抱返り沢

日付:2012年9月1−2日(前夜発)
L:S野さん、メンバー:Y田さん、自分

8月31日
【コースタイム】23:00 所沢IC

9月1日
天気:晴れのち曇り、一時雨
【コースタイム】0:15 水上IC−0:25/6:05 道の駅(水上町水紀行館)−6:25/7:00 駐車場−8:30/9:00 入渓点−14:00 テン場(下の行程図でD地点)

今回の山行の大まかな位置図
 赤:登山道、黄:沢登り(共に手書き)

【今回の服装】沢の中では、自分のいつもの格好(ファイントラック下着に、山用長袖、沢用ズボン、薄めのネオプレーン渓流ソックス、スパッツ、リストバンド、指空きグローブ)。水を汲んだ地点でリストバンドを外しました。就寝時はシュラフカバーでちょうど良かったです(自分の場合)。

8:55 入渓点より

入渓点の高度計の標高860m

9:00 6m魚止めの滝

 魚止めの滝は、左を登り、最後の部分を左に巻きました。

9:25

9:30 何はともあれ、雪渓

9:32 箱のような長い淵
 前回来たときは、泳がなければならなかったのに

【今回の水量】支沢の白樺沢ですが、前回来たときは、染み出るように水が流れていましたが、今回は枯れ川でした。水底を見ると、雪渓からの細かい枝等がだいぶたまっていました。細かい枝等を流すほどの、雨が最近降っていないということで、このような状況だったら、「箱のような長い淵」はどうなっているのだろう、と思って進んだところ、前回泳がねば通過できなかったのに、今回は腰までで通過できました。
 水量が少なくて、通過が楽な分、ぬめっている箇所も多く、水量が少なければ少ないなりに、難しいところはある、のだと思います。

腰までで通過

9:40 ちょっと合成しましたが、3段30m大ナメ

9:55 こっちへ行けば抱返り沢
 50mの滝

 ここまでは、湯檜曽川本谷に来た時も来てました。前回の自分の記録を見ると「「確か登らないはずだけど、登るルートしかないのだろうか」と思いながら近づいていく」とありました。もっと怖がっていたと思いましたが、思ったより冷静でした。遠くから見たときは迫力があり、登れるか不安でしたが、遠目にはとんでもない岩場も、弱点をつけば案外登れるものです。滝の右側を登り、藪に入った方が良い時は藪に入りました。

9:55 こっちへ進めば、湯檜曽川本谷

10:10 こっちへ進めば、大倉沢

11:30 申し訳ないです
 レンズに水滴がついてしまいました

 ぬめっている岩が多い。なぜ、こんなにぬめる? 水際が全てぬめるのではないだろう。北側斜面とか、南側斜面とか関係有るのだろうか。地形的なものなのでしょうか。気温でしょうか。
 先頭を多くの場面で行きましたが、後ろの人まで登りやすいルートを選んでいる余裕がなく、結果、自分の進めるルートとなってしまってます。自分のクライミングは人が登れない所は登れて、人が簡単に行けるところで苦労したりします。ある意味当然ですが、自分の場合、それがひどいと思います。かぶった所が得意で、スラブ、ぬめりが苦手。室内壁トレをすると、こうなるのでしょうか。もっと整理、もっと整理。

11:30 

 事前に過去の記録等を読んではいるものの、「読んでるつもり」でしかなく、後になってみると、目を通しただけで読めていない。前回K林さんの記録は、自分が書き損なった箇所を良く書いていると思います(鈴蘭ホームページの2003年の記録です)。

12:30 

【今回のロープワーク】今回、ロープが使われたのは、13時15分の場所、一か所のみでした。Y田さんが、先頭で行き、高度感さえなければ、それほど難しいところでもないのですが、高さがあり、ついうっかりが許されませんので、やはりロープが必要ということで、1−2m先のY田さんにロープを投げ渡しました。しばらくはうまくいっていたのですが最近、また、自分のロープ束ねが迷走してきて、投げる前に、ずいぶんばらけてしまっていて、S野さんがビレイ中、ロープが絡まることとなってしまいました。家に帰って、改めて本などを読んで、一番修正すべきなのは、「ロープを折り返して巻きつける際に、折り返す部分が長すぎて、ずいぶん余ってしまっている。そのため、緩みやすくなっている」のだと思います。
 クレムヘイストも家でチエックしたものの、実際にロープで確認したわけではなく、どうもしっくりこず、結局前回と同じ。

13:15 高度感さえなければ、ロープを出すほどでもない場所ですが

【今回のルート(登り)】13時にロープを使って、通過した場所があり、そこまでは点々とテラスがあるものの、基本的に延々と続くスラブ登りでした。ロープを使った場所から、渓相は一変し、急に穏やかな、川歩きとなりました。

14:00 この滝の、少し手前の地点を、C1としました

 テン場の高度計の標高1420m。右から支沢、手前に10m滝の地点。下の今回の山行の行程図(一部)で、D地点
 出発前はもっと高いところ(標高1580m付近)に、テン場を求める予定でしたが、時間的にもちょうど良く、整地すれば3人ぐらいは泊まれる箇所もあり、増水したら避難できそうな高台も(湿ってますが)あり、この先登ってもそれほど良いテン場もなさそうなので、消去法で、本日のテン場決定。
 Y田さんより、「ハンマーを使って、砂利等をどけて整地」とのこと。ハンマーという道具は、使おうと思えば、いろんなところで使える道具のようです。
 今回は、ツエルトにタープ。

焚火、出発前はもっとテン場を高いところに求める予定で、そこに泊まったら薪も少なく、焚火はしないつもりでしたが

 標高1580m付近に泊まったら薪も少ないことが予想され、焚火はしないつもりでS字も(車の中に)置いてきてしまいましたが、ここなら標高も低く、薪もあり、焚火をする時間もあり、(焚火の準備もできて点けようとすると、まだまだ早いとY田さんより、F川イズムに影響されたか? 言われてみればそうかもしれないと、1時間後ぐらいに着火)、濡れた衣類等も乾かしたいので、焚火をしました。火がついたら、細い薪から太い薪をどんどん。
 当初、焚火はするつもりもなくて、生米でなくアルファ米を持ってきたのですが、せっかく炎もあり、アルファ米を焚火で温めたら火の加減に失敗し、少し焦がしてしまいました。
 夕食をとっていたら、通り雨、ツエルト内に避難、ドタバタしていたら、味噌汁をついだ食器を少しひっくり返してしまいました。ドタバタするだけして、雨はすぐにやみました。

9月2日
天気:曇り、午後より時々雨
【コースタイム】6:30 C1−10:00/10:30 朝日岳−11:30 笠ヶ岳−12:20 白毛門−14:40/15:25 駐車場

 テン場直後の10mの滝は右を巻きました。

先週登った一ノ倉が

 先週行った一ノ倉沢が何度も見える。雪渓がまだずいぶん残っていました。敗退した場所なので、見たい気持ちと、見たくない気持ち。

6:50 

 淵の深い小滝が多かったです。時には暑いので、水の中へ突っ込む。魚影は特に見られませんでした。ただ、カエルは現れて、登山道には小さな蛇もいました(すぐいなくなる)。
 人の好みもあり、体験もまだまだ足りない自分の感想ですが、昨日泊まった所がテン場に一番適していて、上がってもそれほど良いテン場はありませんでした。テン場を探しながら思ったのは、「増水について、自分はただ単に恐れているだけで、実体験を伴っていない。必ずしも体験すればいいというわけでもないですが、どこか自分の言っていることは空想の域を出ないところがあったかもしれません」

6:55

7:00 もう少し登れば、登山道…
 のような雰囲気ですが、先はまだまだあります

7:20 水を汲んだ二俣 高度計の標高1580m
 片方は枯れており、枯れた方へ行きました。自分などは、非常に視野が狭い範囲でしか詰めの藪を見ておらず、源頭に近づいたら、藪の薄いところを狙いながら、とにかく登れば、という安直な考えでした。ガスが出ていて視界が悪ければ思うようにできませんが、Y田さんは、より大局的な視野で、右へ進み、藪の薄い所、沢沿いを目指しながら登山道へ上がる道を探しておりました(自分の理解です)。

ツリガネニンジン

7:45 沢から外れ、右を進みました(下の行程図で、E地点)

7:48 草原を進む

そこら中に生えていた、モウセンゴケ

7:50 視界がぱっと開けて、思わず合成写真を撮ってしまいましたが、あまり意味のない合成写真かもしれません。中央の小高い部分が、1673m地点だと。

8:20 隣の支沢(下の行程図で、F地点)
 行程図より50m位低い地点でした

 Y田さんは、ピンソール(簡易アイゼンという言い方がわかりやすいかも)を持ってこられていて、草つきの通過がずいぶん楽そうでした。自分も以前、「こんなのあるんだ」と思ってピンソールを購入したものの、諸事情あり未だ未使用。必要ない沢は、持っていく必要はないですが、いろいろ試行錯誤してみたいです。

8:22 再び、遡行

8:40 ここで水が枯れました

9:15 1800m稜線

9:33 今度こそ、登山道間近?

 Y田さんが、良いルートを選んでくれたせいか、今回、膝くらいまでの藪が多く、(時折、シャクナゲの密な藪あり、湿原も点々とあり)、藪漕ぎというと自分には苦手意識がありますが、基本的に多くの場面で先頭を行けました。こんなに藪を先頭で歩けたのは、初めてかもしれません。
 登山道を歩いている人が、何度か見えるも、藪なので登山道のように進めず、自分などはここを行ってしまえばと思うルートもありましたが、Y田さんより周囲を見渡すと少し回り道をするものの通過しやすいルートあり、そちらを進む。結局、山頂のすぐ下まで登ってしまいました。

10:00 朝日岳山頂

今回の山行の行程図(一部)
A:入渓点→B:→C:十字峡→D:幕営地点(C1)→E:→F:→G:登山道に合流
沢を水色で手書き、尾根を灰色で手書き

【他のパーティー】入渓点の釣り師を除き、登山道に出るまでは、一人の人にも会いませんでした。登山道に出てからは、ナルミズ沢を登ってきたという学生パーティー5名ほど、単独行の男性、二名のパーティー3パーティー程度。

10:00 右奥が大烏帽子

【今回のルート(下り)】下山路は急降下、平らな所はほとんどありませんでした。鎖のついた岩場有り、トラロープの張られた岩場有り、山慣れした人のコースだと思います。下りはある意味、曇りでよかったです、晴れていたら、景色は良かったもののとんでもなく暑かったと思います(実は曇りでもずいぶん暑かったです)。時折、小雨がパラつきました。

11:25 笠ヶ岳山頂(1852m)
 高度計の標高は1825m

11:45 時折、顔を出すことがありました
 白毛門山頂

11:50 振り返って、左が笠ヶ岳

 一日目は苦手系のスラブで調子もあまりあがりませんでしたが、二日目は基本的に好調でバテルことなく進めました。

12:20 白毛門(1720m)
 高度計の標高は1705m

12:20 下界が見えてきましたが、この後急な下り

14:35 駐車場はもうすぐ
 ここに来た時は、陽がさしていましたが、4−5分後、本降りになりました

 橋に到着した時は、陽がさしていましたが、あっという間に本降り。Y田さんらは、ここで水浴びするとのことでしたが、自分は(雨さえなければ自分も加わるつもりでしたが)水浴びどころでなく、早々に立ち去りました。駐車場奥に、使われなくなったログハウス?あり、雨宿りのため軒下を借りました。でも、軒下に移動したころ、雨はやみました。

今回の山行の断面図(断面図のルートを手作業でしたため、大まかなところはありますが、ご参考までに)カシミール3D使用

【使わなかった装備(結果論として)】共同装備:S字環、個人装備:雨具(結局着ませんでした)、防寒着、ホイッスル、ナイフ、細引、巻紙、ローソク、応急パックとテーピング、医薬品、防虫ネット、防虫スプレー、10mロープ

 所沢から最寄駅に着き、夕食をとり、電車に乗ろうとすると、夕立。実家に着くころは、少し小降りになってました。

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