勘七ノ沢+小草平ノ沢下降

 沢トレがしたかった。今回の沢シーズンはもうそろそろ折り返しというのに、この前日まで自分は(トップで登って、下から登ってくる人をビレイするという)ビレイをまだ一回もしてませんでした。これではいけないということで、丹沢辺りで沢トレがしたかった。行く予定だった実川硫黄が雨天のため中止になり、代案だった四十八滝はT岡さんが、仕事の都合で行けなくなり、F川さんの意見により、勘七を登り、小草を下降することとなりました。勘七は支点等もしっかりしており、初心者がトップリード、ビレイ訓練を挑戦しやすい場所と思います。小草も、下降する場合、懸垂で下りなければならない個所が4、5個所あり、懸垂の訓練にとっつきやすいと思います。

2010年9月12日
天気:晴れのち曇り

L:自分、メンバー:F川さん

今回の山行の概略図(手書き)
 赤:沢の中
 黄:登山道

6:30 新宿駅発→7:42 渋沢駅着

丹沢の山々

 丹沢には何度も来ているが駅を下りて、こんなに山が見えるのはあまり記憶にないです。

富士山も

7:50 渋沢駅出発→8:00 大倉着
8:05 大倉出発
9:10 入渓地点(二俣)(下の大まかな図で1)
9:40 入渓地点出発

9:45 堰堤(少し手ぶれ)

 この堰堤は左を巻きます。昨年小草平に登りに来た時は、ここからもうつまづいていた記憶があります。昨年よりは、冷静でした。水量は昨年の時よりも多いようです、台風が過ぎ去ってから4日ほど経つというのに、これはあまり予想していませんでしたが、これくらいは予想すべきでした。
9:50 小草平ノ沢との二俣
 昨年は意識せずに?通り過ぎてしまった二俣ですが、今回はきちんとチエック。というか、気がつかなかった方が不思議です。

9:53 F1 7mが見えてきました

 勘七の中で一番難しいといわれるF1です。これをトップで登ります。丹沢の主要な沢なので、支点となるピンは問題なく打たれてあります。普通の沢だと、ヌンチャクはあまり有効ではないですが、ここ勘七はピンが豊富なので、ヌンチャクを持っていった方が得です。左を行きました、普段よりも水量が多く、トップリードなので緊張しましたが、問題なく登れました。さて、自分にとってはこっちの方が問題だったりもする、ビレイです。登る前、F川さんから、登った左上にピンがあるから、それを使うように言われました。しかし、滝を登ると、そこに(沢としては)見事な支点。そこにセルフビレイです。「ビレイ解除」を下にいるF川さんに伝える、で、ロープを引いていくうちに、ふと上に二つこれもまた(沢にしては)立派な支点あり、最初の支点だとどうもビレイしずらそうなので、やり直し。

3つの支点
最初にセルフを取ったA
次にセルフを取ったC
ビレイ支点としたB

手で届く範囲なので、セルフビレイをAからCに付け替える。で、Bに支点を取りビレイをしました。F川さん登り終えて、「支点を取ってビレイをする時は支点が確保器よりも上に来るようにする、そうしないと登ってくる人が落ちた時等、衝撃でビレイヤーが振られる」。いろいろな方法がありますが、この場合Cでビレイすれば、支点の下に確保器が来るので衝撃があった時も安定するということです。ちなみにビレイヤーの立ち位置は、(自分は)今回CとAのラインの間が安定していて、ビレイしやすいです。

10:30 この滝F2 6mは右を行きました

 写真で見ると難しく見えますが、ちょうど写真の隠れた際辺りが登れ、特にロープ等使わずに通過です。

10:33 堰堤
10:38 F3 7mの滝 右を行きました

10:45 左から支沢(水量、支沢:本流=1:3)

10:55 F4 10m 右を行ったと

11:05 F4を上がった少し上で休憩(高度計の標高730m)
 休憩地点それぞれで、なんとなく沢の水を飲んでしまう自分ですが、F川さんより「人家の近い所は本流の水は飲まないようにし、支流の水を飲むようにする」。なるほど。

11:15 続く堰堤
11:20 堰堤(これは堰堤の左際を行きました)
11:25 これも堰堤(11時20分と、25分の間に一つ堰堤あり)









11:37 F5 12mの滝







立派な支点

 この滝は遠くから見ると難しく見えますが、近くから見るとなんてことなく見えました。でも、実際登ってみると中間部が難しかったです。この滝もトップリードで、左を登りました。支点となるハーケンは何箇所も打たれています。F川さんより、もっと水流に近づいた方が楽に登れた、とのことです。登る前、F川さんより、滝を登り切った上に大きな岩があるからそこに支点を作るようにとシュリンゲを渡されたのですが、上がったすぐ上に、これまた沢としては申し分ない支点ができていました(上写真)。さらに、近くにあった別の支点にセルフビレイを取り、写真の支点にシュリンゲを流動分散+末端固定で処理、先ほどの「支点の位置」の問題解決。F川さんに合図を送り、F川さんも無事登り、リベンジ成功。やれやれ、ロープを外そう。その次の瞬間、F川さんより「セルフビレイきちんとしていた?」とのお声。見ると、支点のシステムは作ってあるものの、自分のハーネスから外れている。ロープを外すという作業を少しした後の事なので、セルフビレイをきちんと取っていなかったというのは、「そんなはずはない」と思うのですが…

12:14 水流の左を行ったと
12:24 これも左を行ったと

12:30 休憩後、高度計915m地点で、勘七の沢を離れ、枝沢を上がる(下の大まかな図で2)
 最近出た「沢登りルート120」(山と渓谷社)によると、3mの滝を登った後、「支沢を登って大倉尾根に上がる」との記述がありました。この支沢かな、と思った支沢はずいぶん下流の支沢だったようで(よくよく読み返すとルート120には標高940mの支沢からとあり)、厳しいツメとなりました。自分は登る前、「標高900mから出ている支沢を登れば」と考えていました。ガイドブックを読んだつもりが、肝心なところを見落としていました。改めて地図を見直すと、自分が考えていたのよりも一つ上に小さな支沢あり、おそらくこれでしょう。もう一回リベンジに行かなくては。
13:25 登山道(下の大まかな図で3) 高度計1155m
13:35 出発
 前回、「流れの沢」を遡行した時、ツメを間違えて予定位置よりも上部に上がってしまいました。通るはずの「堀山の家はどこ?」でした。今回、改めて下ってみて(流れの沢遡行時)登山道と合流した地点よりも、1−2分下った所に堀山の家はありました。

13:50 堀山の家

13:55 小草平ノ沢下降開始(下の大まかな図で4)
 堀山の家から、駒止茶屋方面に少し下った所に下降点はあります(といっても地形からそう判断しているだけで、当然ですが具体的な目印なし)。

この斜面を下って小草平の沢へ
14:35 懸垂するF川さん 6mの滝

 自分がトップで懸垂で下りたものの、ロープが滝の石にかかり、それを直そうとフォームが大幅にずれる。簡単な所の懸垂なら問題なくできるようになってきましたが、ちょっとでも応用が出るととたんに実力のなさが現れてしまう。その他、懸垂でロープを下に落とす前に末端を結んで束ねてから投げる。

15:00 3mCS

 3mCSも懸垂で下りましたが、出だしが急に落ちるので最初の一歩がどうしても出ず、F川さんに見本演技を見せていただく。「下降器と懸垂支点の距離をできる限り短くするようにしてから、懸垂の態勢に入る」懸垂は奥が深いです。

15:20 この滝も懸垂

 上の15時20分の滝は問題なく、下りれたと…
15:30 間伐した木の堆積

15:38 4mスダレ状だと
15:53 2段5m 左岸(右)を懸垂で

 2段5mを過ぎた後、すぐに登山道と合流できました。
15:55 F1を過ぎた後登山道と合流(下の大まかな図で5)
16:05 入渓地点に戻る(沢装備外す)(下の大まかな図で1)
 入渓地点で沢装備を外していたら、自分にもF川さんにも一匹ずつヒルが、いないと思ったら最後の最後で出てきました。

今回の山行の大まかな図(沢登り・下り区間)
小草平ノ沢は、水線が示されてなく、手書き

16:25 出発
17:20 大倉(バス停)着
17:35 大倉発→17:50 渋沢駅着

簡単な沢かと思っていたら、案外時間がかかってしまった。ビレイ、懸垂がうまくなりたいので、上越、谷川の天気が悪く、丹沢は天気が良い時など、この地でまたトレーニングしたいです。

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