元気出して!汗かいて!東日本に勇気を届けようカップ

山岳スキー競技について
 山岳スキー競技については、以前から興味がありました。とはいえ、いくらなんでもレースに参加するのは気がひけたので、今年は大会を見学しようかと考えていました。ですが、震災の影響により大会が中止となり、残念に思っていたところ、初心者歓迎の形で、震災チャリティのミニレースが行われると聞き、(1)震災復興と、(2)山岳スキーの、2点の興味により、参加してまいりました。

2011年年4月9―10日

主催:山スキーを愛する有志、参加者:50名ほど(9日のみを含む)(今回は常連さんよりも、自分のようなお試しの人の方が多かったそうです。)、参加費2000円

今回の大まかな位置図
 黄:9日の山岳スキークリニック
 赤:10日のミニレース


4月9日

【天気】 雨のち曇り(午後雨やむ)
【コースタイム】5:14 高尾−5:51/5:53 大月−6:43/6:46 甲府−8:30/9:12 松本−10:46/10:55 白馬−11:20 栂池
13:30 山岳スキークリニック開始(自分は中級班)−15:00頃 終了、20:00より懇親会+チャリティオークション

簗場駅辺りから雪景色に

受付、懇親会の行われた宿

小さな催し物で、街に掲示などはありませんでしたが

 12時から受け付けということで、受け付けを済ましていると、受付の人から「雪崩講習の時にも会ったね」と言われる。受付の人から言われたので、雪崩講習のスタッフの人かなと思い、記憶になく、自分は「ちょっと覚えていません」でした。しばらくして同じ班だったI原さん、ということを思い出す。さらに出発の準備をしていると、都岳連でお世話になったT内さんが、こんなこと今までなかったので、舞い上がってしまい、「人の話をよく聞こう」です。

続々と人が集まってきました

 山岳スキークリニック:初級が山スキー未経験者、上級がこれから山岳スキーレースをバリバリということで、今回はとりあえず、中級に参加しました。中級は、ほぼテレマーカーでした。講師は山田誠司さんです。高校生の頃、兄の部屋に大きく貼ってあったポスターの人(山田誠司氏)に教わったのです、感慨深いものがあります。

開会のあいさつ

(1)シール登行
 足を前に出す時に肩も前に出す(右足を出すなら右肩も、左足を出すなら左肩も)(後日談:こう受け取ってしまいましたが肩というよりは腰のようです(肩は結果としてならともかく、意識して動かさない方が良い))
大股で登る
基本的にストックは前につきませんが、疲れた時など両方前について、体を前に持っていく方法もあります。

(2)キックターン(板を履いて足を上げた時、テールが下がるタイプと、トップが下がるタイプ、中間のタイプにより方法の違いがあるようです)(引き抜きのキックターン?岳人2011年2月号P24)
 1.山足を後ろに下げてトップが谷足の靴の位置まで持ってきたところで、進行方向に出す。
 2.谷足はトップが山足の靴の位置まで持ってきて、進行方向に出す。
(膝は動かさずに、かかとを上げてするタイプもあり)
練習方法は、山側にストックを刺してそれにぶつからないようターンする
参考動画

方向転換:外足から回った方が(ラッセルの時、遮る雪を少なくできるのでは)

自分が参加した中級班は、講師が山田誠司さん(左の方)でした。すごい!

(3)シールの外し方(板を履いたまま外す方法)
 (多少違う所はありますが、イメージとしては、ヤマケイ・テクニカルブック 登山技術全書Dバックカントリースキー&スノーボード P43 上段 シールのはがし方ー1)
 1.ストックを山側に重ねて寝かせる
(トップからしか外せない等、いろいろシールにもタイプがありますが、(自分の)テール側のみのタイプでは)
 2.靴を履いたまま板トップを雪面に刺し、テールのシールを20−30cmほど剥がした所で板を下ろし、横にしてシールを一気に剥がす。
 3.剥がしたシールはウエアのポケット等に、ザックに入れてる時間はない。
 4.靴をきちんと締めてから出発。
イメージとして(下記はトップから外す方法です)

キックターンの練習です

(4)シールをつける時はストックを山側に置いて片方ずつつける
 SKI→WALKモードも忘れずに
 靴を緩める

(5)トラバースの時のスケーティング(クロカンの知識)
 10cmでも前にスケーティング、膝とかかとの角度は90度のままにして(体が遅れないように)、スケーティング
 ダブルストックでも良い

9日の山岳スキークリニック(中級)のトラックログ

【感想】講習の後も、質問に応対してくれてありがとうございました。強いて書くなら、ゲレンデスキーの講習ではよくあるように一人一人がやってみて、先生指摘ではない(キックターンの一部は別)ので、上記内容はそういう情報です。ですが、今回はそういう趣旨ではなく(今回の参加費2000円で、山田誠司さんに教わってなら、当然御の字です)、これはこれでありかもしれません。
 

懇親会+チャリティオークション

 チャリティオークションが行われました。信じられないような安い価格で落札されていきます。でも、「サイズがあるので試着しないとわからないし、持っているものもあるし」(自分が、オークションに不向きの性格かもしれません)などと考えてしまい、積極的に参加できず、先ほど(クリニック前人に会い)舞い上がってしまった件もあり、守りに入ってしまい、自分は早めに寝ました。

4月10日
天気:晴れ
【コースタイム】8:30頃 ゴンドラに乗る−9:15 山岳スキーレース現場着−9:30 全員でコース(左側の登り、下山ルートのみ)の下見−10:30 個人戦レース開始−12:30頃 リレー開始−13:30 レース終了−14:00 宿に戻る
15:50 栂池−16:15/16:29 白馬駅−17:07/17:12 信濃大町駅−18:09/18:35 松本駅−20:45 立川駅

自分のゼッケンは37番
 左足につけます

 ゼッケンは安全ピンで、4つの角につけるのですが、安全ピンをウエアに通したくないので、(他の参加者の方から借りた)テープで貼りつけました。ただ、4つの角の一つだけは、ウエアのファスナーに留めることができたのでそれで対処しました。「それ以外の3つの角」は借り物のテープですが、何度も剥がれました。他の方はどう対応したのだろう。(後日談)家に帰ってから、テープの粘着力を確認したら、かなり強い粘着力でした。それでも、レースは動き回るので、はがれやすくなってしまう。

山岳スキーレースの現場着


個人戦コースイメージ写真(赤:登り、黄:下り)
 イメージであって正確なのではありません
 右の赤ルートを登って、黄ルートを下りて、左の赤ルートを登って、下りは同じ黄ルート

コース概念図が貼りだされました

【大会の認知度について、自分の推測】おそらくは、ゲレンデの案内の人に「山岳スキーレースってどこで行われてますか?」と聞いても、答えられない人が多かったと思います。メガホンとかも使われず、ゼッケンはあるものの、「ゼッケンナンバー〜」等のアナウンスもありません。競技中、立ち止まっている人がいて何かと思ったら、通りがかりのゲレンデスキーヤーでした。そのゲレンデスキーヤ―さんから「何をしているのですか」と聞かれ、レースの事で頭がいっぱいだった自分は、「レースです」と答えましたが、後になってみれば回答になっていないと思いました。その人から見れば、「なんでスキー板でゲレンデを登れるの?」でしょうし
 コースの各地点にフラグはあるものの、要所要所に人が立っていたものの、ゲレンデが貸し切られている(ロープが張られている)わけでもなく(今回は、本大会でないですが)、そういう大会のようです。ただ、先ほど入ってきてしまった人は別として、ゲレンデの外れで行われていたので、他にそういった事はなかったようでした。

会場の風景

個人戦結果(主催者さんのブログより)(一部修正・加筆)

 標高差 登り360m 下り360m  水平移動距離 約4.6km

■男子 上位選手
第一位 藤川 健 28:01
第二位 小川 壮太 28:33
第三位 山田 誠司 28:34 
第四位 平田 伸也 29:35 

■女子
一位の人  38:31
二位の人  49:45
三位の人  59:25 

個人戦男女合計参加者数37名

その中で自分のタイムは57:14で、全体31位(男性29位)

 上位選手は当然、山岳スキー用の装備(詳しくはこのページのトップにあるリンクした山岳スキーのページを参照してください)でした。山岳スキーの装備は7年前、始まった頃は1年で大きな変化がありましたが、最近では、落ち着いてきたようです。

 テレマークでは全体10人中6位(男性6位)でした。
テレマーク上位3選手のタイム
1位の人 39:21
2位の人 47:50
3位の人 48:29

コースの下見(1)

コースの下見(2)
 傾斜がきつくなります

【個人戦に参加して】
 一番最初の登りで息が続かない。そもそもコースを読み間違えていました。一番最初の登りは一段上がった所までで、さらにもう一段上がるとは思ってませんでした(その根拠は何もなかったのですが)
 シールの着脱は教わった通りにうまく行きました。
 下りるコースははみ出していたようです。後ろから、トップの人が来て、それに気をとられて、微妙にコースから外れたのだと思います。フラグの内を回らなければならないところを外に回ってしまったのでしょうか。落ち着けば、しないミスだと思います。
 ツボ足:板を担いだり、ザックに背負ったり、自分は小さなサブザックしか持ってきていなかったので、手に持つことで対処しました(後から考えれば、両手がふさがっているし、落とすと良くないので(時と場合によりますが)この方法は避けるべきでした。)。
 流れ止めは、普段なら使いますが、今回は一々、着けて外すのが面倒なので使いませんでした。というか、(今回のようなレースの場合)使う方がおかしいようです。
 最初はクライミングサポートを使わずに登り、2回目は使いました。当然ですが、使った方が楽で、たまに手こずる解除もこの時は、うまく行きました。
 
 個人的には「もう少し頑張れたのだろうか?」との思いが、確かに頑張った、でも、メリハリ等は考えず、平均的に頑張ってしまった。次回の課題でもあります。
 レースが終わった後、たぶん(申し訳ないです)山田誠司さんから、声を掛けられ、「最初の登りで息が切れてしまって」と答えると、「Upをすると良い」とのこと。
 レースが終わった後も、特に筋肉痛はありませんでした。差し当たり、自分に足りないのは技術と心肺能力かもしれません。

コースの下見(3)

 シール登行で(自分に)大きなスリップはありませんでした。ズル、ズルはなし、小さなズルはありました。
 前日教わったキックターンは、混乱してうまく使えませんでした。トレーニングあるのみです。
 剥がしたシールは、本来なら、ウエアの中ですが、今回はローカルルールなので、持ち運べばどこでも可でした。首に巻いている人もいました(それは団体戦?)。

コースの下見(4)
 ここでレースをするのだからすごい

コースの下見(5)
 写真を撮っていたら後ろの方になってしまった。(4)の斜面を登り切って、振り返る

コースの下見(6)
 ここからは板を外してツボ足で登ります。本来なら、板はザックに取り付けるのですが、今回はローカルルールなため自由

コースの下見(7)
 再び板をつけて登ります

コースの下見(8)
 ここでシールを外します

【今回の服装】暑いと思ったので、上はウエアでなく雨具を持ってきましたが、自分の持っている雨具にはシールまで入るポケットはなく、ウエアを持っていくべきでした。上位選手はタイツを履いている人も多かったです。ウエストバッグは置いて行きたかったですが、ウエアの上を持ってきてなかったので、(剥がしたシールを)雨具の中に入れて、落ちないように止めるために使用しました。

コースの下見(9)
 ここを滑って下ります

ゴール及び、スタート地点

コースのポイントに建てられた旗
コース(個人戦)(下見の時のトラックログ)
@を登って(データがないため手書き)
Aを下りて
Bを登って(オレンジ色がツボ足)
Aを下りて

主催者さんからいただいたレース写真(1)
ありがとうございます。
 
右から5番目が自分

 

主催者さんからいただいたレース写真(2)
ありがとうございます。
 
右から2番目が自分

■ リレー競技 全員参加 参加者44名(主催者さんのブログより)(一部修正)

第一位 Bチーム 42:30
第二位 Cチーム 43:42
第三位 Hチーム 45:03

出場9チーム(1チーム5名、4名で一人2回のチームもあり)の中で、自分はEチーム(5名の中で4番手で出走)で8位でした。

リレー競技のおよそのコース図(あくまでもイメージです) リレー競技のおよその位置図
赤:シールをつけて登る、黄:普通に滑る(手書き)

団体戦
 出発地点は個人戦より一段上からで、最高高度地点も一段低い位置で、2回往復でした。当初は、個人戦と同じ位置からで1回のみしたが、「1回だとシールをつける動作がない」ということで、2回にになりその分1回の距離が短くなりました。
 リレーが始まるというので、競技の出発できる体勢でリレー競技の地点に向かってしまい、(順番がくるまで写真を撮ることができたので)カメラを持っていけば良かったです。

 下りの滑りで2回(1セットにつき1回)転んでしまった。1回上部、2回目ゴール手前でした 転んだのは技術的なものより、精神的なものだと思います。
 スキー板の、片方を流してしまう人もおり、片足で下りていました。
 自分のチームのトップと、アンカーの方がレース経験者、3番手の方がスキー初心者(と記憶)、2番手の方も自分と同じくらいでした。
 要するに東京マラソンのイメージのリレー(走ることを楽しむ、遅れたからと言って責めない、ちょっとした仮装もあり)でした。
 「元気出して、汗かいて」の名前のとおり、良い汗がかけました(転んで、冷や汗も?)。

 一番大きな差がついたのはやはり登りでした、登りで大きな差がつきました。次に、シールをはがす時間で、「滑る時間と、シールをつける時間」は、滑る時間の距離が短いこともあり、初心者の自分には大きな差がついていないように見えました。強いて言うと、滑りは転ばない限り、今回の場合では大きな差はつかないようでした。

ちょっとした仮装もあり(自分達のEチーム)
主催者さんからいただいた写真
ありがとうございます。
 
左から2番目が自分
 自分もズラを借りてリレーに参加しましたが、幸いなことに、その写真は見当たらないようです。(後日談、ありました。以下)

 ないと思っていた自分のズラ写真ですが、主催者さんからの最終的な写真にはありました、ありがとうございます。でも、(笑いが取れるわけでもなく)実に中途半端な自分のズラ姿です。

左から2番目が自分(ズラをつけた)
一番左が自分、シール脱着地点
中途半端な自分のズラ写真
 この後、転ぶ
アンカーの方(右)に、無事タッチして
 ひょっとして、クライミングサポートが上がったまま?

 当初、閉会式に出るつもりでしたが:午前中に終わる予定だったのが競技が伸びてしまい、楽しかったのでそれは仕方ありません。しかし、競技の終了の際、15時から閉会式を始めますと言われ、その時間に合わせたものの、スタッフの方が案内した食堂が混んでしまって15時になっても食事から戻ってこない人がいて、帰りのバス等もあり自分は閉会式に出ることなく帰りました。

【感想】確かに楽しかったですが、来年どうするかというと未定です。個人山行でなく、会山行の予定と重なったら、会山行の方を選ぶと思います。ただ今回は
 標高差 登り360m 下り360m  水平移動距離 約4.6km
というミニレースですが、本大会は3回大会の記録を例にとると、登行標高差合計1285m、滑降標高差1312m、行動距離合計12kmですから、およそ4倍
ミニレースを体験はしましたが、実際のレースを体験したわけではないということです。

参加賞(+各自もう1点小物)


今回はローカルルールで行われた個人的な記録です。独り歩きしませんように。

レース参加者、全員そろって(主催者さんからの写真)


主催者さんのブログより、4月22日 チャリティー大会義捐金
「本日、皆様からのお気持ち、日本山岳協会を通じてお届けしました。
集まりました345,515円から振込み手数料330円を引いた345,185円振込み致しました。」
とのことです。ありがとうございます。

【今回の自分の勘違い】当初自分が考えていたような、震災復興(大災害が起きた時、山の活動を自粛すべきか等)という点からの内容はほとんどありませんでした。でも、改めて主催者さんからの事前の案内を見ると、そんなことをするとはどこにも書いていません。そもそもこれは、山岳スキーの大会が震災の影響により中止になって、行われたもの。内容が山岳スキーに、なるのは当然のこと。逆に、変に震災復興など言い出したら、そっちの方が胡散臭い。
 このような時期に、実際に、大会を運営して、集まったお金を実際に、義捐金として振り込むこと。そういう催し物を実際に準備して、開催して、後片付けをすること。
それで十分です。それが見れて、参加できたのですから、どうもありがとうございました。

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