権現山・地図読み訓練

2013年6月30日
【天気】曇り一時小雨、一時晴れ

 自分には本当にこういったことが多くて、申し訳ないですが地図読みにつきまして「自分の中で、知識としてはありましたが、体系化・血肉化されていなかった」ということです。迷った地点は、注意して行ったにもかかわらず、迷いました。遭難したわけでもないし、下山時刻は常識の範囲内で帰って、問題ないといえば、問題ないのですが、同じ間違いをもう一度しないように再度整理します。 

今回の山行の大まかな位置(登り:赤、下り:黄) さらに大まかな位置図


単独
【コースタイム】 9:16/9:20 浅瀬入口−11:20/11:50権現山−12:00/13:45 迷った地点−14:15 ミツバ岳−15:00 滝壺橋−15:22 浅瀬入口

9:20 小雨がぱらついてきましたが、出発

 高度計を350mにセットし、記録用にGPSの電源も入れて、出発。
【事前の推測】(ここで書いている事前というのは、行きの電車内です)
(1)出発→560m
 基本的には急な一方的な登りで、560m手前で傾斜が緩くなる
 水道管脇を進み、送電線が560mで交わる。
 右に661mからの尾根が見える。
 560mでは、右に小さい支尾根、左に大きい支尾根1本、小さい支尾根1本

直進すれば急なルートでしたが、ジグザグ登って行ったので

【実際に登って】
 直進すれば急なルートでしたが、ジグザグ登って行ったので、きつい登りではありませんでした。
 樹林帯の中でもあり、右に見える「661mからの尾根」は、「それらしき尾根」程度
 樹林帯の中でもあり、560m小ピークでは、送電線はほとんど見えず(手前では見えた)。

鹿除けの柵は、ほとんど開いてました

途中で見えた水道管

9:40 560m小ピーク

【事前の推測】
(2)560m→661m
 560mから20mほど下り、その後はゆるやかな登り、661m手前で傾斜が少し急になる。右に支尾根、
 さらに左右に支尾根で661m小ピーク

キノコが多くの場所で見られました

【実際に登って】
 551mから4〜5mくらいしか下らなかった。661m手前の急な登りは分かりやすかった。急な登りの後、661手前に右に支尾根、次の左への支尾根は少し下ると明瞭。右に支尾根はわかりませんでした。
 661m小ピークで、高度計の標高655m
 この頃から、小雨やむ。

ミツマタも、そこらじゅうにありました

10:05 661m小ピーク

【事前の推測】
(3)661m→756m
 20mほど下る
 右に支尾根の地点でルートが左に向かう。
 さらに進んだところで、左に支尾根(この付近多少傾斜急)(少し手前で送電線と交わる)
 基本的に、緩やかな登り
 756mで左に支尾根、ルートは少し右に向かう。
 

10:30 図鑑で調べましたがわかりませんでした

【実際に登って】
 「右に支尾根の地点でルート左」踏み跡が尾根上から外れていたこともあり、わからなかった。よくよく地図を見直すと、尾根が出だすのはずいぶん右にいかないとわからない。今から考えると、読めなくて当然だった。
・尾根から出ている支尾根は、少し支尾根を下りないとわかりずらいことがある(これも知識としてはありましたが、自分の中で体系化・血肉化できていなかったようです。
 10時33分、高度計の標高730m地点で、756mかと思うけど、実際は少し先、10時40分 高度計の標高750mが756m小ピークでした。後から考えれば、756小ピークの手前は平らなのですからわかるべき。

10:33 高度計の標高730m地点

地図読み訓練というもの
 行く前は無自覚でしたが、行ってみて思うには、地図読み訓練ですることは二つあり
 (1)地形図を読む訓練(クライミングに例えるとフリー的)
 (2)ルートを外さないで、目的地に向かう訓練(クライミングに例えるとアルパイン的)
(1)ばかり気が入って、(2)をもう少しすべきでした。また、単独行の地図読みは(1)を重点的にするのは向いておらず、(1)を重点的にするのはパーティーで行うのが良いのではと思います。(1)も確かに必要ですが、支尾根の尾根からの派生が明瞭でない場合、単独ではルートから大幅に外れる等、避けた方が良さそうです。これとは別に、単独行はやはり必要です。単独行をしてみないと、自分の力というのはわかりません。パーティーで行くと、どうしても頼ってしまってそれを自分の力だと思ってしまう、というのはあります。単独行は、一ランクレベルを落として、ゆとりのある計画で行きましょう。

10:40 高度計の標高750m(756小ピーク)

 改めて、再認識「ルートをもっと概念図化すること。言葉だけでは、限界がある。」

【事前の推測】
(4)756m→権現山山頂(1018m)
 10mほど下って、その後急な登り、
 900m付近で右に支尾根(小さい)、970m付近で右に支尾根(大きい)があり、ここから傾斜が緩やかになる。
 990mで左に支尾根
 山頂は左右に支尾根、少し右に上ノ原に向かうルートの支尾根。 

案外、生えている所には生えていますが
 ホタルブクロ

【実際に登って】当初予定していたような支尾根の確認が思うようにいかないことが、この頃さすがにわかってくる。それでもルート自体は間違わずに無事山頂へ。思うようにいかないことはわかりつつも、ではなぜ、思うように行かないのか、把握できす、混乱した状態でした。

ジゴクノカマノフタ(キランソウ)

11:15 山頂は近い

マユミの花が点々と咲いていました

11:18 見えた山頂

11:20 ピンボケのピーク写真

11:20 権現山山頂(1018m)(高度計の標高1010m)
 ベンチがあり、昼食。今回、他の登山者は、10時ころ会った一人のみ。山頂手前でタヌキがたどたどしい歩調で駆け抜けていく。カエルがいて蛇もいた。支尾根が読めないことに戸惑いつつも、無事山頂に着いたこともあり、この先も問題なく行けると思っていた。
11:50 出発

【事前の推測】
(5)山頂→900m
 緩やかな下り、右に支尾根があり、さらに少し下った所で(900m)、左の支尾根にのる

右の写真を拡大 11:57 もうすぐ問題の地点(下の図でA点)

【実際に登って】沢の方が尾根より、地形を把握しやすいのだろうか。沢は水が流れていれば地形的にあいまいでも判読しやすい。それにしても、尾根の張り出しの判読について、理解がたらな過ぎた。「もうすぐ問題の地点」の場面で、「右の写真を拡大」とのように木に赤でマーキングされていて、「ミツバ岳は左」のようなことが示されていました。気がついて、尾根を探したものの、「尾根の張り出し」について無自覚だったので、通り過ぎてしまった(逆に、あまりにもわかりやすく表示がされているのも考え物である。自分のような、勘違い者に、ある意味気づかせてくれるような場があってほしい。このルートは入り口に何度も、「初心者は入山禁止」と書いてある山です)。で、その次の尾根上から見える支尾根(B地点)をああでもない、こうでもないと考えてしまった。さらに、「ミツバ岳は左」のようなことも確かに示されているものの、その先を左に行かずに直進すると明白な赤マークが点々とあり、そっちに引き込まれてしまった。
 高度計をよく見なかったというのも、通り過ぎてしまった遠因の一つ。

同じ間違いをしませんように
 A:正解

B点からC、Dの方向を見る

C点

Aから正規のルートに下りる踏み跡は、山頂から下りる段階ではほとんどわからなかった。踏み跡という点では、むしろ、B、C、Dの方がはっきりしていた。

12:30 D点

D点から間違えて下りてしまった尾根

12:40 この明瞭な目印はなんだ(標高790m)

 この頃から、現れるはずの791mコルが現れないのでおかしいとは思うものの、踏み跡も明瞭にあり、方角的にも間違っていないので、それほどおかしいと思わなかった。でも、さらに進んでもコルは現れず、踏み跡も怪しくなってきて、なんだか沢の音が聞こえだして、標高692m、12時57分でいくらなんでも違うと下りてきた道を引き返す。登り返す最中、高度計を見ると、表示がmbrになっている、「やばい、高度と気圧を見間違えた?」なんてことも考えてさらに混乱する(表示が気圧をしめしたのは1度だけのようでした)。
 標高875m(C地点)まで登り返し、踏み跡もあり、少し下りてみる。途中で踏み跡がなくなり、これは違うと思う。「単独行だし、もうあきらめて、下りたこともある上ノ原へのルートをとろう。」とも考えながら、来た道を引き返す。あきらめながら、高度計の表示を見ながら、ここらへんかと思って見渡すと、見たこともない明瞭な踏み跡が、「これだろう」13時45分、ようやく下山ルート発見。

【事前の推測】
(6)900m→ミツバ岳(834.5m)
 出だしが急な下り、791mにコル、右に支尾根、ルートが少し左になる
 緩やかな登り、左に支尾根の地点でルートは少し右に向かう
 835m小ピークは右に支尾根2本
 少し緩やかに下って、コル、また緩やかに登ってミツバ岳(右に支尾根)
【実際に下りて】
 791mコル確認。よかった、よかった。この頃から、事前に考えた、支尾根を読むことを完全にあきらめる。

14:15 ミツバ岳山頂 左の写真を拡大

【事前の推測】
(7)ミツバ岳(834.5m)→滝壺橋(325m)
 すぐに、小さなピーク、左に支尾根
 少し進んだところで少し左よりの尾根にのる
 左に曲がりながら丹沢湖へ(501m小ピークが左に見える)
【実際に下りて】左に曲がることを意識しながら下る、うん大丈夫。

14:23 丹沢湖

14:58 滝壺橋
 ゴールは近い

15:00 無事車道に出る

15:22 浅瀬入口
 次のバスまで時間があり、次のバス停には自動販売機、トイレもあるので、次のバス停まで歩きます。

15:25 永歳橋を渡る

15:35/16:02 丹沢湖(バス停)−16:54/17:02 新松田駅

今回の山行のトラックログ(登り:赤、下り:黄、車道:緑)
小さいザックで行ったら、GPSが上を向かないことが多く、荒れたトラックログでした


道迷いになった原因
・無雪期(冬なら…)低山の樹林帯の中で、尾根を読むことの理解が足らなかった
・ルートを外さない方法(尾根の真上を歩くのでなく、下りる側を歩く、等。今回の場合、左の支尾根を下りるので、尾根の真上でなく、少し左側を歩くと見つけやすい)も、挑戦すべきだった。
・高度計をもっと確認すべきだった。
・今回、カシミール3Dの地図を用いて、それに「尾根線、目標物等をパソコン上で手書き(マウス書き)したもの」を読図用地図として用いたが、尾根の線が太すぎて、目標物のマークが大きすぎて、読図がしずらい面もあった。カシミールその他も含めて、自分に合った、地図の試行錯誤が必要。
・距離感ができていなかった。
・もっとルートを頭の中に叩き込むこと必要、ルートを絵で描けるように
・恐ろしいことに、正規の進行方向(Aから)と、誤った尾根の進行方向(Dから)とが、方角的にほとんど同じ、尾根が平行に走っている。コンパスで進む方向を確認するだけでは、誤っていることに気がつかない。
・迷ったら、別の場所にいる可能性はないかきちんと確認。Dの尾根にいるときに、似たような地形を誤って下りていないかきちんとチエックすべきだった。Aの尾根の周囲に似たような地形があることを事前に把握しておけば、もう少し自分の過ちに早く気がつけた。

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