雪山縦走 天狗岳

2009年12月26―27日

 初めての本格的(?)な雪山縦走。今まで、テレマークブーツにわかんで雪山を登ったことはありました。その時はアイゼンはなかったし、ピッケルもなかったです。また、別の場所で、ピッケルを使ったことはありましたが、その時はアイゼンは使っていませんでした。今回は、わかんはほとんど使用しませんでしたが、初のアイゼン・ピッケルでした。結果は、「落第はしなかったものの、あとちょっとミスしていたら進級できなかったという」感じで、行っただけのことはしたと思いますが、次につながるとは思いますが、お話にはなったと思いますが、反省だらけです。
 この計画はもともと12月の12−13日に計画されていたものですが、自分の体調管理ミスによりこの日となりました。

リーダー:A部さん、メンバー:自分

今回行ったコース

12月26日
天気:曇りのち晴れ
8:30 荻窪駅出発
11:40 渋の湯着・昼食

渋の湯

 渋の湯にある駐車場は有料で千円でした(1泊2日だからこの料金? 日帰りならもう少し安い?)。今回の共同装備は、コンロ・燃料に加えてテント(フライはリーダー)です。軽く昼食をとり、雪山の格好に着替えて、さあ出発です。最初はアイゼンを装着せずに行きます。リーダーより、ピッケルは手を離しても落ちないように、シュリンゲを肩にかけそこにカラビナをかけ、ピッケルから出ているひもをカラビナにかける、なるほど。
 黒百合ヒュッテへの道は、最初がちょっと急(といっても雪があるから進みづらいだけで夏道ならなんてことない)で、あとはなだらかな樹林帯の道となります。でも、登山靴で雪山を登ることに慣れていない自分は、一つ一つが確認でした。
12:25 渋の湯出発

登りだしは、樹林帯の中
考えていたより雪はありました。
標高2122m近くの分岐

13:30 標高2122m近くの分岐
 時刻にして14時ころでしょうか。リーダーより「アイゼン付けて登ってみるか?」と聞かれ、「ハイ」と答えました。家でセットしたとおりにセット、ですがなんか違います。ぴったりセットしたはずなのですが、かかとのバックルが緩いのです。でも、歩くには差し支えないので、そのまま歩きました。(今から考えると、家でアイゼンの長さを調節した時、ビンディングをセットしバンドを締めるところまでやって確認すればよかったけど、「アイゼンに靴を載せこの長さくらいで」でやってしまった。)。登山の店で購入したときでさえ、注意が必要だから、もらいもの(安く譲りうけたもの)などは細心の注意でやらねば。

ここでアイゼンを付けたと記憶

 アイゼンを付けて歩くときは「両足の間隔を肩幅程度で、足全体をいつもより5cm以上高く上げるように」、アイゼン歩行に慣れてきたころ、するっとアイゼンが外れてしまいました。直そうとしたところ、もう片方も抜けてしまいました。この時は「締め方が足りなかったかな」程度にしか考えず、まだ大丈夫かと思っていました。ところが、20分ほど歩いて再びするっと抜けてしまいました。さすがに不安になって調べると左のアイゼンの長さ調節に使ったねじが取れていました。歩いているうちに取れてしまったようです。目的地のテン場までは近くまで来ていたので、そこからはアイゼンは外して歩きました。「取れてしまったねじ」は、針金を持ってきたのでそれで固定して対処ということになりました。
15:25 黒百合平(テン場)
 リーダーより「手袋は1枚だと、細かい作業で外したりすると肌が外気に直接触れ良くない、薄い手袋を使い2重にして、細かい作業をするときも外気が直接触れないようにする。」

26日のトラックログ
黒百合平のテン場(赤矢印で示したテントが今回泊ったテント)

 テン場代1000円、小屋のトイレを使えるのですけど、ちょっと高い気がします。黒百合平で10−15パーティーがテントを張っていたでしょうか。こういう小屋の近くの指定されたところでテントを張る場合には竹ペグを持ってきたほうがよさそうです。スズランにしては珍しい、近くに他の人のテントがです。いつもの調子で飲んでいると、20時ころには他のパーティーからの声がせず、「リーダー、うちらだけいつまでも飲んでるわけにはいきません。静かに水を作って早く寝ましょう」です。リーダーより「雪を作るときにすくうカップを持ってくると便利。以降持ってくるように」とのことです。トイレにテントの外へ出ると満天の星空。
 問題のあったアイゼンは、ねじの付いているほうは1円玉を使いねじを調節することができ、先ほどより一つきつくなるよう(バンドを締めたところでちょうど良くなるよう)固定しました。マイナスドライバーがない時でも1円玉で対処できました。ねじを紛失してしまった方は針金で対処しましたが、「針金を持ってくるときはニッパも持ってきたほうがよいのだろうか? 今回は細い針金なのでアイゼンの爪で切ることができたが、そもそもアイゼンの先で切れるようなのだといけないのではないか」次回への課題です。
 内張りのあるテントで、テントマット+エアーマット+シュラフ+ウェアー上下+山用下着上下+防寒着(ライトダウンセーター上)を着て、さらにテントシューズをはき、ネックウォーマー+目出帽をかぶり、登山靴を足の下に引くようにし、ザックを頭の上にしいたのですけど、寒くてしょうがなかったです。26日の16時ころもう気温はマイナス10度だったから、夜中はマイナス20度くらいになっていたのでしょうか。八ヶ岳がこんなに寒いところだとは。うとうとはできましたけど、ほとんど眠れませんでした。4人用テントに、二人というのも理由かもしれません、でも広くてとても快適でした。

12月27日
天気:晴れ
 朝の4時ころ、意を決してトイレに出ると、満天の星空。テントの中はあんなに寒かったのに、外は案外寒くない。

朝はやっぱり絵になる(1)
朝はやっぱり絵になる(2)
黒百合平を出発

7:10 黒百合平出発(置けるものはテントに荷物を置いて空身で出発)
 今度は、出発からアイゼン装着です。昨日針金で処理しておいたから大丈夫と思いきや、出発して直後、するっと外れました。さすがに気を入れてバンドを締めなおすと、(このアイゼンは心の底から締めると効いてくれる、でも少しでも気を緩めると…。そもそも道具に慣れるところからだ)、最初は恐る恐る歩きましたが特に外れることもなく(注:黒百合平に戻るまで)行けました。

雪山と朝日(中山峠手前)

 上の「雪山と朝日」を撮った中山峠から樹林帯は終わり、「視界は良い分、風も強い」稜線歩きとなります。自分の中では風は強いと記憶してますが、リーダーに確認すると「これくらいは普通」とのこと、とりあえず凍傷になりたくないので目出帽をかぶります。雪のない岩稜帯も点々とありました。

東天狗岳(左)と西天狗岳(右)
奥が奥秩父の山々
西天狗岳
 地図で見ると大したことない山なのですが、雪をまとって身近で見るとすごい山に見えます。

8:20 東天狗岳
 最初の予定では「天候と積雪の条件により」硫黄岳まで行く予定でしたが、硫黄岳にはいかず、西天狗岳まで行って元の黒百合平まで戻ることになりました。アイゼンの件などリーダーにご迷惑をおかけしたので「それもそうですね」です。初めてだし、硫黄岳まで行って帰るとだいぶ時間がかかりますから、無理するのはやめておきます。東天狗岳で引き返す人も多いようです。

東天狗岳山頂より
 左から硫黄岳、赤岳、権現岳、阿弥陀岳
左から赤岳、権現岳、阿弥陀岳

8:30 東天狗岳発

西天狗岳へ

 東天狗岳に着いたころから風は収まり、目出帽を取っても大丈夫になりました。東天狗岳に来る人は多いですが、西天狗まで足を延ばす人は1/6くらいのようです。リーダーよりは遅れましたが、西天狗岳への道のりはそれほど難しくないです。
8:55 西天狗岳着(標高2645.8m)

西天狗岳山頂とリーダー
 奥に見えるのは中央アルプス
 リーダーのひじあたりに見えるのが御嶽山
右奥が中央アルプス
硫黄岳、赤岳、権現岳、阿弥陀岳
は先ほどの写真通り
硫黄岳と赤岳の間に(先ほど見えなかった)横岳が見えます
左の一番高い山が蓼科山、それと北八ヶ岳の山々
中央の白い頂が浅間山
東天狗岳
左から北岳、甲斐駒、仙丈(南アルプス)
ピーク写真(自分)
 写真左上の?につきましては、ちゃんと撮れたかどうか確認しない自分にも責任があります。おそらくはレンズの前に手袋が…

 西天狗岳の方が静かで、落ち着いて写真が撮れます。富士山はちょっと見えませんでしたが、それ以外の「位置からすると見えるはずの山」はすべて見えました。リーダーより「休憩で、ザックを下ろす時はピッケルで固定して落とさないようにする」なるほど。
9:10 西天狗岳発
 東天狗岳には行かずにトラバースです。トラバース道は、(先行した人がいましたが)人気がなくてちょっと不安になりましたが落ち着いていけば特に難しいところもなく無事通過です。

北アルプスの山々

10:20 黒百合平着(昼食・滑落停止の概略を近くの斜面で)
 今回購入したわかんの出番がなかったので、踏まれていないところを歩いてみました。わかんを使うのは今回が初めてではないので、とりたてて新しいこともなく、しいて言えばアイゼンの時のように「実は使えなかった」ということがなく、きちんと使えました。滑落停止の概略をしたのですが、すぐ止まってしまってあまり練習にはならなかったです。グリセードもやってみましたが、わかんをつけてでは滑らなかったです。
11:40 黒百合平出発
 先ほどはうまくいったアイゼンですが、出発してすぐ、またおかしくなりました。だましだまし使っていたら、残っていた右のアイゼンまで留めねじのビスが取れていました。外して進めないことはないので、これ以降、アイゼンは外して行きました。1、2回滑ったものの樹林帯の中なので特に問題なく、進めました。渋の湯からの出だしの部分は行きに少し苦労した記憶があり、下りの方が難しくなるので「大丈夫か」不安でしたが、特に問題なく進めました。
13:20 渋の湯着

27日のトラックログ(登り:赤、下り(テントに荷物を置いて:黄、テント装備を持って:緑))

13:40 渋の湯発
 この日は休日なのに高速は平日料金、そのせいか渋滞もなく早々と通過できました。
16:15 荻窪駅着・解散
 解散し、さあ電車にというところで思い出す。車の中にウエアーと登山靴の入ったバッグ忘れた。まだ時間的に早く、なんとかなりそうなのでリーダーの最寄り駅まで取りに行く。
 理由1:最寄り駅に着いたのが18時30分と夜遅くない、20時を過ぎていたらあきらめていた。
 理由2:3日後にゲレンデで講習を受ける予約をしたので、ウェアー(置き忘れたバッグの中に入っていた)は早く手に入れたかった。
無事、リーダーと合流しました。

最後に:12月、1月でしたら雪山(アイゼン、ピッケル、わかん)登山やります。

戻る