焼額山スキー場ー野沢温泉

2010年3月13-14日

 こんなに長いルートは学生の時以来です。そして、案外初めてかもしれない(今さら)スキーケース、バッグ、アプローチシューズなどを車中に置いておかず、コインロッカーも使わず、ザックの中に入れて登るというスタイル(沢登りでは当たり前のようにやっていますが)。そして、半雪洞。自分が、参加して大きなミスをせず、予定通りのルートを行って来れたことをうれしく思います。

L:F川さん、メンバー:F浦さん、K元さん、自分

今回のルートの概念図
(赤:実際のトラックログ、黄:電池が消耗したため記録取れず、仕方なくおよその位置を手書き)

3月12日
 少しでも荷物の大きくなる衣類は避けようと、今回、ウェアを上のみ、着て行きました。下をはいていくと違和感ありますが、上はそれほどでもなく、次回同じ条件になったら、またします。
23:15 池袋サンシャインバス停発

たくさんのスキーヤー(ボーダー)でごったがえすバス停

 おそらく初めてとなるサンシャイン集合です。少し季節は外れていますが、高速バス乗り場はスキーヤー(ボーダー)でいっぱいでした。以前所属していた山の会の人にも会いました。乗り心地はそれほど良くはありませんでしたが、池袋〜志賀高原4000円というのは安いと思います。

3月13日
天気:雪
6:45 焼額山スキー場着(たぶん西館)
8:10 リフトに乗る

リフトに乗る(K元さん写真、ありがとうございます)

 ゴンドラに乗るには、リフトに乗ってそこから滑ってゴンドラまで下りた方が便利とのこと。リフトに乗っている最中、放送が、「第2ゴンドラは運行を停止しております」。当初の予定出発点からは300mくらいずれているけれどもそれほど問題ないということで、第1ゴンドラに乗って、山頂へ。

ゲレンデを滑ってゴンドラへ
 (K元さん写真)


8:47 焼額山スキー場山頂・ゴンドラを下りる

ゲレンデ外に、出発

9:20 シールをつける
 前回、磐梯山でシールの粘着力が落ちていることがわかったので、新しく購入しました。幅と長さは多少違いますが、タイプは同じG3です。シールをつけながら、「テールにシールを引っかける時シールを引っ張ってから留め金に掛ければ良い」ことを思い出す。知っている人から見れば、当然なのですが、改めて再認識しました。一時期、シールの知識がなくても行ける山しか行ってなかったら、シールの知識が初心者並みに落ちてしまっていた。

沢地形を確認しながら

 シールをつけた焼額山と竜王山とのコル周辺は、地形が平らで今回のように視界があまり良くない時など現在地の確認が重要となります。上の「沢地形を確認しながら」に示したように、一般的にはオレンジのラインで進みたくなりますが、そうすると地形が平らなので現在地がどこか判別しにくいです。コンパスを使う方法もありますが、それよりも確実なのが(リーダーより教わりました)オレンジのラインのさらに右に沢地形が2本あります。オレンジのラインを進まずさらに右を進むことによって、この沢地形を現在地の判断材料とすることができ、現在地の判別が容易になります。

沢地形を確認しながら
ところどころに看板(1)

 上写真のように、ところどころに看板はありますが、基本的に現在地を把握しやすい地点にあり、本当に看板が必要な地点にはないようです。この辺りからスノーモービルで同じルートを行っている人たちに会い、その後先々で、幅の広いスノーモービルのトレースに何度も出会いました。嬉しいいような、悲しいような、この人たちも同じところ行っている間違っていないんだという気持ちと、なんか先を越されて悔しい気持ち、あとスノーモービルのトレースで雪が締まっているので突然雪質が変わるので滑るのに邪魔。

コンパスを見ながら進めばいいけど、コンパスの進行方向に木があることもあり、よけようとするうちに微妙に方向が変わってしまうこともあります。コンパスだけでは進めません。
ところどころに看板(2)

10:45 シールを外す
 買い換えたシールは、特に問題もなく、無事第一関門突破。滑りは調子のよい時だけ、テレマークターンができるといった感じで、足を引っ張るようなことは特にありませんでしたが、今回、ゲレンデ外の滑りに関しては向上した点は特に思い浮かびません。あえて書くなら、昨年教わった谷足キックターンが問題なく自分のものにできるようになりました。

滑るのを撮るのは苦手です(1)(写っているのはK元さん)
滑るのを撮るのは苦手ですが、これはましな方だと思います(1)(写っているのはリーダー)
滑るのを撮るのは苦手です(2)(写っているのはF浦さん)

11:25 林道(剣沢ダム近く)
 剣沢ダムの手前にて、西に来過ぎてしまったと思い、東に少し向かうように修正しましたが、東に進んで地形などを観察すると、剣沢ダムと思しき地形が左手に見え、特に西に来過ぎていたようなことはなく、元の通り、剣沢ダムの西側をトラバースするように進んで問題なかったのでした。
12:10 シールをつける

正面右手側が剣沢ダム
 ここでシールをつけました。
平原を進む

13:20 シールを外す
14:05 林道(カヤノ平牧場近く)

冬のカヤノ平牧場

14:20 再度シールをつける
 カヤノ平牧場の小屋脇で、本日、3度目のシール装着です。やっぱりと言っては何ですが、自分のシールの粘着力は最初に比べて落ちていました。ウエアの内ポケットに入れるなどしていたのですが、いくらなんでも本日シールの着脱をするのはこれが最後、なんとかなってくれ自分のシール。
 心配していたシールは出発してから特に問題もなく使えていました。さてさて、ラッセルと言うほどの雪ではない(あってもくるぶしが埋まるくらい)ですが、先頭を行く人間は交代交代で進んでいました。少し登りにさしかかった所で先頭にいたK元さんが、クライミングサポートを使うようなのでそのセットにごくわずかな時間がかかりそうなので、「トップ交代します」と宣言して、トップに行こうとしたら、後ろから「シール外れそうだよ」との声が、見ると、片方のシールが外れるまではいかないまでも、ここで対処をしないと後々悪く出そうなので、再度調節、それ以降はシールに大きな問題はありませんでしたが、シールが外れそうになったショックから疲れがどっと出てきてしまいました。(たぶんこの頃GPSの電源切れる)
15:45 テン場到着C1(北ドブ近くの標高1600mのコル)
 当初予定地には達しませんでしたが、ここまで来ればということで、ここをテン場とします。

この日のトラックログ
 赤:シールをつけて、黄:シールを外して
 (注)緑線は電池消耗のため手書き
14時50分(電池が切れる)までの13日の速度、時刻のグラフ(縦軸:速度、横軸:時刻)
区間1、3、5(シールを外す)

 なんとかテン場まで達しました。「疲れた、一休み」とできるわけもなく、すぐさま今日の寝床の作成です。今回はテントを持たず、ツエルト(簡易テント)で、半雪洞作成とのことです。ちなみに、半雪洞作成は(自分にとって)初めてです。

まず、2m×3mの枠をスノーソーで区切り、表層の雪を掘ります。
 次に、スノーソーで枠内の雪を「30cm×30cm×40cmくらい」の直方体のブロックに切りだし、それを枠の外に積んでいきます。
 この時は、スノーソーで切り込みを入れる人、シャベルでブロックを持ち上げる人、ブロックを枠の外に積み上げる人に分かれました。
腰くらいの深さ、ブロック4段ほど掘って積んだところで上からツエルトをかぶせ、張綱を固定します。最後に仕上げとして、ブロックとブロックの間に隙間がある場合はそれを雪で埋めていきます。
半雪洞完成

16:40頃 半雪洞完成
 2m×3mの予定がそれよりも大きくなってしまい、ツエルトの固定にどうしようかと考えあぐねていたところ、どなたかが「ゾンデ棒」を支柱として使えばとの意見が、ゾンデ棒を使ったところ、大きさぴったり、下にブルーシートを敷き、エアーマットを使うことで下からの冷気をだいぶ抑えることができ、いつも半雪洞の生活は勘弁ですが、たまにならまたやりたいです。今回は、(おそらくリーダ以外は)初めてなので、作成に慣れていないというのもあります。
 前回、磐梯山でシールを外して失敗したので、今回はシールをつけたまま泊ります。


3月14日
天気:曇りのち晴れ
4:00 起床
 もっと寒いかと思っていましたが、思っていたよりも寒くありませんでした。他の利点として、水作りの雪を取りに行く必要がない(これは普通の雪洞でもそうですが)、リーダーは小なら外に出る必要はなく中でも出来るとおっしゃっていましたが、他の方から「やめてほしい」と言われ、吹雪いている時はしかたないですが、その他スプーンや小さいものを横の雪壁に刺しておけば探しやすいというのもあります。

ありがとう、半雪洞

6:35 出発
 リーダーより、「歩幅が広いとの指摘、ラッセルがない時は問題ないが(もっと雪が深い)ラッセルするとき、歩幅が広いと大変」とのこと。ウエアが膝と膝でこすれ合うよう意識していたら、だいぶ解消できました。
7:25 当初C1の予定だった1638m

当初C1の予定だった付近
7:40 この頃から晴れてきてくれました(1)
この頃から晴れてきてくれました(2)
(K元さん写真)
この頃から晴れてきてくれました(3)

 標高1638mを過ぎたあたりから、晴れ間が出だし、なんだかんだ言っても晴れるとうれしい。青空と白い雪、両方があってこそというのはあります。心配したシールは、なんの問題もなく、機能を発揮しています。本日は、大きな斜面はなく小刻みに登っては下りを繰り返すのでシールはつけたままで斜面を下ります。大丈夫だ、大丈夫だ。

 毛無山手前の標高1633手前の登りが、今回で一番きつい登りでした。アイスバーンというほどではなかったですが、急斜面で雪が積もっていないところがあり、通過に勇気がいりました。手惑ったものの通過できないほど難しい地点ではなく、無事通過。

右はK元さん写真で、ちょっと前のめりになりすぎている自分
標高1633m地点
 毛無山山頂の電波塔(だと思います)が見える、ゴールまであとすぐだ。

10:00 標高1633m地点
10:30 毛無山(野沢温泉スキー場最高地点)着

長かったルートは終わり、無事ゲレンデ到着

 下山は、K元さん先頭で、下りてからほんの少し登って、スカイラインコースを下りました。ここは4−5年前来た時は、空身で下りるだけで精いっぱいだったコースです。今回は、泊り装備を背負いながらの滑降です。(滑る)横幅が狭いところはボーゲンや横滑りで対処しましたが、(滑る横幅が)広いところはテレマークターンもできました(当然といえば当然です)。他の人には遅れつつも、なんとかついて行けました。
11:20 ゲレンデ下
11:35 いつもお世話になっている民宿の方(この日K元さん泊る)に、民宿まで送迎していただく
すぐ、民宿
 民宿の乾燥室で着替えさせていただき、荷物も片付けられて、K元さん、民宿の方に、ありがとうございます。温泉に行こうか迷いましたが、ちょうど良いバスがなく、自分は温泉に行かずに帰りました。ここで解散です。
12:35 野沢温泉出発
14:00 長野駅着

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