堀内沢 マンダノ沢+部名垂(へなたれ)沢下降

日付:2013年9月21−22日(前夜発、翌朝着)

L:F川さん、メンバー:S木2さん、自分

今回の山行の大まかなルート図
(沢:赤、林道:黄)
今回の山行のさらに大まかな位置図(赤丸あたり)

9月20日
 家で夕食を食べていたら、集合時間に間に合いそうもないので、電車の待ち時間を利用して、その間に夕食を食べる予定を立てる。でも、電車が遅れて、上手くいかず。
【コースタイム】22:05 浦和IC
 今回は車中泊、寝るスペースはあったものの、妙にしっくりこず、自分が快適な位置を探して、ああでもないこうでもないとしてしまい、隣のS木2さん、ごめんなさい。

9月21日
天気:曇り時々雨
【コースタイム】1:40/5:10 長者原SA(仮眠)−6:35 盛岡IC−7:50/8:30 夏瀬温泉−10:40 朝日沢との二俣−12:20 八龍沢との二俣−16:10 テン場

夏瀬温泉出発 8:35 夏瀬橋

 【今回の服装(どれほど寒くて、暑かったかという意味で)】沢の中では、自分のいつもの格好(ファイントラック下着に、山用長袖、沢用ズボン、厚めのネオプレーン渓流ソックス、スパッツ、リストバンド、指空きグローブ)。21日夕方雨が降ってきたので、雨具上を着て、焚火の火が強くなってきた頃、脱ぐ。寝るときは雨具上を着、シュラフカバー一枚に、インナーシュラフ一枚(薄めのシュラフ)で、ちょうど良かったです(タープ+ツエルト)。

9:07 欠けた橋(標高160m)

 写真には撮りませんでしたが、下流部でツリフネソウが(群生というわけではないですが)多く咲いてました。ツリフネソウの中でも花が黄色い、キツリフネも点々とありました。
 栗より小さな実が落ちていて、F川さんより「トチノミ」とのこと。

9:25 9:28 下の「今回の山行の位置図」D地点・入渓地点

【今回の水量】通常より多め(入渓点までは、水量が少なかったです)

9:30 取水堰

9:30 最初は、河原歩き

【他のパーティー】出発の夏瀬温泉で、途中まで同じルートを行くという二名パーティーがいましたが、別のルートに行ったのか、通過した形跡は見られず、他に山中で一人の人にも会わず。

9:45 倒木は多かったです

10:05 膝より超える渡渉はほとんどなかったです

 渡渉は、水量がもう少し多くなると厄介でしたが、多くがひざ下で、問題なく通過できました。

10:18 左はじを行きました 


10:20 左岸にあった洞穴

10:35 

 

10:40 ヤマカガシ
 あと、マムシもいました

 魚影は上流の方で何度か見ましたが、思ったよりも少なかったです。

10:40 朝日沢との二俣

10:40 朝日沢との二俣
 下の「今回の山行の位置図」E地点、標高280m

10:59


11:00 標高330m二俣?

【今回の自分の読図(登り)】登りはそこそこ読めました。百点満点とはとても言えないけど、合格点は出しても良いと思う。今回、沢に入る前、車に乗る時から現在地を把握するよう試みた。地図読みとは先読みである以上、突然、現在地について「さあ、地図読み」よりも、車に乗る段階から把握していた方が現在地の理解がしやすい。精度は荒くて良いけど、「車に乗る段階から、きちんと自分がどこにいるか把握」、やっている人からすれば当然ですが、次回から、きちんと把握するようにします。
 あと、今回、なだらかな部分と、滝の多い部分との、差が大きかった。支沢、支尾根だけでなく、勾配についてもきちんと。

11:35 三角錐の岩 三角錐の岩と100mスラブ

 堀内沢の象徴である「三角錐の岩」ですが、倒木に覆われて、単なる通過点になってしまいました。

12:10 八龍沢との二俣の手前の二俣


12:20 八龍沢との二俣

12:20 八龍沢との二俣(標高400m)、下の「今回の山行の位置図」F地点

12:40

【今回のルート(登り)】標高400mを過ぎた12時45−13時、蛇体淵を過ぎた20分ほど、898mを過ぎた滝一つ、二日目9:30の滝、それを除けば、ロープを出すような所はほとんどなく、残りはなだらかな部分と、傾斜はあるものの、登ることが可能な大岩部分の通行でした。

12:45 10m?

12:52 2条10m 小さな懸垂をする自分
S木2さんより、いただいた写真
ありがとうございます(以下※)

 左を巻きました。ちょっとうろ覚えですが、左の支沢を上がったものの、上手く滝に下りれず、ずいぶん上がり、トラバースするところで、F川さんにロープを出していただき、最後は小さな懸垂をして沢に下りました。

【今回のロープワーク】12時52分2条10mの後、たぶんその次の12mの滝だと思いますが、リーダーがトップで、ロープを出してもらいました。自分のロープワークは、ぎこちなく、ロープワークについて数をこなせなければならないことを痛感しました。ハーケンを抜く際、ハーケンをしまうセットのカラビナが小さく、またハーケンを落とさずに処理する方法について理解も足らず、なんとか回収できましたが、時間がかかってしまいました。

(※)ビレイの準備(12mの滝)

 最近は、『「他人と一緒に登る」ことに迷いが生じている。」→単独行』など考えていましたが、確かにそういう面もあることも否めないですが、それよりも数をこなし、ロープワークについてもっと習熟しなければならないと思いました。優先順位として、単独行より、ロープワークをするような沢です。東北の沢は案外、沢歩きが多く、単純にロープワークトレーニングだったら、奥多摩か丹沢の沢に通い詰めた方がよいかもしれません。
 逆に、今回、自分のロープワークはぎこちなかったものの、沢歩きの部分では、S木2さんも歩くのが速く、速いペースで多くの部分を通過できたと記憶してます。

14:40


14:55

 この頃、雨が降ったりやんだり、何度か荷物を降ろして雨宿り、おかげでバテルことなく進めました。

16:08 滝を過ぎたら、渓相が穏やかに


16:10 蛇体淵手前のテン場(標高770m)、「今回の山行の位置図」G地点

蛇体淵(薪を取りに行ったついでに撮る)

 薪は豊富にありました。テン場についてから寝るまで、雨は降らず、雨の中設営をすることもなく、薪を集める必要もなかったです。リーダーの雨宿り作戦、大成功。

今回のテン場
 ツエルト+タープ


焚火は一段下の河原で

 夜23時ころ、まさかの大雨、天気予報はハズレだ。1時間ほどで止みましたが、だいぶ動揺したのか、それ以降はほとんど、うとうとでした。

9月22日
天気:曇り時々晴れ
【コースタイム】6:05 テン場出発−7:00 上天狗沢との二俣−7:35 下天狗沢との二俣−9:15 1070m二俣−11:35/11:55 (羽後)朝日岳−12:30 下降点−16:30 林道−18:10/19:10 夏瀬温泉−20:30頃 大曲IC−22:00 前沢SA(仮眠)

 4時起床のはずが、気がつくと4時半、いつもなら自分が予定の時間になって起きると、F川さんも起きるのですが、今回は起きず。狭いツエルトの中で、全員が動いても仕方ないと思い、沢靴を履いてから起こしたら、「もっと早く起こしてくれ」と言われた。そうか、なるほど。
 予定の起床より30分遅れ、時間もないし、とりあえずガスを使ってお湯をわかす、(焚き付けとなる小枝はまとめてテント内に入れていたので濡れていないのですが)昨日あんなに降ったのに、問題なく焚火がつく。「焚き付けとなる細かい枝が乾燥していれば、それが燃えているうちに、表面に降った雨は乾燥して、少し濡れていても火がつく」のでした。

6:04 さあ、出発

 蛇体淵は、右を巻きました(滝の写真、前日の部分にあり)。

6:12


6:16 2段7mの滝
 右上を行きました。かぶっていて通過しづらかったものの、ゆっくり行けば問題ないと思います。


6:50

6:56 穏やかな渓相


7:00 上天狗沢との二俣 休憩

7:00 上天狗沢との二俣(標高870m)、下の「今回の山行の位置図」H地点

上天狗沢の入り口にある8mの滝(写真のみ)

 左に進むと、上天狗沢で、8mの滝にぶつかりますが、自分たちは右へ行きました。休憩の際、時間があったので、滝の写真だけ撮ってきました。
 898m二俣までは、なだらかな河原歩きでした。

7:35 898m二俣
 下の「今回の山行の位置図」I地点
 左下に写っているのは指です。
 すみません。
右へ進めば、現れる滝

7:35 898m二俣
 左へ進みました。

7:40 4mトイ(右下のみ※)

 4mトイは、最初、自分が水流沿いルートを挑戦しましたが上がれずout、続いて挑戦したリーダーが右から、左に移り、水流沿いを登るルートで、お見事clear。水をかぶるものの、なんとか進めました。

7:50

 滝を上がった所で、待つように言われるのですが、少しでも先へ進んでルートを確認したく、もう少し進みたい。どんな滝でも、瞬時に、どこを登るか判断できれば、良いのですが、それができないので、少しルートの先へ行きたくなる。自信がつけば解決できるのか、それとも我慢がたらないのか。

8:10 


8:20 (※)

 S木2さんから写真をいただいて、思い出す。左から自分が行こうと思ったものの、最後の部分が上手くいかず(右上写真)、結局引き返して…、ロープなしで、右を行ったと思います。

8:38 左を登りました


(※) 8:45

 自分の写真を見て、改めて思うことは、偶然かもしれないけど先ほどの写真と同じ体勢、そして、この体勢はあまりよくないと思う。ある意味、棒立ち、もっと腰を落とした方が良いと。 

9:15 標高1070m二俣

9:15 標高1070m二俣、下の「今回の山行の位置図」J地点

9:23 左を登りました


9:28 遠くの山が見える高さになってきました


9:28 6m滝 9:37 リーダーがピンソール(簡易アイゼン?)で登る 登るS木2さん

 6m滝は、水流左か、滝の右側部分の草つきを登るかの2パターンがあり、水流左は上部が難しそうなので、右側部分の草つきを登ることになりました。草つきという事で、自分は用意していた簡易アイゼン?(商品名:スーパースノーアイスパッド)を使って、ハンマーを使って登ろうとしましたが、自分の「簡易アイゼン?」は、つま先の部分にとげのないタイプで、急斜面は全く登れず、敗退でした(そもそも凍った路面や固められた雪面用とのことで、急斜面の草附きは用途外でした)。それに対し、リーダーの持っていた、ピンソール(簡易アイゼン)はつま先にもとげのあるタイプで、急斜面の草つきでもきちんと使えていました。
 まず、リーダーが空身で登り、ザックを上げ、2番手S木2さん(空身、ロープFIx、ごぼう、タイブロック)、最後尾自分(空身、ビレイしてもらう)で登りました。ザックを上げるとき、ショルダーベルトに結ぶスリングですが、当初はショルダーベルトの真ん中あたりでセットしましたが、それではバランスが悪くショルダーベルと上部、肩の辺りがいい、とのことです。S木2さんは、自分たちのようにフェルト沢靴でなく、草附きに強いラバー沢靴だったので、登れたかもしれませんが、登り終えたリーダーに、ピンソールをロープで渡してもらい、ピンソール装着で登ってもらいました。自分は、ビレイしていただき、自分の簡易アイゼンで登りました。慣れておらず、テンションを3回ほどし、ごぼうで登る。ハンマーを使って草附きを登る行為も、慣れていませんでした。

10:15


10:20 ちょっと強引な合成写真


10:34


10:39

10:45 高度計の標高1180mにて、水を汲む
11:00 高度計の標高1225mにて、水枯れる。
 低木が点々とあり、それをつかむことで多くが登れましたが、全般的にアザミが点々と生えていて、つかんでしまって、とげが痛い痛い。

11:25 低木帯を抜け、あと少しで尾根に


  11:29 尾根にのる、山頂はもう少し

 尾根にのった、さあ休憩だ。と思いきや、山頂は近くなので登るとのことです。山頂まで、今度はなだらかな草附き、それが疲れているのか、上手に登れません。リーダーや、ラバー沢靴のS木2さんは登って行きますが、自分は再度、「自分の簡易?アイゼン」を装着したら、見事、役に立って、草つきを通過できました。急斜面では役立たずですが、微妙な傾斜なら、ないよりあった方が良いです。
11:35 (羽後)朝日岳山頂(1376m)(高度計の標高1350m)
 下の「今回の山行の位置図」K地点

朝日岳山頂 (※)


朝日岳山頂からの眺め

11:55 山頂を出発
 しばらく草附きが続くので、念のため、「自分の簡易?アイゼン」を外さずにいたら、数分でどこかに片方がなくなってしまい、踏み跡はあるものの半分は藪漕ぎ、のようなルートを歩いていたら、もう片方もなくなってしまい、帰ってから使用上の注意を読むと「激しい動きにより、外れてしまうことがありますのでご注意ください」とのこと。重量:約48g(1ケ)(ちなみにF川さんピンソールは130g)と、持って行っても邪魔になりませんが、他の人にはあまりお勧めできないことが今回わかりました。
 商品名(スーパースノーアイスパッド):軽くて邪魔にならないものの、急斜面では使えず、無くしやすい、微妙に通行が不安な場合、役立つことがある。

ハクサンイチゲが山頂近くで、多く咲いていました

 お盆の北アルプスに行くと、たいていちょうど咲き終わっていることの多い、ハクサンイチゲが咲いてました。咲き終わっている個体があるものの、まだ咲いている個体も多くありました。

12:08 振り返って、朝日岳


   12:17

12:30 稜線から外れ(高度計の標高1250m)、部名垂(へなたれ)沢の下降開始
 下の「今回の山行の位置図」L地点

12:50 水が現れる(高度計の標高1180m)


【今回のルート(下り)】最初の1時間くらいが急で滝も多かった。難しそうな所にはたいてい、トラロープがあり、それを利用すれば、懸垂で下りるような箇所は特になし。

12:52


13:17 20m

【今回の読図(下り)】今回、地図読みについて思ったのは、地図を読むのに必要なのは「集中力30%、そもそもの山を歩く体力30%、地図読みの技術40%」かもしれないということ。沢を下降して、30分ほどで地図を読もうとすると、リーダーより「ここは地図を読まなくてよいよ」とのこと、それを自分が曲解したのか、体力的に疲れたのか、集中力がなくなったのか。下降では地図を読むのをやめてしまった。「ここは読まなくてよい」それがどういう意味かきちんと理解するうえでも、訓練の為、地図を読んでおくべきだった。下りの地図読みについては、とても合格点を与えられません。
 この頃から、疲れが出だし、ついていくものの遅れがちになる。地図を読まないと、現在地が分からなくなり、ペースがつかめないのでさらに疲れる。林道に上がるところで1回、元来た道に戻る地点でもう1回、ルートミスをしましたが、後から考えれば当然ですが、きちんと地図を読んでおくべきでした。バテそうになるものの、なんとかバテることなく、最後まで行けました。

13:25 10mの滝

 カメラのレンズ内に細かい水滴、防水デジカメなのですが直にポケットに入れていたのが良くなかったか、(手間がかかるので最近つけなかったが)濡れるような沢では、次回から、カメラのカバーをつけてみます。

15:20 堰堤

15:28 堰堤

 この後も、堰堤が2つほどありました
15:50 登山道、下の「今回の山行の位置図」M地点
16:30 林道、下の「今回の山行の位置図」N地点
 堰堤の左を通過する登山道が連続したので、根拠もなく左へ行ってしまったが、地図を見れば途中から右になる。登山道を見失い、10分ほど歩いたところで、林道が出てこないとおかしいということで、右岸の斜面を10mほど上がると、無事、林道に合流。

16:43 夏瀬温泉まで3.9km

16:43 堂田との分岐(夏瀬温泉まで3.9km)
 下の「今回の山行の位置図」O地点
 分岐を過ぎた後、C地点まで来て誤って、D地点の方に向かってしまう。前日9時25分の写真の看板が現れ、これは違うという事に気づき、来た道を戻りました。18時少し手前より暗くなってきたので、カイデン行動となりました。
18:10/19:10 夏瀬温泉
 時間外でダメと言われたけど、温情で入れてくれた。温泉内にあるものの一つ一つに趣があった。この湯温でかけ流しというのはやはりすごい。

今回の山行の位置図
A(夏瀬温泉)→B→C→D(入渓点)→E→F→G(今回のテン場)→H→I→J→K→L→M→N(林道)→O→C→B→A

19:45/20:05 夕食をとる
20:30頃 大曲IC
22:00 前沢SA(仮眠)

9月23日
【コースタイム】0:50 前沢SA−5:50 浦和IC

【使わなかった装備】共同装備:特になし、個人装備:(結果論として)防寒着、タイツ、細引、釣り道具、その他非常装備、今回の自分の忘れ物:クマよけ鈴

 撮ってきた写真を整理して、「悪い沢ではないな」と改めて思う。帰ってきた直後は「悪い沢ではないけど、往復16時間かけていくほどの沢でもない。特に三角錐の岩頭が、木に覆われてつまらなかった」等思いましたが、三角錐の岩頭については、地味になってしまったことは否めませんが、今回、天気が悪かったこともあり、自分の調子も悪かったこともあり、それほど悪い沢ではないと思います。

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