鷹取山(三浦半島)

 フリークライミングの本など読んでいると、室内壁が登場する前、トレーニングの場として必ずと言って使われたという鷹取山、一度は行ってみたいと思っていました。今回、ときどき鷹取山でトレーニングをするというリーダーが、場所の候補に鷹取山を入れたので、「一度は」と思い、参加の手を挙げました。モノ好きは自分だけかと思ったらS林さん、K林さんも参加を、二人とも20年ぶりとか。
 行ってみた感想としましては、誰でもというわけでなく、登るのに手続きが必要とのことです(登ろうと思えば登れますが)。駅から、それほど遠くなく、ただでクライミングができて、トイレや自販機も近くにあり、腕が疲れたら周囲を散策してもよし。行く前は、ある意味「祇園精舎の〜、諸行無常の〜」の雰囲気が漂っているのではとも思いましたが、寂れているということはなく、伝統芸能みたいな形で、しぶとく生き残るのではないかと思います。

2011年10月30日
【天気】 曇りのち雨

今回登った岩場の場所

L:F川2さん、メンバー:S林さん、K林さん、自分

【コースタイム】7:36 新宿−8:08/8:17 横浜駅−8:34/8:37 金沢文庫駅−
8:41 追浜駅−徒歩−9:15 鷹取山公園入り口−9:35 子不知でクライミング−11:20 後浅間学校クラックの左隣にてクライミング−(11:50−12:50 昼食および周囲の岩場の散策)−クライミング再開−13:30 南面フランケ近くでクライミングー14:20 雨が降り出し、クライミング終了−14:30 解散ー15:00 追浜駅 

9:05 中央が鷹取山公園です

 リーダーより、9時半の集合と聞いていましたが、駅から歩きますし、鷹取山に来るのは初めてなので、追浜駅8時41分の電車で行きました。駅から、半分くらい歩いたところで、声がするので、振り向くと、リーダーが自転車に乗って現れました。鷹取山から自転車で1時間くらいの所に住んでいるそうです。これで道を間違えずに、鷹取山に到着することとなりました。

9:15 鷹取山公園入り口

 早めに来たし、天気予報によると、朝のうちは天気が良いですが、どんどん悪化するというので、鷹取山に着いたら、天気の良いうちに鷹取山の写真を撮ってしまおうと考えていました。ガイド本には駅から歩いて20−30分と聞いていたので、公園に着いたら、だいぶ時間があると思っていたので、天気の良いうちに写真。

9:22 子不知の岩場(登るのは反対側)

 9時20分に(この時、時計は見ていません時刻はデジカメの記録より)鷹取山に到着、今回張り切って、ボルダリングマットも持ってきたせいもありますが、道を間違えなかったのに40分もかかってしまいました。様々な岩場がたくさん見え、(面白そう)アドレナリン全開で、写真を撮りまくる。リーダーは、岩場の中でも登れる岩場がある「子不知」の岩場へロープのセットへ、その時リーダーより「K林さんたちが来たら、声をかけて(のようなことを言われ)」まだ、時間があると思って岩場を移動していたら、自分の携帯が鳴って
 予定集合時刻である9時半を過ぎていました。K林さんと、S林さんと無事合流。

鷹取山の岩場の入口
入口手前には、あずま屋があり

展望も良く、横浜市、横須賀の港が見渡せました。入口手前にはあずま屋があり、10人くらいは雨宿り可です。

子不知の岩場(登るのは反対側)
広場のボルダー
親不知
そして、
展望台
後浅間
鷹取山の入口

 「子不知」の岩場で、リーダーにトップロープをセットしていただき、(セットは裏側から登りに行けます)、一番手として自分が電光クラック(5.9)を登りました。感想は、(個人的に)自然の岩場はたいていそうなんですけど、下で見るより難しく感じました。ガバはありますけど、点々とです。5.7レベルの人にはガバには思えないかもしれません、逆に5.11レベルの人にはみんなガバに思えるかもしれません。ホールドはあるにせよ、逆層が多いです。砂岩なので、(ホールドがはがれることはなかったですが)、たまにホールドの表面の砂がごくごく微妙に落ちました。下部の方が難しく、特に中間部分が厄介でした。上部のクラックは、ハンドジャム(というほどでもない)という知識さえあれば、少しでも楽に登れると思います。トップロープですが、無事5.9オンサイトできました。自分にとってちょうどいいレベルかもしれません。

電光クラックを登るK林さん(途中まで) その後、無事ゴールへ

 登り終えた後、リーダーが電光クラックの右隣の竹本フェイス(5.11)を登るというので、ビレイしました。何度もテンションしましたが、無事、ゴール。「すごいじゃないですか」と言ってみたものの、なぜかそれほど嬉しそうもないリ−ダー。なんでだろう?
 続いて、自分も竹本フェイスにトライ。先ほどの疲れがあるせいか、出だしからうまくいきません。そして、緩めにビレイしているためか、テンションするたびに2手ぐらい戻ります。何度トライしてもうまくいかず、いいかげんきつめにビレイしてくれて少しずつ上へあがってきました。そのうちに両足すら着いていないのに、ある意味ビレイヤーの力で登るようになってしまいました。
 ようやくわかりました。前にいた山の会で、ビレイする時「少しも落とすな、ピチっとビレイしろ」と言われ、ぴったり張るのがビレイだとずっと思っていました(前の会の人も、違う意味合いで言っていたかもしれません、その可能性はあります)。特に、難しいルートは、「少しも落とさないようにする」ことだと思っていました。それは、間違えとは言わないですが、数ある答えの一つでしかなかったのです。先ほどの自分のビレイは、ピチっとを通り過ぎて、引き過ぎていたのです。支点に衝撃を与えたり、登っている人を危険にするほど緩めてビレイをしてはいけませんが、「ピチっと」が正解ではなかったのです。(←初耳というか、全く知らなかったということはないですが、知識は中途半端だったというのは確実です)。
 3/4くらいは行きましたが、腕の力がなくなり、いくらなんでも「お話にならない」ので、ゴールにたどり着くことなく下りました。

電光クラックを登るF川2さん

 腕の力がなくなったとかで、K林さん帰宅。

ハイカーの人も多かったです

別の岩場に移動

後浅間の学校クラックの左隣にてクライミング

 その後、場所を変え、後浅間の学校クラックの左隣にてクライミングです。日本百岩場には出ていないルートです。自分の体感は5.8弱だと。下部が5.8で、上部が5.7、個人的にはいきなり5.9を登るより、ウォーミングアップとしてこっちを登っておきたかったです。ただ、ホールドに砂がついていて、握っても、足を置いても、少し怖かったです。ここも無事ゴール。

後浅間の岩場

 昼食
 昼食後、腕の力も戻っていないし、せっかく来たので、鷹取山周遊。個人的には、岩場に来てクライミングだけする気にはならず、こういうこともしてみたかったです。確かに、クライミングはするけれども、登っている所の写真を撮ったり、動画を撮ったり、周囲の景色を撮ったりしたいのです。岩場全体を楽しみたい。前の会では、こういうことは喜ばれず(こういうことをすると、ある意味ダレる、それは事実としてあります。百歩譲って、こういうことは登れるようになってから、というのもあり得ます)、自分のしたい岩登りができて満足です。でも、こういう岩登りをしていたら日本百岩場に出ていないようなルートを登るはめになりますが、それはそれで仕方ないと思います。
 一緒に登ってくれるメンバーを大切にしなくては、そう思ったら急に何を話したらいいかわからなくなり、変に考え過ぎてしまった。

後浅間の丘からの眺め
後浅間の岩場
後浅間の丘から、子不知、親不知、鷹取山公園
後浅間の岩場(すごい流動分散です)(右写真は、左写真の一部を拡大)

 岩場の構造上、こうなるのでしょうか。ずいぶんと大がかりな「流動分散」を、初めて見ました。

12:25 磨崖仏

さらに奥に行って、磨崖仏です。こんなものがあるとは、知らなかったです。

前浅間の岩場(奥)

 前浅間の岩場の中では、数名の人がおり、アブミで登る練習をしていました。

12:45 展望台から、子不知、後浅間、横須賀の港
手前側はだいぶずれていますが、展望台から見た、横浜市街および横須賀市の合成パノラマ

 先ほどの、学校クラックの左隣の課題をもう一度登った後、今度は南面フランケ近くの課題に移動しました。S林さんやリーダーは鷹取山周遊をしながら、登れそうな場所を探していたとのことで、(漠然と散策をしていた自分と違い)さすがです。この時のロープのセットは自分がしました。今回、「鷹取山なので、トップロープクライミングしかないので、長いスリングは必要ないか」と思い、持っていかなかったのですが、立派な支点はあるものの、2点の支点の間隔が長く、流動分散を使うとなると、長いスリングが必要でした。カラビナを2枚組み合わせることで(1枚でも良かった)、スリングを連結いたしましたが、時間がかかってしまいました。そうこうしているうちに天気予報通り、小雨が降ってきました。
 さらに、「ロープが岩の角に当たってこすれないように」ですが、支点から岩角まで少し距離があり、長いスリングもなく、スリングを連結させていたら、時間がかかってしまいました。でも、なんとか完成。

南面フランケ近くでクライミング

 上の方がかぶっているものの、ホールドはたくさんあり、特に問題もなく、3人全員クライミング終了。終了間際、雨は本降りに。ボルダリングができなかったのは残念ですが、行っただけのことはしました。

【今回の服装】半そで山シャツに、長袖山シャツ、山用ズボン(以上、クライミング中)

赤丸で示した場所が今回の岩場の場所です


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