大滝沢マスキ嵐沢

2011年8月28日
単独

天気:曇り時々晴れ

単独行:山の単独行は危険です。それはそうなのですが、自分が気になるのは
 もし二人で行って、はぐれたり、片方の方が動けなくなったら、それは単独行
です。「一人になってしまった、未経験の事態だ」を避けたいのです。単独行はある意味、訓練山行だと思います。

ですから、自分としましては普段「楽勝なレベルの山を選ぶ」です。でないと本当に危険です。あとは、単独行をして、全て自分でやって(といっても今回の自分のように、別のパーティーに聞くこともできますが)、見えてくることもあります。
 戦うばかりが能じゃない、沢、山からは逃げたくない。でも、普段行っている人からは、ごくごくたまに逃げていいかもしれない。他人に不満があるのなら、自分でどれくらいできるか単独行をしてみたらいい。
(上記はバリエーションルートの場合で、登山道のずっとついている所は単独行でも「楽勝」にこだわることはないと思います)

今回の山行の大まかな位置(6月と同じものを使用)
 1→2→3→4

単独行に行く場所の条件(バリエーションルート)
・(その人にとって)簡単で短い
・入口がわかりやすい(別の所へ入るのはやばいので)
・人がそこそこ入っている
でしょうか。

 天気予報は3日前辺りは良かったのですが、2日前辺りから怪しくなってきて、単独行ですし、リスクは避けたいので、一時はやめようかとも思いましたが、
  核心部が1時間程度の短い沢であること
  台風が近づいているものの、日本列島の高気圧が強く、まだ近づかないこと
  行くだけ行って現場で入渓しない手もあり、とりあえずは現場まで行ってみようということ
で行ってきました。もう少し、天気予報が良ければ事前の準備がはかどったと思うのですが、行けただけでもラッキーかもしれません。

【コースタイム】7:20 新松田駅−8:25 大滝橋−9:00/9:30 入渓点−12:20/12:50 登山道−13:10 分岐−13:35/13:45 権現山登り口−14:15/14:40 西丹沢自然教室(バス停)−15:45 新松田駅

【今回の服装】沢登りの間は、上:山用長袖+ファイントラック半そで下着+沢用ベスト、指あきグローブ、リストバンド、下:沢用ズボン、スパッツ、薄めのネオプレーン靴下
登山道は半そでに沢用ズボンでした。

【今回の水量】前回6月のときより多かったです

 小田急線の中で、遡行図を見ていると、隣に座った人から、「私もマスキ嵐沢に行くんですよ」とのことを言われる。「ということは並走。せっかくの単独行だし、嫌だけど仕方がないか」と思う。新松田で下りた時、その人は下りていないようでした。せっかくの単独行「下りないんですか」とまで言う気にはならなかったので、視線を投げかけず、そのまま出発。
 新松田駅のトイレは行列待ち、15分ほど前に着いたのでできればここで片づけておきたい。なかなか前に進みませんでしたが、5分ほど前に無事片付く。

9:00 入渓地点

 厚木を通過する頃は晴れていましたが、雨が降ってはこないものの、入渓地点に着くころは一面の曇り空に。集水域の広い沢ではないし、天気は持ちそうなので、入渓。
 今回の目的の一つが遡行図をきちんととること、普段行く沢の多くは、F川さんが「ゆっくり、あせらない、あせらない」等言いながら、人の後ろを影のようについてきて、とても遡行図どころでなく、一人になってきちんと取ること、人のせいにしないこと、なので、一つ一つをきちんと記録(結果論から言うと、最初だけでとれませんでした)。

次回はちゃんとした遡行図がとれますように
 出だし部分のみ
 清書することもないので、清書せず
9:35 一番最初の滝
 水流の中を登りました

9:40 4mの滝

 この滝は左から右に向かって登りました。

9:42 小滝の連続(ナメというよりは傾斜あり)

9:52 この滝の前回の記憶なし  左の滝の下段を登って

 入渓して、30分もたたないというのに、まるで記憶のない滝が現れる。「こんなところ行ったっけ」でした。後から考えると、これが8mの滝。前回、絶対に登っている。自分の記憶力が全く信用できません。左を登って途中で右に上がり、小さく巻いて滝の上へ
 他人と一緒だと登れてしまう個所というのはあると思います。他人と一緒のほうが、いろいろ挑戦できます。

10:17 この滝も全く記憶なし、木の左側を登って、水流沿いを

あの滝は?(2段10mの滝) 10:45 2段10mの滝(あとから考えれば)

 「この滝ありえない、2か月前だというのに登った記憶ない」と思い、間違えて途中から別の支沢に入ってしまったと思う。沢の向きを確認する、沢の向きは間違っていないけど、とにかくこんな滝、記憶ない。「正しいところまで戻ろう」と思い、5分ほど下降したところで二人組のパーティーと出会う(一人はガイドのようでした?)。「これ、どこの沢ですか?」(自分は単独行のプレッシャーで疲れていたのでしょうか?)。当然、何を言っているのだ?という対応。「マスキ嵐だよ」「本当? これ自分が2か月前に登った滝?」。昔から、行った山のルートなど忘れやすい傾向があったがここまで忘れているとは…
 百歩譲って、前回マスキ嵐沢に来た時は、7週連続山かなんかで、行くだけで精いっぱいだったというのは確かにありました。単独だと、パーティーで行くよりも滝が大きい滝に見えるというのはあると思います。前回よりも水量が増えたというのもあると思います。
 確かに、記憶がないだけで、途中大きな二俣はなかったし、方向も間違っていない。間違っているのは、自分の記憶でした。とりあえず、冷静になろうと休憩をとる。数分後、別の3人パーティーが来る。先に行ってもらう。
 遡行図を取るのが今回の目的でしたが、見たこともない滝が出てきてすっかり混乱してしまい。「他人のせいにしても仕方ないか」遡行図はあきらめました。

もうひと組の3人パーティー(2段10m)

 3人パーティーさんは、ロープを出して滝の左→右を行くようでした。でも、出だしから右でも行けそうです。自分の感想からすると、左のほうが登ってかっこいい(室内壁クライマー向き)、右のほうが泥臭い登り(ベテラン沢屋さん向き)を強いられます。待ってみましたが、時間がかかりそうなので、一人登ったところで下の人に「登っていいですか」確認すると、いいと言ったので右を登りました。でも、上の人には伝わってなかったようで、すみませんでした。

11:03 8mの滝

 右を登りました。

11:05 6mの滝

 右を登りました。

11:10 4mの滝

 上がった辺りで、休憩している二人組パーティーに追いつく。「先ほどはどうも、ありがとうございました」

11:14 小滝の連続

11:15 パノラマに合成するようなところ(880m二俣だと)ではないですが、収まりきらなかったので

 この二俣は右を行きました。遡行図を見ると、880mの二俣も右だし、その前の二俣だろうと右だし、ここで遡行図しか見なかったとしか思えません。遡行図を見るのは仕方ないにしても、地形図と遡行図をきちんと見比べないと
 マスキ嵐沢で、改めて、「読図」でした。読図がきちんとできていれば、たとえ見覚えのない滝が出てきても、あせらず対応できました。といっても、どうも自分の傾向として、「細かい支沢も全て読む」か「ここまで来たら地図が読めなくても上がれば」の白か黒かになってしまっている。満点を取る必要はない、だけどどんな時も赤点にはならにようにしなくては、そこらへんのメリハリもできていない。

11:54 二俣
 ここを左に行けば?

 前回、左に行った所を右に行ってしまい(それはどこ? 11時15分の二俣は右で良かったと思います。11時54のほうで左に行けば)、前回のハーケンの打たれた枯れ滝に出会わずに、稜線に出る。

12:15 もう少しで尾根に上がれる

 どうも山頂近くまで上がってしまったようだ。時間もあるし、山頂に行ってみよう。


権現山山頂(1138m)だと思います

 権現山山頂だと思います。山頂を示すものが何もなかったのが気がかりですが、細長いピークになっていて、さらに進むと下りだしたので、ここだと思います。とりあえず、登山道に出て、良かった、良かった。一休みして、沢装備を外して、出発です。しばらく下りたところで、先ほど抜かしたはずの3人パーティーに出会う、自分が上がりすぎてしまった。
 13時35分、権現山登り口に到着、ここを過ぎたら、何人ものハイカーに会いました。 

この橋を渡れば、バス停

今回のルートの位置図
(A:バス停:大滝橋、B:入渓地点、C:前回は左へ行き、今回は右へ行ったと思う二俣、D:登山道と合流、E:バス停

【今回のロープワーク】ロープは使いませんでした

 単独行にはまた行くと思いますが、シーズンに1回でいいと思います。他の人と一緒に行ったほうが楽しいです。2か月前は楽勝な沢が、自分にとってちょうどいいレベルになっていました。

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