第9回山岳スキー競技日本選手権大会

 テレマークスキー部門に参加(途中失格:タイムアウト)

本報告は、完走できなかった人間の、主観的な報告なので、他の報告も読んだ上で、総合的に判断してください。詳しい情報については山岳スキー競技会のHPをご参照ください。

2014年4月5ー6日
主催:日本山岳協会 

テレマーク部門男子:参加5名(完走3名):テレマークは参加が許されていて、違反ではないというだけで、テックバインディングの方が楽だと思う。
山岳スキー部門男子:参加35名(完走32名)(韓国からも、5名ほどの参加者がいました)
          女子:参加6名
成年男子ショート:参加5名(完走2名)
少年(20歳以下):参加2名

 参加したいとは思っていたものの、自分の所属する山の会の「会山行」といつも日程が重なり、参加できなかった。今年も日程が重なり、あきらめていたところ、悲しいことが起り、会山行は中止。申し訳ないけど、この機会を逃したら、「二度と参加できないかもしれない」で参加してきました。直前まで、参加するか悩み、参加するだけで精一杯で、ずいぶんな準備不足。いろいろと悔いは残りましたが、行っただけのことはしました。

今回の山行の大まかな位置(赤:登り、黄:下り)

4月5日
【天気】晴れ 
【自分のコースタイム】10:50 大宮駅−11:50/13:10 長野駅−14:20 栂池高原
 栂池高原観光案内所にて選手登録→宿へ、荷物等を置き、筆記用具持参で再度栂池高原観光案内所へ
16:00 開会式+コースブリーフィング

開会式

【装備の大会規定(抜粋、あくまでも参考のため、詳しい内容は山岳スキー競技会のHPへ)】
 スキーおよびブーツ:テレマークスキーは別カテゴリー正式種目で、スキーの長さ、ブーツ等企画については特に制限を設けない。
 (今になって気がつく、上記を板と靴と読み間違えていたが、テレマークは何でも良かった?)

 スキー:長さは少なくとも男子用は160cm、女子用は150cmあること。全長の9割以上の金属エッジが付いていること。足下部分で少なくとも60cm以上の幅があること。ビンディングは登降時、踵が外れて動くものでなければならない。
 ブーツ:ブーツはくるぶしを覆う高さがあること。靴底全体の80%以上が、4mm以上の深さのある溝刻みを有したビブラムか同等のソールで覆われていること。またアイゼンが付く形状でなければならない。
 
 ストック:ポールの直径が25mm以下、非金属のバスケットのもの。アルペン用、クロスカントリー用どちらでも良い。
 服装;少なくとも上半身は3レイヤー、下半身は2レイヤー。すべて長袖、長ズボンでなければならない。どちらも一枚は防水・防風であること
 雪崩ビーコン:標準の457KHz規格であること。選手は競技中、送信モードにして、服の下に体に密着させて装着すること。
 雪崩ゾンデ棒:最低210cmの長さがあり、雪崩捜索用ゾンデとして市販されたものであること。
 スコップ:最低20cm×20cmの大きさのスコップで、柄の付いたもの。柄は分離してもかまわない。
 サバイバルシート:レスキューシート又はサバイバルブランケットと言われるもの
 ザック:最低20Lの大きさのもの。レース途中でスキーを担ぐセクションがあるのでザックはスキーが固定できるものでなければならない。
 ヘルメット:一般に登山用として販売されているヘルメットであれば良い。滑降時と主催者が指定する区間では必ず、正しく着用しなければならない。今大会では登山用以外では、スノーボード用、スキー用は認める。自転車用ヘルメットは、ペナルティー30秒となる。
 シール(一組)
 手袋
 サングラスまたはゴーグル

コースブリーフィング

(大会ルールより抜粋)
 競技コースには適当な間隔で標識旗が設置してあるので、それを目安にコース取りをする。登りが緑の旗、下りが赤の旗。
 スキーを担ぐセクションでは、スキーをザックにつけて徒歩で登校すること。板を手に持ったり、肩に担いではいけない。

自分のゼッケン


4月6日
【天気】雪(風は所によって強い所がありました、でも寒いというレベルで通行には差し支えなかったです) 
【コースタイム】8:15 ゴンドラを下りる、9:30 レーススタート、12:50 レース終了、13:40頃 閉会式、表彰
15:35 栂池高原(特急バス)、17:05/17:12 長野駅、18:30 大宮駅

8:15 ゴンドラを下りる

ゴール地点に荷物を置きに行く

【今回の雪】アイスバーンあり、もなかあり、ゴール手前の雪は滑りやすかったです。

【今回の寒さ】規定に、少なくとも上半身は3レイヤー、下半身は2レイヤー。すべて長袖、長ズボンでなければならない。どちらも一枚は防水・防風であることとあり、
よく考えずいつもの冬装備を持って行ってしまい、現地で「しまった」と思う、冬並みの寒気が来たから結果オーライでしたが、事前の準備が足らなかった。
 サングラスを使うと時計の文字が見えなかったので、ゴーグルにする。ゴーグルは暑かったので、登りの多くの場面で外ましたが、曇らず、凍結せず使えて良かった。

9:25 もうすぐスタート
 全てのコースが同時にスタート

 参加する前、日本選手権での自分のレベルは
 滑り:下の下、登り:下の中
だと思っていました(よく、そんなんで参加したね)。実際参加してみたら
 滑り:下の中、登り:下の下
でした。登りではビリ争いでしたが、下りでは、信じられないことに、3−4人追い越せました。案外、「登りのレベルは高いけど、下りはそれほどでもないのかもしれない」と思いました。もちろん、下のレベルでの話ですが、下りは転ばなければ、そこそこ巻き返せます。(普通の山行のレベルでは、自分のレベル、登り:中の上、滑り:中の中、だと思います)

【今回のルート・登り】F→Gへのシール登降で、途中に下りが最初の頃にありました。S→A、B→Cは目立った下りはなし
【今回の(自分の)登り】キックターンはオーソドックスな方法で、対処したものの、失敗はせず(そういうレベルでは??)ロスなくできた。今回のシール登りで、ズルズルがなかったのは良かった。2回目の登り(B地点)で、シールをざっと貼ってしまったためか、効きが悪かったが、なんとか進めた。最後の登り(G手前)で、シールのテールが外れていたことに気がつくが、もうすぐなので直すことなく進む。

【今回のルート・下り】A→Dで、ほとんど平らな林道が続く箇所あり。
【今回の(自分の)滑り】テレマークターンはゴール手前(D付近)しかできなかったが、1〜2回転んだのを除いて、ほとんどロスなく滑れました。最初の下り(A〜B)は、アイスバーンが多く、難渋している人がいて、3人ほど抜けた。
 平らな林道の所で、7ー8人の人が立ち止まっているように見え、「天気が悪かったので、何か起ったのだろうか」と思い、早く行っても仕方ないので、ゆっくり行くと、応援(スタッフ?)の人でした。ゆっくり行ったので、抜かされてしまう。「しまった」と思うもしかたない。

「板をザックにつけつぼ足で登る」につきまして、登るスピード自体はそれほど遅かったとは思いませんが(下のレベル)、ザックに装着するスピードは他の人に比べて遅かったです。ザックの両側に片方ずつは、時間かかるかもしれません。
 クライミングサポートの調子が悪く、上げると戻すのに一苦労(板を外さないと戻せない・メンテ不足でもあります)だったので、今回使いませんでした。でも、後から考えれば、地形を読み、その後板を外す地点まで傾斜が急な地点なら、当然使えました。参加するのに精一杯で、変な部分で守りに入ってしまったというのもあります。

 水はプラティパスの水筒に1リットルくらい持って行って、スタート前に500mlくらいにして持って行きました。今回天気が悪かったので、一概には言えませんが、今回ならウイダーゼリーの中身を空にして、一袋に水を入れていけば十分でした。Hの手前で気分的に飲みたくなり、一口飲みましたが、持って行かなくても何とかなる感じでした。晴れて、暑ければ念のため、ウイダーさらに一袋必要でしょうか。マラソンのようにドリンクを途中に置くことができる訳ではなく、あくまでもスタートから持って行かなくてはなりません(ゴールに置くことは可能)。装備規定にも水のことは書いておりませんでしたし、天候・自分の状態等を総合的に考えながら、決めるしかないかもしれません。

 ルートを外してしまった(緑の部分)  赤に行くべき所を、オレンジに行ってしまった

 下のトラックログで「S→A→B→C→A→D」と1周できて、自分の後ろに4人ほど(記憶)いて、ちょっと気持ちが緩んだか、ルートを外してしまった。気持ちが緩んだとしか思えないミスで、確かに主催者からは「旗のある、トレース」のあるルートをと言われていたけど、よくよく考えればわかること、上の「ルートを外してしまった」の地点で、まっすぐ行くところを、わざわざ右へ曲がってしまった。トレースはずっとあったけど、やたら薄いし、旗が出てこないので、間違いに気づき、引き返す。滑ってくるボーダーに途中で会ったものの、他に一人もおらず(当然)。出発前は、レースが怖くて仕方なく(自分の意思で参加したのにね)それが、「S→A→B→C→A→D」と1周できて、「いけるかもしれない」と気持ちが大きく変わって、ルートを外してしまった。それでも来た道を引き返し、主催者に大きな迷惑をかけなくて良かった。
 道を間違えた後の、登りがやたら長かった。後ろにいたはずの人も間違えた間に先に行ってしまったか誰もおらず、自分との戦いになる。ペースががくんと落ち、止っては登り、止っては登りになってしまった。

今回のレースの断面図(自分の場合)

 G地点(下のトラックログで)でタイムアウトと言われる、欲を言えば、ひどく遅れたのでタイムアウトになっても仕方ないけど、
 手前で「急がないとタイムアウトになりますよと言ってくれればもう少しがんばれたのに」というのは、ありました。
 「鳥のように羽が生えていたら、空を飛べるのに」
 仮定法のように、現実離れした「言って欲しかった」ですが…、タイムアウトで当然の時間なんですけど
 最後尾(自分)が到着したところで、スタッフの方も片付けに入る、寒い中ご苦労様でした。
 H地点(下のトラックログ)で、正規ルートから外れ、下山ルートをとる。H〜D手前までは赤の旗はなし。

 ゴールに向かうも、正規の人とは正反対の方から向かったので、全く無反応(怒られなかっただけまし?)。でも、ゴールに来たことを伝えるとスタッフの方は喜んでくれた。

 男子表彰  女子表彰

 最近、クライミングがオリンピックの競技になるかと騒がれましたが、ある意味欧米ではクライミングより先に、山岳スキー競技がオリンピック競技になる可能性もあるとのことです。日本ではいまいち、ぱっとしませんが、おそらくはクライミングならクライミングジム、それを後押しするような団体があると思いますが、山岳スキー競技は参加が個人の範囲に限られているので、それほど参加者が爆発的に増えないのだと思います。既存の山スキーをやっている山岳会、もしくはテレマークスクールを上手く取り込めば、もう少し増えると思いますが、自分には正確なところはわかりません。

バス停の隣のお土産屋に、貼ってあった広告

 ホテルに戻って、同じテレマークで参加の方から、「テレマーク少ないので来年も参加してください」と言われる。タイムアウトだったこともあり、「来年も…」と言われて救われた気がした。
 【最後に】一度は参加したいと思っていた大会に、参加できてよかったです。

今回のレースの自分のトラックログ
(赤:シールで登る、黄:滑る、オレンジ(A〜C、E〜F):板をザックにつけつぼ足で登る)
S→A→B→C→A→D→E→F→G→H→D
正式なルート
Hからさらに
H→X→A→B→C→A→D(ゴール)です
ショートはH→X→A→Dです。

山岳スキー部門男子1位の方の結果、1:51:43.9
テレマーク部門男子1位の方の結果、2:54:16.8

今回レースの自分の「速度/時刻グラフ」
(シールで登る:区間1・3・6・8、滑る:区間2・5・9、板をざっくにつけつぼ足で:区間4・7)


戻る