湯檜曽川本谷

2010年7月31日ー8月1日

L:F川さん、メンバー:S林さん、自分

 (1)カメラの故障:鶏冠に行った頃から少し変でしたが、鶏冠はどうにかなったので、今回もどうにかなると思っていたら考えが甘く、途中の滝でバッテリーが無くなってしまいました。事前に充電はしたのですが一晩充電しても、充電ランプがついていて「おかしい」とはおもったものの、深く考えずにいたらこうなってしまいました。下山した翌日、新しいバッテリーを購入したら、無事問題なく動いてくれました。
 (2)沢をやっている以上、この「湯檜曽川本谷」は、ガイドブックなど多くの所に取りあげられており、一度は行ってみたい沢でした。有名な沢だと人が多くて、等あるかとも思いましたが、テン場に着くまでに2パーティー、テン場で1パーティー、テン場を出発してから、1パーティーと、少なくとも今回は人の混雑はありませんでした。雪渓、淵、滝、などバラエティに富んでおり、天気もそこそこでしたので面白い沢でした。「有名な沢しか行かない」というのは問題ありますけど、自分が今どれくらい「沢屋」としての力量を持っているかというのを理解するのに、有名な沢に行けば分かりやすいと思います。

赤の線は今回のルート(手書き)


7月30日
 (会社にて)月末にある締め作業もなんとかなりそうで集合時刻には間に合うだろうと思っていた所、自分がつまらない凡ミスをしてしまい、東京駅まで帰りがけに品物を購入しに行くことに。締め作業は「月曜の朝、早く来てやります」で仕事を切り上げ、帰る。一時はどうなる事かと思いましたが、集合時刻には無事間に合いました。
22:00 荻窪駅発(リーダー車)

7月31日
天気:晴れのち曇り一時雨
0:20 土合駅着
 いつもながら土合駅は山ヤさんたちが7−8パーティーくらい。軽く飲んで、就寝です。
5:10 起床
6:00 土合駅出発
すぐ 駐車場
6:10 駐車場発
 しばらくは登山道を行きます。マチガ沢通過6時35分、一の倉沢6時50分、幽ノ沢6時58分、休憩を入れて、芝倉沢7時22分通過です。

芝倉沢を過ぎたあたりで、本流である湯檜曽川に会う。

 芝倉沢を過ぎたあたりで、本流である湯檜曽川に会う。水量は多そうだ。沢を進むよりも登山道を行った方が楽なので、武能沢との合流地点まで、登山道を進みます。
7:55 武能沢・入渓地点着
8:20 沢装備に、出発
 入渓地点から湯檜曽川の本流へは、川原歩きで滝も、淵も、大岩もないです。
8:28 湯檜曽川に合流

8:30 魚止めの滝

 魚止めの滝は、左を登り、上部を少し巻き気味に登りました。

9:07 白樺沢
 
9:10 二段の滝
9:12 二段の滝の上段の部分
9:14 二段の滝を上がったら、雪渓が見えてきました。
雪渓

 この時の雪渓は進路方向にないので、見る(撮る)だけで、そのはるか右側を通過です。慣れて来ると大したこともないかもしれないですが、雪渓を見ると、自分は興奮してしまうのでしょうか? 他の方は、それほどでもなさそうに通過。自分だって雪渓は何度も見ていますが…
9:18 箱のような長い淵

箱のような長い淵
 泳ぎ挑戦

ザックのベルトはきちんと締めよう

 事前にガイドブックなどから、ここ湯檜曽川本谷では、途中泳げるポイントがあることを知っていました。少し前に泳ぎの講習を受けたので、チャンスがあればぜひ泳ぎに挑戦したいと思っていました。トレーニングでない現場の泳ぎはおそらく初! 他の方も「泳いでみろ」と言ってくれて(他の二方は右を一段上がって通過)、自分のみ泳いでみました。まず、水量ですが、身長179cmの自分が背がぎりぎり立つか立たない程度で(これは水量ですから定量でなくその時の状況によって可変しますが)、流れもないです。本当に基本的なことから書くと、
1.ザックは浮く。講習の時はもちろん浮いたのですが、自分の中ではほんの少し「訓練装備でなく、実際の荷物を持っていたら…」との思いがありました。
2.講習中に教わった事ですがきちんとザックのベルトは締める、上の写真では締めが甘く、ザックが上がってしまい、ザックに体重を乗せておりません。そうです、悪い見本です。泳ぐ前にきちっと点検すれば…、情けないですけど初の泳ぎ挑戦で挑戦することで精いっぱいでした。水量にもよりますが、自分のような泳ぎ初挑戦の人間でも問題なく突破できる良い体験場所です。
 まず、ラッコ泳ぎに挑戦、当たり前ですが、上記のような状態ではザックにうまく体重を乗せることができずにうまくいかず。続いてカワセミ泳法を、と言っても後から考えれば真似ごとにもなっておらず、とてもカワセミ泳法と言えるものではありませんでした。仰向けになり両手で右側のホールドをつかみながら進む。本来のカワセミ泳法ならバタ足や、岩壁を蹴るのですが、とてもそこまで気が回らず、でした。途中まで、点々とつかめるホールドあり、1点のみホールドがない所があり、そこは平泳ぎで通過。すぐ浅くなりました。
 体験泳ぎ無事終了。

9:21 体験泳ぎ無事終了

 沢登りで通過が困難な所でも、「泳ぎをすれば簡単に通過できることがある」と聞いて、興味を持った泳ぎ
(1)基本的なことですが、装備の防水はきちんと。単に濡れるだけならいいですが、きちんとしていないとずしんと重くなります。中途半端に防水バッグを使うと逆にバッグの中に水がたまり重くなります。新聞紙が濡れてしまった。
(2)基本的に水は冷たいです、「冷たい」だけで済んでくれるなら良いのですが、「冷たい→足がつりそうになる」。この日午後、つりそうになって他の方よりも遅れをとってしまいました。
(3)もっと経験を:水は様々な形に変化します。生兵法は怪我の元です。
 いつもながら反省点ばかりですが、訓練でなく実際の場で実際の荷物を背負ってできたことは、非常に良かったです。他の皆さん、写真を撮っていただいたS林さん、感謝。

十字峡手前の滝
 左を行きました
十字峡手前の滝
 少し戻り気味に左に上がりました、もう少し手前(この写真で言う所の奥)で登った方が楽でした。

9:40 十字峡(手前の方のクランク)(休憩)
9:55 出発

9:57 おそらく右を行ったと

 おそらく右へ行ったと思いますが、左を上がったもののその先が微妙に難しく、巻くかそのまま進むか迷った滝があったことを覚えています。この滝だったか? 難しいので、S林さん空身で行って、その後ザックをロープに付けて上げる場面になったのですが、そこで自分はロープを背側に付けてしまい、うまく上がらないということがありました。正解はロープを、前と背両方につける、そうすればザックが何かに引っかかってもバランスを失うことなく引き上げやすい。コロンブスの卵でないですけど、後から考えれば当然なのですが…

泡返沢の滝
10:07 泡返沢の滝手前

 泡返沢の滝は登らずに、左へ進みます。「確か登らないはずだけど、登るルートしかないのだろうか」と思いながら近づいていくと、直前でルートが現れ登らずに左折、そんな滝でした。

10:16 小滝とゴルジュ
10:23 泡返の滝
泡返の滝上部だと思います。

 泡返の滝は左を上がりました。今回も基本的に多くの場面でトップを行かせていただきました。そこそこの成果を収めたと思うのですが、細かい点を考えると、右を行くか左へ行くか川原歩きでちょっと遅い所がありました。その他、後ろからリーダーがすぐ後をついてくるのでどうしてもあせりがちですが、難しい所では先を行かず、待つ。頭では分かっているのですが、少しでも先へ行きたくなることがあります。

10:55 雪渓
上の写真の拡大
雪渓の上にコゴミが

 雪渓の下を通過:大学4年の時、2年後輩が白毛門沢で崩れた雪渓の下敷きになって亡くなった。その頃、自分は壁にぶち当たりまくっていて、彼にはマイナスのことしかしていなかった。今回、雪渓の下を通過することは予想していなかった。後になってみれば(雪渓の下を通過することは)別に驚くことでもなんでもないが
 「一人、一人間隔をおいて通過するんだ」。上から融けた水が落ちてくる、上の写真では見えないが、途中右側が上に雪がなく空いていたので、まず右側を進み空いた所へ行き、今度はさらに奥に左側に空いた空間があったのでそっちに向かう。リーダー先頭、2番目に自分、最後尾S林さん、で進む。雪渓の中は薄暗かった。いくらなんでも写真を取る余裕はないので、中での写真は撮らず。自分にとってはおそらく初の雪渓の通過。左側に空いた所からは、雪渓の上に出て雪渓の左わきを通過しました。そこには山菜のコゴミがたくさん生えていました。もう、安全なので、コゴミを採集しました。
 このすぐ上流にも今度は崩壊した雪渓がありました。崩れるか崩れないかわからないので、難しい。崩壊した雪渓は苦も無く通過。

11:25 左を巻き気味に行ったと思います

11:30 七ツ小屋沢との出合
11:48 右に支沢

11:51 右を行ったとは思えないので、左を行ったと 
11:55 シャワークライミングする滝
 水をかぶりますが赤のラインがお勧め

 この時期ならではの滝がありました。滝の右側から水をかぶりながら左側に進み、直上するルートを持つ滝です。水量にもよりますが、水をかぶるのでこの時期ならではだと思います。水をかぶるといいましても、真ん中の部分では逆に水の落ち口の下に入れるので水をかぶることはなく自分には手を振る余裕もありました。真ん中の部分以外では、水をかぶるのでちょっとした勇気がいりますが、この時期なら水も冷たくなく、ホールドもそこそこあるので、この時期なら「水をかぶること」をお勧めします。自分がカメラの管理を良くしていれば、水をかぶっているところの写真があるはずなのですが、上にも書きましたが、ここでバッテリー切れで、惜しいことをしました。
12:48 左に支沢
     二段の滝、右を巻く。
13:00 40m大滝手前で休憩
 大滝は二段になっていて下部は特に問題なく登れ、上段は左をロープを出して登りました。S林さんが空身トップで登り、その後リーダー、S林さんザック、自分と登りました。登った上は手ごろな(ビレイするための)支点がないうえに、滝の音で掛け声が通じそうもないので、S林さんかなり遠くから支点を取り滝の上がり口まで戻り、ビレイをしていただきました。S林さんのザックを上げる段階になって、今度はザックの前後ろにロープをかけたのですが、それだけではなく、ザックを引き上げるのは大変なので、(見ていないで)少しでも下からザックを持って距離を稼ぐこと、岩角に引っかかった時は下からザックを引くとスムーズに上げることがあります。ザックをロープに付けるのは当然として、最後までザックの面倒を見ること。それより上部は左から右へ高巻きました。
14:30 40m大滝を越えた所で雨降りだす
 水に何度も浸かったせいか、この頃腿がつりそうになる。結局、「つりそう」程度で抑えることができ、なんとかついて行けました。大粒の雨が降るも、テン場に着いた頃はほぼ止んでいました。
15:00 テン場となる二俣
 3人の先行パーティー有、確かにテン場として問題ないですが、3パーティーを超えると、ちょっと厳しいかもしれません。マキは焚き火をする程度はありました。ですが、豊富にはないと思います。今回、タ―プを張り、その下にツエルトを張るということをしまして、(やはり写真があった方がわかりいやすいです)自分は(多くのモノが濡れていたので)普通でしたが、他の方は暑いくらいのようでした。なお、自分にとって今シーズン初の焚き火は、雨のせいかなかなか燃えなかったですが、根気良く扇いだところ(自分はそれほどしてませんが)、煙かったですが問題なく燃えてくれました。

8月1日
天気:曇り時々晴れ
5:00 起床
 前日に朝食の準備、水の量は明日調節、と思っていたら、忘れてしまい、水の量が多いまま焚き火へ。「おかゆ+炊くのに時間が多めにかかってしまう」でした。
7:05 出発(二俣の右を進む)
 写真でもあれば、それを元に少し書けたかもしれませんが、写真もなく、所々小滝はあったものの強く印象に残るほどの小滝なし。割愛。
9:05 水を汲む
 水を汲んだ場所は大正解、汲んだ後、本当に水はちょろちょろになる。水を汲んだ頃、後に別パーティーが見えるものの、その後見えなくなり、そのまま(テン場を出発してからー登山道間)他のパーティーには会わず。
9:17 水枯れる
 ツメの藪は濃くなかったです。基本的に笹藪で、水の流れた跡が平らな所まで続いていて、平らになって小さな湿原を抜けて登山道に合流。山頂はすぐでした。
9:40 朝日岳山頂着(標高1945m)
 山頂には5名ほどの人

今回の山行の
 おおよその位置図

赤○1:駐車場
   2:入渓地点
   3:湯檜曽本谷との合流
   4:十字峡
   5:テン場となる二俣
   6:朝日岳

10:10 朝日岳山頂発
 UP、DOWNが厳しかった。後から地図を見るとそれほどでもないですが、登山道に合流して、少し気が緩んだかもしれません。シモツケソウ、ウツボグサ、キキョウ、お花畑には程遠いもの、点々ときれいな花が咲いていました。避難小屋(シェルターのような避難小屋)を超えるとすぐ山頂です。
11:05 笠ヶ岳山頂着(標高1852m)
 休憩して、白毛門へ、ここの区間は行程が短かったので疲れ出した頃到着
12:10 白毛門山頂着(標高1720m)
 標高1154m地点手前あたりから、天気が良くなりだし、バテてくる。しかも下り急。リーダーには遅れを取るも、なんとかかんとか進む。駐車場まであと少しのところでリーダーが待ってくれていて、あと少しだから気を取り直して、気合を入れなおして、無事ゴール
14:40 駐車場着
15:05 出発
20:05 東川口駅解散

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