1001 日光白根山

2010年1月23-24日

リーダー:F川さん、メンバー:自分

 今回の山行は最初、わかんで登る「雪山縦走」で行く予定でした。ところが、わかんで登るとラッセルなどが大変なことから、スキーで登ることが提案されました。ですが、自分が先週ほぼ同じ場所である五色山にスキーで登ったところ、シールが効かずほとんど登れない状態でした。結局、「わかん装備」と「スキー装備」両方を持って行って、湯元スキー場にて積雪状況を見て、どちらで行くか決定ということになりました。両方の装備を持って行ったので、電車に乗るのに一苦労、集合場所が近くて良かったです。

今回のルートの大まかな図

1月23日
天気:曇り
6:00 大泉IC発
 いろは坂を登りながら、周囲の山を見渡しても雪がほとんどなく「晩秋の山」のようですね、と話し合う。湯元に近づくにつれ、雪は増えていきましたが…
8:30 湯元スキー場(駐車場)着
 スキー場に着いて、周囲の風景を見渡して「わかん」で登りましょう。
9:15 湯元スキー場(駐車場)発
 リフト料金(4回券で)1000円、最終的にはリーダーが決めることですが、これくらいならリフトを使った方が便利です。リフトの係りの人はスキー客でない自分たちに対しても、丁寧に対応してくれました。
9:30 リフト(第2ペアリフトを降りる)
 最初はわかんで登ります。ひざ下ぐらいのラッセルでした。1時間ほどリーダーと交代交代で、ラッセルをした後、単独行の方に先へ行ってもらい、前白根まではほとんどラッセルなしでした。そして、出だしから急斜面でした、これをスキーで登るのは大変だと思う、リーダーは尾根も広いので登れないことはないと話していましたが、楽しいか楽しくないかは別として、よほどのラッセルでない限り、(自分程度のスキー技術なら)わかんの方が急斜面も登れる。目標が「登頂」なら、雪の量、時期、地形にもよりますが、わかんの方が無難かもしれません。
11:48 外山近くのコル
 途中で足がつりそうになったのはこの頃だったか、足のつりは無事寸前で抑えることができました。手も休憩をした直後は、かじかんで痛いですが、体を動かしているうちに血のめぐりがよくなるのか、何度も同じ現象は起きましたが、問題なく処理できました。前白根山手前辺りから、風が強くなってきたので、目出帽をかぶります。ところが、目出帽をかぶったところ眼鏡が曇って仕方ありません。とりあえず、だまし、だましで前に進みます。
13:30 前白根山
 風さえなければ、せっかくの山頂なので休憩ですが、それどころでないし視界も悪いので、「翌日は好天になることを願って」特に休憩せず通過です。

13:50 すぐ近くの地形はわかりますが

 避難小屋への下降ルートから、これまであったトレースがなくなりました。そして、傾斜もきつくなってきたので、わかんをはずしアイゼンを付けようということに。アイゼンをつけようとするも眼鏡が曇って見えません。目出帽の口の部分を出して、やりすごそうとするも、いつの間にか元に戻っています。眼鏡を外した方がまだ見えるので、避難小屋まで眼鏡を外して進みました。(後から考えれば、目出帽でなくネックウォーマーを持っていたので、そっちを使ってみることも考えるべきでした。その他、予備眼鏡を持ってきていたので、そちらの使用も考えるべきでした)。
14:50 避難小屋着

避難小屋

 広くて、煮炊き用のガスコンロでは全然暖かくなりませんが、風雪をしのいで、天井があるというのはありがたいことです。毛布もありましたので使わせていただきました。2階建ての避難小屋です。自分たちが避難小屋に入った頃は誰もいませんでしたが、もう他の誰も来ないのではと思った5時頃、10名程度(そのうち半分はテントに向かいました)のパーティーがやってきました。

23日のトラックログ(リフトに乗っている時も含む)


1月24日
天気:曇りのち晴れ
5:00 起床
6:55 出発
 もうひとパーティーが来たことでラッセルを交代し合うことが考えられました。もうひとパーティーが来るまでは自分と、リーダーでラッセルを交代し合いです。7時半になっても、もうひとパーティーが来ないので、「別の場所でラッセルしているかもしれない」とリーダーが下り始めてしまいました。標高にして80mほど下りたところで、先ほどのもうひとパーティーと出会いました。ラッセルを交代でし合うことを確認し合い、来た道を再度出発です。

7:50 ラッセルを交代してもらう

 もうひとパーティーの方は、わかんなしのつぼ足で登っている人も多く、ラッセルもできる人のみが行うといった感じでした。それでも、F川リーダーがわざわざ、戻っただけあり、きちんとラッセルしてくれました。(個人的には、あのパーティーはラッセルするつもりはなかったのではないかと踏んでいるのですが…。なので、リーダーが戻るために下りた時、なんて性善説の人なのだろう、と個人的に思いました。)ラッセルを交代したころから斜面が急になったのですが、それでも、別パーティーの方はよくラッセルしてくれました。この頃、ダイヤモンドダストが舞っていました。
8:45 急登が終わった2540m付近にてアイゼンを装着
 アイゼンを装着しなくても行けますが、持ってきたのだし、練習の為着けました。「オーバー手袋をした状態でアイゼンを着けれるように家で練習すること」(アイゼンを着けるときは、基本的に状況が悪い時が多いので、少しでもアイゼンを着けるのに費やす時間は少ない方がいい)。うーん、当然といえば当然なのですけど、そこまで要求されるか…(今のところ、雪山縦走はあくまでも、スキーが行けない時に行くもの、スキーが登れないところでするもの)。外したわかんはストック(もしくはピッケル)にひっかけセルフを取っておく。なるほど。慣れないアイゼン歩行なので、ゆっくり歩きました。
9:20 日光白根山山頂

視界はゼロで、風もあり長居はできないですが、日光白根山山頂でーす。(自分)
ピーク写真(リーダー)

 視界もほとんどなく、風もあるのでピーク写真だけ撮って、すぐ出発です。少し降りた斜面で、アイゼン歩行の練習をしました。「片足を横に向けて歩く方法」、斜面をトラバースする方法、「急斜面を下るとき3点指示の要領でピッケルのシャフトを自分の胸のあたりに打ち込み足はキックステップで下りていく方法」、忙しくて書くのが遅れたら、教わったという事実しか覚えていない。技術的なことは早めにメモするなりしないと自分でどうにかしないとダメですね。
 先ほどの急な斜面は先ほど教わった「急斜面を下るとき3点指示の要領でピッケルのシャフトを自分の胸のあたりに打ち込み足はキックステップで下りていく方法」(という言い方でいいかわかりませんが)で下りていくと特に問題もなく下りれました。前へ、前へ、ピッケルを前へ。

10:20 ここまで来ると傾斜は緩やかに

10:35 避難小屋着
 出発するまでに、だいぶ時間がかかってしまいました。慣れない、アイゼン、わかん、うーん、一つ一つ時間がかかってしまう。避難小屋からはわかんを履いて行きました。
11:30 避難小屋発
 稜線に出ると、昨日からは考えられない眺めが、先ほどまでいた日光白根山も顔を出すようになりました。実際目の当たりにして、「昨日視界が悪くて正解だったかもしれない。昨日この風景を見ていたら、ちょっと怖気ずいたかもしれない。我ながら、あんなところ行ってきたのか。すごいな」です。

稜線に出たところで
 リーダーと共に、バックは日光白根
男体山(左)と中禅寺湖
この時日光白根山は顔を出したり、出さなかったりでした。顔を出しているうちに写真を
のっぺりとした前白根山
登っている最中にガスが晴れてきて、すごい山に来たものです。

12:15 前白根山着
 前日は視界も悪く、風もあったのでピークで休憩どころではありませんでしたが、本日は視界良好、風もないので休憩です。

前白根のピーク(手前)です
日光白根山をバックに、来たかいがありました(さっきまであの頂上にいたと思うと感慨深いものがあります)

12:30 前白根山発
 稜線を出た後は、トレースがありませんでしたが標高2375m辺りで登ってくる単独行者2名ほどに会い、そのトレースを使えるようになりました。昨日、視界が悪かっただけに、こんな風景に出合えるなんて来たかいがあったというものです。出発した後、また日光白根山は雲に覆われてしまいました。

女峰山、太郎山
木が、雪を受け、風を受け
男体山、女峰山、太郎山
ラッセル

 沢登りでは、そこそこ地図が読めるようになってきましたが、雪山では、うーん、雪に埋もれて微地形が読み取りづらい? 確かに雪があると難しくはなりますが基本は同じです。次回は、甘ったれずに、「できる」と思って読図をやってみよう。
13:20 外山
 ここからは樹林帯の中で、展望はもうほとんどないです。何回か木々の中をシリセードで下りました。ひょっとして、シリセードって初めてかもしれません。木が邪魔するので、1セット6mぐらいしか下りてませんが。木にぶつかるのが怖いので、ほとんど加速しませんでした。
 14時8分にトラックログが切れているのですけど(下の図)、ちょうどこの頃片方の足のわかんが緩んできて効力を発揮せず、外したころです。「ついでだから、外しちゃえ」ということで10分ほどつぼ足で歩いた後で、雪が固いからアイゼンで歩こうということで、アイゼン歩行となりました。「雪が柔らかいところはかかとから着地してもいいが、固いところはできる限りソールをフラットに置くように、アイゼンを引っ掛けないように逆ハの字に、ストックは前につく」この要領がなかなかつかめず、着地するときにつま先を延ばすようにするとそれらしくなる?ようですが、これは体得できるように試行錯誤あるのみです。慣れないアイゼン歩行で時間がかかってしまいました。
14:50 ゲレンデ(第2ペアリフトを降りたとこ)着
 ゲレンデの脇を歩きました。
15:15 湯元スキー場(駐車場)着

24日のトラックログ(登り:赤、下り:黄(14時8分以降はデータが取れなかった?ため手書き)

 歩くのが遅れたうえに、トイレなど行っている間に、リーダーはもうほうとんど帰り支度を済ませていて、自分はドアの開閉など車の中で待っているリーダーに悪いので、とりあえず応急処置だけして、細かいところはもう少し暖かそうな別の場所で作業します。

スキー場を出発
 さようなら日光白根(中央)

15:30 湯元スキー場(駐車場)発
16:40 宇都宮IC
18:15 荻窪駅・解散

 リーダーより、「アイゼン歩行も大事だが、アイゼンなしでつぼ足で歩くことも慣れが必要、もっとアイゼンなしで歩く技術を」と言われる。山頂には無事行って来れましたが、まだまだ奥が深いです。全般的なアイゼン・ピッケルの感想として、山を遊ぶ方に重点を置くなら「山スキー」、登頂の方に重点を置くなら「アイゼン、ピッケル」という気がしました。でも、ぎりぎりまで山スキーで登って最後の最後だけアイゼンを使って登る、という両者ミックスの方法もあります。

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