小草平ノ沢
2009年8月23日

 何年、前のことでしょうか、沢でトップを行ってみたいと思うようになった。で、一度くらいは全部トップ!! くだらないかもしれないが、やってみないと前に進めない気がする。苦手な所を他の人に譲ったら、自分の実力がわかりません。と思ったもののなかなか機会がなかった、思いきれなかった。東京周辺の沢より「沢登初体験者を連れて行くのに最適(東京付近の沢)」、遡行時間2時間弱、これならトップで行けるかもしれないということで、最近膝に違和感があるK林さんにリハビリ用ということで助言役になっていただき(一人で行くのは怖いので)、行ってきました。やっぱりトップで登るのは、緊張感が全然違いました。トップを全部一人でというのは、やってみて、トップをあまりしてない人が訓練山行として年に1度くらいやることは必要だと思います、ですが普通の山行はトップは交代交替の方が自然だと思います。
 K林さんありがとうございます、下山連絡先になっていただいたF川さん、ありがとうございます。今まで、自分を沢に連れて行っていただいた全ての方にありがとうございます。

L:自分(初の沢リーダーです)、メンバー:K林さん

天気:曇り時々晴れ

今回の山行の概略・トラックログ

7:01 新宿駅発
 途中の相武台前駅で人身事故
 こんな時に人身事故、「いざとなったら、タクシーを使って渋沢駅から表丹沢県民の森まで行ってしまい、歩く時間を節約」することを考えるが(3000円なそうです)、1時間前後で無事復旧、タクシーを使うほど時間的に切迫していないし、メンバーKさんの「タクシーを使うなら…」との意見もあり、当初の予定通りバスで
9:10 渋沢駅着
9:18 渋沢駅発→9:33 大倉(バス停)着
 予定より30分遅れて出発。とりあえず、なんとかなって良かったです。
9:40 大倉出発
 多少膝に違和感があるようでK林さん、遅れて来ます(それともこういう人なのでしょうか)。先に入渓地点に着いて、少しは下見をしたいので、先に行きます。道が細くなっていったときは(それほどでもないのですが)、少し不安になるが地図を見るとこれしかないし、先へ進むと林道にぶつかって道が広くなる。
10:40 二俣着(沢装備に)
 「ここだ」入渓地点到着。入渓するところはわかりずらい沢もありますが、この沢は駐車場の先を左に曲がる所で沢にぶつかり、そこが入渓点です、簡単。沢装備の支度ができた頃、K林さん到着、「膝は大丈夫なのだろうか? ひょっとして引き返すとか」など不安になり「大丈夫ですか」と聞くと、なんて答えたか詳しくは覚えていませんが、とりあえず行けるとのこと。それでは少し先まで下見に行ってこよう。

堰堤まで下見に

 堰堤まで行けそうなので行ってみました。堰堤は沢の左側にしっかりとした道があり、それを使えば難なく行けます。とりあえず一安心。出発点に戻ります。
11:15 二俣発
 さあ、出発。堰堤を無事越えました、その後は勘七ノ沢の支沢を確認して最初の滝5mが来る予定です。「支沢の確認、ペースはこれくらいでいいかな。K林さん来てるな。えーと、歩くのは沢の右側でなくて、左側でいいかな」などと考えながら、進んでいくと、突然、滝が現れました。とても動揺する自分、「なんで滝が来るの。勘七の支沢は。ここはどこ? 別の沢に入ってしまった?」。K林さんに「勘七の支沢は」と恐る恐る聞くと、「ちゃんとあったよ。見落としたの」(別の言い方かもしれませんが)。そうか、見落としてしまったか。そうです、見落としてしまいました。「左から勘七の沢」と意識していれば見落とすことはなかったと思いますが、漠然と見ていた所に、初の沢トップなどの緊張感もあって、頭に叩き込んでいたのですが、見落としました。

11:25
F1:5mの滝

 いつまでも動揺しているわけにもいきません。K林さんから、「練習と思って、ロープを出すよう」言われる。やっぱりトップで登るのは緊張する、登った人の後で登るのは、なんて気分的に楽なのだろう。右側を登る、緊張しつつもなんとか突破。「ビレイ解除」声をかける。次に登ってくるK林さんのために支点をとらなくては、滝上部2m先くらいにフリークライミングの世界だとちょっと頼りないかもしれませんが、沢の世界だと素晴らしい支点がありました。それにセルフビレイをとって、支点にロープを通して、エイト管にセットして、ビレイの準備ができました。「登っていいですよ」声をかけるが、K林さんからロープアップとのこと。そうか、ロープを上げてからビレイなんだ。ロープを引き上げ、K林さんに声をかけ、F1:5mの滝を無事通過。上がってきたK林さんから、セルフビレイをとってからビレイ解除するよう、指摘される。
11:50 3段12m
 次はF2:3段12mですが、なんとF1を上がった目の前にF2:3段12mはありました。これは、滝の左側を行き、それほど難しくなかったですが、やっぱり緊張しました。

12:00
4mの滝だと思います。

 つづく、4mの滝は少し左側を、思ったより濡れました。次のゴルジュ手前の3mの滝は少し左側を登って通過しました。
12:10 3条?3m
 次の東京付近の沢でいう3条?3m、自分では4mの滝は、手前右に巻く場所があります。でも、直登できないこともなさそうなので、滝にとりついてみましたところ、だいぶ濡れそうです。こんな時のために、リストバンドを持って来ました。リストバンドをつければ袖口から水が入ってくるのを防ぐことができます。リストバンドを装着して気合いを入れて

久しぶりのシャワークライミングです 水をかぶってだいぶ動揺 右側に足をおけば何とかなりそう
左側のフットホールドに足が届けば 無事突破

 水をかぶってだいぶ動揺しましたが、右側に足を置き、左側のフットホールドに足が届けばもう簡単です。K林さん、写真どうもありがとうございます。K林さんは無理せず巻きました。巻く方が簡単のようです。久しぶりのシャワークライミングは緊張。シャワークライミングのコツって何かあるのだろうか。
 ある意味、もう少し確認しながら進んでも良かったと思う。次の写真の滝などは遡行図に含まれていないし、どういうふうに登ったかも記録していない。K林さんからは、「全ての滝を遡行図に書かなくていい。2mの滝でも難しかったら(もしくは印象に残ったら)書くべきだし、簡単なら特に書かなくてもいい」と言われる。それはそれで、正しいか。そうなってくると記録者の主観が強い遡行図ができてしまうか。ある意味記録で、客観を求めるときりがないというのも事実だ。これからの課題とします。

12:20
この滝は?
4mCS

12:25 4mCS
 「左壁から登り、落ち口へトラバース」と東京周辺の沢にはありますが、中央石の左側でも登れました。でも、最後がちょっと厄介です。最初に登った人にお助けひもを出してもらえば、中央石の左側でも問題なく登れると思います。
12:35 7mの滝
 3mほど登った右側に支点もあり、練習の意味合いもあり、ロープを出して登りました。その3mほど登ったところの支点のある所まで行くのは、何の問題もなかったと思います。それからさらに滝を水線に沿って上がるのはちょっとホールドがなさそうなので、迷った挙句、無難に滝の水線から外れて右側を行きました。やっぱりトップは緊張しますが、特に問題なく登れました。滝を登りきった先3mくらいに沢にしては立派な支点があります。その支点にこんどはきちんと、セルフビレイをしてから、「ビレイ解除」の合図。ロープを引き上げ、「登っていいです」声をかける。よくよく見ると滝の登りきった所にも支点はきちんとあった。3m先だとスリングをずいぶん伸ばさないと下から登ってくる人が見えない。引っ張りすぎて、途中でもう少し緩めるよう言われる。一つ一つの動作に時間がかかってしまうが、今回は練習の意味もあり、体験できて良かったです。その他、ザイルがキンクしていて硬い、次回までに対処してくるよう言われる。
13:00 滝を上がった所で昼食・休憩
13:20 休憩終了、出発

沢がだいぶ土砂にのみこまれていました。

 7mの滝の上は、沢がだいぶ土砂にのみこまれています。本来ならあるはずのナメ滝も埋まってしまったのでしょうか。ありません。13時30分頃から水が枯れ始めて、登って水流が復活して、また枯れてをしばらくは繰り返しました。

今回、自分のわがままに付き合っていただいたK林さんを撮るのを忘れていました。矢印の所に小さく見えるのがK林さんです。

 ツメの最後の方で、歩いている登山者が見えるようになりました。最後は登山道のように道ができています。無事、登山道まで来ました。藪こぎなく上がれました。途中、沢の中では一人の人にも会いませんでした。鹿2頭には会いました、写真をとるまでもなく逃げられました。
13:42 登山道
 自分の予定では、堀山の小屋を経由して大倉に下りる予定でした。でも、K林さんから「車を置いているわけではないから、大倉に直接下りてしまおう」と言われ、時間はそれほど変わらないと思うのですが、堀山の家を経由すると二俣〜大倉が同じ所を通ることになり、できれば違うルートの方が楽しいかもしれないとも思い、これまできちんと着いてきてくれたK林さんに反対する理由も特になく、堀山の小屋を経由しないルートをとりました。

まだまだ、足りないとこばかりですが、遡行図

 平らな所で沢装備を外そうということで、「ヨシ、ここなら」と思った場所は、登山道下がキジ場になっていて中止。結局、堀山まで。
13:50 掘山(沢装備を外す)着
 K林さんの持ってきたビールで乾杯。とりあえず、一安心。
14:05 掘山出発
14:15 駒止茶屋
 一応、「大倉まで行ってます」とK林さんに声をかけておく。それにしてもストックを持って歩いている人が多い、若い人間でも持っている?
15:00 大倉(バス停)着
 K林さんが本調子でなかったこともありますが、全行程トップで行ってこれました。所々トップというのは何度もありましたたが、全行程は初めて。しかし、今回はトップで行くことで精いっぱいで、あまり写真をとる余裕がなかった。二人なので登るかビレイするかになってしまい、写真を撮れないというのも理由にあります。実は6年前にも行っていた小草平ノ沢、あの時はメンバーとして行くだけで精いっぱいでした、今度は初リーダーで、リーダーの役を務めるので精いっぱいでした。行程的には短いので、「初の沢リーダー山行になかなか良いのでは」と思います(でも、初心者だけで行くのは勧めません)。

今回の山行のトラックログ
 黄:沢登り
 赤:登山道

15:38 大倉バス停発→15:55 渋沢駅着
               16:00 渋沢駅発→17:20 新宿駅着

戻る