロープを使った方が確実だと思います。

 9:50 F4 3段の滝  上段12m

 3段の滝、上段12mは右を巻き、踏み跡もわかりやすく、滝の落ち口少し上に出て、苦もなく、河床に戻れました。

9:51 右を巻く 9:53 滝の落ち口より少し上に出る

10:00 見えてきた8mの滝 10:05 8mの滝

右を登りました

10:30 淵

 10時半の淵は、自分は右を、T村Mさんは左を行きました、夏なら水に浸かるだけですが、この時期はちょっと難しく、最後は自分が下になり、T村Eさんをショルダー
 左も、右も共に、ホールドが微妙でして、右は腰まで濡れても良いなら、簡単に通過できると思います。

10:33


10:34 5mの滝 右を登りました

10:45 15mの滝 右を登りました

【今回の読図】今回は、2万5千図を1.5倍に拡大し、下の「今回の山行のルート図」のように、主要な滝に、黄マーク(一番左が30m大滝、真ん中が12mの滝、右が10mの滝)をつけ、念のための比較用として原寸大2万5千図を、拡大した2万5千図に貼り付けてみました。F1とF2で沢の洗礼を受け、まだまだと自分の力量の足りなさを痛感し、なんとしても無事たどり着かねばと、黄マークをつけた割には、ずいぶんと遡行図を見てしまった。そのためもあり、沢の中では、問題なく読めました。今回のような、短い沢だと2万5千図を1.5倍に拡大も、問題ないですが、長い山行だとずいぶん地図が分厚くなってしまう。2倍にしたら、さらに見やすくなるだろうが、とりあえずは1.5倍でやってみます。
 (後日談)沢とは話が違いますが、山と渓谷社から出た「山スキー百山」 スキーアルピニズム研究会著、左側にルート説明、右側に地図が基本構成なのですが、その地図の中に、1万5千の地形図でルートが示されているのがあり、やっぱり読みやすく、3万分の1の地形図は、やっぱり読みにくい。その他、白黒でも案外読める、カラーでなければと思って、わざわざ2万5千図をカラーコピーしていたが、白黒でも問題ないようです(ルートが赤線で引いてあるのでわかりやすいというのもあるかもしれない)。「山スキー百山」は様々なルートが、様々な縮尺で載っているので、山スキーをしない人にも、読図という点でお勧めです。

11:00 1195m二俣

 1195m二俣は、右(まっすぐ)を、行きました。

11:00 少し紅葉

 紅葉も、ナメと同じくらい、晴れていた方が、きれいな写真になると思います。「きれいなナメの写真・風景」に必要なのは光で、曇っていても光が差し込めば良い、逆に紅葉は空の青が必要で、別に光は差し込まなくても(太陽が雲に覆われていても)良いと思う。

11:05 5mの滝


11:10 奥に2段8mの滝 2段8mの滝

 11:15 2段8mすぐ上の滝  左を登りました

11:20 1240m二俣

1240m二俣は右を行きました。

 
11:22 見えてきた30m大滝 11:25 下段まで近づいて  
左を登りました 落ち口

 30m大滝は、最後手前の部分がちょっと怖く、落ち口手前(落ち口から2mくらい離れていたと思う)の支点に10mロープをセットして、二人にFixで登ってもらいました。支点となるハーケンがあったが、ビレイする場が見当たらず、ビレイするほど難しくもなかったので、Fixで登ってもらったが、落ち口まで上がって、「セカンドが見える位置での確保」をすれば良かったか。ここは異様に中途半端な場所で、(ロープは出した方が安心だけど、ビレイする良い場所がない。わざわざきちんとしたシステムを作らなければならないほど登るのに難しい場所でもない)それはそれで時間をずいぶん余計に食ってしまうと思います。他のベテランの方は、どう処理するか。

11:55 一部紅葉


12:00 6mの滝
この滝のみ水流の中へ入りました

 上流へ来て、水量が少なくなってきたので、右から左に移る所のみ、水流の中に入る。水流の中の方がホールドがあり、ぬめってもいないので、水量さえ少なければ、部分的に水の中へでした。かぶるほどでもなく、その後特に寒かった記憶もありません。その他、この滝だったか、下から登ってくる方に楽そうなホールドを指示したけど、それは上から見たときにホールドのように見えるだけで、登っている人からすると、頼りないホールドだったかもしれません。当然ですが「明確なことだけ指示」です。

12:10 奥の二俣(1350m)
右俣と左俣(水量 4:1)

 奥の二俣は、右を行きました。

12:30 5m 左を登りました

 5mはずいぶんぬめっていました。この時期の沢は、落ち葉をはらいながら登る、というのもあります。

12:35 高度計の標高1370mで、水をくむ。
12:40 高度計の標高1450mで、水枯れる

 ガイド本によると、「スラブ状ナメが続き、水が枯れた後辺りで、スラブ壁が見える」はずなのですが、この頃ガスが出てきて、視界も悪いし、スラブを前進するよりは、右にある登山道を目指した方が良さそうだったので、少し早めに右に向かい、藪に入る。藪漕ぎでは、二番手をT村Mさんにした方が良さそうだったので、オーダーを変え、たいした藪漕ぎもなく登山道合流でした。

13:10 登山道に合流

 合流後、すぐ上が山頂でした。

13:16 甲子山山頂

 ガスに覆われ、視界は0でしたが、無事山頂到着。

山頂の紅葉

13:55 猿ヶ鼻

【今回のルート(下り)】山頂からの出だしが急で、T村Mさんがトイレに行ったこともあり、ゆっくり目に下りる。出だしを過ぎた後は猿ヶ鼻までは穏やかな道、猿ヶ鼻からはジグザクの繰り返し。

14:15 橋が見えた、もうすぐ車道

 

14:30 見えてきた甲子温泉

 風情のある感じです。

甲子温泉

 甲子温泉の日帰り入浴は15時まで、「なんとか間に合った。やったあ」でしたが、入ってみると洗い場が使えるところはもう終わり(10:00〜13:00)で、入浴のみとのこと。「せっかく来たのでここで入って、洗い場のある温泉で、もう一回入って」で落ち着きそうになったものの、リーダーが両方とも1時間入る気がなく、「どっちかは簡単に」と提案したら、それでは洗い場がきちんとある温泉に入ろうということになりました。日帰り登山者が甲子温泉に、登山がメインで入浴(洗い場使用)するのはほぼ無理だと思います。温泉がメインで登山がサブなら可能ですが…
 それはそうと前回七ツ小屋裏沢では、時間管理ができておらず、大反省でしたが、今回、読みがばっちり正解(F2を登っていた頃は、どうなるかと思ったが)甲子温泉に下山した時刻は、予想通り!! やればできる?

今回の山行のルート図
(A:駐車場→B:966m→C:935二俣→D:1195m二俣→E:1240m二俣→F:1350m二俣→G:甲子山山頂→A)
黄マーク(一番左が30m大滝、真ん中が12mの滝、右が10mの滝)

【使わなかった装備(結果論として)】共同装備:ツエルト、個人装備:タイブロック、予備電池、ナイフ、細引き、テーピングテープ、医薬品、メタ、新聞紙、金属製食器、非常食

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