雪倉岳(栂池〜蓮華温泉〜雪倉岳〜蓮華温泉〜木地屋)
 
2012年5月4−6日(前夜発)

 引っ越し等あり、今シーズンはこれまで長期山行(今回3日間ですが)に行けませんでした。ようやく今回、ゴールデンウィークに行けたものの、自分の準備不足は否めず、来年は、もっと数、質と共にきちっとしたいです。小屋泊まりでしたが、今年も泊まり山行ができて良かったです。

今回の山行の大まかな位置(1日目:赤、2日目:黄、3日目:橙)


L:F浦さん、メンバー:K嶋さん、自分

5月3日
22:30 新宿出発(さわやか信州号)(自分のみ)

5月4日
【天気】 曇りのち雨
【コースタイム】6:00/8:40 栂池高原−9:15/9:40 自然園−11:00 天狗原−12:25 白馬乗鞍岳−14:45 蓮華温泉

ゴンドラ乗り場

【他のパーティー】基本的に大勢の方が来ていました。2日目ルートは渡渉点が不十分なため、渡渉点からは人が少なかったですが、それでも20名は入っていたと思います。

9:30 自然園駅周辺は、まだまだ雪がたっぷり

【今回の服装】半袖山用下着、山用長袖、山用ズボン、ウエアー下、靴下1枚、薄めのキャップ、薄手の手袋、サングラス、寒い時や雨が降った時のみウエアー上を着用

奥の山は、白馬乗鞍岳だと

 出発前にビーコンチエック、まずメンバーが受信、リーダー発信でリーダーがメンバーへ移動、その次リーダー受信、メンバー発信で、メンバーがリーダーへ移動。自分が、リーダーの所へ移動した後、一端、ビーコンの電源を切るよう言われる、「それではビーコンチエックをした意味が」とも思いますが、K嶋さんのビーコンチエックもあるようなのでややこしくならないようにビーコンの電源を切りました。予想もしていないことを言われ、その時はうまく答えられず、自分の理解力不足が露呈されてしまいました。後から考えれば、ビーコンチエックが終わった後、少し離れたところまで進み、次の人のビーコンチエックに影響がないようするのがセオリーだと思います。

9:40 出発

【今回のルート・全体】今シーズン、山に入っていないことはないですが、前半の2つはほとんどガイド山行で、できないこともないですが地図読みをあまりしませんでした。前回、燧ケ岳は天気も良く、地形も単調、トレースも明瞭、で気がついたらほとんど地図読みせず、今回最初で最後の山スキー地図読みとなり、ルートも自分が大雑把な所しか理解してなく、尾根と谷もきちんと記入しておらず、反省あるのみです。2日目雪倉岳の出発前、ルートの地図読みがきちんとできていたらシールを貼る必要がないのは明白なのに、「出発の際はシールを貼った方がいいですか」とリーダーに聞いてしまった。来年こそきちんと。

11:00 天狗原

【今回のルート・登り】雪倉岳(山頂へは行けませんでしたが)への登り、白馬乗鞍への登りで、途中、点々と急斜面(スキーで登るには、つぼ足ではそれほどでもない)がありました。

天狗原から見た白馬乗鞍

【今回の(自分の)登り】これまでシールで登っていてズルズル落ちてしまうことが自分に多々ありました、いろんな人からいろいろフォームを指摘され、今のフォームに落ち着いていますが、今回、登り始めはズルズルは全くなかったですが、疲れてきたり、シールを信じることができなくなったりすると、ズルズルの傾向がありました。今のフォームを下手にいじくるよりも、今のフォームをきちんと自分のものにすることが必要だと思います。
 その他、しいて言えばクライミングサポートを使いだす頃から遅れ始める、というのはあるかもしれません。

山頂手前にて、雷鳥発見
(上写真は右写真を拡大)

 ロープウエー自然園駅を下りた時、栂池自然園の係の人より、ロープウェーを乗った人全員に、栂池の自然の説明がなされました。その中で、雷鳥が見られると聞き、これまで、夏の雷鳥は何度も撮ってまいりましたが、冬の雷鳥は自分の撮った写真がなく、会えるのなら、会いたいと思いました。白馬乗鞍岳山頂手前で会えて、撮れて、うれしいです。雷鳥が現れる時はたいてい、天気が悪い時な気がします。その点ではあまり喜んでいられないのですが、同じ条件なら当然会いたいです。さらに近づこうと思ったら、見失ってしまいました。御利益があるわけでもなく、姿かたちが美しく見て感動、というわけでもないですが、念願がかないました。
 雷鳥に会った辺りから、雪が少なくなり、しばらくの間板をザックにつけてつぼ足で進みました。

山頂手前にて、雷鳥発見
(上写真は左写真を拡大)

12:25 白馬乗鞍岳ピーク

中央奥が大池山荘

13:10 雪に覆われた白馬大池

 白馬大池は途中クラックが入っていて、池の上を横断はできず、池の周りを回り込みました。

13:45 

14:00 蓮華温泉が遠くに見えてきました、滑りこみます

【今回のルート・下り】登りと同様、点々と急斜面があるものの、自分くらいのレベルでちょっと怖いかなと思う程度で、滑るにはちょうど良いのではないかと思います。

14:45 蓮華温泉着

蓮華温泉の建物

 蓮華温泉の客は、ほとんどスキー客でシールがそこらじゅうに掛かっていました。自分たちは、2階の部屋に関西のパーティー3名の方と相部屋でした。おそらくは満員だったと思います。温泉は、外湯があるものの自分は時間が余ったら程度しか考えておらず、2日目夕方はバテていたりと、結局入らずじまいで(リーダーが入ったそうです)、内湯のみでした。内湯は10人程度入れる広さで、湯温はちょうど良かったです。シャンプーとボディウオッシュは、あるものの洗うためのお湯は湯船から。

4日のルートのトラックログ(登り:赤、下り:黄)

4日の「速度/時刻グラフ」(区間1:登り、区間2:下り)

5月5日
天気:晴れのち曇り、夕方雨、昼頃風強し
【コースタイム】7:30 蓮華温泉−9:30 瀬戸川渡渉点(下のトラックログでB)−14:20/14:50 標高2400m地点で撤退−15:50 瀬戸川渡渉点−17:35 蓮華温泉

左が朝日岳

【今回の雪】雪質は、この時期にしては良い方だったと思います。

8:15 下のトラックログでA点

 下のトラックログでA点に来たところで、先行パーティーより「渡渉地点(C点)にクラックが入っているため、雪倉をあきらめるか、別の渡渉点を探した方が良い」とのことで、渡渉点を探しに上流に登山道沿いに向かいます。A点からはしばらく、雪が少ないので板をザックにくくりつけ夏道を進みました。10分程度進んだ後で、雪があるところになり、再度板をザックから下ろし、スキーで進みました。

板を担いで

9:10 (下のトラックログで)B点まで行ってみるも渡渉できるような、個所はナシ 

9:35 渡渉地点(下のトラックログでC)

 A点でクラックが入っていて通行を控えた方が良さそうというCの渡渉地点でしたが、実際に行ってみると渡れそうなので通過いたしました。ただ、ずいぶんな雪解け水が流れていて、(自分の場合)渡るのは勇気がいりました。

11:30 

 11時25分、下のトラックログのD点で、どん詰まり、板を外しザックにくくりつけ隣の沢に移りました。

12:30 この頃はよい天気

【風景】基本的に今回、天気は悪く、良かった2日目も天気が良い頃は、標高が低く、特筆するような眺めはなかったと思います。

13:30 山頂は近い?
 この頃から風が強くなってきました

 13時半頃から、風が強くなることが多く、念のためウエア上を着こみました。最初は風が強くなる時間は「断続的に短く」でしたが、標高を上げれば上げるほど、風の強い時間が長くなってきました。飛ばされるような強風はありませんでしたが、姿勢を低くしストックを付いていないと体が安定できないような強い風が吹くことが多くなり、撤退決定となりました。
 

14:20 撤退位置から見た雪倉岳山頂
 撤退位置は木で覆われていて、この中に入ったとたん風が収まりました。

 同じ頃、近くの白馬岳では風だけでなく雪も加わり、吹雪になり6名の方が亡くなられました。白馬岳とは様々な状況が違いますが、今回雪倉に向かい、リーダーが撤退を決めてくれたこと、風の影響のない所を撤退位置としてくれたことに感謝します。気を落ち着かせ、下山の準備ができました。
 行程の途中、ヘリがずいぶん飛んでいました。

撤退位置からの小蓮華山(中央)

 【今回の(自分の)滑り】2/3くらいの場所でテレマークターンができたでしょうか。ターン時に沈み込む動作をすると、ずいぶんターンしやすくなる気がしました。少しずつ引き出しが増えていけば…。ターン弧が狭くなると、テレマークターンはできませんでした。滑りでは、二人についていくので精いっぱいでしたが、微妙に足を引っ張る程度で、大きな足手まといはなかったと記憶しています。基本的にF浦さんトップ、二番手自分で行くも、途中でK嶋さんに追い抜かれ、待っている二人に追い付いて、ゼーハー、ゼーハー、の繰り返しでした。

 15時30分にD地点に戻り再び板を外し、一つ隣の沢へ、15時50分に再度、渡渉地点を、何の問題もなく通過。でも、その前の強風といい、気分的にずいぶん疲れてしまいました。蓮華温泉のキャンプ場辺りで、どっと疲れが出て、小屋の前ではずいぶんバテていました。

5日のルートのトラックログ(登り:赤、下り:黄)
(A点:B点:渡渉地点を探しに上流まで行って引き返した地点、C点:渡渉地点、D点:板を外して通過)

5日の「速度/時刻グラフ」()


5月6日
天気:雨、時々雷
【コースタイム】7:55 蓮華温泉−10:05/10:15 栂平−11:05 白池−11:30 木地屋−11:40/12:10 平岩駅−12:45/13:30 糸魚川駅−14:50/15:10 越後湯沢駅−16:15 大宮駅

 朝の準備だけは、他の二人よりも早い自分でした。せかすのも悪いので、小屋の人に本日の天気を聞いたところ、「午前中は良いが、午後から荒れる(記憶が不明瞭ですがおおよそこんな)」とのこと、天気予報が良ければ朝の出発をゆっくりでも良いと思っていましたが、天気予報が悪いので、出発、出発。
 予報では午後からとのことでしたが、天気の悪化が早かったようで出発した頃から、雨、時々の雷でした。

8:05

 前日、バテてしまった自分ですが、この日は急な登りもなく、どちらかというとテレマークが得意とする緩い傾斜だったので、登りでは、前日夕方バテていたのがうそのように調子良く進めました。

8:30

8時30分の橋を越えた後に、デブリ

 栂平の手前の登りのみ急で、最後の10分ほど雪がなくなり、再度ザックに板をくくりつけて登りました。

10:05 栂平

11:05 白池

11:30 木地屋

 到着予定より30分ほど遅れてしまいましたが、リーダーがタクシー会社に連絡しておいたおかげで、タクシーが待機していて、待ち時間なくすぐ出発できました。

【使わなかった装備】個人装備:(結果論として)シュラフカバー、ホイッスル、ナイフ、マッチ(ライター)、ローソク、メタ、医薬品、応急パックとテーピング、カラビナ、スリング、アイゼン、プローブ、スコップ、ゴーグル、目出帽、反省点として小屋泊まりで停滞型だからとつまみを多く持ちすぎた(宿のおかずが少し少ないという情報もあり多めに持っていったとはいえ)

6日のルートのトラックログ
(赤:登り、黄:下り)

6日の「速度/時刻グラフ」(区間1:登り、区間2:下り)

【このコースへ次に行こうとする人へアドバイスするなら(自分ごときが)】今回天気が悪かったですが、それでもそこそこ楽しめましたし、良いルートだと思います。雪倉岳への渡渉点の状態は、現場に行ってみないと確かなことは言えないかもしれませんが、渡れそうもない場合の予備プランを考えておいた方が良いと思います。


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